注文住宅の新築時に防音室を作りたい!費用相場とおすすめハウスメーカー3選


「賃貸暮らしだから、趣味の映画鑑賞を大音量で楽しめない」「子どもがピアノを習い始めたが、近隣への音が気になって練習ができない」といった悩みから防音室を考えている方は多くいます。

 

防音室は、部屋の6面を防音材で囲む必要があり、建材費は高額になります。マイホームに防音室を作ることで、趣味の映画鑑賞や音楽鑑賞、カラオケや楽器演奏など、近隣への迷惑を気にすることなく思う存分楽しめます。

 

本記事では、防音室を取り入れるためにはいくら費用がかかるのか、防音室を取り入れるメリットやデメリットについて紹介していきます。

 

 

注文住宅に防音室を設けるメリット・デメリット

防音室のメリット

音楽鑑賞やホームシアターを気兼ねなく楽しめる

自宅で演奏したり、映画を大音量で鑑賞したいときには周りに気を使う必要があります。防音室は、音が外に漏れるのを防ぎつつ、外からの音も遮断します。つまり、家の中だけで音楽や映画の世界に浸ることができ、音の響きも調整できます。

 

防音室の中は自分の好みに合わせてデザインすることができるので、音楽や映画を楽しむための照明や家具の配置など、細部にまでこだわりを取り入れられます。

 

楽器の演奏やカラオケを楽しんでも近所迷惑にならない

防音室は壁や床、天井に特殊な断熱材や吸音材を使用することで、楽器演奏やカラオケを大きな音で楽しんでも近隣住民に迷惑がかかりません。

 

楽器演奏では、大きな音でサックスを吹いたり、アンプをフルに活用したギターを演奏することもできます。以前は窓をすべて閉めても、家の外まで音が漏れてしまい、近所迷惑にならないか心配しながら練習するしかなかった場面でも、防音室の存在により悩みがなくなります。

 

テレワーク時に集中して仕事ができる

防音室は、子どもの声や家事の音、ペットの鳴き声などの周囲の音を大幅に減らしてくれるので集中して仕事や作業ができる空間を作れます。

 

自宅と仕事の区別をつけやすいことから、リモートワークのストレスを減らすことが期待できます。大切なビデオ会議中の生活音を両者が気にする必要がなくなり、安心して会議に臨めます。

 

気密性が高く冬の暖房代を節約できる

防音室は気密性が高い空間なので、室内の暖かさを逃がしません。冬場の暖房効果が高いので暖房費の節約が期待できます。窓を南側に設けると日差しも取り込めるため、太陽の力を活用した暖房効果も発揮されます。

 

 

防音室のデメリット

夏は熱が篭りやすいため空調設備が必要

夏場は暑さが閉じ込められて防音室内の温度が上昇しやすいため、長時間過ごすには辛くなります。

 

音楽の演奏や録音などをおこなう場合、湿度や温度が一定でないと楽器の品質が落ちたり、音質が変わることがあります。また、演奏者も暑い状態が続いた場合は演奏に集中することができません。

 

エアコンを設置することで室温を一定に保つことができますが、エアコンは、壁に穴を開ける必要があり、空いた穴から音が漏れ出てしまう可能性があるため、防音室の設計・施工が得意な業者に設置を依頼しましょう。

 

通常の部屋と比べて壁が分厚くなるため圧迫感がある

壁を厚くすればするほど音の伝達は遮断しやすくなりますが、部屋は小さくなり圧迫感を感じます。

 

小さな部屋を防音室にする場合は部屋の空間がさらに小さくなります。壁を厚くすることで防音性能は高まりますが、居心地の良さを犠牲にする場合もあります。

 

通常の部屋と比べて施工費用が高額になる

音漏れを防ぐために遮音性能をもつ壁材や床材を用いるため、材料費が増します。また、施工には専門的な技術を必要とするため、職人による手間と時間も多くかかります。

 

【注文住宅】新築時に防音室を設置する費用相場

約250万〜460万円(1坪あたり約100万円)

希望する防音性能や使用目的によって、取り入れる防音室は異なり、楽器の種類や練習時間帯など、具体的な利用方法を確認したうえで設置方法を選び、費用の見積もりをしましょう。

 

ピアノの音量を防音するのに必要な防音室は約250〜360万円です。ドラムを演奏するなど音量が大きい楽器を防音するには、約350〜460万円になります。

 

防音室の費用について

使用目的が防音室の費用を左右する理由

使用目的によって必要な遮音性能が異なるため防音室を設置する場合、自分が発するデシベル値を把握したうえで、見合った遮音性能を持つ設備が必要です。

音の大きさは「デシベル」で表されます。音の聞こえ方を示す単位で、デシベル値が高いほど音は大きく聞こえます。たとえば、ピアノの演奏音量は約100デシベルです。

 

防音性をより高める設備を追加することによって、費用も増えます。

 

デシベル値が高ければ防音室に求められる遮音性能も高くなるため

ドラムのような大きな音を出す楽器を使用する場合、音が外に漏れ出ないような強力な遮音性能が必要です。壁や床、天井などすべての部分に遮音・防振構造を取り入れるのがおすすめです。

 

【使用目的別】防音室の費用相場の目安

ホームシアター:約250万円~(6畳)

映画や音楽を楽しむときに、外からの騒音を遮断するための防音性能を備えた防音室の構築費用は250万円ほどからです。映画の臨場感や音楽のリアルな音響を楽しむことができ、映画館のような迫力を味わえます。

 

自宅に友達を呼んでホームパーティーを開く時にも活躍し、思い切り音楽を楽しんでも、家族や隣人に迷惑をかけることなく、ゆっくりとリラックスした時間が過ごせます。

 

ピアノを演奏する:約250万円~(6畳)

ピアノを防音するには高音から低音まで、広い音域をカバーする防音性能が求められます。

 

また、音漏れだけでなく音響も大切です。ただ音を遮断するのではなく、演奏者自身が楽器の音を心地良く感じられる空間が求められます。

 

トランペットを演奏する:約310万円~(6畳)

大きな音で音圧が高いトランペットは、ほとんど外に音が聞こえないレベルの防音性能が求められます。

 

室内での演奏には、トランペットマフラーという、演奏時に使用するアクセサリーを使って音を抑える方法があります。トランペットの口の部分に装着することで、音を一時的に抑えることができ、演奏中の音色や音量を調整できます。

 

ドラムを演奏する:約565万円~(6畳)

自分の家でドラムを楽しむためには、6畳程度の部屋を使用すると考えておけば良いです。ドラムはパワフルな楽器で、低音から高音まで広い音域を持つため、高い防音性能が求められます。

 

設置タイプの防音室の費用について

設置タイプが防音室の費用を左右する理由

ユニットタイプは室内に「既製品」の箱を組み立て簡単に設置できる

広い部屋が用意できて、音量の大きな楽器を演奏しない人には、ユニットタイプの防音室がおすすめです。

 

ユニットタイプは、手軽に室内に防音空間を作り出せます。業者に依頼した場合は1日で組み立てが終わります。広さは0.8畳からで防音の程度は用途に応じて選ぶことができます。

 

デメリットとしては、部屋に箱を設置することで天井が低くなり、部屋が狭く感じやすくなることです。歪な形の部屋でも設置できる手軽さがありますが、無駄になる空間が生まれます。 また、防音性能が高くないものは、演奏すると音漏れが起こることもあります。

 

フリータイプは部屋ごと防音室にする「オーダーメイド」のため完成に時間がかかる

オーダーメイドの防音室は、部屋の寸法や形状に合わせてより良い防音性能を発揮する部屋が設計できます。防音材料の選定や配置、壁や天井の構造、ドアの設計などを部屋の特性に合わせて選ぶことができます。

 

デメリットとしては、費用が1坪あたり約100万円と高額で、設計、製造、設置には細かな調整や調査が必要なため完成までに時間がかかることです。また、部屋の寸法や形状によっては、設置がむずかしい場合もあるので防音室が設置ができる空間の確保が必要です。

 

【設置タイプ別】防音室の費用相場の目安

ユニットタイプ:約150~250万円(3.7~4.3畳)

部屋の一部分を音楽演奏のために利用したい方におすすめです。最小限の空間で高い防音性能が実現できます。

 

フリータイプ:約250万円~(6畳)

フリータイプは、一部屋丸ごと防音室にすることでユニットタイプとくらべて防音効果が大きく向上します。バンド演奏など高い防音性能を求める方におすすめです。

 

音楽活動や録音、制作において高度な防音性能が求められるプロの音楽家や音響エンジニアにとっては、フリータイプの防音室が良いです。高品質な音の録音や演奏ができます。

 

防音効果で後悔しないために!注文住宅に防音室を作るポイント

ポイント1.使用目的を明確にして目的に適した防音性能を取り入れる

防音には、空気を通じて伝わる音を遮断して外へ音が透過しないようにする遮音と、室内の音を吸収して響かなくする吸音があります。

 

効果的な防音対策や音響調整のためには、遮音と吸音を組み合わせることが大切です。使用する空間や目的、音の性質に応じて、使用用途に合っている材料と設計をおこなうことで、快適な音響環境を実現できます。

 

ポイント2.防音室の施工実績が豊富な会社に依頼する

防音室の施工には、防音に対する専門知識と高い技術力が求められます。音の響きまで考える必要があるので、経験のない建築業者が理想の防音室をつくるのはむずかしいです。

 

数多くの施工経験から導き出されたノウハウを活かし、部屋の広さや環境に合わせた提案が必要です。

 

ポイント3.仕様書で防音室の遮音性能が十分かチェックしておく

防音性能を確認するために必要なのが、仕様書です。防音室を作るメーカーや工事業者から渡されるもので、何の材料をどこに使って防音室を作っているのかなど詳細が記されており、遮音性能の記載もあります。

 

仕様書をもらったら、遮音性能を確認しましょう。そして、数値が自分の求める防音室として十分なのか確認します。わからない内容がある場合は、渡された時に工事業者に質問しましょう。

 

防音室を設置するなら!おすすめのハウスメーカー3選

ダイワハウスの「音の自由区」

天井が高いため広く明るい空間が実現できる

ダイワハウスの「音の自由区」は、天井の高さが特徴的です。高い天井がもたらす空間は、広々と感じられ、さらに明るさを取り入れられます。

 

部屋の壁や窓など、音が漏れやすい場所にも、漏れにくいように断熱材を使用するなどの対策が取り入れられており、高い防音性能が確保されています。

 

反響する音が豊かに広がるには高さが必要です。高い天井は窮屈に感じることがなく、音響環境を整えてくれるので快適な音楽体験につながります。

 

参照元:音の自由区(ダイワハウス)

 

長期のアフターサービスが利用できる

工事が終了しても、使用しない限り問題が発見できない場合も多く、何日も経った後に、新たな問題に気がつく場合があります。長期の点検や修理があることによって、安心して使用できます。

 

最適な音の響き方を実現するために音響アイテムの配置も提案してくれる

不要な騒音を遮断しながら、音楽の美しい響きを最大限に引き出すための空間づくりを実現できます。

 

ピアノの音が美しく響くようにピアノから壁までの距離を設定したり、映画の音が鮮明に聞こえるようにより正確な位置にスピーカーを配置するなど、個人の必要性に応じた提案ができます。

 

積水ハウスの「Life with Music & Theater 音のある暮らし」

音の種類にあわせて壁や天井など各部位の吸音を調整してくれる

音は種類によって空間への伝わり方が変わるため、特性を理解したうえで防音室に使用することが大切です。

 

積水ハウスは各部位に使用する材料を変えて使用することで、特性に合わせた防音を実現します。たとえば、天井では低音を、壁では中高音を吸収する材料で設計し、壁や天井だけでなく、フローリングや窓に至るまで、音の吸収を一部屋一部屋、場合によっては一部分一部分に至るまで調整します。

 

参照元:Life with Music & Theater 音のある暮らし(積水ハウス)

 

ライフスタイルに合わせてリビングや個室を防音室にできる

日常生活の中で、音楽を楽しむための場所として防音室を設計すると、家全体の雰囲気が豊かになります。

 

音楽が趣味の家族にとって、壁や天井、床などに遮音材を使用し、外部からの騒音を遮断するとともに内部の音が外に漏れない工夫することで、自由に好きな音楽を好みの音量で楽しむことができます。音楽だけでなく、映画鑑賞や静かな空間を求める時にも活用できます。

 

部屋の素材やつくりによって変わりますが、専門の施工業者によって素材と施工方法が選ばれることで、期待以上の効果が得られます。

 

おしゃれな仕上げ材で内装デザインも楽しめる

天然の木材や塗り壁などを使用するとナチュラルな雰囲気が演出できます。 壁紙には自然の鉱物や粘土から作られたものを選べば、調湿効果や消臭効果が期待できます。 防音室にはおしゃれな仕上げ材を選ぶことで、インテリアとしても楽しむことができます。

 

富士住建の「防音室」

防音・遮音レベルに応じてさまざまなグレードを選択できる

富士住建には、防音や遮音レベルに応じて、シンプル防音、スタンダード防音、プレミアム防音があります。

 

シンプル防音は、趣味の空間を快適にする防音で、趣味を楽しむ部屋や静かで安心して眠りたい寝室に適しています。

 

スタンダード防音は、いい音を心ゆくまで楽しめるハイクラスの防音で、ピアノを弾いたり、カラオケを楽しむことに良い部屋です。

 

プレミアム防音は、本格的に音を追求するための最高グレードの防音室で、ホームシアターやAVルーム、楽器練習室など本格的に音を楽しむ空間にふさわしい防音性能が取り入れられています。 参照元:防音室(富士住建)

 

 

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