注文住宅にかかる総費用を公開!内訳はどうなってる?



家を建てることにおいて、まずは全部でどれくらいの費用がかかるのか気になるものです。
記事では総費用、それぞれの費用についてご説明します。

 

総費用はかなりバラツキがあるため、かかる費用について理解して、あとから想定とズレてしまったということがないように知識を身に着けましょう。

 

 

注文住宅にかかる総費用の相場

土地込みの場合は約5,000万円

フラット35の調査によると、注文住宅の土地込みの総費用は、全国平均で4,397万円です。

 

総費用は建物代と土地代で構成されますが、土地価格が高い地域では、総費用も高くなるため、首都圏では平均5,162万円と全国平均よりも高い総費用がかかることがわかります。

 

また、建物代と土地代の割合は全国平均で67.3対32.7となっていて、首都圏では55.2対44.8です。もちろん、家づくりのコンセプトや希望する土地の条件によっては、費用を抑えることができます。

 

建物のみの場合は約3,000万円

土地込み3,000万円で注文住宅を実現する場合、建物の本体にかかる本体工事費(基礎・構造・造作工事費の合計)や、付帯工事費(外構設備の費用・造園・配管・地盤整備費の合計)をあわせた建築費は、1,500~1,600万円程度かかります。

 

 

注文住宅購入にかかる費用の内訳

本体工事費

本体工事費は注文住宅を建てるときに、建物自体の建築に必要な費用のことを指します。

 

具体的には、建物の基礎を作る仮設工事や基礎工事、骨組みを作る木工工事、外装や屋根、窓や扉の取り付け、さらに断熱材やタイルの取り付けまでが含まれます。

 

また、電気や水道の配線や配管工事、そして空調設置工事などの住宅設備の設置工事も含まれています。

 

ただし、庭や門、塀、駐車場といった建物の外周りの工事は本体工事費には含まれません。

 

本体工事費は、注文住宅総費用の中で最も大きな割合を占める部分であり、全体の約70%以上と言われています。

 

費用には、さまざまな項目が組み合わさっており、契約後に仕様変更があった場合には、追加変更による工事精算額が発生することがあるので注意しましょう。

 

水道工事費

水道工事費は、家の建設において水回りの設備を整えるためにかかる費用のことです。これには、水道管の引き込みからキッチンや浴室、トイレなどの各種配管工事までが含まれます。

 

また、給水管や排水管の設置や接続、バルブや止水栓の取り付けなども水道工事費に含まれる要素となります。

 

水道工事費は、建物の規模や設備の種類、配管の長さや地形、地盤の状況によって変わるため、一概に金額を決められません。

 

しかし、工事費用を抑えるためには、水回りを効率的に配置し、できるだけ配管が短くまとめられるように計画することが大切です。

 

外構工事費

外構工事は建物の外回りを整えるための工事で、家のフェンスや門扉、アプローチ、庭の植栽などをおこないます。

 

また、屋外給排水工事や解体工事費、地盤改良費などが含まれることもあります。費用は総費用の約15~20%が目安です。

 

たとえば、新築戸建ての総費用が3000万円の場合、外溝工事費は450~600万円程度が見込まれます。

 

金融機関によっては、住宅ローンに組み込めますが、施主支給品については住宅ローンに含めることができず、現金で用意する必要があります。

 

外溝工事費用には予想外の出費が発生することもあるため、見積もりの段階で確認しておくことが重要です。安く済ませたい場合は、一部、DIYで対応することもできます。

 

その他施工費

その他施工費は、家を建てるときに発生する細かい費用で、例えば、地盤の強さやインフラの状況によって追加でかかる工事費用や、太陽光発電システムを設置するときに必要となる費用が含まれます。

 

また、下水道が途中で開通されていない場合には、開通するための費用も計算に入れる必要があります。

 

費用は、選んだ土地によって変わるため、予想よりも多くの費用が発生する可能性があることを覚えておく必要があります。

 

土地代金

土地代金は、注文住宅を建てるときにかかる大きな費用のひとつで、全国平均で約1440万円が必要とされています。

 

土地代は地域や広さによって大きく差が出るため、土地代いろんな地域の土地代を比較してみましょう。

 

また、土地購入に際しては、土地本体代金だけでなく、仲介手数料や土地造成費用、契約時の印紙代、固定資産税清算金などの諸費用も考えておく必要があります。費用は、土地の購入費用として計上され、住宅ローンに含まれる場合があります。

 

土地測量費

「土地測量費」とは、土地の境界や形状を正確に把握するためにおこなう測量作業にかかる費用です。土地を購入するときには、必ず測量がおこなわれます。測量作業には専門的な知識が必要なため、土地家屋調査士に依頼することが一般的です。

 

土地測量費は、土地の広さや土地家屋調査士への報酬などによって、かかる金額が異なります。全国平均で見ると、土地測量費は約8万円程度とされています。ただし、土地の形状や場所によっては、費用が多少上下することも考えられます。

 

地盤改良工事費

地盤改良工事は、お家を建てるときに土地の地盤が不安定な場合に、地盤沈下などの被害を防ぐためにおこなわれる工事です。

 

安い土地を購入したときに、地盤の強さや安定性が十分でないことがあります。そんな時に必要になるのが、地盤改良工事です。工事は購入前に不動産会社から調査がおこなわれ、必要性が判断されます。

 

一般的な方法としては、地盤に杭を打ち込むことで、地盤を補強したり、特殊な技術を利用して土中の水分や不純物を抜き取ることで、地盤の強度や安定性を高める方法などがあり、土地の状況や工法によって変わりますが、予算の5〜10%程度が目安とされています。

 

宅地造成費

注文住宅を建てるときには、土地を整地するための費用がかかりますが、分譲地の場合はさらに独自の費用が発生することがあります。

 

例えば、一部の分譲地では、境界にブロックやフェンスを設置することが前提とされており、これに関連する費用が土地購入時に請求されることがあります。

 

具体的な価格が変動するため費用は一概には言えませんが、造成工事は数十万円かかることが多いとされています。また、仲介手数料として、工事費の約20%が上乗せされることもあります。

 

造成費用は、外構費用とは異なり、土地購入費用に含まれるため、住宅ローン減税の対象になることができます。

 

ただし、土地購入時に造成費用について説明されるまで知らない場合もあるため、分譲地を購入するときには、事前に土地本体代金以外にかかる費用について確認しておくことが大切です。

 

登記諸費用

建物表題登記費用

建物表題登記とは、新しく建てられた家に対して、存在や規格を初めて登録するための手続きのことです。手続きは、司法書士ではなく、土地家屋調査士に依頼することになります。

 

建物表題登記にかかる費用は、土地家屋調査士への報酬として支払われます。自分で登記をおこなうこともできますが、測量や資料作成などの専門知識が必要なため、専門家に依頼する方が安心です。

 

実際に、令和元年度の建物表題登記費用の全国平均は、83,659円であると日本土地家屋調査士会連合会が調査しています。
費用は、建物本体工事やその他の諸費用や税金とは別に支払われることに注意しましょう。
特に企画型注文住宅の場合、土地価格や消費税などが上乗せされる場合があります。

 

土地地目変更登記費用

土地地目変更登記費用は、注文住宅購入において必要となる登記諸費用の一部です。

 

土地地目変更登記とは、建物がまだ登録されていない土地について、建物の存在や規格を登録するための手続きをおこなうものです。登記手続きは、司法書士ではなく、土地家屋調査士に依頼することになります。

 

土地地目変更登記費用は、土地家屋調査士に支払う報酬によって決まります。表題登記は自分でおこなうこともできますが、測量や資料作成など専門的な知識が必要になるため、土地家屋調査士に依頼した方が無難です。

 

一般的には専門家へ依頼する場合1筆あたり約5万円前後となります。また、所有する土地が複数あり、地目変更する筆数が追加になる場合は、1筆あたり2~3万円加算になります。

 

注意すべき点として、分譲地購入の場合は、土地購入前に予想外の費用がかかることがあるので、仲介業者から土地本体代金以外の費用についても確認しておくことが重要です。

 

所有権保存登記費用

所有権保存登記とは、新たに建物が登録されるときに建物の存在や規格を登録するためにおこなわれる手続きです。手続きには、土地家屋調査士へ依頼が必要となります。

 

所有権保存登記費用は、土地家屋調査士へ支払う報酬が主となり、専門的知識が必要なため、自分でおこなうことはむずかしいとされています。

 

かかる金額は、特定の条件下で0.15%の税率が適用されます。具体的な例では、建物の価格が1,000万円の場合、0.15%が「所有権保存登記費用」となり、それは1万5,000円に相当します​

 

抵当権設定登記費用

注文住宅を購入するときに、住宅ローンを組むことが一般的ですが、そのときには抵当権設定登記が必要になります。これは、銀行が借り手からの返済が滞った場合に、担保となる家を手に入れる権利を登録するための手続きです。

 

抵当権設定登記の手続きは、通常司法書士に依頼されます。司法書士には登記手数料が発生し、金額は登記の内容や融資額によって異なりますが、一般的には数万円程度が相場とされています。

 

家財購入費

注文住宅を購入するときには、家具や家電などの家財購入費用も考慮する必要があります。「家財購入費」とは、新しい家で暮らすために必要となる家具や家電製品の購入費用のことを指します。新築のお家に引っ越すときには、新しい生活に伴ってこれまでの家具や家電が合わなくなることもありますので、新たに購入することになります。

 

具体的には、寝室用の布団やベッド、リビング用のソファやテーブル、テレビ、ダイニングテーブルや椅子などの家具や、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、オーブンなどの家電製品等が家財購入費用に含まれます。また、カーテンや照明器具などのインテリアや収納用品なども含まれます。

 

家財購入費用は家族構成やライフスタイルによって大きく異なりますが、平均的には数十万円程度が目安とされています。住宅購入時に総費用に含まれることは少ないため、別途予算を立てて計画的に購入することが大切です。

 

ローコストでマイホームを手に入れるためのポイント3選

1.内装にこだわり過ぎない

壁紙や家具などの内装は施工後に簡単に変更ができるので、無理に高いものを選ばず、価格を抑えることができます。また、見えない部分の費用を削減しすぎないように注意しましょう。

 

これまでの経験から、予算に合った生活スペースを作り上げるために、こだわりたいポイントを厳選してリストアップし、優先順位を決めます。例えば、「お風呂はハイグレードなものを選びたいが、壁紙は一般的なもので済ませたい」というように、それ以外の部分は費用を抑えながら選ぶことがおすすめです。

 

2.複数のハウスメーカーに見積もりを依頼する

家を建てるときには、複数のハウスメーカーから見積もりを取り寄せることが大切です。なぜなら、一社だけから見積もりをもらっても、金額が適正かどうか判断できないからです。複数社から見積もりを取り寄せることで、各社の提案内容や金額を比較し、自分にとって最適な選択ができます。

 

また、複数のハウスメーカーに見積もりを依頼することで、新たな間取りのアイデアが見つかることもあります。また、ハウスメーカー同士の競争によって、値引きが適用される可能性もあります。さらに、工事費だけでなく、外構工事や住宅ローン、火災保険など、総費用を節約するためにも比較検討が重要です。

 

余裕を持ったスケジュールで、また自分の労力を惜しまずに複数のハウスメーカーと比較検討することが、費用を安く抑えるコツです。複数の見積もりを取り寄せて検討しましょう。

 

3.住宅購入者向けの控除や補助金を活用する

地域や自治体によっては、新築やリフォームに対して助成金や補助金が支給されることがあります。特に、省エネルギーや耐震性能、断熱性能に優れた住宅建設に対する補助金がよく見られます。

 

また、家族や親戚から住宅購入の資金を贈与される場合、贈与税の一部が免除される特別控除制度が利用できます(2023年12月31日まで)。制度は非常に有益なので、該当する方はぜひ活用しましょう。

 

さらに、建築条件や家の性能によって、補助金を受け取れる可能性があります。例えば、ZEH(ゼロエネルギーハウス)補助金や住まい給付金が受け取れる場合があります。制度を活用するときは、営業担当者に確認し、申請期間や条件を把握しておくことが重要です。

 

注文住宅にかかる総費用のシミュレーション方法

自力で最初から考える

家づくりの費用シミュレーションをおこなうときは、以下の5つのポイントを準備しましょう。
1. 自己資金の額を調べる
2. 月々のローン返済額がいくらまで許容できるか考える
3. 建てたい家の相場を調べる
4. 新築一戸建てにかかる費用の内訳を把握する
5. 土地購入費と家づくり費用のバランスを検討する

 

ポイントを考慮しながら、自分たちに合った予算をしっかりと決めることが、理想の注文住宅を実現するための大切なステップです。

 

注文住宅にかかる総費用はシミュレーションサービスで把握可能

シミュレーションサービスを利用して、注文住宅にかかる総費用を簡単に知る方法を紹介します。サービスでは、住宅ローンの借入額や毎月の返済額を計算できるだけでなく、建物の広さや土地価格も含めた総費用を把握することができます。

 

具体的なシミュレーションサービスの例としては、「住宅見積.com」などがあります。サイトの利用により、土地付き注文住宅の総費用までの目安を網羅的に計算することができます。

 

シミュレーションサービスを利用すると、予算の目安が把握しやすくよりスムーズに検討を進めることにつながるでしょう。総費用把握が完了したら、理想の住まいを築くための具体的な資金計画を立てましょう。

 

 

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