注文住宅は高い？平均予算は？建売と迷ったときの判断基準

理想のマイホームを実現させたいと思ったときに、気になるのは予算です。注文住宅は高いイメージがある方も多いはずです。

注文住宅は一体いくらなのか、建売住宅のほうが費用対効果が高いのか確認しておかないと、購入後に建売住宅を選べばよかったと後悔する恐れがあります。

理想のマイホームを建てたいなら、注文住宅が高くなる理由と建売住宅と迷ったときの判断基準を事前に知っておくべきです。

すでに住宅展示場に行った方も、建売住宅にしようか悩んでいる方も、注文住宅の平均予算や費用を抑えるポイントを確認して、家づくりに役立てましょう。

土地付き注文住宅と建売の全国平均

土地付注文住宅の建設費の全国平均は3,194万円

2022年度のフラット35利用者調査によると、土地付注文住宅の建設費の全国平均は3,194万円です。注文住宅の建設費は、住宅のデザインや仕様、地域の建築基準、材料選び、工事の規模などに影響されます。

たとえば、複雑なデザインや高級な仕様は、建設費を増加させ、地盤の状態や地域の気候条件によって、建設費が変動することがあります。 高品質な材料や特殊な材料を使用する場合、建設費が上昇することも考えられます。

土地付注文住宅の土地取得費は全国平均1,499万円

2022年度のフラット35利用者調査によると、土地付注文住宅の土地取得費は1,499万円です。家を建てたい地域を家族で話し合うことで決めたうえで、地域の土地相場はいくらなのか把握しましょう。

土地取得費は、場所により大幅に変動します。都市部と地方では費用に差があり、どの地域に家を建てるかが、注文住宅の価格を大きく左右します。

土地付注文住宅の平均は建売住宅より974万円高い

土地付注文住宅の建設費の全国平均3,194万円と土地取得費の全国平均1,499万円を合計すると4,693万円です。合計金額の4,693万円から建売住宅の購入価格の全国平均の3,719万円を引くと974万円になり、土地付き注文住宅の平均は建売住宅より974万円高いことがわかります。

注文住宅が高い理由

オーダーメイドで作り上げていくため工期が長く人件費が高くなる

注文住宅は、家主の希望や生活習慣を反映させたつくりになっているため、完全なオーダーメイドで建築されます。各部屋の間取りや使う材料、配置まで細部にわたって自分で決めていくため、形にするために工期は長くなります。工期が長い分、大工さんや職人さんが現場で働く時間も増え人件費が高くなってしまいます。

土地の形状に合わせた設計や施工や複雑な間取りを決定する場合、専門的な技術と高い技術力が必要です。注文住宅では、一軒一軒が特殊な要望に基づいて作られるため、労力や専門性が求められます。

オーダーメイドのため設計費用がかかる

オーダーメイドは、間取りや家具の位置、住宅のデザインなど、建築する家のすべての内容に自分たちの理想を取り入れられるものです。

設計事務所に設計を依頼した場合、総工事費の10％〜15％の費用がかかるといわれており、2,000万円の家を建てる場合、200万円〜300万円の設計費用が必要になります。なお、ハウスメーカーや工務店に依頼した場合は総工事費の2％～5％程です。

外壁や設備といった建築資材が選べるため個別注文になり高くなる

注文住宅は、好みや必要性に合わせた家を個別に作るため、建築資材も一括仕入れではなく、一つ一つが個別に発注されることが多いです。建売住宅の場合、同じ資材でも大量に仕入れれば単価を下げていますが、注文住宅は、個別の注文のため費用が高くなってしまいます。

注文住宅と比べて建売住宅が安い理由

プランを規格化して人件費と工期を短縮している

建売住宅は、プランや設計が規格化されているため比較的安く建築することができます。何度も似ている家をつくることによって、ミスや修正が減り作業効率が良くなります。

大量生産・大量仕入れ建築資材を抑えている

建売住宅では、多くの家を作るため、建築資材や設備を一度に大量購入することによって、1つ1つの部材価格を安くしています。自社で生産できる部材は限られていますが、木材加工したり、壁パネルやドアや窓のフレームを自社で生産することで、費用を下げた家づくりができる工夫をしています。

外壁や仕様のグレードを落としている

品質が低いものを取り入れた場合、家の長期的な快適さや維持管理の費用に影響を及ぼすこともあるため、低価格だからといって決定せず、長期的な視点で見て考えることが大切です。

建売住宅では、外壁や壁、床などの仕上げ材料を価格の安いものに変更することで、費用を減らすことができます。たとえば、フローリング材の種類や壁の塗装仕様をシンプルなものにしたり、高価な材料を使用せず、費用のかかる加工や施工を減らすことがあります。

しかし、安すぎるものを使用すると建物の劣化が早まり、時間が経って外壁が汚れ始めたり、外壁塗装のやり直しが必要になることがあります。また、外装や内装のグレードを抑えることで、一部の資材の品質が低くなることがあります。

注文住宅と建売住宅はどっちがいい？6つの判断基準

すでに家を建てる土地を持っているなら注文住宅

すでに土地を持っている方は、土地の費用がかからないことで多額の費用を減らすことができるため、建てる家の外装や内装にこだわることができます。

所有している土地に基づいて、自分自身で設計内容を決められるので、家族の生活や価値観に合った自分ならではの住まいを実現できます。たとえば、各家族がのんびりできる空間を重視した間取りや趣味の部屋を設けることもできます。

工法や内観・外観・間取りにこだわりたいなら注文住宅

自分だけの特別な空間を求めるなら注文住宅がおすすめです。注文住宅の場合、工法や内観・外観・間取りについて、納得のいくまで建築士やハウスメーカーの担当者と話し合いながら進めることができます。

たとえば、自然の風を取り入れる大きな窓を設けたい、開放感のある吹き抜けのリビングにしたいなど、希望を具現化した家が作れます。また、洋風の家にしたい、和らぎを感じられる和風の家にしたいといった外観デザインにも挑戦できます。

凝ったものにすると、時間と手間がかかり、予算も増すことがあるので打ち合わせを重ねるうえで費用や管理方法などを確認することも大切です。

二世帯住宅といった個性的な間取りの家がほしいなら注文住宅

二世帯住宅を望んでいる場合は、注文住宅がおすすめです。注文住宅で家を建てた場合、室内の広さや部屋の数、ドアノブの種類まで自由に選ぶことができます。二世帯の場合、特に、共有空間の数や広さ、収納空間の数など要望が増える傾向にあります。

たとえば、別々の玄関やキッチン、バスルームを設けるのか、間取りや共用空間など、こだわりを取り入れられる内容は数多くあり、個人がのんびりできる空間を尊重しながら快適に生活できる家を目指す必要があります。

建築中に不具合がないかチェックしながら家を建てたいなら注文住宅

安心と信頼を手に入れるために自分の家づくりに深く関わりたい、工事中の品質を自分で確かめたい方は、注文住宅がおすすめです。注文住宅は、建造物の工事に不具合や問題がないか自分自身の目で確認できます。

今後長く住む家は地震や台風など、自然災害から家族を守り、安全な生活を送ることが大切です。

将来的にリフォームする可能性があるなら注文住宅

建売住宅では、後からの変更がむずかしいので、将来のリフォームを考える場合は注文住宅がおすすめです。注文住宅は、最初から最高品質にする必要がなく、初めは必要最低限の設備で家を建て、後からリフォームして好きなものに変えることができます。

たとえば、安全に関わる部分には初めから費用をかけて設計し、壁紙やお風呂、キッチン設備などは安い費用で建築し、後で自分の好みに合わせてグレードアップすることができます。

ローンの申し込みに手間とコストをかけたくないなら建売住宅

建売住宅の場合、ローン審査時に物件の価格が確定しているため、借り入れ額や返済計画を確定しやすく、ローン審査の過程が効率良く進みます。そして、不動産開発業者や建設会社が提供する建売住宅は、プロの設計と施工に基づいて建てられており、信頼性が貸金機関や金融機関の審査において評価されることもあります。

建売住宅は既に建築された家を買うので、土地を探す工程や家を建てるときに間取りや素材などを指定する手間が省けます。建築期間が伸びることもないため、購入後の引っ越しや入居までの期間を短縮することもでき、急いで住宅を確保したい場合や、諸事情で早く住み始めたい場合にも適しています。

コストを重視しているなら建売住宅

価格の安さを重視するなら、建売住宅がおすすめです。建売住宅は、複数の家を同時に建て、同じ材料を大量購入することや一緒に工事を進めることで、価格を抑えることができます。

また、土地と建物がセットで売られているため、注文住宅と違い土地を購入する必要もないため土地の費用を考える手間を省くことができます。

建築会社との打ち合わせをなくして早く入居したいなら建売住宅

建売住宅は、自由な間取りやデザインにこだわる時間や手間がかからず、既に完成した家の中から選んで購入します。待ち時間が短いのが魅力で、最短約1ヶ月で入居することができます。

複数ある住宅を、家を自分の目で直接見ることができ、理想に近い外観や内装、間取りの家を見つけやすくなっています。自分で見て外壁や内壁に触れることによって壁の質感や言葉だけでは想像しにくいことも体感することができ、今後も生活を考えやすいのも良さの1つです。

注文住宅の予算を抑えるコツ

工務店やローコストメーカーで建てる

工務店やローコストメーカーは、お金をかけずに家を建てたい方におすすめです。特に、工務店は、地域に密着した情報や知識を持っているため、建築のときにためになる提案や助言を受けることができます。

ローコストメーカーは、低価格で工事をおこなうことを売りにしているため、建築費用を抑えて建てる家や設備の内容を熟知しています。

複数の業者に見積もりを依頼する

見積もりは手間と時間がかかる作業です。正確に比較するために、条件を揃え、契約を急かさずに時間をかけて慎重におこないましょう。各業者ごとに、異なった特徴や得意な分野があるため、同じ条件でも提案内容や見積もりの総額が異なります。

各業者の提案内容を見積りをくらべることで、自分の理想に近い業者がどこか、一番お得な業者がどこかが明らかになります。

規格住宅やセミオーダーの注文住宅を建てる

規格住宅やセミオーダー住宅を選ぶと、自由度は少し下がりますが、多少の個性を出すことはできます。特に、セミオーダーの注文住宅は、既存のプランを選びながら一部だけこだわりを入れることができるので、予算と希望を両立できる可能性があります。