平屋のリフォーム・リノベーションの費用相場と失敗しないコツ
最近は、幅広い世代から平屋の一戸建てが人気です。中古の2階建て住宅を平屋にリフォーム・リノベーションする人も増えています。
本記事は平屋をリフォーム・リノベーションする場合の費用相場や注意点、費用を抑えるコツを解説しています。今住んでいる2階建て住宅を平屋にしたい方や、これから購入予定の中古の平屋をリフォーム・リノベーションしたいと考えている方は、ご覧ください。
目次
平屋のフルリフォーム・リノベーションの費用相場
古民家の平屋リフォームは500万〜2000万円
500万円から2000万円程度の金額で、耐震性や断熱性の向上や水回りのリフォームなど、快適な暮らしを実現する工事ができます。
ただし、柱や梁が劣化している場合は、さらに費用がかかるので注意が必要です。また、デザインや設備にこだわると、費用が2000万円を超えることもあります。
床面積を増やす増築リフォームは25万円〜
たとえば、離れを増築リフォームする場合は1畳あたり25万円からできます。平屋を2階建てに増築する場合は1畳あたり50万円~100万円ほどです。平屋を2階建てにするには1階の柱の補強や、屋根の解体などの大がかりな工事が必要です。
増築リフォームを検討のときは費用だけでなく確認申請や登記も必要となることがあるので、事前にリフォーム担当者に不安や疑問を解消しておきましょう。
2階建てを平屋に減築した場合は450万〜2700万円
たとえば、築60年の木造住宅を2階建てから平屋へ減築し、内外装をスケルトンリフォームする場合には、2300万円程度かかります。また、築25年の木造住宅で解体した部分のみ内外装補修する場合は、1300万円程度、築30年の木造住宅で内装のみ補修する場合は500万円程度の費用です。
2階建てを平屋に減築する場合は、2階部分と屋根の撤去・処分費用や、新しい天井や屋根を設置する費用がかかります。減築リフォーム費用で新築が建てられるぐらい高額なら、建て替えを検討することをおすすめします。
平屋の部分リフォームの費用相場
内装リフォームは1万円〜
たとえば、リビングのリフォームなら壁紙の張替えやフローリングの張替えなどで部屋全体を一新できます。
また、予算が500万円ほどあると部分リフォームの幅が広がります。たとえばキッチン、浴室、トイレ、洗面脱衣所などの水まわり設備の入れ替えや、壁や床の張り替えなどをおこなうことができます。さらに、間取りの変更も選択肢に入ってきます。
水回り設備のリフォームは25万円〜
キッチン、お風呂、トイレ、洗面所などのリフォーム費用は25万円からと考えておいてください。たとえば、キッチンのリフォームでは、50万円程度が目安ですが、高級なものやオプションが充実したものだと100万円近くになることもあります。
お風呂のリフォームの場合は40万円程度が相場ですが、既存のお風呂の撤去や新しいユニットバスの取り付けにも工事費用がかかります。トイレや洗面所のリフォームも同様に、商品のグレードやオプションによって費用が変わるため、事前に見積もりを取っておくことが大切です。
外壁や屋根のリフォームは50万円〜
外壁や屋根のリフォームは、劣化が進むごとに家の安全性や外観に影響を与えるため、劣化して壊れるまえにリフォームをおこないましょう。外壁の塗り替えや屋根の修理、さらには部分的な張り替え費用は50万円~が目安です。
また、外壁と屋根のリフォームを同時におこなうと、足場工事費用も節約できます。足場工事には25万円~40万円程度かかるため、別々のタイミングで依頼するともったいないです。できる限りまとめてリフォーム工事をおこなうことで工事の効率や費用の節約に繋がります。
外構・エクステリアのリフォームは1万2,500円〜
外構やエクステリアのリフォームには門扉の交換やカーポートの設置、駐車場の整備、アプローチの工事、階段に手すりやスロープの設置、照明の設置や交換、庭の植栽、バルコニーやベランダの修繕、ウッドデッキの設置などがあります。
予算や希望に応じて、外構やエクステリアのリフォームを計画して、住まいの印象を大きく変えて、快適な空間を実現しましょう。
窓のリフォームは2万円〜
たとえば、簡単な工事で済ませるのに断熱・防音・防犯効果の高い内窓を既存の窓に増設する方法があります。180×170cm以内の窓では8~15万円程度の費用です。サイズが180×170cm以上や、高性能な断熱・遮熱ガラスを使用すると、30万円前後になります。 施工時間は1ヶ所30分〜2時間程度です。
一方、窓のサイズや高さを変更する場合は、外壁の一部を直す必要があります。足場設置も必要になることが多いです。リフォーム費用は全体で25~50万円程度と考えられます。工事期間は1ヶ所あたり2、3日以上かかることがあります。
また、窓を増設する場合は外壁の一部を壊して足場を設置する必要があります。費用は10~30万円前後が相場です。
平屋のリフォームで支払うお金を安く抑えるコツ
複数業者で見積もりをくらべて費用を抑えられる業者に施工を依頼する
平屋のリフォーム費用を抑えるためには2つ3つの業者から見積もりを取り寄せてください。同じ工事内容でも、業者によって金額が違います。
ただし、安い業者だけを選ぶのではなく、工事内容や信頼できる業者を選ぶことが大切です。見積書の内容をよく確認し、使用する材料や工事内容が記載されているか確認しておきましょう。
地元のリフォーム業者や工務店に施工を依頼する
地元の業者は広告費や拠点の維持費が少なく、施工費用を安く抑えられることが多いです。また、近くの業者であれば移動時間やガソリン代も削減できます。ただし、すべての地元リフォーム業者が良いわけではないため、選ぶときは口コミや評判を確認しましょう。
良い業者はお客様を感動させるような仕事をしますが、質の悪い業者は不誠実な態度やいい加減な施工でクレームが多いです。
減税制度や補助金を利用する
高性能の窓を安く部分リノベーションできる先進的窓リノベ事業の補助金制度
先進的窓リノベ事業の補助金制度は、家の断熱性能を向上させることを目的としており、窓のリフォーム費用の一部が補助されます。たとえば、高断熱窓の設置や多数の窓のリフォームが補助対象です。
ただし、補助金制度は地域や条件によって異なるため、自分の住む地域の制度を調べて利用することが大切です。また、補助金を受け取るためには登録されたリフォーム業者で工事を依頼する必要がありますので、事前に確認しておきましょう。
長寿命化フルリフォームできる長期優良住宅化リフォーム事業の補助金制度
長期優良住宅化リフォーム事業の補助金制度は、住まいを長持ちさせるリフォームをおこなうときに利用できる制度です。最大200万円までの補助金が受けられます。ただし、すべての評価項目において「S基準」を満たしたリフォームが対象です。
たとえば、省エネルギー対策として窓を断熱サッシに交換したり、耐震性を上げる工事や建物の土台に防腐防蟻処理をして劣化対策をおこなうなどが考えられます。
平屋のリフォーム・リノベーションで失敗しないためのポイント
既存建物の状況を見るための事前診断・調査
平屋のリフォームをするまえに建物の状況を把握しましょう。まずは、リフォーム業者による診断や調査が必要です。専門業者が建物を実際に現場で確認することで、リフォームができるかどうかや、他に補修が必要な箇所がないかをチェックします。
また、リフォーム依頼主は、要望や気になる点を事前に業者に伝えてください。特に、古民家などの築年数が経っている建物では、事前調査をしましょう。調査を怠ると壁や天井をはがしたときに劣化箇所が見つかりやすく、追加工事が発生する可能性があります。
耐震性やシロアリ被害の調査も欠かせません。事前調査で問題が見つかれば、追加工事を避けられるうえに、リフォーム費用を抑えられます。
経験豊富な施工業者に依頼
実績のある業者は、多くの平屋リフォームを手がけてきたため、技術面で信頼できます。業者選びでは、業者のホームページで平屋リフォームの施工事例を確認しましょう。
経験豊富な業者が手がけたリフォームは、失敗する可能性が低いです。特に平屋リフォームでは、建築基準法に適用される工事が多いです。また、植栽や造園をメインにリフォームしたい場合には、樹木の特性を理解している業者に依頼しましょう。
生活しやすい動線を検討
たとえば、家の中心部にリビングやキッチンを配置し、そこから各部屋へのアクセスが良いと生活しやすいです。また、トイレや洗面所などの水回りも近くにまとめることで、ストレスなく家事ができます。
リフォームするときには、自分たちの暮らし方や家族構成を考えた動線を検討しましょう。
新たに窓を設けて日当たり・風通しの良いプランを検討
日当たりと風通しを良くするためには、新たな窓の設置がおすすめです。風通しを良くするためには、対面する壁に新たな窓を設けましょう。また、縦すべり窓という形状の窓を選ぶと、風を室内に取り込みやすくなります。現状よりも細い網の網戸に交換するのも風通しを改善する方法の一つです。
部屋に2つの窓を設置することも効果的です。室内に2つの窓があれば、風が自然に抜けていくことで風通しの良い家になります。しかし、窓を増やすときには防犯やプライバシーが守れるかも考えて設置しましょう。
リフォーム費用が高くなるようなら新築を検討
平屋のリフォームでは、費用が安いことが多いため魅力的ですが、場合によっては新築と同じくらいの費用がかかることもあります。大きな間取り変更や水回りの移設、耐震補強工事など、大規模な工事が必要な場合は、費用が高額になります。
新築が建てられるくらいリフォーム費用が高くなるなら、新築を検討することも一つの選択肢です。新築を検討する場合は建築費用や解体費用などを含めた総額をくらべて判断しましょう。
2階建ての平屋リフォーム・リノベーションの注意点
工事内容によって費用が大きく変動
たとえば、天井や壁、床を取り払うことで間取りからリフォームできますが、リフォーム費用は500万円~1,000万円を超える場合もあります。
もし仮に1階部分を増築して床面積を広げると、さらに費用はかかります。古い住宅は耐震補強工事も必要になることを考えると、工事費用は1,200万円はみておきましょう。
参照元:ハウスネットギャラリー
確認申請提出が必要な場合もある
床面積が減るだけなら建築確認申請は不要です。しかし、2階建てを平屋にとなると主要構造部の半数以上を改修する大規模修繕に該当する可能性があります。
大規模修繕に該当した場合は建築確認申請が必要です。該当するかどうかはリフォーム業者に確認しましょう。
2階建ての中古物件を平屋にリフォームするメリット・デメリット
メリット
間取り変更がしやすくなる
家族の暮らし方やニーズに合わせて部屋の配置や広さを調整できるなど、自由度の高さは2階建てを平屋にリフォームするメリットです。たとえば、廊下を広げることで車椅子の利用がしやすくなったり、トイレやリビングを設計し直して使いやすくなることができます。
また、平屋は必要以上に壁や仕切りを設けないようにしましょう。自分たちの生活に合った無駄のない動線が作れます。
家全体に目が行き届くので子育てがしやすい
すべての部屋が1階にあつまることで家全体が見通しやすくなるため、子どもたちを見守りやすい環境が生まれます。たとえば、小さな子どもがいるご家庭では、居間からキッチンや寝室まで見渡せるような間取りにすることで、子どもの様子を確認しながら家事ができます。
また、子どもが成長し思春期や反抗期を迎えた際でも、家族が自然に顔を合わせる機会が増えることで、コミュニケーションがとりやすいです。さらに、お年寄りがいる家庭では、介助が必要な場合でも同じ階にいることで、目を届かせられる安心感が生まれます。
段差を減らしてバリアフリー仕様にできるので老後も安心できる
階段や玄関などの段差を取り除くことで転倒やつまずきのリスクが減り、高齢者や体の不自由な人も安全に過ごせる環境になります。
また、トイレや浴室を広くすることや、手すりを設置することでバリアフリー仕様にできます。介助が必要な人や介助者にとっても日々の負担が減って毎日の暮らしが快適になります。
上下の移動が不要になり生活動線がシンプルになる
階段をなくしたことで上下の移動がなくなると家事が楽になります。特に高齢者や足腰に不安のある方にはありがたいです。また、家族が同じ階で過ごすことが多くなるため家族間の目線が届きやすく、コミュニケーションが取りやすくなります。
特に、共働き世帯が増えている現代では、家事動線の短さや家族のコミュニケーションが取りやすい間取りが注目されています。
冷暖房の効率が良くなる
2階建ての家にくらべて、平屋の間取りは空気がこもりにくく、エアコンの効果を感じやすくなります。また、不要な部屋を取り除くことで、部屋全体の空気の流れがよくなり、冷暖房の効きが良くなります。
冷暖房効率を上げるために、高機能なサンシェードや遮熱カーテン、遮熱フィルムを使うこともおすすめです。家が広くても、断熱性が向上することで夏も冬も快適に過ごせます。
デメリット
平屋の中古物件が少ない
平屋の人気が高まる一方で、中古物件市場においては、まだまだ空き物件は少ないです。希望に合った条件の平屋を見つけるのはむずかしいですし、見つかったとしてもリフォームが必要な物件が多いため、工事費用や手間も考えなければなりません。
不動産ポータルサイトや地元の不動産業者などを利用して、平屋の中古物件を探しましょう。
外からの視線が気になる
オープンな外構や開放感のあるデザインの平屋は魅力的ですが、プライバシーの保護がむずかしくなります。特に、風呂場やリビングなどの個人的な空間は視線をさえぎる工夫が欠かせません。
視線をさえぎる方法として、目隠しフェンスや樹木を設置することがおすすめです。また、リフォームの段階で、プライバシーが気になるお風呂やリビングの配置を道路から見えにくい位置にすることも効果的です。
生活動線が長くなりやすい
平屋では、部屋が横に広がっているため、生活動線が長くなり、移動距離が増えることがあります。生活動線とは、日常生活で動き回るときの移動ルートのことです。たとえば、トイレや洗面所、食事をする場所、入浴、就寝などの場面が考えられます。
生活動線を考えないと、朝の忙しい時間帯などで洗面所で人とすれ違うことが増えて、身支度に時間がかかってしまうことが考えられます。また、キッチンと食事をする場所が離れていると、料理を運んだり片付けたりするときに手間取ることになります。
風通しと明るさの確保がむずかしい
窓の配置や形状にこだわりましょう。たとえば、部屋に2つの窓を設けることで風が通りやすくなります。また、縦すべり窓や欄間窓の設置で光を取り込みやすくしましょう。
しかし、平屋で日当たりが悪い場所が出てくることもあるので間取りの工夫も大切です。たとえば、日当たりの悪い部屋を寝室に設定することで、日中過ごすリビングやキッチンなど、明るさがほしい部屋は日当たりの良い場所に配置しましょう。
防犯と外部からの視線の対策が必要
平屋は一階だけのため、歩行者や車から家の中が見えやすくなります。フェンスや門扉を設置して、外からの視線対策をしましょう。
また、お風呂場やリビングなど、外からの視線が気になる場所には、目隠しフェンスを設置することがおすすめです。外からの視線を適度に遮ることができて、開放感を損なわずにプライバシーを守ることができます。
防犯カメラの設置も効果的です。犯罪者は、防犯カメラがない家を狙いやすいため、目立つ場所に設置することで犯罪を未然に防げます。また、窓には防犯対策として二重窓や小さい窓、外側に面格子を設置するといった工夫が役立ちます。
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