住宅取得資金贈与とは?条件や非課税措置について、2022年の税制改革を含めて解説!


親が子供に対して、家を購入するための資金を贈ることは多々あります。そこで重要なのが、住宅取得資金贈与です。住宅取得資金贈与について知識を持っていなければ、節税の機会を逃し損をしてしまう恐れがあります。そこで今回は制度の内容や注意点について解説します。

住宅取得資金贈与とは?

Point 両親や祖父母が子どもや孫に対して家を購入するお金を支援するための制度!

住宅取得資金贈与について理解するためには、まず贈与税の知識が必要です。贈与税とは個人から贈与により財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税です。贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに申告と納税をしなくてはなりません。

贈与にも「お金を贈る」、「家や土地を贈る」などがありますが、「家を購入するための資金」を贈る場合、住宅取得資金贈与にあたり、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になります。

住宅取得資金贈与として認められるには、直系尊属(両親や祖父母)から、直系卑属(子供や孫)に、家の購入・新築・増改築を目的とした資金の贈与であると申告することが条件です。注意点として、直系であることが条件のため、妻の両親が夫に対して贈与する場合は適用されません。

また、「住宅ローンの返済」は対象外となり、住宅そのものの支払いに使われる資金が対象となります。

住宅取得資金贈与の条件・限度額と税制改正

Point 贈与を受ける人や家に関して様々な制限がある!

住宅取得資金贈与は多額の資金を非課税で受け取ることができます。大きなメリットですが、そのためには様々な条件を把握しておく必要があります。

まず、住宅取得資金贈与の認定を受けるためには、贈与を受ける人が直系卑属であることが条件です。また、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上である必要があります。もともと20歳以上でしたが、2022年の税制改正により引き下げられました。

所得制限もあり、贈与を受けた年の年間合計所得が2,000万円以下であることが条件です。また、2009年〜2014年までに贈与税の申告で住宅取得等資金の非課税の適用を受けている場合も、認められません。

新築の家を購入する場合や増改築をする際、施工業者の関係者と請負契約を結んでいないことも条件になります。贈与を受けたら翌年の3月15日までに全額を使い、贈与を受ける翌年の3月15日までに、その家に住まなくてはなりません。つまり、家を建てて「賃貸に出す」「別の家で暮らす」といったことは認められません。さらに、贈与を受ける人は日本国内に住所が必要です。

もともと住宅取得資金贈与は2021年12月31日までの特例措置として実施されていましたが、2022年度により、2年間の延長が発表されました。2023年12月31日までは適応されるため、子どもや孫への資金贈与は、この期間内をおすすめします。

住宅取得資金贈与の対象となる物件

対象となる物件にも条件があります。新築または取得の場合、「日本国内にある住宅」「住宅の床面積(登記簿面積)が40平方メートル以上240平方メートル以下」「家屋の床面積の2分の1以上を居住用に使う」「新築の場合、建築されてから誰も使用していない」と決められています。

また2022年度税制改正大綱により、中古住宅の購入に関する条件が変更となり、築年数は無関係となりました。

改正後は、1982年1月に定められた新耐震基準に適合していることが必須となっています。新耐震基準は震度6強~7程度の地震が発生しても、倒壊しないという構造基準です。

増改築の場合、「増改築後の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下」で「床面積の半分以上は贈与を受けた人の居住用」としなくてはなりません。つまり新築同様、改築して大部分を賃貸に出すといったことはできません。また、増改築工事において「確認済証の写し」「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」といった書類による証明も必須です。

住宅取得資金贈与の非課税限度額

非課税限度額に関しても、変更がありました。これまで、住宅取得時の消費税率が10%の場合、「耐震・省エネなど一定基準を満たす住宅」は1,500万円の非課税枠がありましたが1,000万円に引き下げられました。一般の住宅に関しても、1,000万円から500万円に半減しました。

ただし、省エネルギー性の高い住宅、耐震性の高い住宅、バリアフリー性の高い住宅のいずれかを満たす「震災特例法の良質な住宅用家屋」は、改正前と変わらず1,500万円のままです。また、「震災特例法の上記以外の住宅用家屋」も1,000万円のままです。

購入ではなく増改築のための贈与は、増改築等工事証明書を提出して、一定の工事に該当することを明らかにしなくてはなりません。また、総費用が100万円未満の場合は認められないので注意しましょう。

住宅取得資金贈与の注意点

Point 申告忘れや小規模宅地等の特例との兼ね合いに注意

住宅取得資金贈与を利用する際は条件のほかにいくつかの注意点も把握しておく必要があります。

課税額が0円でも申告は必要

住宅取得資金贈与の特例を利用することで課税されないようにした場合でも、申告は必要です。申告せずにいると加算税の対象となる場合もあるので、忘れないように気をつけましょう。

申告の際は、「贈与税の申告書」「戸籍謄本」「確定申告書や源泉徴収票」「新築や取得の契約書の写し」「本人確認書類」が必要です。贈与税の申告書は国税庁のWebサイトからダウンロードできます。

小規模宅地等の特例が受けられない

住宅取得資金贈与は相続税の節約のために行われることもありますが、住宅取得資金贈与を利用することで、小規模宅地等の特例が受けられなくなるので注意しましょう。これは、亡くなった方の土地を、条件を満たした親族が相続することで土地の評価額を最大80%減額できるというものです。

生前から対策しておきたいということであれば住宅取得資金贈与を利用することになりますが、どちらの方が得か検討することをおすすめします。また、小規模宅地等の特例は「亡くなった人が住んでいた場所か、貸していた場所か、事業をしていた場所か」によって条件が変わったり、取得者の要件が複数あったりと複雑なため、税理士などの専門家に相談した方がよいでしょう。

長期間にわたる生前贈与が得になることも

贈与税は110万円以下であれば税金がかからないため、長期間にわたって毎年109万円ずつ贈与した方が、結果的に得をするケースもあります。

贈与額にもよりますが、実際に計算をして、どちらが得になるか検討してください。

まとめ

住宅取得資金贈与は正しく利用すれば節約効果の高い特例です。しかしいくつかの注意点があるので、事前に確認しておきましょう。

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