失敗しない小上がり寝室の作り方!後悔しないためのポイントも紹介


「寝室にもっと収納がほしい」「限られた空間をおしゃれにいかしたい」そう考えている方にとって、小上がり寝室は魅力的な解決策になるかもしれません。床から一段高くなった特別な空間は、収納力を高めるだけではなく、部屋にメリハリと個性を与えてくれます。

しかし、一方で「段差でつまずかないか不安」「掃除や湿気対策が大変そう」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、小上がり寝室の基本的な知識から、具体的なメリット・デメリット、よくある失敗例、そして後悔しないための大切なポイントまでをわかりやすく紹介します。この記事を読めば、小上がり寝室を導入する際の疑問が解消され、あなたの理想を叶えるための具体的な一歩を踏み出せるはずです。

小上がり寝室について

小上がり寝室は、床から一段高くなった特別な空間です。ただ寝る場所としてだけではなく、収納や多目的な利用をいかせる機能的な設計で、近年注目を集めています。寝室にオリジナリティを加えたい方や、限られた空間を有効活用したいと考える方にとって、魅力的な選択肢になるでしょう。ここでは、小上がり寝室がどのようなものか、その種類や特徴、そして気になる設置費用の目安についてわかりやすく紹介します。

小上がり寝室とは

小上がり寝室とは、ベッドや布団を置く寝室エリアを、床から一段高く設けた空間のことです。この段差を利用することで、収納スペースを確保したり、部屋全体のアクセントにしたりと、さまざまな魅力が生まれます。

たとえば、和室の小上がりを寝室として使う場合もこれに含まれ、伝統的な空間にモダンな機能性を加える良い方法といえます。段差があることで空間にメリハリが生まれ、プライベートな寝室としての独立感を高められるのも特徴です。

小上がり寝室の種類と特徴

小上がり寝室には、主に「造作タイプ」と「置き型タイプ」があります。造作タイプは、部屋の広さや形に合わせてオーダーメイドで作るため、まさに世界に一つだけの寝室が実現可能です。空間に完全にフィットし、統一感のあるデザインを求める方に良いでしょう。

一方、置き型タイプは、すでに作られたユニットを設置する方法で、後から移動させたり、違う部屋で使ったりしやすいのが魅力です。収納があるかどうかや、畳・フローリングといった素材の選び方によって、機能性だけではなく部屋全体のデザインも大きく変わります。

小上がり寝室の設置費用の目安

小上がり寝室の設置費用は、広さによって大きく変わりますが、15万円~25万円程度を見ておきましょう。部屋の形状や素材にこだわるほど費用は高くなる傾向があります。もしご自身でDIYを選ぶのであれば、材料費のみで抑えることもできますが、作業の手間や安全性、仕上がりについてはきちんと考えておきましょう。

小上がり寝室の5つのメリット

小上がり寝室を導入することで、日々の暮らしがより快適になり、空間の使い方も大きく変わります。単なる寝室というだけではなく、さまざまな機能を持つ多目的スペースとしていかせるのが魅力です。ここでは、小上がり寝室がもたらす5つのメリットについて詳しく紹介します。

空間を有効活用できる

小上がり寝室は、限られた空間を最大限にいかすための良い方法です。床から一段高くなることで、その下のスペースを収納として活用でき、ベッド下のデッドスペースをなくせます。

たとえば、一人暮らしのワンルームマンションや、リビングと寝室が一体になった空間でも、小上がりを設けることで、それぞれを明確に分けられます。これにより、部屋全体にメリハリが生まれ、視覚的にもすっきりとした印象を与えられるでしょう。

収納力を大幅に増やすことができる

小上がり寝室を導入する大きな魅力のひとつは、圧倒的な収納力です。小上がり下のスペースをいかすことで、布団や季節家電、オフシーズンの衣類など、かさばる物をたっぷりしまえます。収納方法も引き出し式や跳ね上げ式など、ライフスタイルに合わせて選べるため、物の出し入れもスムーズです。

おしゃれで特別感のある空間を演出できる

小上がり寝室は、デザイン面でも大きな魅力があります。床に段差が生まれることで、空間全体にリズムとアクセントが加わり、一気におしゃれで特別な雰囲気を作れます。畳を使えば和モダンなテイストに、無垢材を選べばナチュラルで温かい印象にと、素材選びによってさまざまなスタイルを楽しめるでしょう。

家事負担を軽減できる

小上がり寝室は、日々の家事の負担を減らすことにもつながります。ベッドを置く場合、移動させずに床掃除ができるため、掃除機をかけるのが楽になります。また、布団を使う場合でも、小上がりがあることで上げ下ろしがスムーズになり、毎日の家事がぐっと楽になるでしょう。

多目的な使い方ができる

小上がり寝室は、寝るためだけの空間ではありません。昼間はリビングの延長として、座ってくつろげるスペースとして使えます。たとえば、子どもが遊ぶ場所として安全なスペースにしたり、ちょっとした書き物や読書ができる書斎スペースとして活用したりすることも可能です。来客時には、簡易的な客間として布団を敷けば、快適な宿泊場所にもなります。

小上がり寝室の5つのデメリット

小上がり寝室には多くのメリットがある一方で、導入を検討する際には注意すべきデメリットも存在します。これらの注意点を事前に把握し、対策を考えることで、後悔のない小上がり寝室づくりにつながります。ここでは、小上がり寝室を設けることで生じる可能性のある5つのデメリットについて見ていきましょう。

段差でつまずいて怪我をするリスクがある

小上がり寝室のデメリットは、段差があることによる怪我のリスクです。特に夜間や部屋が暗い時間帯は、段差が見えにくく、つまずいてしまう可能性が高まります。小さな子どもや高齢の方がいる家庭では、転倒事故につながる危険性がさらに増すため、注意が必要です。

圧迫感で部屋が狭く感じられる場合がある

小上がりを設けることで、部屋が狭く感じられることがあります。床面が一段高くなることで、天井までの距離が相対的に短くなり、部屋に閉塞感を与えてしまう可能性があるためです。特に部屋の広さに対して小上がりの面積が大きすぎたり、高さがありすぎたりすると、より圧迫感が生じやすくなります。

また、建築基準法施行令第21条では、居室の天井の高さは平均で2.1m以上と定められています。小上がり構造によって一部の天井が低くなる場合でも、全体の平均高さがこの基準を満たすような設計が必要です。法令をふまえてバランスの取れた高さを確保することが、快適で安全な空間づくりにつながります。さらに、用途や位置によって「居室」に該当しない場合は対象外となることもあるため、用途に応じた設計が大切です。

掃除やメンテナンスの手間が増える

小上がり寝室は、特定の場所の掃除やメンテナンスの手間が増えることがあります。たとえば、小上がりと床の境目にあるわずかな隙間には、ホコリがたまりやすい傾向があります。また、収納内部も定期的な換気や掃除をしないと、清潔な状態を保つのが難しくなるでしょう。

湿気やカビが発生しやすくなる

畳の小上がりや収納付きタイプは、構造上どうしても湿気がこもりやすく、カビやダニの発生リスクが高まります。特に収納内部は密閉性が高く、空気が滞留しやすいため、布団や衣類を長期間しまう場合は注意が必要です。

湿気がたまると、素材の劣化や嫌なニオイ、健康面への影響が出る可能性もあるため、事前の対策が欠かせません。効果的な対策としては、定期的な換気、除湿剤の設置、すのこを敷いて通気性を確保するなどの工夫が挙げられます。

冷暖房効率が悪くなることがある

小上がり寝室は、冷暖房効率が悪くなることがあります。床に段差ができることで空気の流れが妨げられ、部屋全体の室温にムラが生じやすくなるためです。たとえば、エアコンの取り付け位置によっては、小上がりのある場所とない場所で温度差ができてしまい、快適さを損ねる場合があります。部屋全体を均一に温めたり冷やしたりするのが難しくなることがあるため、空調計画もきちんと考える必要があるでしょう。

小上がり寝室でよくある失敗例

小上がり寝室は魅力的な選択肢ですが、計画を誤ると後悔につながる失敗をしてしまうこともあります。よくある失敗例を知っておくことは、自分にとって最適な小上がり寝室を作る上で重要です。ここでは、実際に多くの方が経験しがちな失敗例を具体的に紹介します。

高さが合っていない

小上がり寝室でよくある失敗の一つに「高さが合っていない」というケースがあります。たとえば、小上がりが高すぎると部屋全体に圧迫感が生まれ、想像以上に部屋が狭く感じられることがあります。一方で、低すぎると期待していた収納力が得られず「何のために小上がりを設けたのか」と後悔してしまうこともあるでしょう。

使いづらい収納設計になっている

せっかく収納スペースを設けても「使いづらい収納設計」になってしまうと失敗につながります。収納スペースが足りず、結局物が小上がりの周りに散らかってしまったり、引き出しや開閉扉が重くて開け閉めしにくく、ほとんど使わなくなってデッドスペースになってしまったりするケースです。なお、収納内部の通気性が悪いと、湿気がこもりやすくなり、大切な衣類や布団にカビやダニが発生する原因にもなります。

安全性を考えられていない

小上がり寝室では、安全性をきちんと考えていなかったことによる失敗も少なくありません。たとえば、段差の位置がわかりづらく夜間や暗い時に家族がつまずいて怪我をしてしまう事故が頻繁に起こるケースです。特に小さな子どもや高齢の方がいる家庭では、手すりや落下防止のガードがないと、転落のリスクが高まります。

掃除を想定して設計されていない

小上がり寝室を設計する際に、掃除のしやすさを考えられていないと、後々大きな負担となることがあります。たとえば、小上がりの下にわずかな隙間があると、そこにホコリがたまりやすく、掃除が困難になってしまいます。また、密閉性が高すぎる構造は湿気がこもりやすく、カビの発生原因になることもあるでしょう。

こうした失敗を防ぐには、事前に気をつけるべきポイントをしっかり押さえておくことが大切です。次の章では、小上がり寝室で後悔しないために知っておきたいポイントを紹介します。

小上がり寝室で後悔しないためのポイント

小上がり寝室を導入して後悔しないためには、事前の準備と計画が何よりも重要です。メリットとデメリット、そしてよくある失敗例をふまえた上で、自分たちのライフスタイルに合った最適な選択をする必要があります。ここでは、小上がり寝室で成功するための具体的なポイントを5つ紹介します。

使用目的に合わせて最適な高さを選ぶ

小上がり寝室の高さは、その使い勝手を大きく左右する重要なポイントです。もし収納力を重視するのであれば、高さを確保することで、たっぷりと物をしまえるスペースが生まれます。

一方で、座ってくつろぐことを主な目的にするなら、座り心地の良い高さが理想的です。既存の家具の高さや窓の位置との関係も事前にきちんとシミュレーションし、圧迫感がないか、使い勝手が悪くならないかを考えることが大切です。

安全性を最優先に設計や素材を選ぶ

小上がり寝室では、安全性の確保が重要です。段差によるつまずき事故を防ぐためには、段差部分の色を変えたり、足元に間接照明を設置したりして、見えやすくする工夫をしましょう。小さな子どもや高齢の方が使う場合は、手すりや落下防止ガードの設置もきちんと考える必要があります。

風通しの良さと掃除のしやすさを意識する

湿気やカビの発生、掃除の手間を減らすためには、風通しの良さと掃除のしやすさを意識した設計が欠かせません。小上がり内部を定期的に換気できるような構造を選んだり、通気性の良い素材を使ったりすることが大切です。また、ロボット掃除機を使いたい場合は、小上がりの下をロボット掃除機が入り込める高さや隙間を確保しておきましょう。

将来のライフスタイル変化を見据えて計画する

小上がり寝室は、一度作ると簡単に変えられないものです。そのため、将来のライフスタイルの変化を見据えて計画することが大切になります。たとえば、家族構成が変わって子どもの遊び場として使うようになる可能性や、高齢になった時の使い勝手などです。

多目的に使えるような柔軟性の高い設計にしておくことで、さまざまな変化に対応しやすくなります。将来的にリフォームをしたり、小上がり自体を撤去したりする可能性も視野に入れて検討すると良いでしょう。

予算と相場を把握して適切な選択をする

小上がり寝室を作る際には、予算と相場をきちんと把握して、ご自身にとって最適な選択をすることが大切です。複数の住宅メーカーや工務店から見積もりを取り、材料費や工事費の相場を比較検討しましょう。

DIYでコストを抑える方法もありますが、その場合も材料費の目安を知っておくことが重要です。また、設置費用だけではなく、長期的なメンテナンス費用も考慮に入れ、総合的に判断することが、後悔のない賢い選択につながります。

まとめ|小上がり寝室は事前の計画と対策で失敗を防ごう

小上がり寝室は、収納力の向上や空間の有効活用、おしゃれな演出など、住まいをより豊かにする魅力的な選択肢です。しかし、段差による安全性の問題、圧迫感、掃除や湿気対策、冷暖房効率の課題といったデメリットや失敗例もきちんと考える必要があります。

後悔しないためには、使用目的に合わせた最適な高さを選び、安全性を最優先にした設計、風通しと掃除のしやすさの考慮、そして将来のライフスタイルの変化を見据えた計画が欠かせません。これらのポイントを参考に、事前の計画と対策をきちんと行うことで、理想の小上がり寝室を実現し、快適な暮らしを手に入れましょう。

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