土壁の家とは?メリット・デメリットやメンテナンス方法などを解説
独特の趣があり、日本では古くから和室を設ける際に内壁材として使用されていた土壁ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。今回は土壁の家について解説します。
土壁とは
Point 土や砂、藁を混ぜて塗り固めた壁
土壁とは、土や砂を短く切った藁(わら)に混ぜ、水で練ったものを塗り固めた壁です。日本では古くから作られ、主に和室の内壁材として使われています。藁は、繊維がつなぎの役割を果たし、強度を持たせます。年月が経つほどに繊維が細かく分解され、さらに強度が増します。
仕上げ用の土色により、聚楽(じゅらく)壁や錆壁などの種類があり、一般的なものが珪藻土です。土壁の特徴は、原料の種類や混ぜる素材、塗り方によって仕上がり方が異なるところです。
土壁のメリット
Point 調湿効果や蓄熱性、耐火性が高く、脱臭作用がある
調湿効果がある
土壁は、湿度が高ければ空気中の水分を吸収し、湿度が低ければ空気中に水分を放出する調湿効果があります。冬に多い結露を緩和させ、カビやダニの発生を抑えます。
蓄熱性が高い
土には、熱しにくく冷めづらい性質があり、蓄熱性が高いです。冬は室内で暖めた空気を保ちやすくなります。
耐火性が高い
土は燃えないため、耐火性に優れています。もし火が移ってきても、さらに燃え広がることを抑えます。
脱臭作用がある
土壁には、空気中にある汚染物質を吸着する作用があり、たばこや料理やペットの臭いなどを抑えてくれます。
シックハウス症候群にならない
土壁は自然素材のため、シックハウス症候群の原因となる有害な化学物質を含みません。アレルギーや喘息のある方には安心して使えるでしょう。
土壁のデメリット
Point 施工期間が長く、職人の腕によって仕上がりの差が出る
施工期間が長い
土壁は、塗ってから乾燥させる工程を何度か繰り返す必要があるため、施工時間が長くなります。乾燥期間は気温や湿度によって異なり、完成するまで2~6ヶ月程度かかることもあります。土壁は手作業の工程が多く、人件費がかかってしまうため、費用が高くなります。
職人によって仕上がりが変わる
技量や経験のある職人でないと、納得できる仕上がりにならないこともあります。また、職人の腕によって、メンテナンスが必要になるまでの期間も変わってきます。
ひび割れやカビが発生する恐れがある
土壁は、経年劣化や地震でひび割れが起こる恐れがあり、硬いものとぶつかるとぽろぽろと崩れてしまいます。
また、日当たりや風通しの悪い部屋にタンスなどを置いていると、その裏にカビが発生しやすくなります。
水拭きができない
汚れた時に水拭きができないため、汚れが残ることが多いです。そのため、適切な方法で掃除をする必要があります。
土壁はメンテナンスが大変?
Point 月日が経つと劣化するため、いくつかあるメンテナンス方法を選ぶ必要がある
土壁は経年劣化でひび割れなどが起こるため、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンス方法はいくつかあり、土壁や漆喰や珪藻土を塗り直す、土壁の上から塗装する、土壁の上に壁紙を貼るなどがあります。
壁紙や漆喰との併用
Point アクセントウォールとして取り入れることもある
壁紙や漆喰と併用して土壁を使用することもあります。従来は、ナチュラルな色味の土壁が主流でしたが、近年ではカラーバリエーションが増えたため、アクセントウォールとして取り入れる方もいます。
土壁は、漆喰と同様、コテ跡を残すような塗り方にすることもでき、仕上げ方によっても様々な印象を与えます。
なお、漆喰については「漆喰とは?メリット・デメリットやデザインのバリエーションなどを解説」を参考にしてください。
まとめ
土壁は、和室の内壁材として使用されることが多い、土や砂、藁を混ぜて水で練ったものを塗り固めた壁です。特徴は、原料の種類や混ぜる素材、塗り方、職人の腕などによって仕上がり方が異なるところです。
調湿効果や断熱性、耐火性が高く、脱臭作用がありますが、施工期間が長く、費用が高いです。年数が経つと土壁が劣化し、崩れてくるため、定期的なメンテナンスが必要です。土壁を塗り直すだけでなく、漆喰や珪藻土を塗り直したり土壁の上に壁紙を貼ったりすることも可能です。
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