注文住宅は値引き交渉できる?値引き額の相場やタイミングを知ろう



注文住宅を建てたいという方の多くが予算を超えることに頭を抱えています。自由度の高い注文住宅だからこそ、理想を詰め込んでいくことで金額が高くなってしまいます。

 

納得のいく価格で理想の注文住宅を建てるためには値引き交渉をおこないたい方もいるかもしれません。SNSや口コミなどで「安くしてもらえた!」という声を見聞きしたことがある方もいると思います。

 

とはいえ、注文住宅は注文がきて初めて建築を始めるため、建物が余ってしまうという事態が発生せず、売り手側が値引きの必要を感じる状況は生まれにくいです。本記事では、注文住宅の値引き交渉の成功率を高めるために知っておくべきことや、値引き額の相場・項目・タイミング・交渉方法を紹介します。

 

 

注文住宅の値引き交渉は必ずしもできるわけではない

注文住宅は受注生産のため売れ残る可能性がなく、個々の需要に応じた設計をするため、建売住宅のように値引きの余地がある訳ではありません。無理矢理な値引きを要求すると、納得がいかない家になる場合もあるため、値引き交渉は慎重におこなわなければなりません。

 

各ハウスメーカーによって、値引きをした場合の返答や方針は異なるため、事前に確認をすることが大切です。値引きを期待し過ぎずに、自分たちが納得できる家づくりを実現するための十分な情報収集と準備が必要です。

 

 

注文住宅の値引き交渉する前に心得ておくべき注意点

注文住宅は「売れ残り」の概念がなく建売住宅より値引きが難しい

注文住宅は、顧客の求めている内容や要望に合わせて一から設計、施工がおこなわれます。値引き交渉の時に減らすことができる費用は、建材費や人件費などの、家の品質に直結する部分ばかりとなり、大幅な値引きを依頼すると家の品質が落ちてしまう可能性があります。

 

一方で建売住宅の場合は、あらかじめ一定数を建築してから販売しています。商品やサービスの値引きは売り手が早く売りたい場合や、売る必要がある状況から生まれるため、売れ残った場合の費用の値引きがおこなわれやすいのです。

 

無理な値引き交渉は関係性悪化などのリスクを伴う

無理な値引き交渉は担当者からの信頼や、良い提案をしたいなどの心遣いを得る機会が減ることに繋がります。

 

時間をかけてハウスメーカーや工務店の担当者と注文住宅のプランを組んでいくことになるので、関係性が悪化するほどの無理な値引き交渉は控えましょう。

 

値引き額だけを基準にして契約先を決めない

理想の家づくりは、いくら値引きできたかでは決まりません。複数見積もりした結果、値引き額が大きい建築会社に依頼することで、理想の住宅とはかけ離れた建物になる可能性があります。

 

たとえば外観のデザインにこだわっていたのにもかかわらず、値引き額が大きいという理由で妥協したデザインの家を建ててしまって後悔するなどのケースが考えられます。

 

注文住宅の値引き額相場

注文住宅で値引きできるのは3~10%程度くらい

交渉次第でハウスメーカーでも数%の割引があるかもしれません。最大で10%程は割り引いてくれる可能性があります。一方で、地元の工務店など広告費をかけていない建築会社は割引率が低い傾向です。3%ほど割り引いてくれたら交渉に成功したと言えます。

 

値引き率は目安であり、各ハウスメーカーの考え方や、物件の内容、見積もり時の交渉で変動します。

 

注文住宅で値引きが見込める項目

ウッドデッキや床暖房などの多数のオプション

オプション部分は、基本的な構造には含まれないため費用が別途発生しますが、値引きの対象になることがあります。納得のいく注文住宅を手に入れるためにはオプションの追加をおこない、値引きをしてもらうという方法もおすすめです。

 

オプションの追加による値引きは金額を下げるだけでなく、追加を希望するオプションが得られるという、二つの良さがあります。

 

注文住宅で取り入れられることが多いオプションを紹介します。

 

キッチン 作業空間の表面の素材
収納の引き出しや扉の位置や数、棚板の調整
冷蔵庫、オーブン、コンロ、食洗機などの家電製品
お風呂 シャワーの種類
浴槽の形状
洗面台のスタイル
床材 フローリングの素材や色
床暖房の導入
照明 ダウンライト(埋め込む照明)
シャンデリア(吊り下げられる照明)
ウォールライト(取り付ける照明)
収納 クローゼットや収納空間の仕切り
棚の配置
エクステリア 外壁の色
ウッドデッキの導入
屋根の形状
窓枠のデザイン
エネルギー ソーラーパネルの設置
省エネ機器の導入など

注文住宅で値引きできない項目

ハウスメーカーの持つ特許が使われている構造躯体

各ハウスメーカーが持つ独自の設計や工法は、会社の強みや特色なので、一戸建ての価格に大きな影響を与え、独自の技術や特許を活用しているため、価格交渉はむずかしいです。

 

ハウスメーカーの特許が使われている構造躯体を紹介します。

 

積水ハウス 木造軸組の工法
SHAWOOD(シャーウッド)
ダイワハウス 軽量鉄骨の工法
XevoΣ(ジーヴォシグマ)
セキスイハイム 鉄骨の工法
ボックスラーメン構造
住友林業 木造の工法
BF構法(ビッグフレームコウホウ)
地震に耐えるための耐力壁
三井ホーム 木造の工法
プレミアム・モノコック工法
外壁に断熱材を入れ、高い断熱性能
ミサワホーム 木質パネルの接着工法
モノコック構造
車と同じ造りで剛性と安全性が高い

注文住宅の値引き交渉が成立しやすいタイミング

契約直前のタイミング

打合せにかけた時間を契約白紙で無駄にしたくないから

契約になるまでには、依頼者も営業者も時間と労力が必要で何度も打ち合わせをしなくてはいけません。自分が満足できる住宅を手に入れるという視点を忘れずに、契約に臨むことが大切です。

 

値引きの交渉を頻繁におこなうと、営業者から本気で取り合ってもらうことがむずかしくなることがあります。値引き交渉をおこなう場合は、契約直前まで待っておくことで、本気で取り合ってもらえる可能性が高まります。

 

契約では、安さを求めるだけでなく、質の高い住宅を求めましょう。仕様や間取り、価格など細かな部分を確認し、納得した上で契約を結ぶことが大切です。

 

決算時期のタイミング

決算期内の売上にしたいから

企業は決算の時期に営業成果を上げ、良好な業績を報告したいと考えています。売り上げを伸ばして決算の数字を良く見せるため、企業は顧客に対して柔軟な交渉をおこない、価格を下げることも少なくありません。

 

必要以上に焦って契約を進めることは避け、納得のいく条件で家を購入することを第一に考えたうえで、決算期を利用した値引き交渉をおこなう方法もあります。

 

売れない時期のタイミング

注文住宅が特に売れにくい、1月を狙って契約をする方法があります。1月に注文住宅を建てる相談に行き、他社とどちらにするか悩んでいるという内容を伝えると、値引き交渉に応じてくれる可能性があがります。

 

1月は年末年始の休暇があり年末の贈り物や帰省の費用、税金やローンの支払いといった出費が発生します。寒く雪が降るなどの天候で家を出る機会も減ることから家を買う傾向が少ないと言われています。

 

売上を立てるために営業マンが必死な時期だから

たとえば売れにくい時期は、1月、2月や6月、8月などです。また、ハウスメーカーの決算前は1月、2月なのでより値引きが期待できます。営業者が念を押す時期を見極め、値引き交渉をおこなうことによって成功率は上がります。

 

成功率を上げるための値引き交渉の方法とコツ

複数のハウスメーカーで相見積もりして競合させる

複数のハウスメーカーから見積もりを取ることで、値引き交渉だけでなく、各社の価格や提案内容をくらべることができます。ハウスメーカーを選ぶ場合は、価格だけでなく、設備の質や間取り、相性の良さなども見極めましょう。

 

たとえば、同じ間取りや設備を希望した場合、自身の希望に一番近い家を建ててくれ、価格の違いについて比較ができます。また、見積もりを取ったハウスメーカーに対して、他のメーカーからも見積もりを取っていることを伝えることによって、自分にとってより良い条件を引き出すことができます。

 

営業担当者を味方につける

営業の担当者と、信頼関係を築くことができれば、「喜んでもらえる家を提供したい」や「値引きを頑張り、納得した形で家づくりを進めたい」と思ってくれる可能性が高まります。

 

強引な態度で値引きを求めるよりも、素直に予算や理想の家の理想を伝える方が効果的です。

 

値引きをしてくれたら契約すると確約する

条件付きの約束をすることで、ハウスメーカー側も不安なく値引きを進めることができます。

 

たとえば、他のハウスメーカーの見積りより100万円高いので、価格を下げてもらえれば契約すると伝えるなどの方法があります。具体的な価格を知らせると同時に自分の要望を知らせることで本当に家を建てたいと言う気持ちが伝わり、値引きに応じてくれる可能性があります。

 

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