注文住宅を契約後に予算オーバーしてしまった!その原因と削減方法
マイホームを建ててもらう工務店やハウスメーカーと契約後も家づくりの打ち合わせは続きます。打ち合わせを進めていき、着工前の最終金額を提示してもらうと契約時よりも予算オーバーしていることがよくあります。
予算オーバーのまま家を建てる人もいますが、なぜ契約後に予算オーバーが生じてしまうのでしょうか。ここでは、契約後に予算オーバーした原因と予算オーバーしないために削減できるポイントについて解説しています。
目次
注文住宅の契約後に予算オーバーが生じる原因
契約前の打ち合わせで間取りや仕様が確定していないから
具体的な間取り・仕様・設備を決めずに家づくりを始めてしまうと、想定していた予算を超えてしまうことがあります。主な原因の一つは「契約前の打ち合わせで間取りや仕様が確定していなかった」などが挙げられます。
契約前の打ち合わせでは、家の間取りや設備の仕様など、詳細な計画を決めておくことが大切です。逆に言えば、家の間取りや設備の仕様など、詳細な計画が不確定なまま契約を進めてしまうと、後から細部を詰めていくうちに思わぬ出費が発生してしまい、予算オーバーにつながるのです。
営業マンに急かされて契約してしまったから
信頼できる営業マンと出会い、事前準備と自分なりの確固たる判断基準を作ることが大切です。なぜなら契約を急かされたりしてしまうと内容をよく確認しないまま契約してしまう恐れがあるからです。
こだわりたい部分の優先順位をつけずに打ち合わせを進めたから
家族全員が求める暮らし方や不満点を話し合い、必要な要素と必要でない要素を選別することで、無駄な予算を使わずに賢く家づくりを進めましょう。注文住宅を建てるとき、一つ一つの希望やこだわりを実現してしまうと予算がかさんでしまい、予算オーバーになることがあります。
原因としては、優先順位を決めずに打ち合わせを進めることが挙げられます。たとえば、キッチンの広さを最優先し、子ども部屋の広さを削る、ウォークインクローゼットが最優先で、お風呂はシンプルなものでよいという具体的な優先順位を設定してから打ち合わせをおこなうことが大切です。
SNSなどを参考にして魅力的な設備やインテリアにして費用が上がったから
自分たちの好みに合わせて家を建てたいと思うのは当然のことですが、予算内に収まるような計画を立てることが大切です。SNSは家づくりの参考になる一方で、想像以上の魅力に引き込まれてしまうことがあります。
特に、SNSではおしゃれなインテリアなどの情報が多く掲載されているので、見ていると魅力的に感じてしまいます。好みのものを沢山取り入れた結果、気付けば予定していた予算を超えてしまっていたということがあります。
注文住宅でかかる総費用を把握しきれていないから
早めに住宅ローンの事前審査を受けて借り入れできる金額を把握して資金計画を立てることが大切です。注文住宅は多くの費用が発生しますが、すべての費用の詳細を理解しきれていないことが予算オーバーの一因です。
具体的には、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」、さらに土地の準備が必要な場合は「土地代金」の4つの費用が発生します。すべての費用を考えずに、本体工事費のみで予算を計画すると、他の3つの費用が後から加わって予算オーバーになりやすくなります。また、住宅ローンの借り入れできる金額が予想より低かった場合も同様に予算が足りなくなることがあります。
注文住宅の契約後に予算オーバーした費用を削減する方法
建物を小さくして凹凸を減らす
注文住宅の契約後に予算がオーバーした場合、建物の大きさや形状を見直すことで費用を削減できます。具体的には、まず建物の面積をできるだけ小さくしてみましょう。面積が大きな家ほど建築費用も増えますので、無理に大きな家を建てる必要はありません。
次に、建物の形状を「四角形」に近づけたり、凹凸を減らす工夫をすると良いです。たとえば、出窓を減らす、1階と2階の面積や形状を同じにすることが考えられます。
家の面積を小さくし、家を建てやすい形状に工夫することにより、建物に必要な材料の数が減り、基礎や柱などの構造部分や屋根の工事が最小限で済み、建築費用を大幅に削減することができます。
設備のグレードを下げる
水回り設備のオプションを見直す
最新機能のキッチンや浴槽などは高価ですが、本当にすべての機能が必要なのかを再度考えて、オプションは見直しましょう。また、予定していた設備の位置を調整することでも費用の削減が見込めます。たとえば、浴室やキッチン、トイレといった水回りを一箇所にまとめることで、配管工事の範囲を狭くすることができます。
太陽光発電システムを導入するか慎重に考える
太陽光発電システムの導入は、電力を自分の家で作り出せるという大きな魅力があります。また、電力が余った場合、電力会社へ売ることができます。電力料金の節約や売電による所得を見込むことはできますが、注文住宅の建設費用を抑えたいと思っているのであれば、太陽光発電システムを取り入れるか慎重に検討することをおすすめします。
太陽光発電システムのパネル部分は20~30年、パワーコンディショナー(電力を変換する装置)は10~15年という耐用年数があります。耐用年数と点検・修理費も考えて太陽光発電システムを導入するか慎重に考えましょう。
外構工事を節約する
外構工事で予算を超えることはありがちな現象です。一方で、節約する方法もあります。まず、あらかじめ工事の範囲を狭くしておきましょう。一部の材料を自分で用意し、DIYするというのも、予算を抑える良い方法です。
また、門や塀を設置せず、開放的な外構にすることで、大幅な費用削減ができます。同じ材料を使ってシンプルな外構を目指すと、材料費や労務費を節約することができます。ただし、一切外構工事をおこなわない選択はおすすめしません。
照明やエアコンなどを施主支給できるかハウスメーカーに確認する
家を建てるときに、エアコンや照明などの家電をハウスメーカーではなく自分たちで用意する「施主支給」が予算削減の手段の1つとなることがあります。たとえば、家電量販店などでまとめ買いをすることで、値引きやポイントの特典を受けられたり、自分たちの気に入った商品を選ぶことができます。
しかし、設置を家電量販店などに依頼すると繁忙期には予定が取りにくいことがあります。商品の在庫がない場合には注文してから到着までが長くなることもあるので、余裕を持って購入、設置の手配をおこないましょう。
火災保険・登記費用・引っ越しは自分で探して相見積もりで安く済ませる
火災保険はいくつもプランがあるので自分の住宅に必要な補償範囲を考えて選ぶことが大切です。また、複数の保険会社から見積もりを取ることで比較ができるようになり、自分にあったプランを見つけることができます。
登記費用は、司法書士に頼まず自分で手続きをおこなうことで大幅に節約ができます。引越しについても業者によって料金が異なるので複数の業者から見積もりを取り、最も安い業者を選びましょう。
住宅ローンの金融機関を見直して低金利の会社を選び直す
注文住宅の契約後に予算オーバーをした場合、住宅ローンを見直すことで費用を削減できることもあります。しかし、ローンの再審査が必要となり、手続きが煩雑になることを覚悟しましょう。
特に、年収が下がった場合や転職直後だと、以前と同じ金額の借り入れが難しくなる可能性があります。また、他社からの借り入れが増えていると返済能力が下がったと判断され審査に落ちることもあります。
本審査が通らなかったときには再審査を受けることになります。再審査は時間がかかるため、建設の進行を遅らせてしまう可能性があります。
借り入れられる金額が減らないようにするためにも、住宅ローンの審査には十分時間をかけて検討することが大切です。ローンの再審査に時間がかかると着工が遅れることを念頭に置いて住宅づくりの計画を立てましょう。
予算オーバーしないために注文住宅の契約前にしておくこと
契約予定のメーカーには予算を少なめに伝える
始めから少なめに予算を伝えておくことで、想定よりも予算が高くなったときに焦らなくて済みます。
こだわりたいポイントは事前に優先順位をつける
注文住宅の契約前にこだわりたいポイントは事前に優先順位をつけることで予算オーバーの対策をしましょう。
リビングの開放感を大切にしたい、キッチンやお風呂の設備にこだわりたい、間取りを自由に設計したい等、家族全員が抱く理想の住まいは違います。しかし、すべての要望を同時に満たすことは予算的な制約からむずかしいのが現実です。
ファイナンシャルプランナーに相談して予算を決める
住宅の専門知識を持つファイナンシャルプランナーなどに相談することで、予算内で理想の家づくりを実現するための具体的なアドバイスをもらえます。
土地探しのエリアは広範囲でおこなって安い土地を探す
住みたいエリアを見直すだけで予算オーバーを防止できることがあります。土地を探すとき、通勤や学区、または生活環境などから想定するエリアが狭まりがちですが、高額な土地を選びがちになり、予算オーバーする可能性があります。
たとえば、都心から少し離れた郊外を視野に入れると、安く土地を手に入れることができます。また、土地の形状にこだわり過ぎず、多少不便でも許容できる範囲で考えることも一つの方法です。
注文住宅の契約後に予算オーバーしても削らない方が良いポイント
外壁・屋根・断熱材と窓は性能の良いものを選ぶ
性能を下げると住み始めてからの点検・修理費用が高くなる可能性がある
建物の材料の品質を下げると、結果的に、住み始めてからの点検・修理費用が思わぬところで膨らんでしまう可能性があります。たとえば、外壁材や屋根材を安いものにすると、早い段階で塗り替えなどが必要になる場合があります。
また、窓ガラスを薄いものにすると、冬は寒さ対策で暖房を使わなければならないため、電気代が高くなります。
住み始めてからの冷暖房費用などのランニングコストが高くなる可能性もある
断熱性も重要ということを心に留めておいてください。注文住宅を建てた後、生活が始まると意外と気になるのが冷暖房費用です。
特に夏や冬は、快適な室温で生活をするために、エアコンを使う機会が多くなります。外壁や窓、断熱材をよいものにしておけば、夏は涼しく冬は暖かい家が完成し、結果的にエアコンを使う機会も減り、経済的にも負担が減ります。
もちろん、建築の際に費用はかかりますが、長い目で見れば、将来の節約に繋がります。
安心して住むためにセキュリティ設備をつける
家を建てる地域の特徴を調べて、必要な安全機能を取り付けましょう。たとえば人目が多い場所に住む場合、防犯ガラスの窓や防犯カメラを設置するなどの防犯対策が大切です。訪問者が分かるカメラ付きのインターフォンも安心感を与えてくれます。
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