土地ありで家を建てる流れを徹底解説!5つの注意点とは
土地を持っているけど、家を建てるプロセスはどこから始めれば良いのか、何を注意すべきなのか全くわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、土地所有者専用の家を建てる具体的な流れと、進行中に見落としやすい5つの重要な注意点を徹底解説します。進行中の不安を解消し、夢のマイホームを手に入れるための実用的なアドバイスが満載です。
目次
土地ありで家を建てる流れ
土地をすでに持っていて、これから家を建てるプロジェクトを計画している方は多いでしょう。
しかし、家を建てる流れは初めての方にとっては複雑で戸惑いがちです。ここでは、土地ありで家を建てる際の基本的な流れをわかりやすく解説します。
予算とイメージを検討する
家づくりの予算設定は、自己資金と住宅ローン借入金額の合計からスタートします。
住宅ローンの借入可能額は「住宅ローンシミュレーター」を利用することで、手軽に計算することができます。そこから、自己資金の中から、住宅購入に関連する「諸費用」と新生活スタートに必要な「予備費」を差し引きましょう。
予算明確化の次は、理想の家のイメージを具体的に描く段階へと移ります。ここで重要なのは、どの要素が「譲れない条件」であり、どの要素が「不可欠ではないが、あると嬉しい条件」であるかを明確にすることです。
これらを明確にすることで、建築プロセスの各段階での意思決定がスムーズになり、夢の家づくりに一歩近づくことができます。
施工会社を選定する
施工会社の選定は、これからの生活を形作る重要なステップです。価格帯や実績は重要ですが、それだけではなく担当者のコミュニケーション能力や人柄も大切な要素となります。
良いコミュニケーション能力を持つ担当者は、依頼者の要望を理解し、それを現実の住宅設計に反映させる能力を持っています。また、担当者との信頼関係を築けると、プロジェクトの各段階での不安や疑問に対して、安心感の提供や、適切なアドバイスが得られるでしょう。
施工会社選びのプロセスは、適切な価格帯と実績を考慮しつつ、担当者とのコミュニケーションの質と信頼関係の構築も重視し、総合的に判断していきましょう。
家のプランの打ち合わせを行う
家のプランの打ち合わせを行う段階では、建てたい家のイメージを担当者と共有し、それが現実的な予算内で実現可能かどうかを詳しく検討します。
担当者との対話を通じて、必要な機能やデザインの優先順位を明確にし、予算とのバランスを取りながら適切な選択を行いましょう。
さらに、土地の状態や地域の法令、規制も確認する重要な要素です。例えば、地盤の条件や区画の向き、周囲の環境などは家の設計に影響を与えます。また、地域の建築基準法や条例に従ってプランを調整することも必要となります。
工事請負契約を締結する
プランの詳細や工期、そして予算が明確に決定したら、次は工事請負契約を結び、施工会社に施工を正式に依頼します。この契約は、双方の権利と義務、施工の範囲と条件、そして費用の詳細を明確に記載し、未来のトラブルを防ぐ重要なものとなります。
契約を結んだ後、住宅ローンを利用する場合には、このタイミングで住宅ローンの本審査を受けることが一般的です。本審査は、借り手の信用状態や返済能力を評価し、ローンの条件を最終確定するプロセスです。
審査が無事通過すれば、家の引き渡し時に指定の金融機関から融資が実行され、施工会社への支払いが進行します。この段階を経て、家づくりのプロジェクトは具体的な形として動き始め、夢の家の完成に向けて大きく前進することとなります。
着工する
着工後の工程は、専門知識を持った施工会社が主導し進行するため、施主はこの期間を利用して、引き渡し後の準備を進めるのが理想的です。
例えば、新しい住まいでの生活をスムーズにスタートさせるための家具や家電の選定、引越の準備、住所変更の手続きなどがあります。
一方で、家づくりの重要な節目となる地鎮祭や上棟式は、施主と施工会社との共同で行う伝統的なイベントです。これらのイベントは、家づくりの安全や成功を祈願し、関係者が一堂に会する大切な機会となります。
地鎮祭や上棟式の日程は、着工前に施工会社と十分な打ち合わせを行い、スケジュールに組み込んでおくことが重要です。これにより、施主はこれらのイベントに参加し、家づくりのプロセスをより深く理解し、関係者との連携を図ることができます。
竣工
建物が完成に至った時点で、最初に行われるのは完了検査です。
この検査は、建築基準法などの法令を満たしているか、安全に関わる基本的な条件がクリアされているかを確認する重要なプロセスです。完了検査の合格を受けた後、施主と施工会社の担当者が共に立ち会って竣工検査を実施します。
竣工検査は、施工が事前に合意されたプラン通りに実施されているか、また不具合や破損が無いかを厳密にチェックする段階で、施主は建物の品質と仕上がりに対する納得を得られるでしょう。
竣工検査を通過すると、正式に建物の引き渡しプロセスに移行し、引き渡しの日には、住宅ローンの融資が実行され、残代金の支払いが行われます。登記の手続きもこのタイミングで進行し、施主の名義に建物と土地が登録されることとなります。
土地ありで家を建てる際の費用の相場はいくら?
家を建てる際の費用は、土地の価格や設計費、建築費など多くの要素によって影響を受けます。土地をすでに持っている方でも、家を建てるためにどれくらいの費用がかかるのか正確に把握することは重要です。
ここでは、土地ありで家を建てる際の費用の相場と、コストを抑えるためのいくつかのポイントを紹介します。
注文住宅の全国平均額
土地所有者が家を建築する際の費用の相場は、地域によって多少の違いはあるものの、全国平均は3,717万円です。
土地を新しく買って住宅を建てる場合、土地の購入にかかる資金の割合が多くなります。一方、土地をすでに持っている場合は土地の購入資金が不要なので、家の建築に関して経済的・心理的な負担は比較的軽く済むでしょう。
1000万円台で家を建てることもできる
建築費が1,000万円台で建てられる家は、コストパフォーマンスを重視した「ローコスト住宅」と呼ばれます。こうしたプランを採用すれば、土地をすでに所有している場合は1,000万円台から家を建てることができます。
これらの住宅は、コスト削減のために事前に用意された「規格住宅」の形式を採用していることが多いです。規格住宅は、一定の設計テンプレートに従って建築されるため、間取りやデザインの自由度は限られる傾向がある点には注意が必要です。
個々の要望や好みを反映させる余地は限られ、特別なデザインやカスタマイズを求める場合には、他の建築スタイルや施工会社を検討する必要があります。
一方、コストを抑えつつも品質の確保された住まいを提供することが可能なため「土地は持っているが予算は限られている」という方にとっては魅力的な選択肢となります。
家を安く建てるための6つの方法を紹介
家を建てるコストを抑えることは、多くの家庭にとって大きな関心事です。賢く予算を管理し、コストを削減する方法を知ることで、理想の家をよりリーズナブルな価格で手に入れることができます。
ここでは、家を安く建てるための実用的な6つの方法を紹介します。
シンプルな形状にする
住宅を建築する際、形状の複雑さはコストに大きく影響します。住宅の形状が複雑になると、その建築に必要な資材の量が増加し、さらに角の処理作業も増えるため、住宅価格は高額になります。
複雑な形状の住宅は、非常に個性的で魅力的に見えるかもしれませんが、それがコストアップの要因となることを理解することが重要です。
一方で、住宅価格を抑えるためには、正方形や長方形のようなシンプルな形状を選ぶことが効果的です。シンプルな形状は、資材の量を最小限に抑え、作業の効率を向上させることができます。
特に、凹凸のない平滑な外壁は、資材のロスを減らし、作業の手間を軽減します。さらに、簡素なデザインは建築に関わる多くの工程がシンプルになるため、全体的な建築コストを節約することができるでしょう。
屋根の勾配を低くする
屋根の勾配は、住宅のデザインだけではなく、コストにも大きく影響します。勾配が大きな屋根は、壁面の面積が広くなるため、それに伴って必要な資材の量も増加します。
さらに、屋根材の面積も広がり、それが住宅価格の上昇を招く要因にもなりかねません。このような理由から、天井が高い住宅や吹き抜けのある住宅も、資材の量や作業の手間が増えることにより、住宅価格が高額になりがちです。
住宅価格を抑えるためには、屋根の勾配を低く抑え、天井高も標準的な高さに設定することが効果的です。低い勾配の屋根と標準的な天井高は、資材の節約に繋がり、作業の効率化を図ることができます。
2階建てを検討する
住宅価格を抑えるためには、2階建ての住宅がおすすめです。平屋や3階建て以上の住宅と比較して、2階建ての住宅はコストパフォーマンスに優れています。
平屋は広い土地面積が必要となるため、土地コストも増大します。これは特に都市部で重要な要因となり、予算の大幅な増加の要因となるでしょう。
3階建て以上の住宅においては、木造・鉄筋コンクリート造を問わず、追加の構造計算が必要となり、これがコストアップの要因となります。2階建ての木造住宅ではこの点でもコストを抑えることができます。
壁の量を極力減らす
住宅価格を抑えるための方法として、外壁や内壁の設計に目を向けることが重要です。
外壁面積が広いほど、外壁材の量も増え、それに伴いコストも上昇します。同様に、内壁の数が多いと、内壁材のコストも増えます。
住宅の形状をシンプルに保ち、屋根の勾配や天井高を適切に設定することで、外壁面積を減らすことができるでしょう。また、住宅の部屋数や収納スペースを減らすことで、内壁の数量を減らし、住宅価格を抑えることができます。
部屋数を減らすことは、一見すると使い勝手が悪くなるように感じるかもしれません。
しかし、カーテンやロールスクリーンを使用して間仕切りを作ることで、間取りの自由度を増やし、家族構成やライフステージの変化にも対応しやすくなります。
このような工夫を行うことで、住宅全体の開放感を保ちつつ、コストを抑えることが可能です。
ハウスメーカーの標準仕様を取り入れる
住宅建築をハウスメーカーに依頼する際には、通常、基本となる住宅商品を選びます。
そして、その基本プランをベースに、オーダーメイドの家具や特定の仕様を追加し、オプションプランを選択することで、家族の好みや要望に合ったカスタマイズされた住宅を目指します。しかし、このカスタマイズのプロセスは予算オーバーにつながることが多く、多くの方がこの段階で金銭的なストレスを感じるでしょう。
洗練されたイメージ写真やデザインに惹かれて、実際には必要でないものまで選択してしまう傾向があります。予算内で住宅を建てることを重視する場合には、基本プランをベースに、本当に必要なものに限ってカスタマイズすることをおすすめします。
水回りをできるだけまとめる
住宅を設計する際に、洗面所や浴室、トイレ、キッチンといった水回りを1箇所に集約することは、建築コストの削減に効果的です。
水回りが散在する設計は、設備費用と工事費用が分散され、それにより総コストが高くなりがちです。しかし、これらを1箇所にまとめることで、上下水管などの設備費用と、配管の工事費用を大幅に抑えることができるでしょう。
特に、2階以上にも水回り設備を設ける際には、1階の水回り設備の真上に配置することで、配管の長さを最小限にし、設備費用と工事費用を削減できます。これにより、資材の節約と効率的な工事が可能となり、コスト削減につながります。
ただし、家族構成や生活スタイルによっては、水回りを1箇所に集約することが不便に感じる場合もあるでしょう。そのため、家族やハウスメーカーの担当者と十分に話し合い、費用と利便性のバランスを慎重に検討することが重要です。
土地ありで家を建てる時の5つの注意点
土地ありで家を建てる際には、事前に考慮するべき重要なポイントがあります。計画を進めるうえでのトラブルを避け、スムーズに家づくりを進めるためには、いくつかの注意点を把握しておくことが必要です。
ここでは、土地ありで家を建てる際の5つの注意点を詳しく解説します。
無計画で家を建てる
家づくりは大きなプロジェクトであり、何から始めればいいのかわからないと感じるかもしれませんが、計画を立てずに進めるのはリスクが高いです。
知識が不足していると、専門家の言うことをそのまま信じてしまったり、自分の予算や要望を適切に伝えられず、理想的な提案を受けられなくなる可能性があります。
家づくりのプロセスを開始する前に、まずは情報収集をすることが重要です。インターネットは情報収集のツールとして非常に有用ですが、掲載されている情報がすべて正しいわけではないため、注意が必要です。
情報の正誤を判断するためにも、リサーチをしっかりと行い、多くの情報を比較検討しながら知識を深めましょう。
地盤調査を必ず行う
家を建てる際、重要な考慮事項として挙げられるのは、選んだ土地のせいで災害時に家が倒壊しないか、将来のリスクを確認することです。
家を建てる喜びも、災害が襲った時に家が崩れてしまえば、全てが水の泡となってしまいます。
土地を既に所有している場合、過去に建てられた建物を解体し、新しい家を建てることは一般的です。しかし、時間が経つにつれて地盤は緩む傾向があり、地盤改良が必要になることも考慮する必要があります。
土地の性質に関わらず、建設を進める前に地盤調査を実施することが必要です。地盤調査を通じて、もし地盤改良が必要であることが判明した場合、それは別途の費用が発生することを意味します。
地盤改良のための費用は、家を建てる予算を計画する際にも前もって考慮するポイントとなります。安全と予算のバランスを適切に取りながら、家づくりのプロジェクトを進めることで、安心して新しい生活を始めることができるでしょう。
贈与された土地には税金がかかる
親から土地を贈与される際には、贈与税や相続税が発生する可能性があるため、事前に税法や税率を確認し、必要なら税理士などの専門家に相談することが重要です。
税法は複雑であり、贈与税の計算や相続税の申告は専門的な知識を要します。土地の贈与を受けることは大きな資産の移動を意味するため、税務に関する正確な情報を入手し、予期せぬ税金の負担を避けるために適切な計画を立てることが求められます。
建築会社の選定方法
家づくりを始める際、最初の大切なステップは信頼できる建築会社を選ぶことです。
契約後に営業担当者が話を聞いてくれなかったり、変更のリクエストに対して対応してもらえないといったトラブルは、ストレスの原因となります。こうした問題を避けるためにも、以下のポイントを参考に適切な建築会社を選ぶことが重要です。
まず、営業担当者との初対面での対応は大きな決定要因となります。複数の建築会社に問い合わせを行い、直接担当者との会話を通じて、信頼関係を築けるかどうかを感じ取ることができます。担当者が親しみやすく、質問に対して丁寧に回答するか、また、家づくりに対する情熱を感じることができるかどうかを確認しましょう。
次に、会社の信頼性も大きな要因です。実績が豊富であれば、自分たちのこだわりやコンセプトを実現する可能性が高まります。信頼できる建築会社は家づくりのプロセスをスムーズに進め、期待に応える家を提供してくれるでしょう。
展示会では、実際に建てたい家のモデルを見ることができ、具体的なイメージを持つ助けとなります。展示会を開催している建築会社が提供する技術やデザインが自分たちの期待に合っているかを確認し、質問や懸念を直接担当者に伝える良い機会となるでしょう。
住宅ローンの条件を確認する
家を建てる際には、多くの方が住宅ローンを利用します。住宅ローンは家の購入費用をカバーするために金融機関から借り入れるもので、このローンの選び方は家計に大きな影響を与える重要なポイントです。
まず、どの金利タイプを選ぶかが大きな決定要因となります。固定型は金利が一定で、固定期間選択型は特定の期間だけ金利が固定され、その後は変動型に移行することが可能です。
変動型は金利が定期的に見直されるため、将来的な金利変動のリスクを考慮する必要があります。また、住宅ローンの借り入れには諸経費が伴います。
融資手数料や仲介手数料、そして火災保険や地震保険などの費用は、引き渡し日までに支払わなければなりません。これらの費用は家の建築費用とは別に必要となるもので、事前にしっかりとシミュレーションを行い、全ての支払いを計画的に行えるように準備しておくことが重要です。
まとめ|家づくりで失敗しないために全体の流れを把握しておこう
土地を持って家を建てるプロセスは、明確な計画と適切な選択が求められます。予算と家のイメージを検討するところから竣工までの流れを理解し、進行状況をチェックすることが重要です。
家を建てる際の費用は、1,000万円台でも可能です。コスト削減のためには、シンプルな形状や低い屋根の勾配、2階建ての検討などが挙げられます。さらに、地盤調査の実施、贈与された土地の税金の確認は、土地ありで家を建てる際の重要な注意点となります。
これらのステップと注意点を理解することで、スムーズかつコスト効率の良い家造りが実現できるでしょう。
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