低木のシンボルツリーとしてのおすすめ14選!植える際の注意点も解説
庭にシンボルツリーを植えたいけれど、スペースが限られているため大きな木は難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、常緑樹や落葉樹、果樹など、低木のシンボルツリーのおすすめ14種類を紹介します。
さらに、シンボルツリーを育てるメリットから選び方のポイント、植える際の注意点まで詳しく解説します。美しく手入れがしやすい低木で、理想の庭づくりを実現できるでしょう。
目次
低木のシンボルツリーとしてのおすすめ14選
シンボルツリーは庭のアクセントとして重要な役割を果たしますが、限られたスペースで選ぶとなると、どんな低木が適しているのか迷うものです。手入れがしやすく成長を楽しめる低木には、常緑樹や落葉樹、果樹などさまざまな品種があり、それぞれに個性と魅力があります。
ここでは、シンボルツリーに最適な低木を14種類に厳選して紹介します。
常緑樹のおすすめ6選
アオキ
アオキは、庭で植えられることの多い人気の常緑低木です。日陰でも元気に育つ丈夫な性質を持ち、光沢のある美しい葉が魅力です。寒さや暑さにも強いため、日本全国で植えられていますが、直射日光の当たる場所では葉焼けを起こしやすいため、半日陰の湿った環境が最適な生育場所となります。
ジンチョウゲ
ジンチョウゲは、早春に淡いピンク色の花を咲かせ、甘い香りで庭を満たす日本の伝統的な常緑低木です。樹形が自然と丸くまとまる特徴があり、こまめな剪定を必要としないため、手間のかからない庭づくりをしたい方に最適な植物となります。一般的な流通品種のほとんどが雄株のため実はつけませんが、雌株の場合は赤い実をつけることがあります。
カナメモチ
カナメモチは、春に芽吹く真っ赤な新芽が特徴的な常緑樹で、特に病害虫への抵抗力が強い「レッドロビン」という品種が広く流通しています。このレッドロビンは、従来種の「カナメモチ」と「オオカナメモチ」を交配させて生まれた品種で、生育環境を選ばない丈夫な性質を持ちます。
シャリンバイ
シャリンバイは、海からの潮風に強い耐性を持つ常緑樹で、特に沿岸部の住宅の植栽に適しています。晩春には白い小花を咲かせ、秋になると光沢のある黒紫色の実をたわわにつけて庭を彩ります。光をたっぷりと浴び、水はけの良い場所で健やかに育つ性質がありますが、寒冷地では生育が難しい一面も持つため、温暖な地域での栽培がおすすめです。
ナンテン
ナンテンは「難を転ずる」という語呂合わせから、日本の伝統的な庭園で縁起物や魔除けとして親しまれてきた常緑低木です。初夏には白い小花を咲かせ、秋になると葉が美しく紅葉し、冬には鮮やかな赤い実と深緑の葉が印象的なコントラストを生み出します。
ツツジ
ツツジは、4月から5月にかけて鮮やかな花を咲かせる日本の伝統的な低木で、その美しい花の姿から多くの日本人に愛されています。ピンク、赤、白、紫など豊富な品種があり、庭の主役として存在感を放つほか、公園や神社でも広く植えられています。
落葉樹のおすすめ6選
コデマリ
コデマリは、春になると純白の小さな花が鞠のように丸くまとまって咲く落葉低木で「スズカケ」の愛称でも親しまれています。寒さに強く、病害虫への抵抗力も備えているため、園芸初心者でも安心して育てられる庭木として知られています。
タニウツギ
タニウツギは、初夏になると白からほのかなピンク色の花を咲かせる庭木として人気があります。樹高は2メートルほどまで成長し、生命力が強いため、管理に手間がかからないのが特徴です。日光が十分に当たり、水はけの良い場所で育てることで、美しい花を楽しむことができます。
ドウダンツツジ
ドウダンツツジは、春になると真っ白な釣り鐘型の花を房状に咲かせ、枝先から優雅に垂れ下がる姿が特徴的な庭木です。樹高は2メートルほどまでゆっくりと成長し、その姿は和風庭園に深い趣を添えます。特に秋には濃い赤色から明るい橙色まで、葉の色が日に日に変化していく様子を楽しむことができるため、一年を通して植栽の主役として活躍する樹木として知られています。
ピラカンサ
ピラカンサは、春に純白の小花を枝いっぱいに咲かせ、秋から冬にかけて鮮やかな赤い実をたわわにつける常緑低木です。トキワサンザシやタチバナモドキなどの仲間の総称で、高さ3メートルほどまで育つ生命力旺盛な庭木として知られています。寒さや暑さにも強く、環境の変化にも適応しやすいため、初心者でも気軽に育てられます。
ハコネウツギ
ハコネウツギは、6月から7月にかけて白い花を咲かせ、時間の経過とともにピンクから濃い赤色へと花色が変化する珍しい性質をもつ落葉低木です。樹高は2メートルほどまで成長し、マイナス10度の寒さにも耐えられる丈夫さがあります。
ライラック
ライラックは、5月頃に薄紫から白まで様々な色の花を穂状に咲かせ、甘い香りを漂わせる落葉樹です。樹高は3メートルほどまで成長し、寒い気温にも耐えられる強さをもつため、北海道や東北地方の庭園では欠かせない存在となっています。一方で、暑さに弱く、高温多湿な環境では花つきが悪くなったり葉が傷みやすくなったりする点には注意が必要です。
果樹のおすすめ4選
イチジク
イチジクは、7月から10月にかけて甘みの強い果実を実らせる落葉樹で、樹高は3メートルほどまで育ちます。果実の中で花が咲くという珍しい特徴から「無花果」という漢字が当てられ、その実は上品な甘さとしっとりとした食感で親しまれています。
ブルーベリー
ブルーベリーは、繊細な枝が優雅に上に伸びる姿が美しく、初夏には白やピンクの鈴なりの花を咲かせ、夏には甘酸っぱい実を楽しめる落葉低木です。樹高は品種により1.5メートルから3メートルまでさまざまで、特に温暖な地域向けのサザンハイブッシュは1.5メートルほどのコンパクトなサイズに収まります。
ユスラウメ
ユスラウメは、春に梅や桜に似た可憐な花を咲かせ、6月頃には光沢のある真っ赤な果実を実らせる樹高1.5メートルほどの落葉低木です。花色は淡紅色の赤実系と純白の白実系の2種類があり、どちらも庭のシンボルツリーとして映えます。果実は甘酸っぱい独特の風味があり、生食はもちろん、ジャムや果実酒の材料として重宝されています。
キンカン
キンカンは、冬から春にかけて鮮やかなオレンジ色の実をたわわにつける樹高2メートルほどの常緑樹です。果皮ごと食べられる小さな果実は、甘みと酸味のバランスが絶妙で、ほのかな苦みも加わった独特の風味をもち、子どもから大人まで幅広く親しまれています。病害虫への抵抗力が強く、剪定も春先に軽く整えるだけでよいため、果樹栽培の初心者でも育てやすい特徴があります。
シンボルツリーを育てるメリット
シンボルツリーは暮らしを快適にする重要な役割を持っています。特に低木のシンボルツリーは、大きな木に比べて手入れがしやすく、庭のスペースを有効活用できるメリットがあります。
ここでは、低木のシンボルツリーを育てることで得られる3つの具体的なメリットを見ていきましょう。
木陰と風よけになる
シンボルツリーの大きな役割として、快適な木陰づくりと風よけ効果があります。葉が生い茂る樹木は、強い日差しを程よく和らげます。特に夏場は、葉の裏から水分を蒸発させる蒸散作用により、打ち水をしたかのような涼しい木陰を作り出すため、西日対策としても重宝されるでしょう。
また、枝葉が自然の防風壁となり、強風から家を守る効果もあるため、海沿いの住宅地でもよく見かけます。ただし、こうした効果を十分に発揮させるには、日照条件や根の成長の特性を考慮した樹木選びが欠かせません。
プライバシーを守る
シンボルツリーは、自然な形で外からの視線を遮る効果があるため、プライバシーの確保に効果的な選択肢です。特に道路に面した場所や窓の近くに植えると、敷地内部が見えにくくなり、防犯面でも安心できます。
門や塀と比べて圧迫感が少なく、風通しの良さや開放的な雰囲気を損なうことなく目隠しとして機能するのが特徴です。プライバシーを守る目的でシンボルツリーを選ぶ際は、樹高や枝葉の広がり、さらに一年中葉が茂る常緑樹か季節で葉が落ちる落葉樹かを検討し、目隠し効果が十分に得られる樹種を選びましょう。
外観に彩りを添える
シンボルツリーは、無機質になりがちな住宅の外観に自然な表情をプラスする重要な役割を担います。また、シラカシやオリーブなどの常緑樹は一年中青々とした葉を保ち、家の外観に彩りをもたらすため人気があります。
シンボルツリーの選び方
シンボルツリーとして低木を選ぶ際、どんな点に注意すれば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。低木のシンボルツリー選びには、庭の規模や気候条件、虫への耐性など、いくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、後悔しない低木のシンボルツリー選びのために必要な6つのポイントを詳しく解説します。
庭の規模に合わせる
シンボルツリーを選ぶ際は、敷地面積や建物とのバランスを考慮した樹高選びが重要です。比較的広めの庭なら、ヤマボウシやシマトネリコなど、成木で大きめの高さがある樹木が存在感を発揮します。
一方、小さめの庭では、ハナミズキやオリーブなど、成木でもコンパクトな樹木が空間にマッチします。特に玄関前の限られたスペースしかない場合は、コハウチワカエデなどの小型品種を選ぶと、管理のしやすさと見た目の美しさを両立できるのです。
気候と耐寒性を考える
シンボルツリーの選定では、その地域の気候条件、特に冬の最低気温に合わせた耐寒性の確認が欠かせません。例えば、東北や北海道のような寒冷地では、イロハモミジやヤマボウシなど耐寒性の高い樹種を選ぶのが無難です。
一方、熱帯系のフェニックス・ロベレニーやオリーブは寒さに弱いため、地域の年間最低気温を確認し、冬季の室内への移動を想定して鉢植えにするなど、樹木を守るための対策を考える必要があります。
虫がつきにくい品種を選ぶ
シンボルツリーを選ぶ際は、病害虫への耐性を考慮する必要があります。例えば、シマトネリコやオリーブは比較的虫がつきにくく、初心者でも管理がしやすい樹種として知られています。
一方、バラ科のソメイヨシノは病害虫の被害を受けやすく、アブラムシやカミキリムシの防除に手間がかかるでしょう。管理の手間を最小限に抑えたい場合は、クスノキやモッコクなど、病害虫に強い常緑樹を選ぶと安心です。
日向・日陰に合う低木を選ぶ
シンボルツリーの選定では、玄関の向きや日照条件に合わせた樹種選びが重要となります。東玄関には、午後の日陰に強いヤマボウシやアオダモが適しており、西玄関には強い西日に耐えられる常緑のツツジ類が向いています。
南向きの場合は、夏の強い日差しを和らげる落葉樹のハナミズキやコハウチワカエデが人気です。一方、日当たりの悪い北玄関には、シャラやアオキなど陰樹が適しています。ただし、周辺に高層建築がある場合は日照時間が変わるため、実際の日当たりを確認した上で樹種を決めると良いでしょう。
家の外観に合わせる
シンボルツリーは家の外観デザインと調和することで、その魅力を最大限に引き出します。例えば、白壁の洋風住宅にはシマトネリコやオリーブが映え、和風住宅には風情あるイロハモミジやシャラが良いでしょう。
モダンな外観なら、すっきりとした樹形のハナミズキや、シンプルな印象のクスノキが調和します。このように、建物の雰囲気に合った樹種を選ぶことで、エクステリア全体の統一感が生まれ、洗練された印象の住まいを実現できます。
植える目的で選ぶ
シンボルツリーの選定では、その樹木で何を表現したいかという目的を明確にすることが大切です。葉の美しさを楽しみたい場合は、青々とした葉が魅力のクスノキや、紅葉が見事なイロハモミジが適しています。
華やかな花を求めるなら、春に白い花を咲かせるハナミズキや、初夏に淡い紫の花をつけるジャカランダなどが人気です。実を楽しむ場合は、秋に赤い実をつけるヤマボウシなど選ぶと、季節の移ろいを感じられる庭づくりができます。
シンボルツリーを植える際の5つの注意点
シンボルツリーにふさわしい低木を見つけても、植える場所や環境によって思うように育たなかったり、予期せぬトラブルが発生したりすることがあります。ここでは、低木のシンボルツリーを植える際に注意すべき5つのポイントを詳しく解説します。
落ち葉が迷惑にならない場所に植える
落葉樹をシンボルツリーとして取り入れる場合、周囲への配慮と日常的な管理のしやすさを考慮した植栽場所の選定が重要です。例えば、イロハモミジやハナミズキなどの落葉樹は、庭の中央や建物から離れた場所に植えることで、落ち葉が道路や隣家に飛散する心配がありません。
特に玄関アプローチや駐車スペース付近は、落ち葉による転倒リスクや車の傷付き防止の観点から避けるべきです。落葉樹は手入れの手間を考慮し、日々の清掃がしやすい裏庭や、花壇の奥まった場所への植栽がおすすめです。
果樹は適切な場所に植える
果樹を植える際は、落ちた実による地面の汚れや、虫や鳥の集まりなどのトラブルを避けるため、場所選びが重要になります。特に玄関先は避けるべき場所で、落ちた実が腐敗して悪臭の原因となったり、虫や鳥が集まったりするリスクがあるためです。
また、実が自動車に落下すると塗装を傷つける可能性があるため、駐車場の近くや道路に面した場所も避けましょう。落ち葉の影響を考えると、隣家との境界付近も植樹には適していません。快適な住環境を保つためには、これらの点に配慮した場所選びが大切です。
木が元気に育つ環境か確認する
シンボルツリーを健康に育てるには、日当たりと風通しに配慮した場所選びが欠かせません。最適な植樹場所は、午前中から日差しが十分に得られる東側か南側となります。南側は一日中日が当たるため多くの樹種に適していますが、東側も午前から昼にかけて十分な日照が得られます。
一方で、西側は強い西日への耐性が必要なため、樹種選びに注意が必要になるでしょう。北側は湿気がたまりやすく日当たりも悪いものの、シュロチクやカクレミノなど耐陰性の強い樹種であれば十分に育てることができます。
将来の計画も考える
シンボルツリーは将来の設計変更を見据えた場所選びが重要です。一度植えると移動が困難なため、駐車場の拡張工事やリフォームが予定されている場所は避けるべきでしょう。特に地植えの場合、植え替えには多大な労力がかかるだけではなく、樹木に強いストレスを与えてしまいます。
最悪の場合、1度の植え替えで枯れてしまうこともあるため、長期的な住宅の改修計画を立ててから設置場所を決めることが大切です。このように、シンボルツリーは一度設置すると動かせないことを前提に、慎重に場所を決める必要があります。
ペットがいる家庭は安全性を確認する
ペットと暮らす家庭でシンボルツリーを選ぶ際は、植物の安全性に特に気を配る必要があります。身近な植物の中にも、熟していない梅の実やスイセンの球根、アジサイの葉や根など、ペットが誤って口にすると中毒を引き起こす危険性のあるものが存在するため、樹種の選定には十分な注意が必要です。
また、これらの植物は人間にとっても有害な可能性があるため、小さな子どもがいる家庭では避けた方が無難でしょう。シンボルツリーを選ぶ際は、家族全員が安全に暮らせる環境づくりを心がけましょう。
まとめ|選び方や植える際の注意点などからお気に入りのシンボルツリーを選ぼう
この記事では、低木のシンボルツリーとして最適な14種類の樹木を、常緑樹、落葉樹、果樹に分けて紹介しました。シンボルツリーは木陰や風よけとしての役割を果たし、プライバシーを守りながら、外観に彩りを添えるメリットがあります。
選び方のポイントとして、庭の規模や気候、耐寒性、虫への強さ、日当たり、家の外観との調和、植える目的などを考慮することが大切です。また、植える際には落ち葉の影響や果樹の適切な配置、木の生育環境、将来の計画、ペットへの安全性にも注意が必要です。
これらの情報を参考に、あなたの庭に合った低木のシンボルツリーを選び、理想の庭づくりを実現しましょう。
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