地震に強い家にするにはどうすればいい?耐震性についての詳細と地盤や構造のポイントを解説!


家づくりで何を大切にするかは人それぞれですが、「万が一の地震に備え、耐震性を重視したい」という方は多いのではないでしょうか。今回はそんな方のために、住宅の工法や構造と耐震性について解説します。

地震に強い家とは?どんな対策があるの?

Point もっとも地震に強いのは、免震工法の住宅!

地震に強い家をつくるためには、免震工法、制震工法、耐震工法について理解する必要があります。それぞれの特徴とメリット、デメリットは以下の通りです。

免震工法とは?

免震工法とは、地震が起きた時に揺れを流す工法です。基礎の上に免震装置を設置し、建物と地盤を離すことで、揺れが家に直接伝わりません。免震装置はアイソレータと呼ばれるもので、地面が揺れると水平方向に揺れるようになっています。

他にもダンパーという樹脂やゴム、金属でできた装置を組み合わせ、地面に直接建っている時の3分の1から5分の1まで軽減することができます。3つの工法の中で地震に対して最も強く、家具が倒れるリスクも小さいです。

免震工法のメリットは、揺れが最小化できることです。地震に最も強い家を作りたい方は免震工法を選びましょう。デメリットは、免震装置の揺れに備えて、建物の周辺に空間が必要になることです。また、定期的なメンテナンスや高額なコストが必要となり、施工できる住宅メーカーが限られています。地震の揺れには強い一方で、台風や強風への揺れにはあまり効果がありません。

制震工法とは?

制震工法は、地震の揺れを流すのではなく、吸収することで被害を防ぎます。建物の内側にダンパーという装置をとりつけます。

上の階ほど揺れが抑えられ、高いビルなどにおいては非常に有効です。家具が倒れるリスクは小さいです。

制震工法のメリットは、建物の倒壊を防ぎ、家具の損傷も小さくできるので、二次災害を防ぎやすいことです。免震工法に比べるとコストが安く、地震後のメンテナンスもほとんどいりません。一方、弱い地盤では活用できず、建物の中にいると揺れを強く感じます。

耐震工法とは

耐震工法は柱や梁を頑丈にし、強い地震に耐えられる強度にしたものです。柱の間に斜めに入れる筋交いを入れたり、床下地材・屋根下地材として構造用合板を使ったりします。筋交いは「片方組み」「たすき掛け」など様々な補強方法があり、どれを選ぶかによって強度と費用が変わります。

現在、ほとんどの住宅で取り入れられていますが、地面よりも2倍から3倍も揺れを感じ、他の2つに比べると家具や壁が損傷しやすいです。建物が倒壊しないこと、住人が避難できることに特化しており、地震後はそのまま住めないことも多々あります。

耐震工法のメリットは、国内でもよく使われている工法であり、コストが安いことです。地震による建物倒壊だけでなく、台風へのダメージも抑えます。

一方で3つの中でも一番揺れを感じやすく、大きな地震では家具が倒れ、怪我をすることもあります。建物の上の方は特に強い揺れを感じるでしょう。また、震災後のメンテナンス費用が必要となる点もデメリットです。

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耐震性を示す耐震等級について

Point 耐震等級は3が最も耐震性が高く、災害時にも安心!

地震への強さを理解するためには、耐震等級について学ぶ必要があります。耐震等級とは、住宅性能表示制度や新築住宅の10年保証などについて定めた「住宅品質確保促進法」で決められた、地震への強さを表す等級です。

耐震等級1は、「新耐震基準」と呼ばれ、建築基準法を満たしているレベルです。数百年に一度起こる阪神淡路大震災クラス(震度6~7)の地震において、倒壊や崩壊しない強さです。また、震度5程度の数十年に一度起こるクラスの地震に関しては、住宅が損傷しないとされています。しかし損傷を受ける可能性はあるため、家具が倒れて下敷きになるといった二次被害の恐れがあります。

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震に耐えられる等級です。病院や学校は基本的に耐震等級2の基準を満たしており、災害時に避難場所としての役割を果たします。また、「長期優良住宅」と認定されるには、一般住宅も耐震等級2をクリアすることが必要です。

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の地震に耐えられる等級です。3つの中で最も耐震性が高く、地震が発生した後もそこに住み続けることができます。防災の拠点となる警察署や消防署は、すべて耐震等級3をクリアしています。

熊本地震では、耐震等級3の住宅は震度7の揺れが2回発生しても耐えることができました。他の住宅が倒壊する中でも安全性を保っていた実績があるため、震災が起きても安心できるでしょう。

国内で建てられるすべての住宅は、耐震等級1をクリアしなくてはなりません。耐震等級2と3に関しては、費用を支払い追加工事をするかどうか、本人の希望によって決定します。工事の内容としては、筋交いを入れて壁を強化したり、床に構造用合板を入れたり、屋根材を軽くしたりと様々なものがあります。基礎や梁を強化することでも揺れに強くなります。

等級を上げると壁を増やす場合もあり、「耐震等級3にしたい」といった希望があるなら、間取りを考える前に伝えましょう。また、どのくらいの追加予算がかかるのかも、事前にチェックしておくことが大切です。

建物だけではなく、地盤にも注意

Point 地盤の強い土地を選ぶか、地盤改良工事を行うことで地震に備える!

地震に備えるには、住宅そのものだけでなく地盤にも注意が必要です。地震に強い家を作っても、軟弱な地盤の上に建っていると倒壊の危険が増します。まずは地盤調査を行い、土地の強さを確認しましょう。地耐力が20から30KN/㎡以下の場合や、埋め立て地や盛り土でできた土地は軟弱な地盤であるケースが多いです。

具体的な強さは専門的な調査をしなくてはわかりませんが、予備知識として寺社仏閣がある地域は地盤が強く、もともと沼や田んぼだった地域は弱いと言われています。また、国土地理院が発表している「土地条件図」も、土地の状態を自分で見てみるのに役立つでしょう。しかしこうしたものでは正確な土地の強さを知ることはできないので、専門業者による調査は必須です。調査の後は必要に応じて、地盤改良工事を行ってください。

構造別耐震性と特徴

Point 耐震性が最も高いのは鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅!

地震の強さは、構造によっても変わります。木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造について、どの程度の強度があるか解説します。

木造住宅の耐震性

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の中で、最も耐震性が低いのは木造です。とはいえ、日本ではそもそも求められる耐震基準が非常に高いため「木造住宅は地震ですぐ倒壊してしまう」といったことはありません。特に阪神淡路大震災を経て2000年に改正された建築基準法では、大幅に基準が上がり、安全性が向上しました。

また木造住宅の中でも、ツーバイフォーという工法でつくられた住宅は、耐震性が高いです。ツーバイフォー工法とは「2×4工法」と表記し、2インチ×4インチの木材で枠組みを作り、剛性の高い板を接合し、六面体構造をつくる工法です。地震の揺れを面で受け止め、荷重を分散させます。

鉄骨造の耐震性

鉄骨造の耐震性の特徴は、鉄と鋼がしなることによって揺れを吸収することです。木造よりも耐震性が高く、倒壊するリスクを抑えられます。

デメリットとして、木造よりも建物が重くなります。軟弱な地盤に建設するためには地盤改良工事が必要になることもあり、その分コストがかかるでしょう。

鉄筋コンクリート造の耐震性

鉄筋は引っ張られる力に強く、コンクリートは圧縮される力に強いですが、その両方のメリットを取り入れたのが鉄筋コンクリート造の住宅です。木造、鉄骨造よりも耐震性が高く、コンクリートは燃えないので火事にも強いという特徴があります。

鉄筋コンクリート造は、ラーメン構造と壁式構造にわかれます。ラーメン構造は梁と柱で建物を支える構造で、壁が不要です。壁式構造は壁を使って建物を支えており、耐震性が高いです。ラーメン構造が柱や梁といった線で建物を支えるのに対し、壁式構造では壁という面で支えるため、丈夫な造りになっています。

デメリットは、3つの構造の中で最もコストがかかることです。また、非常に重いため盤石な地盤にしか建てられません。

耐震性を上げる工夫

Point 家の上部を軽くして、壁を増やすことで耐震性が上がる!

耐震性を上げるには、いくつかの工夫があります。まず、家の上部が重いと揺れが伝わりやすくなるため、屋根材は軽いものがおすすめです。また、屋根裏部屋を作る場合は大型家電や大量の本など重さのあるものは置かず、軽い状態を保ちましょう。

1階をガレージにすると家の下部に比べて上部が重くなる構造になるため、耐震性のことだけを考えるならおすすめではありません。もし庭に駐車スペースを確保できるのであれば、その方が地震に備えられるでしょう。

とはいえ、限られた土地を有効活用する上で1階をガレージにするのは有効な手段です。コストや土地の広さ、そして耐震性などを総合的に考えて、ご自身や家族が納得できる家づくりをすることが大切です。

次に、窓を作りすぎないこともポイントです。壁よりも窓の方が耐震性が低いため、窓があまりに多いと家全体の耐震性が低下してしまいます。とはいえ、著しく下がることはほとんどなく、心配な場合は設計の段階で住宅メーカーに相談しましょう。あくまでも、ポイントの一つとして覚えておいてください。

筋交いや構造用合板で壁を強化して量を増やしても耐震性が上がります。

最後に、住宅に住み始めてから「もっと耐震性を上げればよかった」と思った方は、耐震リフォームを施工するという手があります。筋交いや耐震パネルを施工したり、屋根を軽量化したりといった工事が一般的です。リフォームの内容次第では、耐震等級を上げることもできます。

まとめ

誰しも、万が一に備えて耐震性の高い家づくりをしたいと思うものです。しかし耐震性を高めれば高めるほどコストがかかってしまうため、バランスを考えましょう。もちろん安全に暮らすことは大切ですが、日本では建築基準法によって耐震性の高い家づくりが求められています。特別な工夫をしなくてもある程度の安全性は担保されているので、予算内でどのくらい重視するかがポイントになります。

ご自身の考えている家づくりに合わせた耐震性について詳しく知りたい方は、住宅メーカーの担当者に直接聞くのがベストです。

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