家を建てるならハウスメーカーと工務店どちらがおすすめ?


マイホームを建てる場合、「ハウスメーカー」と「工務店」のいずれかを選ぶことになります。ハウスメーカーと工務店はどちらを選択した方がよいかわからないという人も多いと思います。実際に、ハウスメーカーと工務店には得意不得意があるため、あなたの希望を叶えてくれる会社を選びましょう。

 

本記事では、ハウスメーカーと工務店それぞれのメリットやデメリットについて、会社を選ぶ時に確認すべき内容について解説します。

 

 

新築住宅を建てるならどっち?ハウスメーカーと工務店を比較

ハウスメーカーのメリット

モデルハウスでイメージを明確にできる

モデルハウスを見に行くことで、カタログや図面だけではつかみづらい家の内部や設備の想像がより明確なものになります。

 

住宅メーカーが家を宣伝するために建てた見本の家をモデルハウスと言います。家を建てたいと考えている方に、実際に建てたイメージを肌で感じてもらう目的があります。具体的には、キッチンにはIHクッキングヒーターや食器洗い乾燥機、浴室には追い焚き機能や浴室暖房乾燥機、トイレには温水洗浄便座や自動開閉便座などがあります。また、床暖房やエアコン、LED照明なども設置されていることがあります。 モデルハウスは、家具や設備が設置されているので、生活の想像がしやすいという良さがあります。実際に暮らす家と同じ質感や設備を試すことができ、目で見て試すことによって、何を取り入れるかを明確にすることができます。

 

モデルハウスは、家族と行くことによって何を取り入れたいのかなど直接見ながら共有することができます。結果、家族と意見を合わせやすくなり、各自の住みたい家を共有しやすくなるので、自分たちに合った家を建てることができます。さらに、モデルハウスの会場では季節のイベントも開催されており、楽しみながら家づくりについて学ぶこともできます。

 

高性能な家を建てられる

高性能の家を建てたい場合は、まず高性能住宅の内容を理解しましょう。高性能住宅は、断熱性・気密性・耐震性・耐久性・省エネ性など、快適な暮らしを実現する性能が揃っています。建築費用は一般的な住宅よりも高くなることがありますが、長期的に見れば光熱費や修繕費用など、生活するときに必要な費用を抑えることができます。

 

断熱性 断熱性が高く、室内の温度が外気温に影響されにくい住宅
気密性 隙間をなくし外と室内の空気の出入りが少ない住宅
耐震性 地震の揺れに耐えることで住宅の倒壊リスクを抑える性能を持った住宅
耐久性 豪雨や台風といった自然災害による被害にあったとしても耐えることができる住宅
省エネ性 冷暖房の消費を抑えることができる住宅

また、高性能住宅を建てる場合は、国や自治体が提供する補助金制度を活用することもおすすめです。

 

補助金制度には以下の選択肢があります。

 

費用補助 建設や改築にかかる一部の費用の補助が可能です。補助金は建築費用やエネルギー効率化に関連する設備費用、断熱材や省エネルギー機器の購入費用などに適用できます。
低利融資 補助金とあわせて、低利で借り入れができます。建築や改築に必要な資金を借り入れる時に、金利負担を減らすことができます。
税制優遇 固定資産税や所得税などの税金負担が減ります。
設計・監理支援 設計や監理に関して、専門家やコンサルタントの支援を受けることができます。

補助金制度の詳細や条件は、国や自治体によって異なります。建築予定地の所在地や計画内容によって、利用できる制度や申請手続きが異なるので、具体的な情報を収集することが大切です。

 

補助金制度の情報は以下から確認しましょう。

 

経済産業省のホームページ https://www.meti.go.jp/
補助金ポータルサイト https://www.jgrants-portal.go.jp/

経営が安定しているため倒産しにくい

ハウスメーカーは全国展開しているので、規模が大きく、収益が安定しているため、安心感を持って家を建てることができます。さらに、建築後の点検や修繕の面でも、長期的に信頼できるサポートが期待できるというのが良いところです。

 

たとえば、家を建てるときに問題が発生した場合や、家を建てた後に修理や修繕が必要になった場合など、経営状態が良好なハウスメーカーは、迅速かつ的確に対処することができます。また、迅速に修理することによって、家の価値が低下しにくく将来的に売却しようと考えたときも、良好な条件で売却ができる可能性が高まります。

 

ワンストップサービスの実現

ハウスメーカーは、設計から施工、引き渡しまでの一連の工程を一貫して担当してくれます。家の要望や予算にもとづき、建物の設計やプラン確認、安全管理などを、ハウスメーカーのスタッフが管理してくれ、建築に関する手続きや調整を一つの窓口で済ませることができるという良さがあります。

 

ハウスメーカーのデメリット

自由な設計がむずかしい

ハウスメーカーでは、あなた好みの自由な設計がむずかしいです。ハウスメーカーは、部品の生産から設計や工事までの流れができているため、個性的なデザインや特殊な建材などが
使えないことがあります。もちろん、間取りや細かいデザインの変更は可能ですが、大きな設計を変えることはむずかしいです。

 

坪単価が高額

ハウスメーカーは工務店とくらべて費用総額が高額になります。広告費やブランド力、設計費用、施工費用などがかかるため1坪あたりの坪単価が高くなってしまうのが理由です。一般的なハウスメーカーの坪単価は約57万円に対して、工務店の坪単価は約49万円となっています。

 

しかし、坪単価だけで住宅の価値を判断することはできません。坪単価だけではなく、家の全体的な価値や機能性を考えて、自分に合ったハウスメーカーを選ぶことが大切です。

 

スタッフ間の連携が上手く取れないことがある

ハウスメーカー内では、担当が「営業」「設計」「工務」と部署が分かれているため、会社内での伝達や連携がうまくできていないと、自分の要望が的確に伝わらないことがあります。スタッフ間の連携が不足していると、建築内容の伝えもれやミスが発生したりする可能性が増え、依頼する側も居心地の悪い空間になってしまうことも考えられます。

 

工務店のメリット

細かい希望まで応えられる

工務店は、細かい要望に柔軟に対処できるという魅力があります。たとえば、特別なデザインや機能を持った家を希望している場合、工務店は一からプランを作成し、理想に近い家づくりを手助けしてくれます。また、利用する建材や設備についても、メリットやデメリットを考え説明しながら各自の要望に適した選択をすることができます。

 

土地においても、一般的なハウスメーカーではむずかしい土地の形状でも、工務店なら土地に合わせた設計をすることが可能です。土地やデザインにおいて、独自のこだわりを持って家を建てたい場合、工務店の方が自由な設計を依頼することができます。

 

地域密着型で親切

工務店は、地域密着なことから土地の風土に合わせた住宅を作ることができ、親身に話を聞き各自に合わせた家づくりをすることができます。地元の住人に信頼されている工務店は、長年の経験と実績を持ち、問題が発生した時も素早く修理、修繕してくれます。また、工務店は規模が小さく身軽に行動することができるので、建築後の改築や増築はもちろん、ちょっとした相談もしやすくなっています。

 

建築費用が比較的安い

工務店の場合、ハウスメーカーよりも建築費用が比較的安くなることがあります。安くなる理由としては、工務店は小規模で運営費を抑えやすいということがあります。ハウスメーカーにくらべて工事期間は長くかかることがありますが、設計士に依頼するよりは短い時間で終わる可能性が高いです。家を建てる時は、外観や屋根の高さをシンプルにしたり、無駄な部屋や廊下を作らないことで、建築費用を減らすことができます。

 

トラブル対応が早い

工務店には、24時間365日連絡可能なアフターサービスがある会社もあります。家を建てる時に大切なのは、問題が発生した場合の連絡が早い企業を選ぶことです。たとえば、水が漏れたりトイレが詰まったりすると、緊急性があり、トイレは使用できなくなってしまうため、迅速になおしてもらいたいものです。

 

問題がおきた場合、どのような連絡手段が利用できるのかを確認しておくことも大切で、緊急時には、電話で直接話しをすることが安心感に繋がります。

 

工務店のデメリット

品質にムラが出やすい

品質にばらつきが生じる理由は、ひとつひとつ手作りで住宅を建てるため、職人さんの技術力や担当者の知識によって完成度に差が出るからです。品質が高い家を建てるためには、建築経験が豊富な職人さんに依頼することや知識が豊富で相性のあう担当者に出会えると良いです。

 

完成後のイメージがしにくい

一般的な工務店は、ハウスメーカーと違って住宅展示場やモデルハウスを用意していないことが多いため、実際の家の仕上がりを確認することがむずかしくなっています。また、ハウスメーカーにくらべ、工務店が建てた経験のある家の数が少ないため、自分たちが建てたい家の雰囲気などを写真で見ることができない場合が多くあります。家が完成した後に想像と違う部分があったり、住んでから思っていたものと違うという場合があります。

 

倒産リスクが比較的高い

倒産するリスクは大手ハウスメーカーよりも高いです。工務店は規模が小さく、ハウスメーカーと比べて経営状態が不安定になりやすいこともあり、突然の経営難や自然災害などによって、倒産してしまうことがあります。工務店が倒産した場合のリスクを減らすために、「住宅完成保証制度」に加入しているかを確認しておくこともおすすめです。住宅完成保証制度とは、工事が中断した場合に、住宅保証機構が前払い金の損失、追加費用を保証し、工事を引き継ぐ業者を紹介してくれるというものです。

 

ハウスメーカーと工務店の違い

工期の違い

ハウスメーカーは一般的に工場で建材や部品をあらかじめ製造し、現地での組み立て作業を最小限に抑える手法を採用しています。そして、デザインや仕様がある程度標準化されており、プランや設計に基づいて迅速に建設が進められるため、工期を短縮することができます。一方、工務店は現場での建築作業が主となり、要望に合わせて個別の設計をおこなうことが多いので、設計・調整の工程に時間がかかることがあり、ハウスメーカーよりも工期が長くなることがあります。

 

費用の違い

工務店はハウスメーカーよりも安くなる可能性があります。ハウスメーカーは、規格化された設計を使用することで、設計にかかる費用を抑えることができます。そして、カスタマイズの範囲もカタログやおよそ決まっているプラン内容が決まっているため、追加費用が発生しにくくなっています。一方、工務店は、地域や各店舗によって違いはあるものの、個別の要望を反映した家を作るため、設計にかかる費用が高くなる傾向があります。そして、内装の要望やカスタマイズも顧客の要望に合わせた設計や仕様の変更が比較的柔軟におこなえますが、追加費用が発生します。

 

 

マイホームを建てるならどこがいい?会社選びのポイント

施工実績が豊富にある

多くの家を建ててきた実績のある会社は、各自の要望を叶えることができ、地域の特性や文化的な背景、気候条件、建築規制などにくわしく、理解したうえで家を建てることができるので安心して任せることができます。また、実績が豊富な会社は、過去の施工事例を見ることができ、施工事例を参考にしながら、自分たちの理想の家を具体的に想像しやすくなります。

 

地域の特性には以下が挙げられます。

 

地形や土地 山岳地帯や平坦地など、地域の地形によって土地利用や建築の制約がある
水辺や海岸線 海や湖、川など水辺に近い地域では、水害や洪水のリスク、風や塩害による影響がある
気候の気温変動や季節性 暑さや寒さの変化や湿度の違いなど、地域ごとの気候条件によって断熱性や耐久性、冷暖房設備の選定が異なる
気候の自然災害 地震、台風、豪雨などの自然災害の危険性は地域ごとに異なり、耐震性や防災設備の導入の違いがある
地域の建築様式や伝統 地域の歴史や伝統に基づく建築様式や特徴に合わせたデザインや素材の選定が求められる
都市計画や建築規制 地域の都市計画や建築規制には地域の特性や景観保護、周辺環境の配慮する必要性がある

地域に密着した工務店は、地域の特性や周辺環境にくわしく、土地勘を活かした家づくりの提案をすることができます。一方、全国規模で拠点を持つハウスメーカーは、全国展開しているので、規模が大きく、どこでも同じ品質の家を建てることが可能です。

 

それぞれの会社が持つ強みを知りながら、自分たちの要望や生活習慣に合った会社を選ぶことが家づくりの成功に繋がります。

 

担当営業マンが親切で豊富な知識を持っている

知識豊富な担当営業マンは、家の特長や機能について正確に教えてくれるだけでなく、地域に特化した知識を持っていると、地域の建築において正確な助言や提案ができる可能性が高くなります。そして、聞き上手であり、約束や契約内容を守る姿勢を持っているかどうかや、自分の要望や質問に対して丁寧かつ明確に回答できるかどうかを確認しましょう。

 

アフターサービスが充実している

建築後の修理や修繕を徹底している会社は、依頼者からの愛着が強いです。
選ぶべき家づくりの会社は、製品の品質だけでなく、建築後の修理や修繕が充実していることも大切になります。

 

見積内容が明確でわかりやすい

家を建てる時は、見積もり内容が明確で理解しやすいハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。見積もりでは、建物の本体の工事費や建物以外にかかる工事費、調査や設計の費用、その他の諸費用が提示されるのですが、ハウスメーカーによって表示方法や項目名が異なることがあります。

 

見積もりの中には、何の設備が含まれているのか必要のないものは入っていないかを確認し、疑問がある場合は依頼している会社に尋ねましょう。また、見積もりの中に「工事一式」という記載がある場合は、具体的に何が含まれるのかを事前に確認してください。工事一式と書かれている場合、建物以外にかかる工事費を含んでいることが多く、具体的には、外構工事、水道工事、電気工事、ガス工事、エアコン設置工事などが含まれます。なんの工事にいくら費用がかかっているかなども明確にしておくことで、後のトラブルを防ぐことにもなるのであいまいなまま進めるのは危険です。

 

 

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