不動産購入後は確定申告が必要?必要書類や注意点を徹底解説!

不動産を購入したときは、さまざまな手続きが必要になります。特に確定申告は、税金を軽減できる重要なポイントなので、あらかじめ知っておくことが大切です。たとえば、住宅ローンを利用した場合は、一定の要件を満たすと所得税や住民税が戻ってくることがあります。
この記事では、確定申告を行うべき具体的なケース、手続きの流れ、用意しておくべき書類などをわかりやすく整理しています。最後まで読んで、住宅ローン控除などのメリットを賢く受け取り、負担を減らしていきましょう。
不動産購入で確定申告が必要になるケースとは
不動産を購入すると、すべての人が確定申告をしなければならないわけではありません。とはいえ、住宅ローンを組んだり、贈与を受けたりしていると、確定申告をしないと大きな損をする可能性もあります。
まずは自分がどのケースに当てはまるのか、しっかり確認しておきましょう。
確定申告が必要になるケース
住宅ローンを利用してマイホームを購入したときには、初年度に確定申告をすることで住宅ローン控除を受けられます。住宅ローン控除とは、年末時点での住宅ローンの残高に応じて所得税や住民税の一部が還付または減額される仕組みで、家計の大きな助けになる制度です。
親や祖父母などから資金援助を受けて住宅を建てたり購入したりした場合も、住宅取得資金贈与の特例が受けられる可能性があるため、確定申告が必要になります。また、住み替えなどでマイホームを買い換える場合に「買い換え特例」を利用すると、譲渡益にかかる税金を繰り延べできることがありますが、これも確定申告がないと適用されません。
このように確定申告をすることで受けられる控除や特例がいくつかあるので、自分に当てはまるものがないか調べて、確定申告をおこないましょう。
確定申告が不要なケース
一方、現金で不動産を購入し、住宅ローン控除などの優遇制度を利用しないなら、確定申告をする必要はありません。また、セカンドハウスや投資用不動産など、自分自身が住まない物件は住宅ローン控除の対象になりません。
住宅ローンを利用していても、あえて税制優遇を使わないという選択をするなら確定申告は不要ですが、多くの方にとって住宅ローン控除は家計の負担を減らす大きなチャンスです。必要な条件を満たせば税金の還付や減額が期待できるため、なるべく活用を検討してみるとよいでしょう。
住宅ローン控除について
住宅ローン控除は、マイホームをローンで購入した人を支援する大きな制度です。この制度を正しく理解し、上手に活用することで、長期にわたって家計の助けになります。
ここでは、住宅ローン控除とは具体的にどんな仕組みなのか、どのくらいの期間・金額が控除されるのかを見ていきましょう。
住宅ローン控除の仕組み
住宅ローン控除では、年末のローン残高に一定の割合を掛けた金額が、その年の所得税から差し引かれます。たとえば年末の残高が3,000万円であれば、最大21万円が控除される計算です。
しかも、この控除は条件に応じて最長13年適用されるケースもあるため、長期間にわたる節税効果が期待できます。ただし、新築なのか中古なのか、あるいは住宅性能によっても控除の期間や上限額が異なるため、事前にきちんと確認しましょう。もし所得税で控除しきれない場合は、限度額の範囲内で住民税からも差し引くことが可能です。
住宅ローン控除の適用要件
住宅ローン控除を受けるためには、いくつかの条件を満たさなければなりません。まずは自分が住んでいる住宅であることが大前提です。さらにローンの返済期間が10年以上あることや、その年の合計所得金額が2,000万円以下である点も注意しましょう。
住宅の床面積は50平方メートル以上が基本ですが、一定の条件をクリアすれば40平方メートル以上でも認められる場合があります。加えて、親族からの借り入れは対象外で、金融機関などからの正式なローン契約であることが必要です。適用要件を満たしていないと控除を受けられないため、事前にそれらの条件を満たしているか調べておくことが重要になります。
住宅ローン控除の対象となる住宅の種類
新築住宅だけではなく、中古住宅や買取再販住宅でも、必要な条件を満たせば住宅ローン控除の対象になります。ただし、中古住宅の場合は築年数や耐震基準をクリアする必要があるため、購入前に条件を確認しておくと安心です。
また、省エネ性能の高い住宅は、より手厚い控除を受けられる制度が用意されています。中古住宅でも、リフォーム後に耐震性能や断熱性能を高めて認定を受けられるケースもあるので、購入予定の物件がどの条件に該当するか調べておきましょう。
確定申告に必要な書類
確定申告で住宅ローン控除を受ける際には、多くの書類が必要です。書類に不備があると還付が遅れたり、最悪の場合は控除が認められない場合もあるため、必要な書類は早めにリストアップして準備しておくのが得策です。
ここでは、主に揃えておきたい書類を確認していきます。
基本的な書類
確定申告を行うにあたり、最初に必要となる最も重要な書類は、確定申告書です。確定申告書は、最寄りの税務署の窓口で直接入手できるほか、国税庁のWebサイトからもダウンロードすることが可能です。
多くの場合、確定申告書と併せて「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」も提出しなければなりません。こちらの書類も、国税庁のWebサイトから容易にダウンロードできますので、忘れずに準備しましょう。
会社員や公務員など、給与所得者の方の場合は、勤務先から毎年発行される源泉徴収票の原本が必要となります。一方、個人事業主や自営業の方の場合は、事業所得の内訳を詳細に記した明細書など、所得を証明する書類をご用意ください。これらの書類は、所得金額を正確に申告するために不可欠です。
さらに、本人確認のための書類として、マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票の写しなどのマイナンバーに関する書類と、運転免許証やパスポートなどの身分証明書のコピーも必要となります。
これらの書類は、申請者が本人であることを確認するために必要なので、忘れずに準備しておきましょう。あらかじめ手元に全て揃えておくことで、確定申告の手続き全体が、よりスムーズかつ迅速に進めることができるでしょう。
不動産購入に関する書類
住宅ローン控除の申請手続きにおいては、住宅の購入金額や、物件に関する詳細な情報を正確に証明するために、売買契約書、あるいは、住宅の新築や増改築の場合には工事請負契約書のコピーが必要となります。これらの書類は、住宅の取得対価や、工事の内容などを明確に示す、非常に重要な証拠書類となります。
さらに、法務局で取得できる登記事項証明書も、忘れずに準備しておきましょう。登記事項証明書は、不動産の所有者や権利関係を公的に証明するもので、住宅ローン控除の申請においても重要な役割を果たします。
確定申告の手続きを滞りなく、円滑に進めるためには、これらの必要書類を事前にしっかりと確認し、漏れなく準備しておくことが不可欠です。そして、苦労して取得した各種書類は、紛失したり、汚したり破いてしまうことのないよう、大切に保管しておくように心がけましょう。
その他必要となる可能性がある書類
親や祖父母から贈与を受けて資金をまかなった場合は、贈与契約書や贈与税の申告書の写しが必要です。さらに、長期優良住宅や低炭素住宅などの認定を受けた住宅なら、認定通知書や証明書が求められることがあります。
また、地方自治体や国からの補助金・助成金を受けて住宅を取得した場合は、補助金の決定通知書など金額を証明する書類も準備しましょう。人によって必要となる書類は異なるので、漏れがないように気をつけてください。
不動産購入後の確定申告の手順と注意点
確定申告は、少し難しく感じる方も多いかもしれません。しかし、手続きの流れを理解しておけば、思ったほど苦労せずに進められる場合もあります。
ここでは、申告時期や提出方法、書類の書き方などについて解説していきます。
確定申告の期間と提出方法
確定申告は、原則として毎年2月16日から3月15日までの期間に行います。還付申告は1月1日から受け付けてもらえるので、早めに準備を始めてもかまいません。申告書の提出方法は、税務署に直接持参する方法のほか、郵送やe-Tax(電子申告)で行うこともできます。
最近はe-Taxの利用が増えており、オンラインで完結できるため非常に便利です。税務署の窓口は混雑しやすいので、時間を節約したい方は電子申告を検討してみましょう。万が一、期限に遅れると延滞税がかかることもあるため、余裕を持って進めるのがポイントです。
確定申告書の書き方
確定申告書は国税庁のWebサイトからダウンロードでき、必要事項を入力するだけで自動計算してくれるシステムも用意されています。住宅ローン控除欄には、ローン残高や物件情報を正確に記入しましょう。
もし書き方がわからなくなった場合は、国税庁のWebサイトに掲載されている記入例を参考にするか、税務署の相談コーナーを利用すると安心です。会計ソフトやスマホアプリを活用すれば、数値を入力するだけで計算をサポートしてくれる機能もあるため、慣れていない人でも取り組みやすくなっています。
確定申告時の注意点
手続きを進める上で書類に記載漏れや誤りがあると、処理が遅れたり、控除が認められないケースもあるので注意しましょう。特に、マイナンバーの記入や本人確認書類の添付に不備があると、税務署から確認の連絡が入ることがあります。
また、そもそも自分が住宅ローン控除の適用要件をすべて満たしているか、もう一度チェックしておくことも重要です。提出期限が迫ると焦ってしまいがちなので、早めの行動と入念な確認が安心につながります。
まとめ|不動産購入後に確定申告が必要になるか事前に確認しておこう
不動産を手に入れたときは、新しい生活への期待が高まる一方で、さまざまな税金面の手続きを忘れずに行うことが大切です。特に住宅ローン控除をはじめとする税制優遇を利用するなら、初年度の確定申告は必須となり、必要書類を揃えて正しく申告すれば所得税や住民税が軽減される可能性があります。
購入した物件の種類やローンの内容によって手続きはやや複雑に感じるかもしれませんが、あらかじめ手順を確認しておけば、それほど難しくありません。今回紹介したポイントを踏まえて準備を進め、賢く税金を抑えながら新しい住まいでの暮らしを満喫していきましょう。
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