物件探しのコツとは?注文住宅の土地の探し方や情報収集の方法について紹介!

注文住宅の物件探しで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。特に、初めて家を建てる方にとって、土地探しは大きな課題となります。最適な土地を見つけるには、建物の種類や地域特性、法規制など、さまざまな要素を考慮する必要があるため、多くの方が不安を感じているでしょう。
この記事では、土地探しのコツから具体的な情報収集の方法まで、注文住宅の物件探しに役立つ情報をお伝えします。家づくりの第一歩となる物件探しを成功させるため、押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
戸建てには4つの種類がある
初めて戸建てを建てようと思った時、どのような種類があるのか迷うことがあります。一口に戸建てと言っても、注文住宅、建売住宅、規格住宅、中古一戸建てなど、選択肢は複数存在します。家づくりをスムーズに進めるためには、それぞれの特徴や違いを理解することが重要です。
ここでは、戸建ての種類について詳しく解説し、あなたに合った住まい選びのヒントを紹介します。
注文住宅
注文住宅は、最初に土地を購入し、その後に建物を建てていく住宅のことです。住む人の希望に合わせて間取りを自由に設計でき、床材や建具、設備機器まで細かく選択することができます。
キッチンとリビングの位置関係や、収納スペースの広さなども、家族構成や生活スタイルに合わせて決められるため、理想の住まいづくりが可能です。ただし、土地探しから建物の完成まで1年以上かかることも多く、建売住宅と比べて総費用が1,000万円以上高くなる可能性があります。
建売住宅・分譲住宅
建売住宅は、土地と建物が一体となって販売される住宅です。不動産会社やデベロッパーがあらかじめ設計・建築を行うため、実物を見学してから購入を決めることができます。モデルハウスで内装や設備を実際に確認できる点も魅力的です。
分譲住宅は建売住宅とよく似ており、まとまった土地をいくつかに分割し、そこに建てて販売される住宅のことです。分譲とは分割譲渡を意味していて、不動産会社などが広い土地を購入してインフラなどの整備をして、1戸ずつ売るものになります。建売住宅と同じで実物を見学してから購入できます。
建物の仕様が標準化されているため、注文住宅と比べて価格を抑えられます。ただし、間取りや外観デザインの大幅な変更は難しく、クロスの色や扉や窓の種類といった部分的な選択に限られます。
規格住宅
規格住宅は、大手ハウスメーカーが独自に開発した標準プランを基準にして建てる住宅です。建材の規格化や施工の効率化により、注文住宅より費用を抑えられます。基本プランの中から好みのタイプを選び、間取りや外観の一部をカスタマイズできるため、予算を抑えながらもある程度こだわりを取り入れられるでしょう。
住宅設備や内装材も、メーカーが厳選した複数の選択肢から選べます。品質管理が行き届いており、建物の保証期間も長めに設定されています。さらに、将来のリフォームやメンテナンスもメーカーが一貫してサポートしてくれる点も魅力的です。
中古一戸建て
中古一戸建ては、土地と建物が一体となった既存の住宅を購入する方法です。新築物件と比べて価格を抑えられ、築年数や立地条件によって選択肢が広がります。また、庭木が既に育っていたり、入居後の生活がイメージしやすい点も特徴でしょう。
ただし、建物の傷みや設備の経年劣化には注意が必要で、インスペクション(建物状況調査)を実施して、水回りや外壁、屋根などの状態を詳しく確認することが大切です。また、購入後のリフォーム費用も考慮に入れた資金計画を立てることをおすすめします。
注文住宅の土地を探す際のコツと情報収集の方法
注文住宅の土地探しは、どこから始めれば良いのか悩む方が多いのではないでしょうか。土地情報はインターネットや不動産会社で簡単に入手できるものの、具体的な探し方や情報収集の方法に迷うことが少なくありません。
ここでは、土地探しを成功させるためのコツと、効率的な情報収集の方法を解説します。
希望に沿った施工ができる会社を見つける
注文住宅は、土地の選定と建物の設計・施工を依頼する会社探しの2つのステップで進めていきます。施工会社には、全国展開する大手ハウスメーカー、地域密着型の工務店、デザイン重視の設計事務所があり、それぞれの強みや特徴は大きく異なります。
たとえば、ハウスメーカーは最新の設備や性能にこだわった提案が得意であり、工務店は自然素材を活かした木造住宅に詳しく、設計事務所は土地の特性を最大限活用したデザイン性の高い家づくりが特徴です。そのため、家族で理想の住まいについて話し合い、重視する要素を明確にしてから会社探しを始めることが大切です。
なるべく早く動き出す
注文住宅の予算配分では、土地代と建物代の両方を考慮する必要があります。そのため、土地探しを始める前に、まずは施工会社に相談して建物の概算費用を把握しておくことが重要です。
特に、地盤の状態や接道条件によっては、希望する間取りの実現が難しかったり、追加工事が必要になったりする場合もあります。土地購入後に予算が不足するトラブルを避けるためにも、できるだけ早い段階で施工会社と打ち合わせを始めることをおすすめします。
専門用語の意味を勉強しておく
土地探しを進める中で「建ぺい率」「容積率」「セットバック」「用途地域」といった専門用語に出会うことが多いです。
建ぺい率とは土地面積の全体の中で建築できる建物面積の割合のこと。容積率とは建物の延べ面積(延べ床面積)の敷地面積に対する割合のこと。セットバックは土地と前面にある道路の境界線を土地側に後退させ、前面道路の幅を広げること。用途地域と計画的な市街地を形成するために、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的に分けられたもののことです。
これらの用語は、その土地にどのような建物が建てられるかを左右する重要な要素です。不動産会社の営業担当者に説明を求めることもできますが、基本的な用語の意味を事前に理解しておくと、より効率的に物件探しを進められます。また、希望の間取りが実現可能かどうかの判断も、スムーズにできるようになるため、土地探しの早い段階で専門用語について学んでおくことをおすすめします。
土地を探す際に意識すべきポイント
注文住宅のための土地を探す際、どのような点に気をつければ良いのか迷う方は多いのではないでしょうか。立地や価格だけでなく、面積や形状、災害リスク、周辺環境など、確認すべきポイントは数多くあります。
ここでは、土地選びで必ずチェックしておきたい9つのポイントを詳しく解説します。
周辺環境
周辺環境のチェックは、快適な暮らしを実現するために欠かせない重要なポイントです。買い物施設との位置関係では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアまでの距離を確認し、徒歩10分圏内にあることが理想的です。また、日常生活に必要な銀行やドラッグストア、病院などの場所もあらかじめ把握しておきましょう。
現地確認では、平日と休日の様子を見比べることをおすすめします。交通量の多い道路や飲食店が近くにある場合は、騒音や臭いが気になることもあります。さらに、街灯の設置状況や治安の良さを確認するため、夜間の様子も確認するのが賢明です。
面積・形状
土地の面積と形状は、理想の住まいを実現するうえで重要な要素となります。ゆとりのある暮らしを望むなら、庭やカーポートのスペースも考慮して十分な土地を視野に入れることがおすすめです。
土地の形状は、正方形や長方形の整形地と、三角形や旗竿地の不整形地に大きく分かれます。整形地は間取りの自由度が高く、部屋を効率的に配置できるため、多くの方に人気があります。
一方、三角形や旗竿地などの不整形地は、建物や部屋の配置に工夫が必要です。デッドスペースが生まれやすく、収納や水回りの配置に制限がありますが、整形地より割安で購入できる場合もあります。
高低差
土地の高低差は、家の建築費用や安全性に大きく影響を与えます。高低差が激しい場所では、土地を平らにする盛土工事や、斜面を補強する擁壁工事が必要となるため、予想以上の費用がかかることがあるでしょう。
特に低地では浸水対策として道路と同じ高さまで土を盛り、高台では土砂崩れを防ぐために擁壁で斜面を支える工事が欠かせません。そのため、土地を購入する前には、周辺の高低差を入念に確認し、崖崩れや土砂災害のリスクがないか、現地で実際に確かめることが大切です。
境界線
土地の境界線があいまいだと、購入後に隣地との間でトラブルが発生する原因となります。境界線の確認には、まず登記簿の内容を調べ、その後で確定測量図や境界標の存在を入念に確かめるのが大切です。
特に境界が確定していない場合には、売主に境界確定測量を依頼することが必要となるため、費用と時間がかかることを想定しておきましょう。また、塀や垣根などが隣地にはみ出していないかの確認も重要です。
災害リスク
土地購入前の災害リスク確認は、安全な暮らしを実現するために重要です。具体的には、各市区町村が公開しているハザードマップを活用して、洪水や地震、津波、高潮、内水氾濫、土砂災害などの危険性を事前に把握することができます。
このハザードマップは地域ごとの災害リスクを色分けして表示しており、その土地の過去の災害履歴も確認できるため、土地選びの参考になります。売買契約時には重要事項説明でハザードマップの説明がありますが、土地探しの早い段階から災害リスクを意識しておくことで、より安全な住まい選びが可能となるでしょう。
道路
土地と道路の関係は、注文住宅の建築を左右する大切な要素です。建築基準法では、建物を建てるための条件として、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していることを定めています。
道路幅が4メートル未満の場合、道路の中心線から2メートル後退させた位置まで土地を提供する「セットバック」が必要となるため、実際に使える敷地面積が減少します。また、土地が接する道路が私道の場合は、工事の際に近隣住民から通行や工事の許可を得る必要があるケースもあるため、事前の確認が欠かせません。
地盤
家を建てる土地の地盤強度は、建物の安全性と建築費用に直接影響を与える重要な要素です。地盤が軟弱だと建物に歪みや沈下が生じる危険性があり、地盤改良工事に数百万円以上の追加費用が必要となることもあります。
地盤の状態を正確に把握するためには、専門業者による地盤調査が最も確実な方法となるため、可能であれば土地購入前に売主の承諾を得て調査することをおすすめします。ただし、事前調査の承諾が得られない場合は、ハザードマップや古地図を活用して、その土地の履歴や特徴を詳しく調べることが大切です。
インフラ
土地選びでは、水道やガス、電気といったインフラの状況確認が欠かせません。特に上下水道やガス管が敷地内まで引き込まれていない場合、工事のために追加費用が発生するため、予算計画に大きな影響を与えます。
以前に建物があった土地では、これらのインフラ設備が既に整っていることが多いものの、郊外の新規分譲地や農地転用された土地では、インフラ整備が不十分なケースがあります。また、以前の建物がオール電化住宅だった場合、ガス管が引き込まれていない可能性があるため、注意深く確認することが大切です。
法規制
土地に関する法規制の確認は、理想の家づくりを実現するために重要です。建築基準法や都市計画法による規制は、建物の大きさや高さ、用途に大きく影響を与えるため、購入前の入念な確認が必要となります。
具体的には、その土地がどの用途地域に属しているのか、建ぺい率や容積率はどの程度か、また日影規制や斜線制限などの制約がどの程度あるのかを把握しなければなりません。これらの法規制は市町村の役所で詳しく調べることができるため、土地購入前に必ず確認することをおすすめします。
希望の土地が見つからない場合の対処法
注文住宅のための土地探しをしているものの、なかなか希望に合う物件が見つからないと感じている方も多いのではないでしょうか。希望の地域で理想の土地を見つけることは、簡単ではありません。
しかし、土地探しの視点を少し変えるだけで、新たな可能性が広がることがあります。ここでは、理想の土地が見つからない場合の具体的な対処法を紹介します。
地域を広げる
希望エリアにこだわりすぎると、理想の土地に出会えない原因となる場合があります。特に人気の高い地域では、良い条件の土地はすぐに売約済みとなってしまうため、土地探しが長期化するケースも少なくありません。
そのため、通勤・通学時間や予算などの条件は守りながら、最寄り駅から一駅離れた地域や、隣接する市区町村まで範囲を広げて探すことで、より多くの選択肢が見つかる可能性が高まります。視野を広げることは、理想の土地との出会いにつながる有効な方法といえるでしょう。
整形地にこだわらない
整形地や南向きの土地は価格が高くなる傾向にあるため、希望の条件に合わせて土地を探すのが難しい場合があります。一方で、旗竿地や北向きの土地は人気が低いぶん、価格を抑えられる可能性が高いです。
そのため、土地選びの条件を少し緩和してみると、土地の形状や向きに工夫を凝らした魅力的な物件に出会えるかもしれません。間取りやデザインの工夫次第で、不整形な土地でも快適な住空間を実現できるため、土地探しの視野を広げてみるのもおすすめです。
まとめ|注文住宅の物件探しにはコツがある
この記事では、注文住宅の物件探しに関する重要なポイントを解説しました。戸建ては注文住宅、建売住宅、規格住宅、中古一戸建てなど、いくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。土地探しでは、希望に沿った施工のできる会社を見つけ、早めに行動を始めることが大切です。
また、周辺環境や面積・形状、高低差、境界線、災害リスク、道路、地盤、インフラ、法規制など、さまざまな要素を慎重に確認する必要があります。もし希望の土地がなかなか見つからない場合は、探す地域を広げたり、整形地へのこだわりを少し緩めたりすることで、理想に近い物件に出会える可能性が高まります。
これらのポイントを意識しながら、焦らず慎重に物件探しを進めることで、理想の注文住宅を実現できるでしょう。
RANKING
ランキング
PICK UP
おすすめ記事