マイホームブルーとは?原因や解決策はある?
マイホームブルーとは、新しい生活のスタートや念願の夢の実現といった現実の中で、今後の生活の不安や環境の変化によるストレスを感じてしまい気持ちが落ち込んでしまう状況のことです。マイホームブルーを知らない方も多く、「なんとなくイライラする」や「理由が分からないけれど気持ちが落ち込んでしまっている」という状況の人がいるのではないでしょうか。
これからマイホームを購入する予定の人は、マイホームブルーに陥りたくないですよね。
本記事では、マイホームブルーの原因や対策、予防方法について解説します。せっかくのマイホーム購入で嫌な思いをすることがないよう、ぜひ参考にしてみてください。
マイホームブルーとは新居購入前後の不安定な気分のこと
新しい生活を始める前の心の揺れを理解して受け入れて、ケアすることで新居での生活がより楽しく、円滑に進められます。
マイホームブルーとは、新しく家を購入する前後の時期に感じる心の不安定さのことを指します。新生活のはじまりや環境の一変によるストレスから生じるもので、落ち込んだ気持ちや不安、イライラといった感情に見舞われます。人は新しい環境に適応しようとする中でストレスを感じ、心が揺らぐのは自然なことです。
たとえば、子どもが学校を変えたときや大人が初めて一人暮らしを始めたとき、また結婚を控えた新婚さんも、新生活のスタート時には不安や心配を抱くことが増えます。そして、心の動揺が深刻化すると、自己調整機能が乱れ、睡眠障害や免疫機能が低下し、感染症への抵抗力が弱まるなどの健康を害する可能性がでてきます。
家族間の関係に影響を及ぼした場合、ストレスや緊張感が高まることによって喧嘩やもめごとが増えるといった深刻な問題を引き起こします。
マイホームブルーはなぜ起こる?おもな原因は4つ
住宅や土地の大きなローンを抱える憂鬱さ
予算管理や貯金、返済計画の対策を家族と共に話し合ったうえで、収入と支出を見直し、返済に適した計画を立てることで、経済的な不安を減らすことができます。
住宅や土地の購入は、自分の家があるという安堵感と引き換えに、数千万円のローン返済に向き合う必要があります。たとえば、1000万円以上のお金を長年かけて返済する生活が始まると、先の生活を明確に想像することがむずかしいです。想像できない不安を覚えたことで、恐怖感が増す人も少なくありません。
安心できる家で暮らすことへの期待と住宅ローンの重荷との間で揺れ動く気持ちが大きくなることで、マイホームブルーと言われる状態へとつながるのです。
新居購入や引っ越しなどによる疲労とストレス
購入や引っ越しは体力を使う作業です。日頃以上に休憩と睡眠をとり、あらかじめ余裕をもった予定を立てましょう。作業や予定を分散させつつ無理なく、段階的に進めることでストレスや疲労を減らすことができます。
家探しでは、家族と一緒に数十件の物件を見て回るとなると、気に入った家を見つけるまで長い時間と労力をつかいます。そして、いざ気に入った家を見つけたら、今度は購入の手続きになり、住宅ローンの審査待ちや各種の書類作成などで、思わぬストレスが発生します。
さらに、新居への引っ越しは、荷物の移動だけでなく、新しい住所への住所変更手続きなど、細々とした作業が沢山あり、疲れやストレスが積み重なって気持ちに余裕がなくなっていくのです。
日当たりが悪いなど理想と異なる新居への不満や後悔
住むうえで譲れない条件は優先順位をたてて、条件が通っている家を購入しましょう。しかし、すべての部屋が完璧というわけではない場合もあります。現状を受け入れたうえで、良い面はいかし不満がある部分は、改善策を見つけましょう。
自分たちの理想からかけ離れた形になることで後悔が生まれてしまうと、マイホームブルーにつながります。たとえば、日当たりが悪い家になってしまったときには冬場の暖かな日差しが恋しくなったり、洗濯物がなかなか乾かなかったりと日常生活に影響を与えます。また、自分が理想としていた間取りやデザインと異なる新居に住んでしまった時も同様です。
日当たりの問題に対しては、カーテンやブラインドを調整したり、家具の配置を変える、明るい照明を使用するなどの方法で改善することができます。また、植物や鏡を活用して部屋を明るく見せることも考えられます。
間取りやデザインの場合は、インテリアデザインや配置の工夫によって、新居の雰囲気や間取りの問題を改善できます。家具の配置を変えたり、照明を工夫したり、壁や床の色を変えることで、新居をより自分らしい空間に近づけられます。
近所づきあいなど新生活に対する不安
近所との交流や人間関係の構築は、自発的な行動が大切です。コミュニケーションを深めるためには、住み始めのタイミングで近所に挨拶や簡単な自己紹介をすると良いです。
新しい住まいで生活を始める場合、不安を感じることは自然なことです。特に、風通しからの騒音といった周りの環境の変化や、住み始めたことで気付く問題は敏感に感じとってしまいます。
近所の方とは、挨拶や会話をすることで、お互いに信頼関係を築くことが大切です。騒音などの問題は、事前に物件の調査をおこない、不具合や問題がないか確認しておくことが大切です。窓やドアの調整をおこなったり、カーテンやブラインドを取り入れることによって防音対策にも繋がります。
マイホームブルーから抜け出せない人向けの克服方法5選
住宅ローンの返済計画を無理のないものに調整する
自分たちの収入に合った返済額を決めることが大切です。建築価格の全額を借りるのではなく、最低限の収入を基準にして、ボーナスは頼らずに、余力をもった返済額にしましょう。金額を抑えることで安心感を得られます。
また、将来の支出も見越して、細かな計画を立てることも大切です。子どもの学費や親の介護費用など、予想される出費を把握したうえで返済計画を作ることによって、予期せぬ出費により返済がむずかしくなる危険を避けられます。
支払いが、厳しいと感じたら金融機関に相談をし、返済計画の見直しをおこないましょう。見直しを活用することにより、住宅ローンを無理なく安心して返済することができます。
年収ごとの借り入れ可能金額を紹介します。
年収 | 借り入れ可能額 | 返済期間 |
年収300万円 | 約1500万円以下 | 15年~30年 |
年収400万円 | 約1200~2000万円 | 15年~30年 |
年収500万円 | 約1500~2500万円 | 15年~30年 |
年収600万円 | 約1800~3000万円 | 15年~30年 |
年収700万円 | 約2100~3500万円 | 15年~30年 |
年収800万円 | 約2400~4000万円 | 15年~30年 |
年収900万円 | 約2700~4500万円 | 15年~30年 |
年収1000万円 | 約3000万円~5000万円 | 15年~30年 |
リノベーションで可能な限り不満を改善する
不満に思っている具体的な内容をメモなどに書き出し、改善すべき内容を把握しましょう。予算や時間の制約がある場合は、もっとも使いづらいと不満に思っているところからとりかかることで家の満足度をあげることができます。
部屋の使い勝手やよく利用する通路などの動きを想像しながら、より快適な空間を作りだすことが大切です。
DIYなどが得意な場合、壁紙や塗装を変更することで、部屋の雰囲気を変えることができます。明るい色や落ち着いた色など自分好みの色を選ぶことで、広々とした印象や落ち着く印象など大きく部屋の雰囲気を変更することができます。
フローリングや床材を変更した場合、耐久性の高い素材や暖かみのある素材を選ぶことによって、部屋全体の印象を変えるだけでなく、快適な床面が完成します。
新しい家のよい部分にも目を向けてみる
新しい家には、綺麗で使い心地の良いキッチンや広いバスルーム、明るいリビングなど、住まいの新たな部分に喜びを感じることが数多く見つかります。
家族全員で食卓を囲む時間が増えたり、一緒にお風呂に入る機会が増えたり環境が変わることで、家族の絆を深めるきっかけにもなります。
家の外では、周囲の環境や施設を確認するために出かけるのも良いことです。公園や自然に囲まれていたり、便利な立地条件であったりなどと、今後の生活に楽しみが増えることも多くなります。
近くにのんびり暮らせる自然があることや必要な施設が揃っているなど、目の前にある新しい生活を楽しむ心の余裕をもつことが気分転換の良いきっかけになる場合もあります。
困ったときに相談できるハウスメーカーを見つける
困りごとが発生した場合、話しやすい担当者を見つけておくことはとても大切です。自分たちの意見や要望、不安を伝えることで、解消方法や納得できる提案をしてもらえます。
周りの評価が良くても自分たちが相談しにくい担当者では連絡するのが億劫になり、頼ることができません。他の人の体験や評価を参考にするだけでなく、実際に何社か相談をしに行き、自分たちで感じ取ったうえで信頼できる担当者やハウスメーカーを決めましょう。
信頼性のあるハウスメーカーは、多くの経験と満足のいく成果を持っているはずです。インターネットや口コミサイトなどを活用して、ハウスメーカーの評判を確認したうえで担当者を探すと早く良い方が見つかるかもしれません。
また、複数の相談窓口を活用することで、様々な視点からのアドバイスを聞くことができます。
どうしても不満を解消できない場合は家を売却する
家の売却を考える場合、自分の家がいくらで売れるか知るために、不動産会社に査定を依頼するところから始まります。現在の不動産市場の動向や相場を調査し、地域の需要と供給、近隣の売り物件の価格などを確認することで、だいたいの価格設定ができます。
まずは、いくつかの会社に査定を依頼すると費用の比較ができます。買い取りという方法もありますが、売却額が相場の7割程度しか期待できない場合が多いです。買い取りの良さとしては、売却までが早く、不動産会社が直接買主となるので手間が少ないということがあげられます。
売却で内覧がある場合は、家の中はもちろん、排水溝や庭の手入れも忘れずにおこない、見た目をきれいに保つことが買い手を見つけるために大切です。
マイホームブルーを未然に防ぐ4つの方法
土地や住宅を探す際の優先順位を明確にしておく
家族全員が何を求めているのか、何を優先して土地や住宅を決めるべきなのかを明確にすることが大切です。
たとえば、間取りの広さであったり、リビングの向き、便利な立地、近くに大きな公園があることなど、選択肢は幅広く存在します。特別な要件を満たす家や土地を見つけるのはむずかしいかもしれませんが、各自が希望する条件を明確にしておくことで、条件に近いものを見つけることができ、選択しやすくなります。
家を選ぶ時は、周辺環境も考えることが大切です。普段徒歩で移動するのか、自転車を使ったり車を使うかなど生活習慣においても必要な内容は変わってきます。具体的には、最寄りの駅やスーパーまでの距離、周囲の騒音などを確認し、生活しやすい場所なのか判断する必要があります。
予定地周辺を曜日・時間を変えつつ何度も調査しておく
新しい家を建てる場合、朝、昼、夜、平日、休日といった多角的な視点から確認すると良いです。
各時間帯や曜日で一度だけではなく何度も確認をすることによって、購入する土地の周りの生活環境を総合的に理解することができます。
確認しておくべき内容を紹介します。
騒音や交通量 | 道路や近隣の工場や駅など 車の通行量や騒音は、日中や夜間の時間帯で異なる |
日照や風通し | 建物や樹木の配置を確認し、日照や風通しの状況の把握 日当たりや通風状況が与える影響の予測が可能 |
近隣の施設やサービス | 必要な施設やサービス 近くにスーパーマーケットや学校、公園、医療施設などがあるのか確認 |
交通アクセス | 駅やバス停への距離や、高速道路への近さなど 仕事や買い物への利用手段を確認することで住みやすさの把握が可能 |
近隣の安全性や治安 | 治安や安全性の調査 犯罪率の統計情報や、近隣住民の声を聞き、安全な環境か把握 |
予定する物件の周辺環境を知ることで、引っ越した後の生活で不便を感じることや、想定外のうるささなどの問題が発生することを事前に減らせます。
リアルな生活動線をモデルハウスなどで確認しておく
家を選ぶ場合は、家の外観や内装だけでなく、室内で送る生活を具体的に想像することが大切です。モデルハウスや住宅展示場に行き、日常生活を送る上で頻繁に移動する生活動線を確認しましょう。
たとえば、キッチンからダイニングへの移動が短くて直線的な場合、料理の運びや食事の提供を効率的におこなうことができます。家事においても、洗濯機がある部屋から洗濯物を干す場所への移動が短くて便利な場合、洗濯作業が効率よく進められ日常的な家事のストレスを減らせます。
生活するうえで効率的に動けるかによって、日常生活の利便性や快適性に大きな影響を与えます。動きに無駄がなくなることで、疲労感が減り、ストレスの少ない生活を送ることが可能です。
モデルハウスや住宅展示場では、生活動線を実際に歩いて確認しましょう。仮想の生活を想像しながら、自分が毎日おこなう移動や、各部屋で何をするのかを考えてください。家の間取りや部屋の配置が自分や家族の生活習慣に合っているのか、また各部屋は誰が使いやすいのか、改良が必要な場合など明確に知ることができます。
マイホームの希望について家族全員で話し合っておく
希望は家族一人一人が個別に持っているものですが、家族全員で共有し話し合うことで、各自の希望が叶えられます。結果、家族全員が納得できるマイホームを手に入れることができます。また、話し合いの過程で予想外のアイデアが生まれる場合もあり、より良い家づくりへと繋がることもあります。
たとえば、リビングを広くしたいという母の願い、自転車置き場が欲しいという父の希望、個人的な部屋や空間が欲しいという子どもたちの思いなど各自の要望は数多く存在します。理想のマイホームを形にするには、それぞれの希望や要望をぶつけ合い、優先順位をつけたうえで、互いに譲り合い納得して進めていきます。
また、家は長く住むものなので未来を見据え、家族の将来の変化や必要性を考えて、長期的な視点での話し合いも大切です。成長する子どもや高齢化に伴うバリアフリーの必要性など、将来の生活習慣を考えて計画することもおすすめです。
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