コンサバトリーとは？サンルームとの違いや、メリット・デメリットなどを解説

家づくりを考えていくと、様々な個性を持つ家を見つけるでしょう。そのひとつとして、コンサバトリーのある家があります。コンサバトリーは、見かけることが少ないですが、様々なメリットがある空間です。そこで今回はコンサバトリーについて解説します。

コンサバトリーとは

Point ガラスで囲まれており、日光を浴びながら自然を感じられる空間のこと

コンサバトリーとは、ガラスで囲まれた建造物のことで、日光を浴びながら、自然を感じられる空間になっています。

主にイギリスで18世紀頃から伝統的につくられており、当時はハーブといった植物を育てる温室として使われていました。

その後、建築技術や建材が発達し、住空間としても利用され、屋内と屋外の中間のような位置づけの多目的な空間となりました。

例えば、ガーデニングやパーティースペース、その他にはリビングやダイニングの延長として利用されることもあります。コンサバトリーは、主に3つの種類に分けることができます。

ヴィクトリアン

イギリスのビクトリア王朝の伝統的なスタイルをイメージして名付けられ、正面が5面の多角形の屋根が付いた構造をしています。多角形構造のため、室内が広々としており、天井が高いため開放感があります。

エドワーディアン

イギリスのエドワード王朝時代をイメージした四角形の構造は家具を配置しやすく、空間を広く無駄なく使うことができます。寄せ屋根や四角形の構造が日本の建物にも馴染みやすいため、取り入れやすいでしょう。

リーントゥ

イギリスで最初にコンサバトリーがつくられた時のようなガラスと木材の組み合わせのシンプルな構造です。片流れの屋根が付いているのが一般的で、比較的様々な住宅に取り入れやすい形となっています。

サンルームとの違いとは

Point コンサバトリーは、独立した1室になるほど広い

サンルームは日光を多く取り入れるために、屋根などをガラス張りにしてつくった部屋のことで、コンサバトリーと似ています。

しかし、コンサバトリーは庭に大きく張り出した建物で、それだけで独立した1室になるほどの広さがあることが多くなっています。エアコンを設置して、人が過ごす場所として使うこともあります。

コンサバトリーのメリット

Point 明るく開放的で様々なことができる空間として利用できる

明るく開放的

コンサバトリーは、天井も壁もガラスでできているため、日光を取り入れやすく、明るく開放的な空間になります。また、庭を設けた場合、庭と空の景色を同時に楽しむことができます。心地良い光や風も取り入れ、リラックスできる空間となるでしょう。

多目的に利用できる

コンサバトリーは、室内と室外の中間的な役割を担い、天気の良い時はガーデニングを楽しんだり、家族や友達を招いてパーティーを開いたりすることもできます。

その他、読書やヨガ、絵を描くといった趣味のスペースにする方もいます。床暖房や照明を設置できるため、十分な広さがあると部屋と同様に多目的に使うことができます。

リビングやダイニングなどに直射日光があたりにくい

リビングやダイニングと一体化するようにコンサバトリーをつくると、夏の強い日差しを遮る緩衝材のような役割を担います。

コンサバトリーのデメリット

Point 設置費用が高く、掃除が大変で、暑さと寒さの対策が必要

設置費用が高く、固定資産税の課税対象になる

コンサバトリーの広さや種類によって設置費用は変わってきますが、本格的なものにするのならば100万円単位の費用がかかることも多いようです。また、固定資産税の課税対象になります。

掃除が大変

コンサバトリーを快適に利用するためには、ガラスをきれいな状態に保つ必要があります。ガラス面が多く、高い場所を拭くのは大変で、自分で掃除するのが難しいようであれば、業者に頼む必要があります。

暑さと寒さの対策が必要

ガラスで囲まれたコンサバトリーは、夏は直射日光を受けて室温が上昇し、冬は室内の熱が外に逃げやすく、室温が下がりやすくなってしまいます。そのため、空調設備が効きやすいように、建物の気密性や断熱性などをしっかり考えなければいけません。

高気密・高断熱の住宅については「高気密・高断熱の住宅とは？メリット・デメリットや気を付けたいポイントなどを解説」を参考にしてください。

その他にできる対策としては、庭に面している場合は木を植えて直射日光を遮る方法や屋根に複層ポリカーボネイトを使う方法があります。

また、ガラスを断熱性に優れたペアガラスにし、樹脂サッシなどを採用することや、ガラス部分にカーテンやブラインドなどを設置することなども検討すると良いでしょう。

まとめ

コンサバトリーは、ガラスで囲まれた構造物で、日光を浴びながら自然を感じられる空間です。明るく開放感があるのが特徴的で、ガーデニングや読書など、趣味の場所としても利用できます。

しかし、ガラスで囲まれているため、外気の影響を受けやすく、暑さと寒さの対策が必要となります。高気密・高断熱の住宅にし、ガラスやサッシは断熱性に優れたものにするなどの工夫が必要です。

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