市街化調整区域とは?家を建てる前に知っておきたいメリット・デメリット


家を建てようと調べていると「市街化調整区域」という用語を見かけることがあります。この市街化調整区域の意味を理解しておかないと、せっかく良い土地を見つけても家を建てられない恐れがあります。

 

今回は「市街化調整区域」について、意味やメリット・デメリットなどを解説します。

 

市街化調整区域とは

Point 市街化調整区域は、基本的には建物を建てられないエリアのこと

 

市街化調整区域とは都市計画法で「市街化を抑制すべき区域」とされているエリアのことです。市街化調整区域では基本的に家を建てることはできませんが、地方自治体によっては申請をすることで建てられるケースもあります。

 

市街化調整区域の調べ方

家を建てようとしたエリアが市街化調整区域かどうか調べる方法は以下のとおりです。

 

【特定の不動産で市街化調整区域かどうか調べる方法】

  • 不動産の物件資料に書かれている「用途地域」に市街化調整区域の記載があるかどうかを確認する

 

【特定のエリアが市街化調整区域かどうか調べる方法】

  • インターネットで「自治体名+都市計画図」または「自治体名+市街化調整区域」で検索し、自治体公表の都市計画図※で調べる
  • 自治体の都市計画課で問い合わせる

自治体によっては「都市計画図」を公表していない場合もあります

 

自治体公表の都市計画図とは例えば以下のようなものを指します。

引用:都市計画図|東大和市

 

赤丸で示した箇所が市街化調整区域に該当します。特定のエリアが市街化調整区域かどうか調べたい場合には都市計画図を参考にしてみましょう

 

市街化調整区域に家を建てるには

Point 市街化調整区域は条件を満たしていれば、家を建てることができる

 

原則、市街化調整区域には家を建てることはできません。しかし、市街化調整区域であっても家を建てる方法が4つあります。

 

  • 立地の条件を満たした土地に家を建てる
  • 開発許可が必要ない家を建てる
  • 開発業者(ディベロッパー)が開発したエリアで家を建てる
  • 市街化調整区域に指定前される前に建てられた住宅を購入し、建て替える

 

市街化調整区域に家を建てたい方は上記いずれかの方法を検討しましょう。

 

立地の条件を満たした土地に家を建てる

市街化調整区域内であっても、都市計画法に規定されている条件を満たした土地であれば、家を建てることが可能です。

その条件とは「市街化区域に隣接している」かつ「おおむね50軒以上の建築物が連なっている地域」かどうかになります。両方を満たしており、かつ都道府県が認めた地域であれば、家を建てることができます。

開発許可が必要ない家を建てる

開発許可の必要がない農林漁業を営む者の居住用建築物であれば、市街化調整区域内の土地であっても建てることができます。つまり、農業や漁業に従事している人であれば、市街化調整区域でも自由に家を建てることが可能です。

 

開発業者(ディベロッパー)が開発したエリアで家を建てる

市街化調整区域において、開発業者(ディベロッパー)が開発許可を取った上で大規模に開発している分譲住宅地があります。この分譲住宅地は既に開発業者が許可を取っているため、誰でも家を建てることが可能です。

 

ただし、開発業者が現在進行中で開発を進めている市街化調整区域は多くはありません。新築にこだわりがなければ、過去に開発が進められていた市街化調整区域の中古物件を購入した上で、一定の制限はありますが、建て替えも検討すると良いでしょう。

市街化調整区域に指定前される前に建てられた住宅を購入し、建て替える

市街化調整区域に指定される前から建っていた中古住宅を購入し、そのあとに建て替える方法もあります。購入費用+建て替え費用は掛かってしまいますが、選択肢の一つとして検討しましょう。

 

 

市街化調整区域の3つのメリット

Point 市街化調整区域は土地価格が安く、その分建物にお金を掛けられる

 

市街化調整区域のメリットは以下のとおりです。

 

  • 土地の価格が比較的安い
  • 維持コストが相対的に低い
  • 騒音トラブルやご近所トラブルが少ない

 

順に詳しく見ていきましょう。

 

土地の価格が比較的安い

市街化調整区域は、住宅や各種施設の建設が制限されており、積極的な開発をすることができません。また市街地よりも離れた位置にあることから、土地価格は安い傾向にあります。

とくに「大きな庭付きの家を建てたい」「土地代はそこそこに、家にお金を掛けたい」などと考えている方にとっては大きなメリットになるでしょう。

 

維持コストが相対的に低い

市街化調整区域は維持コストである固定資産税が安く済み、かつ都市計画税の負担がありません。

固定資産税は土地および建物の評価額をもとに算出されます。したがって、土地価格が安い市街化調整区域では固定資産税も低く抑えることが可能です。また、そもそも市街化調整区域の土地には都市計画税が課税されないため、その分維持コストが安くなります。

 

騒音トラブルやご近所トラブルが少ない

市街化調整区域は都市部から離れたエリアにあるため、騒音や生活音によるトラブルは少ないです。加えて、隣の家とも一定の距離があるため、ご近所トラブルも起こりづらい環境にあります。とくに「田舎の静かな環境に住みたい」「のんびり家庭菜園をしたり、ペットと遊んで暮らしたい」と考えている方は市街化調整区域での家づくりを検討しても良いでしょう。

 

市街化調整区域のデメリットやよくある後悔

Point 市街化調整区域に建てた家には、買い手がつかないリスクが大きい

 

メリットだけでなく、市街化調整区域のデメリットやよくある後悔も確認することが重要です。

 

  • 建築・リフォーム・増築に関する各種制限がある
  • 売却時に買い手が見つかりづらい
  • インフラが不十分な可能性がある

 

それぞれ順に解説します。

 

建築・リフォーム・増築に関する各種制限がある

市街化調整区域には各種制限があるため、自由に建築やリフォーム、増築をすることはできません。そのため、「家を建てたはいいものの、増改築が認められず困っている」と後悔する方もいるようです。制限は自治体によって異なり、かつ複雑であるため、事前に自治体へ確認することをおすすめします。

 

売却時に買い手が見つかりづらい

リフォームや増築、土地活用の制限がある市街化調整区域内に建てた家は需要が多くありません。将来的に売却したいと思っても買い手がつかず、売るに売れない状態になってしまうリスクもあります。そのため、今後の人生設計も踏まえて、市街化調整区域に家を建てるかどうか検討することが大切です。

 

インフラが不十分な可能性がある

市街化調整区域は、人が多く住むエリアではないため、電気やガス、水道といったインフラが不十分な可能性があります。インフラが未整備のエリアであれば、自費で整備工事をしなければならず、出費がかさんでしまいます。想定外の出費を防ぐためにも、インフラの整備具合も必ずチェックしておきましょう。

 

まとめ

市街化調整区域とは「基本的には建物を建てられないエリア」のこと。ただし、一定の条件を満たせば、市街化調整区域であっても家を建てることが可能です。

 

市街化調整区の土地は価格が安く、家にお金を掛けることが出来るので、こだわりの家を建てられることができます。ただ「はじめての家づくりでわからないことばかり」という方もいるでしょう。そのような方は「ウチつくbyOnnelaサイトの利用がおすすめです。当サイトではお客様のご希望やこだわりに沿ったハウスメーカーに出会えるメーカー検索機能や無料のオンライン相談サービスを提供しています。ぜひ、一度ご利用ください。

 

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