新築一戸建てを建てるのにかかる費用相場はいくら?価格の内訳は?


新築一戸建てを購入する場合、予算を決める必要があり、予算をより正確に決めるには、新築一戸建て購入にかかる金額の相場を把握する必要があります。

 

本記事では、新築一戸建てを建てるのにかかる費用相場を地域別、家の種類別、家の広さと建材別に解説します。また、一戸建ての購入にかかる費用の内訳と割合、予算を上げることで追加できるオプションや設備についても説明するので、ぜひマイホーム購入の予算決めに役立ててみてください。(情報はすべて2023年8月時点の内容です。)

 

新築一戸建てを建てるのにかかる平均金額をケースごとに紹介

 

地域による違い

全国平均:3,569.7万円

2021年度フラット35利用者調査によると、全国平均の新築一戸建ての建築費用は3,569.7万円となっています。都会や郊外など、地域によっては平均価格は変動するため自分が家を建てたいと考えている地域の費用を把握する必要があります。

 

全国的に土地が安いのは、地方都市や郊外地域、田舎や農村地域、 一部の地方都市圏が比較的安い傾向にあります。

 

参照:2021年度 フラット35利用者調査

 

首都圏:3,896万円

住宅の建設費は、首都圏が全国平均より300万円ほど高い傾向があり、新築一戸建てを建てるためには、最低でも3,500万円以上となります。

 

首都圏には東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県などの周辺地域が含まれます。首都圏では、全国平均を上回る費用が必要で、土地価格の高さや建設費用の多さが関与しています。

 

また、地域により土地価格も大きく異なり、中心部では購入費用が1億円以上になることもありますが、郊外では半額以下で購入できることもあります。

 

近畿圏:3,775.7万円

近畿圏で、土地の購入費や建築費を含め一戸建てに必要な費用は、平均3,775万円です。土地価格は、全体費用の約3〜4割を占めるため、近畿圏で一戸建てを建てる場合、土地の購入予算として約1,132〜1,502万円必要です。

 

残りの費用内容には、家の大きさや間取り、使用する素材や設備によって変動する建築費用が含まれます。近畿圏は、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県などが含まれます。

 

東海圏:3,650.4万円

東海圏で土地代や建物費用、設計費などを含め一戸建てを建てる場合、約3,650.4万円かかり、愛知県は、比較的土地の費用が高い傾向にあります。他の都市圏にくらべ建築費用を抑えることができる地域もありますが、都市部や人気地域では費用が上昇する傾向があり、費用の差が大きいのが伺えます。

 

東海圏には、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県などが含まれます。

 

その他の地域:3,368.7万円

平均して約3,368.7万円という金額は、都心部とくらべると低い傾向にあります。土地の価格は郊外になるほど安くなり、建築材料の価格や労力費も安く抑えることができます。

 

また、地域によっては建築に対する制度や補助金があり、活用することで費用を節約しながら納得のいく家づくりができます。都心部ほどの利便性を求めず、自然環境やのんびりとした生活を求める方にとっては魅力的な選択です。

 

 

家の種類による違い

建売住宅:3,605万円

2021年度の建売住宅購入者の所要資金は3,605万円です。所要資金には、物件の価格だけでなく、他の費用も含まれています。たとえば、家を建てるときにかかる諸経費や、住宅ローンの契約時に発生する手数料などが含まれます。諸経費は、物件価格の5%〜10%程度です。

 

注文住宅:3,572万円

2021年度の注文住宅購入者の所要資金は3,572万円です。注文住宅は、希望や要望に合わせて設計、建築ができる住宅です。建売住宅とは異なり、一からデザインや組み合わせを考えるため、こだわりによって建築費用には差がでます。

 

土地付注文住宅:4,455万円

2021年度の土地付注文住宅購入者の所要資金は4,455万円です。平均は、4,455万円ですが、大都市圏では金額を上回ることが多く、郊外や地方都市では、低めの予算でも十分な広さと機能を備えた家を建てることができます。

 

家の広さと建材による違い

木造の家の面積別費用

国税庁の令和4年分の地域別・構造別の工事費用表によると木造の広さ別の工事費は以下になります。

 

100平方メートル:1,730万円
150平方メートル:2,595万円
200平方メートル:3,460万円

 

鉄骨造の家の面積別費用

国税庁の令和4年分の地域別・構造別の工事費用表によると鉄骨造で100平方メートルの家の工事費用の平均は2,560万円です。鉄骨造の家は、鉄骨や鋼骨などの金属材料を主要な構造材として使用して建てられる住宅です。選ぶ建材や設備によって、費用が上がることもあります。
鉄骨造の家の広さ別の工事費は以下になります。

 

100平方メートル:2,560万円
150平方メートル:3,840万円
200平方メートル:5,120万円

 

鉄筋コンクリート造の家の面積別費用

鉄筋コンクリート造で100平方メートルの家の工事費用の平均は2,650万円です。鉄筋コンクリートの家は、柱などの住宅の骨組みを鉄筋で組み上げ、周りを型枠で囲み、中にコンクリートを流し込んで固める工法です。強固で地震に強く、耐久性が高いため長い間安心して暮らせます。
鉄筋コンクリート造の家の広さ別の工事費は以下になります。

 

100平方メートル:2,650万円
150平方メートル:3,975万円
200平方メートル:5,300万円

 

鉄骨鉄筋コンクリート造の家の面積別費用

鉄骨鉄筋コンクリート造で100平方メートルの家の工事費用の平均は2,840万円です。鉄骨鉄筋コンクリート造とは、鉄骨構造と鉄筋コンクリート構造を組み合わせた建築構造です。

 

鉄骨鉄筋コンクリート造の家は、耐震性が強く地震や台風などが起こっても安心です。また、 鉄骨とコンクリートの両方の特性を活かし、建物のデザインや間取りに柔軟性を持たせることができるため、多彩な形状や構造を実現できます。鉄骨は火災に弱い性質があるため、耐火性が向上し、火災時の安全性が確保できます。
鉄骨鉄筋コンクリート造の家の広さ別の工事費は以下になります。

 

100平方メートル:2,840万円
150平方メートル:4,260万円
200平方メートル:5,680万円

 

新築一戸建ての購入にかかる費用の内訳と割合

土地購入費:全体の約30~40%

物件の価格や立地などによって変動しますが、家づくりの総資金の30~40%と大きな割合を占めるのが土地購入費です。土地の価格は地域や立地条件、面積や形状、接道条件などによって変わるため、土地を探す場合は予算だけでなく、条件も把握したうえで選ぶ必要があります。

 

土地は、公共交通機関や主要な道路へのアクセスが良く、買い物や医療施設などの生活に必要な施設が近いことや、土地の形状や広さ、日照を確保でき風通しの良い場所、将来的な発展性やインフラ整備が予定されているかなど様々な特色があります。優先順位をつけ、何を求めているかを明確にしたうえで探すとより良い土地を早く見つけることができます。

 

建物本体の建築費:全体の約70~80%

建物本体の建築費の目安は家づくりにかかる全建築費用の約70~80%です。建物本体の建築費とは、基礎工事や枠組みの工事から、屋根や外壁、窓やドアの取り付け工事、電線や水道管の工事まで幅広い作業を含んでいます。

 

外構工事費などの別途工事費:建築費の約15~30%

外構工事費の目安は家づくりにかかる建築費用の約15~30%です。外構工事とは、家の外回りの工事のことです。たとえば、庭や敷地内の道、駐車場、塀などが含まれます。外観の美しさを保つだけでなく、生活の利便性を高めるためにも大切です。

 

税金や仲介手数料などの諸費用:建築費の約5~10%

税金や仲介手数料などの諸費用の目安は家づくりにかかる建築費用の約5~10%です。新築一戸建てを購入するとき、物件価格以外にも諸費用や、土地建物の価格に対して都道府県や市区町村に税金を支払わなければいけません。

 

不動産会社を通じて物件を購入する場合、仲介手数料も把握しておく必要があります。

 

新築一戸建ての購入費用の予算を上げることで変更できる工法や設備

木造から鉄構造への工法の変更

一戸建ての新築において、木造から鉄骨造への変更は高額な費用が必要ですが、長期間使用する視点でみると安心感は大きく異なります。鉄骨造の家は木造とくらべて耐火性や耐震性に優れています。

 

地震の揺れを吸収するための設計ができるため、万一の大地震のときでも家族の安心と安全を守ることができます。建築工程も工場で大部分を製造し、現場で組み立てるため効率的で、品質も安定しています。

 

システムキッチンなどの日常生活に便利な設備の導入

キッチンの素敵な機能性に惹かれ、無計画に高額なオプションを追加して予算を超えてしまうのは注意です。各オプションのメリット、デメリットを理解し、自分の暮らしに必要なのか考えたうえで、予算と目的に合わせて選びましょう。

 

システムキッチンは、普段の生活を便利にする装備の一つとして、注目されています。たとえば、調理台、シンク、コンロなどが一体化した設計や、食器洗い機のような最新の設備を配置することもできます。

 

また、システムキッチンの選定時には、実物を見て触って確認することが必要です。たとえばショールームに出向き、実際にシステムキッチンを使用する想像をすることで、より具体的に選ぶことができます。

 

リモートロックなどの防犯設備の導入

侵入を未然に防ぐためとしてリモートロックや防犯カメラはおすすめです。たとえば、何か問題が起こったとき、防犯カメラを取り付けていれば相手の顔を把握し、警察に情報提供できます。

 

また、留守中に窓を開けたままにしてしまったときも、リモートロックで遠隔操作でき、危険を未然に防ぐことができます。

 

 

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