コの字の平屋の間取りのデメリットの解消法と間取り別の事例を紹介
間取りの中心に中庭を置くことで自然光を取り込みやすいコの字型の平屋。ロの字型の平屋とくらべて間取りの自由が高くなる一方、コの字型ならではのデメリットもあります。
本記事ではコの字型平屋の間取りのメリットやデメリットを紹介します。コの字型のデメリットを解消する工夫や坪別のコの字型平屋の実例をお伝えしますので最後までご覧ください。
コの字の平屋の間取りのメリット
自然光が取り込みやすくてや風通しが良い
コの字の平屋は、自然光を取り込みやすく家の中が明るくなり、空気が循環しやすい作りなので、生活に心地よさと安心感をあたえてくれます。
中庭を設けたコの字型の間取りを取り入れることで、庭や室内への採光や風通しが良くなります。敷地内に植えた草花や樹木にも日が当たりやすいので、育ちやすくなり、家全体の環境をより自然に近いものにし、リラックスできる暮らしができます。さらに、コの字型の家は、広い敷地を利用して作ることが多いため、視線が抜ける点や自然とのつながりを重視することができ、防犯面や個人的にのんびりできる空間の確保ができます。
I字型の平屋とちがい室内から中庭に出入りがしやすい
室内から中庭に出入りができるため、各部屋から簡単に中庭に行くことができます。小さい子どもがいる家庭では、すぐに見渡せる状況で遊ばせながら家事や作業をおこなうことができ、安全に楽しんで遊んでいる様子を側で見守ることができます。
I字型の平屋はシンプルな構造で壁が少ないため、室内は広々とした空間が作りやすいですが、中庭への出入りは限られます。一方、コの字型では、建物が中庭を囲む形になるため、各部屋から簡単に中庭に出入りすることができます。
ロの字型とくらべて視界が開ける開放的な庭やテラスが設けられる
建物を3つに壁で囲む形になるため、開放感がありつつも、一方向が開いていることでリビングや洋室などから見る景色が明るく感じられます。また、家の中心に中庭を設けることにより、自然光や風を屋内空間に取り込みやすく、暮らしやすさと心地良さが向上します。
庭やテラスは、家族だけの屋外空間になるため、バーベキューをしたり、家庭菜園をするなど、楽しむことができます。親しい友人や子どもが集まる場合は、バーベキューだけでなく子ども用プールなども道路や近隣からの目を気にせず安心して楽しめます。
また、ペットを飼っている家では、ペットの遊び場として利用することもできます。犬や猫のための遊具や走り回れる空間を設けることで、安全に遊ぶことができます。
ロの字型とくらべて建築面積が広がるので間取りの自由度が高くなる
コの字型では、建物が一部凹んだ形状になるため、部屋同士の距離を保つことができ、各自の個人的な空間を確保しつつ、庭やテラスを設けることで開放的になるのが魅力です。ロの字型は、4つの外壁で中庭を囲む形になるため、より広い土地が必要です。
中庭に屋根をつけたら屋外で作業する空間をつくれる
中庭に屋根を設けることで屋外での作業や楽しみを提供する空間が広がり、家族の暮らしの質を向上させます。
屋根を付けた中庭では、雨の日でも家族や友人とバーベキューを楽しめ、手作りの家具やプランターで中庭を彩り、趣味を楽しむ空間にすることもできます。
雨の日でも、DIYや自転車の修理などの室内では汚れてしまう作業をすることができ、日差しが強い日は、屋根の下でプール開きや屋外作業をすることによって熱中症対策にも繋がります。家の中だけでなく屋外でも、天気に左右されることなく家族の交流の場を広げることができ、楽しい思い出を作る機会も増えます。
また、屋根付きの中庭は、日常の生活を便利にする面でも役立ちます。たとえば、洗濯物を干す場合、雨や強い日差しに悩まされることなく衣類の手入れができます。子どもたちを庭で遊ばせながら同時に洗濯物などの屋外の家事をすることができるので、安心して遊びを見守りながら家事を進められるのは助かります。
コの字の平屋の間取りのデメリット
屋外から家の中が見られやすくなる
平屋は、一階に生活空間が集まっていることから道路や隣家からの視線が入り込みやすくなります。特に、大きな窓を設置して日差しや風を取り込もうとすると、家の中の様子が見えてしまいます。
解決策として、家の周りに高い塀や生垣を設置しましょう。家の中を見づらくすることで外の視線から家を守ることができます。しかし、高すぎる塀や植栽を設置すると、不審者の侵入や隠れるための場所を提供してしまうこともあるため、注意が必要です。また、カーテンやブラインドを取り入れることで、開け閉めができ、外からの視線を遮りつつ必要な場合、開閉を調整することで、中庭の景観を楽しむこともでき、明るさや開放感も保てます。
外壁の面積が広くなるので建築費用が高くなるケースがある
家の形や外壁の面積とともに、耐久性や日当たり風通しも把握した設計をおこなうことで、将来的な修繕や修理がしやすくなります。
中庭がある家は、庭に面する壁面が増加するため外壁の面積が広くなり、材料費が増加することがあります。さらに、外壁の形状をこだわって複雑にした場合は、家の強度を保つための費用がかかり、明るさを確保するために多くの窓を取り入れることで建築費用が高くなることもあります。
中庭は四季を感じる場所だけでなく、中庭を通じて他の部屋との行き来できるようにしたり、バーベキューなどができる環境にする場合も多いです。中庭を快適にするべく、タイルや木材などを中庭に敷く、外構工事や屋外用の照明器具、水を外で利用するための給水・排水設備の設置といった追加費用が発生します。
解決策としては、中庭の形をシンプルにし、外壁の面積を最小限に抑えること。外壁の材料を選ぶときに、耐久性があり、メンテナンスが比較的簡単なレンガや木材、石材を利用することで費用を抑えることができます。
植栽の手入れやごみ掃除など中庭を維持する必要がある
中庭は、草木や花を植えることが多いため、水やりや剪定といった手入れが必要になります。落ちた葉っぱや枯れた花を取り除くために定期的な掃除が求められ、敷かれたタイルやウッドデッキなども、汚れや劣化が進まないように確認や修理が必要です。
中庭の維持や管理には費用がかかります。たとえば、専門のガーデナーに依頼する必要がある植栽を取り入れている場合は手入れを依頼する費用が発生します。手入れが少なく自分自身で簡単に育てられる植物を選ぶことにより、中庭の維持管理が楽になります。
自分では届きにくい場所に照明をつけた場合は専門の業者を呼んで、器具の点検や修理をおこなう必要があります。費用を抑えるためには、自分自身でメンテナンスができるような庭作りをおこないましょう。
I字型の平屋とくらべて動線が長くなる可能性がある
I字型と比較した場合、コの字型では部屋の配置が両端に分かれるため、中庭を通らずに行くとなると家の中で移動する距離が長くなります。解決策としては、家族がよく利用するリビングやキッチンなどを中心に、他の部屋を配置することや、曲がり角や余分な曲線を減らし、直接的に動ける通路を作るといった方法があります。
コの字の平屋の間取りのデメリットの解消法
外から視線を遮るフェンスや外柵を設ける
日当たりや風通しが良いフェンスや外柵を選ぶことで、視線を遮り、庭や室内環境も快適に保てます。また、目の粗いメッシュタイプのフェンスを選び、つる性植物を絡ませることで、おしゃれな雰囲気を演出できます。
外から見えにくくすることで、個人的な空間が守られ、快適な生活を送れます。特に、家のすぐそばに道路がある場合、通行人からの視線が気になりますが、目隠し効果のあるフェンスや外柵を設置することで解消できます。
フェンスや外柵の種類と金額を紹介します。
木製フェンス | 木材を使用。自然な風合いや温かみがあり、外観に馴染みやすい 1メートル約1〜3万円 |
チェーンリンクフェンス | メッシュ状の金属を使用。耐久性があり、庭や敷地を区切ることも可能 1メートル約5000~1万5000円 |
鉄製フェンス | 鉄や鋼材を使用 デザインが豊富で、耐久性、強度、セキュリティ性が高い 1メートル約2~5万円 |
PVCフェンス | ポリ塩化ビニールを使用 デザインが豊富で、錆びに強く、長持ち 1メートル約1000~1万円 |
フェンスや外柵以外には生け垣という生きた植物を使用して外からの視線を遮る方法もあり、自然の美しさや、環境への貢献といった良さがあります。
生け垣の種類と金額を紹介します。
常緑樹生け垣 | ヒイラギ、ビャクシン、サクラソウなど 1メートル約2000円~1万円 |
落葉樹生け垣 | サクラ、カエデ、カシワなど 1メートル約2000円~1万円 |
つる性植物を使った生け垣 | アジサイ、バラ、ウマノスズクサなど 費用は不明だが数千円〜数万程度 成長が早く、手入れも簡単で安い |
家の周囲を囲むことにより、防犯性も高まります。外観の見た目も変化するので気に入ってデザインと性能を考えて選びましょう。
ハウスメーカーや工務店に予算を伝えて建築費用を調整する
複数社の見積もりを比較して、工務店やハウスメーカーの対応力や専門性を知りましょう。予算を超えないように、希望内容を活用しながら費用を減らす方法を見つけることが大切です。
安い建材を選択したり、内装をシンプルにすることで費用を抑えられます。しかし、外構工事や駐車場は別料金となることが多いため、把握したうえで予算に入れておきます。家族で話し合い、希望する家の形や間取り、部屋ごとの要望を整理してメモなどに記載し、優先順位を決めていくと業者からの提案も理解しやすいです。
手入れができるスペースを設けたり砂・ゴミがたまりにくい設計にする
コの字型の中庭や庭においては、砂利を敷くことで、砂やゴミがたまりにくく、掃除が楽になります。砂利は通気性が高く、水が効率的に流れるため、水たまりができずゴミが流れやすくなります。そして、表面は滑らかで均一なので、ゴミや落ち葉が砂利の間にたまりにくく、風や水の力によって流れやすくなります。
また、中庭に物や植栽が多すぎると手入れがむずかしく、ごちゃごちゃした見た目になってしまいます。植栽は、庭の一部のみに花壇や空間を設け、バーベキューや子どものおもちゃなど中庭で使用するものは物置や収納ボックス、ガレージなどを活用し、まとめて収納しましょう。
使う機能や目的に応じて配置することによって、用途ごとに空間が分かれ、機能的で手入れがしやすくなります。
間取りをつくるときに過去に建築した事例を建築会社に確認する
建築会社が、過去に建築した事例を確認することで、実際に建てた家を知ることができ、自分たちの要望や予算に適した提案が得られます。
事例を参考にすることで、平屋にありがちなデメリットの解消方法を知ることもできます。たとえば、コの字型の平屋では、敷地や建物内での動きや効率の良さを上げる工夫が求められることが多く、事例から部屋の配置や中庭の活用方法など取り入れている工夫を学ぶことができます。
また、事例を比較することで、各建築会社が設定しているデザインや機能、得意としているプランを把握でき、取り入れたい優先順位に合わせて、建築会社を選ぶ手助けになります。
中庭の利用用途にあわせて動線を繋げたり分けたりして整理する
中庭をより有効利用するためには、特定の部屋との一体感が大切です。たとえばリビングやキッチンと隣接させることによって日常よく利用する場所で緑を楽しめたり、お風呂や脱衣所と隣接させることによって、優雅で開放的な気分を味わえます。
中庭を通り対面の部屋へ移動ができると便利ですが、段差や履き替えがストレスに感じる場合部屋と中庭を結ぶ専用の廊下を設けましょう。
コの字の平屋の坪別の事例
1LDK
住友林業「GRAND LIFE コ型」【20坪】
住友林業の「GRAND LIFE コ型」は、限られた面積を最大限に活用しながら、家族みんなが心地よく過ごせるように、機能的で充実した設計です。
コの字型の広い空間を20坪の面積で実現することができ、中庭と長いウッドデッキがあり、自然光が入る明るいリビングが魅力的で、風通しも良いため快適な生活が送れます。全室に窓が設置されており、すべての部屋から外の光が感じられます。
参照元:住友林業「GRAND LIFE コ型」【20坪】
2LDK
パナソニックホームズ「PLAN C」【32坪】
パナソニックホームズ「PLAN C」は、コンパクトながらも機能性が高く、家族で住みたい方におすすめです。
32坪の広さを持つコの字型の平屋住宅で、2LDKの設計が効率的な間取りで工夫されているのが特徴的です。主寝室や子ども部屋は広々とした空間を確保し、ウォークインクローゼットや押入れなどの収納空間も豊富にあります。また、リビングやダイニングキッチンは広々とした作りとなっており、家事動線や水回りの配置も工夫されているため、家族がゆったりとくつろげる空間が実現しています。
参照元:パナソニックホームズ「PLAN C」【32坪】
3LDK
山根木材ホームhiraya plus【27坪】
山根木材ホームの「hiraya plus」は、27坪のコンパクトな広さながら、インナーテラスが視線を遮るために、屋内でも太陽が照らす広々とした空間で、自分だけの時間を過ごせます。
中庭を取り入れることで、LDKに自然光が入る作りになっており、明るい雰囲気を楽しむことができます。また、LDKには長いカウンターが設置されており、子どもが勉強したり、大人がパソコン作業をしたりと、家族が集まる場所で、日々の活動を通して交流できるように工夫されています。
参照元:山根木材ホームhiraya plus【27坪】
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