外断熱のデメリットとは?後悔しないための対策を徹底解説!


外断熱の家は快適に暮らせそうだけど、本当にデメリットはないのでしょうか。そんな疑問を持つ方もいるでしょう。外断熱には多くのメリットがありますが、見過ごせないデメリットも存在します。後悔しない家づくりのためには、メリットだけではなくデメリットも正しく理解することが大切です。

 

この記事では、外断熱の具体的なデメリットと、それらを最小限に抑えるための対策を詳しく解説します。この記事を読めば、外断熱について深く理解し、家づくりにいかすことができるでしょう。

 

 

外断熱について

外断熱という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのようなものか、内断熱と何が違うのか、疑問に思う方もいるかもしれません。マイホームを考える上で、断熱性能は快適な暮らしを実現するために重要です。

 

ここでは、まず外断熱の基本的な知識と、一般的な断熱方法である内断熱との違いについて説明します。これにより、断熱方法への理解を深め、より良い家づくりを進めるための情報を得られるでしょう。

 

外断熱とは

外断熱とは、住まいの快適性と省エネ性を高めるために必要となってくる断熱方法の一つです。建物の柱や梁といった構造体の外側を、断熱材で完全に覆う工法を指します。家全体が高性能な魔法瓶のように包み込まれている状態をイメージするとわかりやすいでしょう。この工法により、外からの暑さや寒さの影響を受けにくくなります。

 

外断熱と内断熱の違い

外断熱と内断熱の大きな違いは、その名前が示すとおり、断熱材を施工する場所にあります。外断熱が建物の構造体の「外側」を断熱材で覆うのに対し、内断熱は柱と柱の間や壁の内側など、構造体の「内側」に断熱材を充填する工法です。この施工場所の違いが、それぞれの断熱性能や特徴に影響を与えます。

 

たとえば、外断熱は建物をまるごと包み込むため、構造体を外気から保護します。そして、結露の発生を抑えやすいのがメリットとなるでしょう。一方、内断熱は比較的コストを抑えやすいですが、柱や梁の部分では断熱材が途切れることがあります。この部分は熱が逃げやすい箇所となり、ヒートブリッジと呼ばれます。どちらが良いということではなく、それぞれの特性を理解することが大切です。

 

 

外断熱の5つのメリット

外断熱には、私たちの暮らしをより豊かにする多くの魅力があります。高い断熱性能によってもたらされる快適性や経済的なメリットは大きいです。それだけではなく、建物の寿命や住む人の健康、さらに静かな生活環境にも良い影響を与えます。ここでは、外断熱が持つ代表的な5つのメリットについて、ひとつひとつ見ていきましょう。

 

一年中快適な室温を維持できる

外断熱の大きな魅力のひとつは、一年を通して室内の温度を快適に保ちやすいことです。建物全体を断熱材で魔法瓶のように完全に覆うため、外からの暑さや寒さの影響を受けにくく、室内の温度が安定します。たとえば、夏は外からの熱気を遮断し、一度冷房で涼しくなった室温を長く維持できます。冬はその逆で、室内の暖かい空気を外に逃がしにくいため、暖房の効きが良いです。

 

光熱費を大幅に削減できる

外断熱は、光熱費の削減にも大きく貢献します。高い断熱性能によって冷暖房の効率が格段に向上するからです。そのため、エアコンなどの使用頻度や設定温度を抑えても快適な室温を維持しやすくなるでしょう。これは、先に述べたように、外気の影響を受けにくく、一度調整した室温が変化しにくい特性によるものです。結果として、月々の電気代やガス代といった光熱費を大幅に抑えることが期待できます。

 

建物の耐久性を高められる

外断熱は、建物の寿命を延ばす効果も期待できます。建物の構造体を断熱材で外側から保護することで、柱や梁が直接外気に触れるのを防ぎます。これにより、温度変化による構造材の伸縮を抑えられるでしょう。また、壁内部での結露の発生リスクを減らすことも可能です。

 

ヒートショックを予防できる

外断熱は、冬場のヒートショックのリスクを軽減するのに役立ちます。ヒートショックというのは、暖かい部屋から寒い部屋に移動することで体に負荷がかかることを言います。外断熱の家は、建物全体の温度差が少なくなる傾向にあるので、部屋間の温度差が減り、ヒートショックのリスクを減らせるでしょう。

 

騒音対策ができる

外断熱は住まいの騒音対策にもつながります。これは意外に思われるかもしれませんが、外壁全体を断熱材で覆う構造のため、断熱材が音を吸収したり遮ったりする効果を発揮しやすくなるでしょう。これにより、家の外からの車の音や話し声といった騒音が室内に伝わりにくくなります。それだけではなく、室内で発生する生活音や話し声が外に漏れにくくなるという効果も期待できるでしょう。

 

外断熱で後悔する前に知るべき8つのデメリット

外断熱にはたくさんのメリットがあることを伝えました。しかし、残念ながら良いことばかりではありません。どんな工法にもメリットとデメリットがあります。ここでは、外断熱を考える上で見過ごせない8つのデメリットについて説明します。

 

初期費用が高額になってしまう

外断熱の家を建てる際、まず直面する可能性のあるデメリットが初期費用の高さです。これは、建物の外側全体を断熱材で覆うため、使用する断熱材の量が多くなることが原因です。また、内断熱に比べてより高性能な断熱材が選ばれることが多いこと、そして専門的な知識と技術を持った職人による丁寧な施工が必要となるためです。たとえば、気密性を高めるための特殊な部材や、断熱材を固定するための専用の金物などもコストが上がる原因となります。

 

外壁デザインの選択肢が限られてしまう

外断熱を採用する場合、外壁のデザインについてもある程度の制約が出てくることを知っておく必要があります。外断熱は、構造体の外側に断熱材を施工します。その上にさらに外壁材を設置するという工法です。そのため、断熱材の特性や施工方法との相性から、使用できる外壁材の種類や仕上げ方が内断熱に比べて限られてしまうことがあります。

 

外壁が厚くなり、敷地を有効活用しにくい

外断熱工法では、建物の構造体の外側に断熱材を取り付けるため、その分だけ壁の厚みが増します。この壁の厚みが、敷地の有効活用という点でデメリットとなる場合があるでしょう。外壁が厚くなることで居住空間が圧迫されたり、建物の配置計画に影響が出たりする可能性があります。

 

施工技術によって品質に差が生じやすい

外断熱は、その効果を最大限に発揮するために、非常に高い施工技術が求められる工法です。そのため、施工する住宅メーカーの技術力によって、断熱性能や建物の耐久性に大きな差が生じやすいというデメリットがあります。たとえば、断熱材の間に隙間ができてしまったり、防水処理や気密処理が不十分だったりすると、そこから熱が逃げたりします。その結果、結露や雨漏りが発生したりする原因となるでしょう。

 

シロアリ被害を受けやすくなってしまう

外断熱の構造は、シロアリにとって好都合な環境を提供してしまう可能性があり、注意が必要です。特に基礎部分まで断熱材で覆う「基礎断熱」を採用した場合は注意が求められます。地面から建物へ侵入しようとするシロアリが、断熱材と基礎コンクリートの間や断熱材内部を通り道にしてしまう可能性があるでしょう。

 

雨漏りが発生しやすくなってしまう

外断熱は、「施工技術によって品質に差が生じやすい」でも少し説明したとおり、施工が不適切だと雨漏りのリスクが高まる可能性があります。外断熱では、断熱材の外側に防水層を設けて雨水の浸入を防ぎます。しかし、この防水処理が不十分だったり、施工にミスがあったりすると、そこから雨水が壁内部に入り込んでしまうことがあるでしょう。

 

壁内結露が起きやすい

一般的に外断熱は壁内結露のリスクが低いといわれています。それでも条件によっては発生する可能性があることを覚えておきましょう。壁内結露とは、壁の内部で空気中の水蒸気が冷やされて水滴になる現象です。カビの発生や断熱材の劣化、構造材の腐食などを引き起こす厄介な問題です。外断熱であっても、施工不良によって気密性が損なわれている場合があります。

 

火災時に燃え広がりやすくなってしまう

外断熱に使用される断熱材の種類によっては、火災の際に燃え広がりやすいという懸念があります。これも知っておくべきデメリットのひとつです。特に、安価で断熱性能が高いとされる一部の発泡プラスチック系断熱材は可燃性です。たとえばポリスチレンフォームなどは火にさらされると燃焼し、火災の延焼を助長する可能性があります。万が一火災が発生した場合、断熱材が燃えることで有毒なガスが発生するかもしれません。

 

ここまでで、外断熱に潜むデメリットを整理しながら、不安要素となりやすいポイントを解説してきました。たしかに懸念点は多いものの、外断熱の優れた断熱性能や光熱費が削減できる効果を手放す必要はありません。適切な対策を取れば、リスクを大幅に軽減し、メリットを最大化することが可能です。

 

ここからは、今あげたデメリットを踏まえたうえで、リスクを軽減するための対策を解説します。対策を体系的に押さえ、外断熱の恩恵を受ける住まいづくりを実現しましょう。

 

外断熱のデメリットを最小限に抑える対策

これまで外断熱のデメリットについて話してきました。しかし、これらのデメリットは適切な対策を取ることで、そのリスクを最小限に抑えることが可能です。「デメリットがあるなら外断熱はやめた方がいいのか」と不安に思った方もいるかもしれません。しかし、諦めるのはまだ早いです。ここでは、外断熱のデメリットを賢く回避し、そのメリットを最大限にいかすための対策について見ていきましょう。

 

信頼できる住宅メーカーを選ぶ

外断熱の家づくりで後悔しないためには、何よりもまず信頼できる住宅メーカーを選ぶことが重要です。外断熱は施工技術によってその性能が大きく左右されます。そのため、実績が豊富で、専門知識と高い技術力を持った住宅メーカーに依頼することが必要不可欠といえるでしょう。


たとえば、過去の施工事例を見せてもらったり、実際に外断熱の家に住んでいる人の話を聞いてみたりするのも良い方法です。また、保証制度やアフターサービスが充実しているかどうかも、安心して任せられるかを見極める上で大切なポイントになります。

 

適切な断熱材を選ぶ

外断熱に使用する断熱材の種類はひとつではなく、それぞれに違う特性があります。そのため、デメリットとしてあげられた火災リスクやシロアリ被害、結露のしやすさなどを考えましょう。ご自身の家や地域の特性に合った適切な断熱材を選ぶことが大切です。

 

たとえば、火災への懸念がある場合は、不燃性や難燃性の認定を受けた断熱材を選ぶと安心です。また、シロアリが心配な地域であれば、防蟻処理が施された断熱材や、シロアリが食害しにくい素材の断熱材を検討すると良いでしょう。さらに、結露対策としては、湿気を通しやすい透湿性の高い断熱材を選ぶことも有効な手段の一つです。住宅メーカーの担当者とよく相談し、それぞれの断熱材のメリット・デメリットを理解した上で、最適なものを選びましょう。

 

長期的なメンテナンス計画を立てる

外断熱の性能を長期間維持し、快適な住み心地を保つためには、建てて終わりではありません。長期的な視点でのメンテナンス計画を立てておくことが重要です。どんな高性能な家でも、経年による劣化は避けられません。

 

たとえば、外壁の防水性や気密性を保つためには、定期的な点検や必要に応じた補修が不可欠です。また、換気システムのフィルター清掃や点検も、結露防止や空気質の維持のためには欠かせません。新築時に、将来どのようなメンテナンスが必要になるかを確認しましょう。

 

シロアリ対策と保証制度を活用する

外断熱のデメリットとしてあげられるシロアリ被害への対策は、特に重点的に行う必要があります。まず、基礎断熱を採用する場合には、断熱材への防蟻処理を徹底することが基本です。加えて、建物の周囲にシロアリが寄り付きにくい環境を作ることも大切です。

 

たとえば、木材を直接地面に設置しないこと、万が一シロアリ被害が発生してしまった場合はどうするか決めておくことがあげられます。住宅メーカーが提供しているシロアリ保証制度の内容を確認し、活用することも考えましょう。保証期間や保証内容、適用条件などを事前にきちんと把握しておくことで、安心して暮らすことができます。

 

計画的な換気で結露対策を徹底する

外断熱の家は気密性が高いため、適切な換気ができるようにシステムが組まれていないと、室内の湿気が排出されにくくなります。これが結露の原因となることもあるでしょう。特に壁内結露は目に見えないところで進行します。建物の耐久性を損なう可能性もあるため注意が必要です。

 

これを防ぐためには、24時間換気システムを適切に運用することが最も重要です。建築基準法で設置が義務付けられている24時間換気システムを止めずに常に稼働させると安心できるでしょう。他にも、定期的にフィルターの清掃や交換を行うことで、室内の空気を新鮮に保ち、余分な湿気を排出することができます。

 

施工不良を防ぐためのチェックを行う

外断熱の性能は、施工の品質に大きく左右されます。そのため、施工不良を防ぐためのチェック体制も重要になってきます。理想的なのは、第三者機関による施工検査を導入することです。しかし、費用面で難しい場合もあるかもしれません。その場合は、施主としてできる範囲で施工状況に関心を持ちましょう。

 

そのためには、住宅メーカーの担当者や現場監督と積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。たとえば、工事の進捗状況を定期的に確認しに行ったり、重要な工程では写真を撮らせてもらったりするのも良いでしょう。また契約前に、その住宅メーカーがどのような品質管理体制を敷いているかを確認します。施工マニュアルやチェックリストなどが整備されているかを確認しておくことも、信頼できる住宅メーカーを選ぶうえで重要なポイントです。

 

まとめ|外断熱のデメリットを正しく理解して後悔しない家づくりを実現しよう

外断熱は、一年を通して快適な室温を保ちやすく、光熱費の削減や建物の耐久性向上など、多くの魅力を持つ断熱工法です。しかし、初期費用が高額になる可能性や、外壁デザインの制約も存在します。また、施工技術による品質の差、シロアリ被害のリスクといったデメリットもあることを忘れてはいけません。大切なのは、これらのメリットとデメリットを両方とも正しく理解することです。


後悔しない家づくりを進めるためには、専門家のアドバイスが有効です。要望整理から予算診断、住宅メーカーの紹介まで、ウチつくの「オンライン相談サービス」があなたの家づくりをサポートします。外断熱の家づくりで、信頼できる住宅メーカー選びにお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

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