子育てしやすい注文住宅とは?環境や取り入れたい設計などを解説
子どもがいる、または子育ての計画を持っている方が注文住宅を建てる時は、子どものことを考えた環境に住むのが理想的です。今回は、子育てを楽しむゆとりが生まれ、子どもがのびのびと成長できるような注文住宅を建てたい方におすすめの内容を紹介します。
注文住宅で実現する理想の子育て環境とは
Point 子どもの成長に合わせた見守り方ができ、周囲の子育て支援が整っている
子育てしやすい環境は家族も安心感を得られ、生活をより豊かにします。ここでは子どもの成長とともに変化する理想の子育て環境をご紹介します。
小学校に入学する前
子どもが小学校に入学する前は、調理や掃除などの家事をする時もなかなか子どもから目を離せません。
お互いの姿が見えて声かけができるように、同じ空間に居るのが理想的でしょう。親からの視線はもちろんのこと、子ども側も不安になったらすぐに親の顔を見ることができる距離感が大切です。
小学生
遊びや勉強などから様々な刺激を受ける時期です。自由な発想を広げられ、熱中するものを見つけることができたら、打ち込める環境を作ってあげましょう。
子どもが小さい頃はリビングで過ごす時間が長かったかもしれませんが、この時期から子ども部屋を利用する機会が増えます。
中学生~高校生頃
家族とのつながりを感じながらも、プライベートな空間を持たせてあげるのが理想的です。子どもは自分の部室で過ごす時間が自然と増えますが、進学や就職などの悩みが増える時期でもあります。
悩みを抱え込んで孤立しないよう、家族団らんの時間をとる意識を持つことも必要なため、リビングやダイニングに集まりやすい工夫があると良いでしょう。
周囲の環境について
子育てしやすい環境を考えるのならば行政の子育て支援が充実している自治体を選ぶことが重要です。医療費の助成や、預かり保育、子育てサークルなど、自治体により様々なサポートがあります。なかには、子育ての悩みや、いじめ、不登校などの教育相談ができる窓口もあります。また、保育園や幼稚園、小中学校までの距離を考慮するのも重要です。
保育園に入りたい場合は待機児童が少ない地域か、小学校までの通学路は安全か、などを確認しましょう。通学路については、実際に歩いてみて、自動車や自転車の交通量や踏切・信号の有無などを確認してください。
その他、子育て中の家族が利用しやすい商業施設や公園、児童館、病院などが整っているかも確認しましょう。
注文住宅に取り入れたい子育てしやすい設計と機能
Point 家事動線を意識した間取りにし、対面式キッチンやダブルボウル洗面所などを検討する
間取り
忙しい子育てだからこそ、効率の良い家事動線について考えましょう。例えば、洗濯は洗ってから干す、たたむ、しまうまでの動線を意識したり、クローゼットを設置して乾いた洗濯物をハンガーごとしまえるような間取りにするのも良いでしょう。
食事の支度にはキッチンにパントリーを設置して食品や調理道具を取りやすくするのも理想的です。効率良く家事をこなして、時間的にも気持ち的にも余裕を持てるような工夫ができます。
子ども部屋
遊びや勉強に集中できるプライベートな空間を作ってあげましょう。子どもが成長すると共に見守りと自立のバランスを取るのが難しくなることもあります。その場合、リビングを経由しないと子ども部屋に行けない間取りにすると帰宅した子どもの様子をうかがえるようになります。
対面式キッチン
子どもが小さい頃は、少しの時間でも目を離すのが難しいこともあります。対面式キッチンは調理をしながら子どもを見守り、コミュニケーションを取ることができます。また、キッチンの形にも意識するとよいでしょう。たとえば、キッチンの片面が壁につく「ペニンシュラキッチン」にするとベビーゲートを設置しやすい、という利点があります。
ダブルボウル洗面台
家族の人数が多いなら、混雑しやすい朝でもゆったりと身支度ができるダブルボウル洗面台にしておくと便利です。思春期になった子どもと自然に会話を交わす空間にもなりやすいです。
土間
玄関に土間を設け、ベビーカー置き場や遊び場として使うこともできます。掃除も楽にできるため、のびのびと子どもを遊ばせることができ、天候や季節を気にする心配もありません。土間については「土間のある家とは?メリット・デメリット、間取りについて解説」を参考にしてください。
自由な発想を促す工夫
子どもの自由な発想を促す工夫にこだわっても良いでしょう。例えば、砂場や家庭菜園として使える庭を作ったり、コートハウスにして中庭を遊び場にしたり、気兼ねなく楽器を演奏できる防音室を設けたり、などのアイデアがあります。
その他、室内に自由に絵や文字などを書くことができるホワイトボードを壁に貼ることも家族みんなで楽しみながら想像力や遊び心を育めるでしょう。
家族構成やライフステージに合わせた設計
Point 将来を想像しにくいからこそ、様々なケースに備えよう
子どもの成長や独立、子ども夫婦との同居など、家族構成が変わることも考えられます。ライフステージのその時々で快適に過ごせる家づくりが理想です。
子どもが増える時に備えて考えたいこと
子どもが増えることも考えると、子ども部屋は広めにとっておくと安心です。子どもが複数人いる場合、小さい頃は広々とした1つの子ども部屋でも良いですが、成長してくると個人のプライベートな空間を持ちたくなるものです。1つの子ども部屋を分割できるような設計にし、ドアを2ヵ所に付けたり分割しても自然な窓の配置にしたりする工夫が必要です。また、分割しやすいように併せてエアコンやライト、コンセントの位置や数も考えておきましょう。
子どもの独立、二世帯住宅、バリアフリーなど
子どもが独立し、子ども部屋が必要なくなった時のことも考えて、夫婦で使いたい用途に合わせて変更できるようにしておくのも良いでしょう。その他、二世帯住宅になる可能性や、バリアフリーも考慮できるとなお良いです。
二世帯住宅は水回りの増設など大がかりな工事が必要になるため、注文住宅のプラニングの際にあらかじめ二世帯住宅の計画があることをハウスメーカーや工務店に伝えておくと安心です。
また、高齢になっても住み続けることを考えているのならばバリアフリーも考慮したいことです。足腰が弱くなった時に備えて手すりを付けるスペースを確保しておく、車椅子生活になった時に備えて、玄関やトイレ、お風呂、廊下を広めにとっておくことなどが考えられます。
バリアフリー住宅の建て方については「注文住宅を建てる際に考えたいバリアフリーとは?作り方のポイントや注意点などを解説」を参考にしてください。
なお、階段を使って2階に上がることが億劫になることも考えると、平屋やホームエレベーターの設置も考えておくと良いでしょう。
平屋については「平屋をローコストで建てるのは?メリット・デメリットも解説」を、ホームエレベーターについては「ホームエレベーターとは?種類や特徴、費用などを解説」を参考にしてください。
まとめ
子育てしやすい間取りや機能を備えた注文住宅を建て、周囲の環境が良く、子育て支援が整っている自治体を選ぶと、子育てを楽しむゆとりが生まれるでしょう。
子どもが小さい頃は、そのまま一緒に住み続けるか、独立していくか、子ども夫婦と同居することになるか、などと様々なケースに対応できる注文住宅を建てておくと安心です。家族全員で末永く安心に暮らせる家づくりを目指していきましょう。
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