間取りを考える際の鬼門や裏鬼門とは?7つの対策法を徹底解説!


家づくりにおいて、「鬼門」「裏鬼門」などの風水の考え方を重視する方もいるでしょう。しかし、その実態や対策方法については十分に理解されているとは言えません。この記事では、鬼門や裏鬼門の由来からその方角の特定、さらにはこれらに関連する間取りの注意点について解説します。また、風水の観点と現代住宅のバランスについても考察し、実用的な対策法を紹介します。

 

 

間取りの鬼門や裏鬼門とは

風水では、間取りを決める際、家が持つエネルギーを最大限引き出すために、鬼門や裏鬼門の理解が不可欠だとされています。ここでは、鬼門や裏鬼門が家の運気にどのように影響するのかについて、紹介します。

 

鬼門や裏鬼門の由来

日本における「鬼門」は、古来より災厄の象徴とされ、忌まわしい方位として認識されてきました。この概念は、7世紀頃に日本に伝わった風水の影響を受けています。鬼門の方角には、古代中国の話に由来する敵の侵攻や疫病の脅威の伝承があります。中国では、これらの脅威を避けるため、鬼門の方向に万里の長城を建設するなどして、敵や災いを防いできました。

 

日本では、この鬼門の概念が節分の豆まきの風習に影響を与え、病気や災害を鬼に見立てて追い払う習慣が生まれました。このように、鬼門は日本の文化や伝統に深く根付いている象徴的な存在となっています。

 

鬼門や裏鬼門の方角

鬼門と裏鬼門は、日本の風水において重要な方位です。家の中心から見て、鬼門は北東に位置します。北東は伝統的に十二支の「丑寅(うしとら)」と関連付けられています。これは、丑が持つ角と鬼の二本の角のイメージ、またトラ模様が鬼の衣装に見えることから生まれました。北東方向が、不吉な鬼が侵入する方角と見なされているのは、こうした視覚的連想に基づきます。一方、裏鬼門は鬼門の正反対の位置、すなわち南西です。南西は十二支の「未申(ひつじさる)」と関連付けられ、鬼門とは異なる特性を持つと考えられているのです。

 

こうした方位に対する信念は、日本の文化や住環境の設計にも影響を与えており、風水に基づいた家の配置や部屋の使い方に反映されることがあります。鬼門と裏鬼門は、日本の伝統的な信念と文化の一部として、今もなお多くの方にとって重要な意味を持っているのです。

 

鬼門や裏鬼門の位置の調べ方

自宅の風水的な方位や位置を特定する方法はいくつかあります。まず、自宅の中心点を見つけることが重要です。これは、専門の風水占い師に依頼するか、方位を示すアプリを使って自分で行うことができます。自宅を平面図で見た際、張り出しや欠けがある場合、その一辺の3分の1未満であれば無視して四角形として扱いましょう。対角線が交差する点を中心とします。

 

次に、この中心点から真北を基準として方位を確認してください。風水では、15度から75度の範囲が鬼門、195度から255度が裏鬼門とされています。また、風水の流派によっては、22.5度から67.5度までを鬼門とし、裏鬼門の範囲は同じ195度から255度とする方法もあります。風水の解釈は流派によって異なるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。これらの方位の知識を用いて、家の配置や部屋の使い方を考慮することが、良い風水を生むカギとなります。

 

 

鬼門や裏鬼門で気を付けるべき間取りとは?

鬼門とは北東の方角を指し、裏鬼門はその反対である南西を示します。これらの方角には特定の建物の配置や機能を避けた方が良いと考えられています。

 

まず、三備(さんび)と呼ばれる「玄関」「キッチン」「水回り」は、鬼門や裏鬼門の方向に設けるべきではないという考えが一般的です。これらは家の中で重要な役割を果たす部分であり、不適切な位置に配置すると不吉とされています。また、建物の形状に関しても、鬼門や裏鬼門の方向に欠けや張りがあるデザインは避けた方が良いでしょう。空間のバランスを崩し、悪い影響をもたらすと考えられています。

 

鬼門に関連する悪影響には、不動産や財産の問題や親族間の人間関係の悪化、幼児の健康問題や子宝に恵まれないことなどがあります。一方、裏鬼門の悪影響として挙げられるのは、疲労の蓄積や努力が報われないこと、夫婦間のトラブル、妻に災難が及ぶことなどです。

 

ただし、これらの信念は伝統的なものであり、現代の生活環境に必ずしも適用されるわけではありません。鬼門や裏鬼門の方角に水回りやキッチンがあっても、実際に人間関係や健康に悪影響を及ぼすという科学的根拠はありません。このため、多くの方はこれらの方角について「単なる迷信」と考えています。しかし、いくら根拠がないと言われても、多くの方は鬼門の概念に対して何となく恐れを抱いたり、避けたいと思ったりするものです。

 

現代の住宅では、南側を明るく開放的なリビングスペースとする間取りが好まれます。そのため、必然的に北側の鬼門の方角に水回りが配置されることが多くあります。この状況では、伝統的な家相の概念に捉われずに、快適に生活する方法を探ることが重要です。例えば、風水の原理を取り入れることで、不吉とされる方角にも良い気をもたらすことができるかもしれません。また、家相に関する信念は地域や個人によって異なります。一概に、すべての家で同じルールが適用されるわけではないと理解することも大切です。

 

鬼門封じや鬼門除けの6つの対策法

間取りを計画する際、鬼門や裏鬼門の影響を意識する方も多いでしょう。ここでは、鬼門封じや鬼門除けに効果的な6つの対策法を具体的に解説します。これらの簡単かつ効果的な方法を取り入れることで、住まいの運気を整え、より快適で穏やかな生活空間を実現しましょう。

 

部屋を清潔に保つ

鬼門の管理においては、清潔さと整頓がカギです。風水の教えによれば、鬼門にあたる北東の方位は特に注意を要します。北東の方位にある部屋は、日常的に掃除を行い、整理整頓を徹底しましょう。鬼門の場所に物が散乱していると災いを招くとされるため、いつもすっきりとした状態を保つことが重要です。特に、鬼門の動線上にゴミ箱などの不浄を象徴する物を置くことは避けるべきです。

 

これらの工夫によって良い気の流れを確保し、家全体の運気が高まると考えられています。日々の生活の中で鬼門の方位に意識を向け、環境を整えることで、風水の力を最大限に活用できるのです。

 

窓を開けたままにしない

風水における鬼門の位置は、特別な配慮が必要とされる場所です。理想的には、鬼門にあたる北東の方向には、窓やドアではなく、壁が存在することが望ましいとされています。これは、鬼門からの不吉な気の流入を防ぐためです。既に窓やドアが設置されている場合には、常に閉じておくのがおすすめです。和室の場合、窓に障子を取り付けると効果的で、障子は光を和らげるだけではなく、鬼門からの不吉な気の流れを緩和する効果があるとされています。

 

このような工夫により鬼門の影響を最小限に抑え、家全体の運気を保護することが可能となるのです。風水においては、こうした小さな配慮が大きな差を生むとされています。

 

盛り塩で清める

鬼門や裏鬼門に対する効果的な対策の一つとして、盛り塩の使用が挙げられます。この習慣は、相撲取りが土俵に塩をまく行為に似ており、穢れを清める効果があると考えられています。

 

さらに、盛り塩は神様への供え物の意味合いもあり、毎日新しくすることが大切です。市販の盛り塩キットを利用すると、簡単に形を整えられます。特にトイレの隅や洗面所や洗濯機の周辺、キッチン、玄関先など、鬼門や裏鬼門に該当する場所に盛り塩を設置すると良いでしょう。ただし、水が直接かかる場所や、頻繁に通る動線上に置くことは避けることが望ましいです。盛り塩を適切な場所に設置することで、家全体の運気を高めて穢れを払い、安定した環境を保つことが期待できます。

 

トゲがある植物を置く

鬼門除けとして人気のある植物には、特有の特徴や伝統的な意味があります。例えば、トゲのある葉を持つ柊(ヒイラギ)は、その鋭いトゲで魔を避ける効果があるとされ、鬼門対策に適した植物です。「難を転じる」という言葉と音が同じである南天(ナンテン)も、厄払いの象徴として庭木に好まれます。また、一年中緑色を保つ万年青(オモト)は縁起の良い植物とされ、鬼門除けにも使われます。

 

室内では、青年の樹(ユッカ)やアロエ、サボテンなどトゲのある観葉植物が効果的です。これらの植物は、鬼門の悪影響を和らげると考えられています。ただし、植物の健康状態が重要であり、枯れた葉や弱っている植物は逆効果になってしまうため、定期的な手入れが欠かせません。また、植物だけではなく鉢植え周辺の清潔さも保つことで、より良い運気の流れを期待できます。

 

お守りを置く

陰陽道の伝統において、鬼門や裏鬼門からの災難を封じるためにお札を使用する方法があります。現代でもこの慣習は引き継がれており、神社やお寺で鬼門除け専用のお札を入手できます。お札は、鬼門と裏鬼門がある方角、つまり家の北東と南西の方向にそれぞれ一枚ずつ配置するのが望ましいとされています。配置する際は、目線より高い位置にお札を貼ることが重要です。

 

地域によっては、鬼門除けのお札を扱っている寺社が少ない場合もあります。その場合には、オンラインショップを利用すると良いでしょう。インターネット上ではさまざまな種類のお札が販売されており、自宅に合ったものを選べます。お札を利用することで、古代から伝わる災難を避ける知恵を活かすことができます。

 

お祓いをしてもらう

もし自宅の鬼門対策に不安を感じる場合、さらなる対策として神社やお寺での家相の鑑定や相談、お祓いを受ける方法があります。神社やお寺では、専門の知識を持つ神職や僧侶が、家の運気を良くするためのアドバイスや儀式を行っています。鬼門に関わる問題についての専門的な鑑定を受けることで、具体的な対策を講じることができるでしょう。

 

さらに、賃貸ではなく土地や建物を所有している場合には、出雲屋敷地鎮祭をする方法もあります。出雲大社の神土や神札、神棚を用いて土地や建物全体を神屋敷にすることで、鬼門やその他の不吉な方位から守ることができるのです。これらの方法は、伝統と現代の実用性が融合した日本独自の文化として、広く受け入れられています。

 

鬼門や裏鬼門を意識して完璧な間取りにしなくても問題はない

家の間取りを計画する際、鬼門や裏鬼門を重視することもありますが、必ずしもそれが最良の選択とは限りません。実は、風水にこだわらなくても、快適で満足のいく住空間を実現する方法があります。ここでは、風水の原則に固執せず、柔軟な間取り計画を立てることのメリットを探求し、住み心地の良い家を作る方法を紹介します。鬼門や裏鬼門に囚われず、自由で実用的な住空間設計を考えましょう。

 

風水を気にしない方も増えてきている

時代の進展とともに、住宅建築のスタイルや家相風水の概念も進化を遂げています。家の北東(鬼門)に位置するトイレは、邪気が溜まりやすく悪臭を放つため、運気維持のために日々の換気と掃除が不可欠だとされてきました。しかし、現代の技術はこの概念を大きく変えたのです。

 

自動洗浄機能を備えたトイレは、清潔さを保ちやすく臭いの発散も抑えられます。さらに、強力な換気機能も搭載されており、技術の進歩によって、かつての風水上の問題点が解消されています。このように、家づくりの方法と風水の考え方は、より実用的で日々の生活に寄り添った形へと変化しているのです。

 

住み心地が良くなるとは限らない

風水に基づく家相の吉相という考え方は、開運効果をもたらすとされていますが、必ずしも住みやすい家を意味するわけではありません。その理由は、風水の原則を過度に取り入れると、実際の生活動線を考慮しない間取りになりがちだからです。

 

例えば、風水の観点から最適とされる位置に階段を設けると、実際の生活では不便に感じる場合があります。また、風水に基づく部屋の配置によって、ほとんど使用されない空間を生み出すこともあります。そのため、風水の要素を取り入れる際は、生活のしやすさや実用性を無視しないよう注意しましょう。

 

風水の原則は参考になるものの、過剰に取り入れて生活の質が低下してしまうことは避けるべきです。バランスを取りながら、快適な住空間を実現することが重要です。

 

柔軟な対応が必要

生活においては、何事も過剰にならないようバランスを保つことが大切です。例えば、鬼門に水回りが位置している家では、適切な鬼門対策を行うことで問題を解決できます。また、裏鬼門にキッチンがあり日光が入る環境でも、現代では冷蔵庫を使えば良いので食品の腐敗を心配する必要はありません。

 

さらに、家を建てた後でも実施できる風水対策は数多くあります。鬼門や裏鬼門に過度に固執することなく、柔軟に対処することで、悪影響を避けられるのです。このように柔軟に対応していくことで、ストレスを溜めずに穏やかに暮らすことができるでしょう。鬼門に限らず、すべてにおいて適度な対応を心がけることが、心地よい生活を送るカギとなります。

 

まとめ|鬼門や裏鬼門の対策は大事だけど間取りにこだわりすぎる必要はない

住宅の鬼門や裏鬼門への対策は伝統的風水に基づくものですが、現代の住環境では必ずしも必要ではありません。鬼門(北東)と裏鬼門(南西)は運気に影響を与えるとされていますが、部屋の整理整頓や盛り塩、お守りなどの対策法があります。

 

今では風水を重視しない人も多く、住み心地の良さはそれぞれの生活スタイルや好みに依存します。間取りに関しては、鬼門や裏鬼門を参考にしつつも、最終的には自分の快適さを優先することが大切です。柔軟に対応し、自分にとって最適な住空間を選ぶことが重要です。

 

 

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