メンテナンスフリーとは?メリット・デメリットやおすすめの箇所などを解説


住宅は、定期的に点検やメンテナンスを行わなければいけません。しかし、メンテナンスを依頼する業者選定や、その度に支払う費用が負担になってしまうこともあるでしょう。そこで紹介したいのがメンテナンスフリーの素材です。今回は、メンテナンスフリーの素材の概要やメリット・デメリット、利用をおすすめする箇所について解説します。

住宅のメンテナンスフリーとは?

Point 長期間メンテナンス不要の住宅のこと

 

住宅のメンテナンスフリーとは、長期間メンテナンスの必要がない住宅のことを言います。

 

一般的には、木造住宅の寿命は30~80年程度、鉄筋構造・鉄骨コンクリート造の寿命は30年~90年程度が目安とされています。老朽化が見られてくると、リフォームや建て替えを行うことになります。

 

しかし、使用する素材によっては老朽化までの時間が長くなったり、メンテナンスをする場合でも簡単で費用をあまりかけなくても済んだりすることがあります。

 

例えば、屋根に防水性・耐久性・防火性・柔軟性に優れている素材を使う場合や、外壁に弾力性に富み、衝撃やヒビに強く、光触媒効果があって汚れにくい素材を使う場合、メンテナンスを行う間隔を延ばすことができます。

 

 

 

メンテンスフリーのメリット

Point メンテナンスまでの間隔を延ばし、後にかかる費用を軽減できるメリットがある

メンテナンスするまでの間隔を延ばすことができる

メンテナンスフリーの素材を使用した場合、一般的な素材よりも長期間メンテナンスが不要になります。

 

その長期間が具体的に何年を示すかはハウスメーカーや工務店によって異なりますが、より長期間の耐久年数がある素材を「メンテナンスフリー」と呼ばれています。

定期点検は必要になりますが、耐久年数を比較的延ばせることから住宅メーカーや業者に依頼する回数を減らしたり、依頼先を選ぶ手間を減らすることにつながります。

将来のメンテナンス費用を住宅ローンに組み込める

新築の注文住宅を建てる場合、建築時の予算を上乗せしてメンテナンスフリーを選べば、住んでからかかるメンテナンスの費用や頻度を抑えることができます。

 

つまり、将来かかるはずのメンテナンス費用分を新築する際の住宅ローンに組み込む形にすることができます。建築時の予算に余裕がある方におすすめの方法です。

メンテナンスフリーのデメリットやポイント

Point 素材の価格が高く、耐震性やデザイン性が落ちることもあるのが難点

メンテナンスフリーの素材の価格が高い

メンテナンスフリーの素材は、一般的な素材と比べて高額になることが多いです。あくまでも目安ですが、一般的な素材にメンテナンスにかかる費用分を上乗せしたくらいの価格感となります。

 

メンテナンスフリーの素材を選ぶと建築時の予算は高くなりますが、20~30年くらいの長いスパンで見れば選ぶ場合とそうでない場合でかかる全体の費用の差はさほど大きくないこともあります。費用は長期的な視点をもって検討するのがおすすめです。

 

全くメンテナンスが不要になるわけではない

メンテナンスフリーの素材を選んでも、全くメンテナンスが不要になるわけではありません。それぞれの住宅メーカーによって「メンテナンスフリー」という言葉の定義が曖昧ですので、どのくらいの間メンテナンスが不要になるのか確認しましょう。

 

また、メンテナンスフリーの素材を使用していても、その素材を接着している接着剤は10~15年という短い間隔でメンテナンスが必要になってくることもあります。

 

例えば、屋根をメンテナンスフリーの素材にしても、継ぎ目が劣化してしまえばそこから雨水が入り構造部分の劣化にまでつながってしまうかもしれません。

メンテナンスを重要視し過ぎて耐震性やデザイン性が落ちる

メンテナンスのことばかりを重要視し過ぎて耐久性やデザイン性が落ちてしまうことも考えられます。例えば、樹脂系サイディングは耐久年数が長いですが、デザインの選択肢が少ないという短所もあります。もちろんメンテナンスの間隔やかかる費用なども重要なことですが、家づくりではバランスよく様々なことを考えて選択していく必要があります。

注文住宅を建てる際にメンテンスフリーにすると良いおすすめの箇所

Point 屋根や外壁はメンテナンスフリーの素材を使用すると長期間雨漏りや漏水を防げる

 

注文住宅を建てる際にメンテンスフリーにすると良いおすすめの箇所としては、屋根と外壁があります。屋根と外壁は、劣化したままにしておくと、雨漏りや漏水などにつながってしまう恐れもあります。屋根と外壁に利用されることが多いメンテナンスフリーの素材を紹介します。

屋根

瓦は古くから日本の住宅に使用されてきた、耐久性のある屋根の素材です。瓦そのものが焼き物ですので、色あせることがなく、何年経っても変わらぬ美しさを保ちます。

一方で、価格が他の屋根材に比べて高く、地震や強風で瓦が落ちるリスクがあるため、その対策が必要です。

銅板

銅板は瓦と同様に、古くから日本の住宅に使用されてきた素材で、軽量で耐久性のある屋根が作れることがメリットです。

デメリットとしては価格の高さと防音性の低さが挙げられます。雨音が大きく響きやすいため、気になる方も少なくありません。また、近年では銅板が屋根に使用されることが少なくなってきたため、施工できる業者が少なくなっています。

 

2層構造の屋根材

メンテナンスフリーの屋根素材として、グラスファイバーと耐候性アスファルトを使用した2層構造の屋根材も挙げられます。いずれの素材も防水性や耐久性だけでなく、防火性や柔軟性にも優れています。しかし、価格が高くなってしまうこともあり、瓦ほどには普及していません。

外壁

タイル

タイルは、粘土や石を高温で焼いた素材で傷がつきにくく汚れや水にも強いため、耐久性に優れているという特徴があります。タイルのデメリットは、他の外壁素材であるモルタルやサイディングに比べて2~3倍の費用がかかるところです。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングとは、塩化ビニル樹脂で作られたサイディングボードのことで、サイディング素材の中ではかなり耐久性が優れています。タイルと比較すると、5〜7割程度の費用で済むことが多いです。

 

しかし、樹脂系サイディングのデメリットとしては、工事難易度が高い点が挙げられます。樹脂系サイディングは日本での実績が少なく、適切な工事ができる業者が限られます。そのため、工事に不慣れな業者に依頼してしまうと樹脂系サイディングの本来の性能を発揮できず、メンテナンス頻度が高くなるでしょう。

まとめ

住宅のメンテナンスフリーとは、メンテナンスの間隔が少ない住宅のことを言います。メンテナンスがまったく不要になるわけではありませんが、メンテナンスフリーの素材を使用することによって、メンテナンスまでの間隔を延ばすことができます。

 

メンテナンスフリーの素材の価格は高額になることが多いため、メンテナンスの手軽さや価格、性能などのバランスを上手くとれるとよいでしょう。

 

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