床下収納の5つのデメリット!メリットや対策に関しても具体的に解説


床下収納は収納スペースを増やせる便利な設備ですが、湿気やカビの発生、物の出し入れのしにくさなど、いくつかの気になる問題点もあります。特に、温度や湿度の変化によって収納した物が傷んでしまうことや、床の耐久性への影響を懸念する声も少なくありません。

 

この記事では、床下収納のデメリットと具体的な対策方法、メリットや収納に適した物についても詳しく紹介します。床下収納の設置を検討している方は、参考にしてください。

 

 

床下収納について

床下収納を検討するとき「設置費用はいくらくらいかかるのか」「どんな種類があるのか」といった基本的な疑問が浮かぶかもしれません。また、後になって「もっと別のタイプにすれば良かった」と後悔しないためにも、設置前に床下収納の基礎知識を理解しておくことが重要です。

 

ここでは、床下収納の主な種類と工事費用の相場を解説します。

 

床下収納の主な種類

床下収納には、固定式、スライド式、扉式の3つのタイプがあります。キッチンでよく見かける固定式は、取っ手の付いた蓋を開けると1つの収納ボックスがあり、深さによって調味料のストックやお酒の保管に適しています。

 

一方、スライド式は開口部が1か所で複数の収納ボックスを連結し、横にスライドして使うため、乾麺など比較的軽いものの収納に向いていると言えるでしょう。片手でも開閉できる扉式は、開口部が狭めになるものの、使用頻度の高い小物類の保管に便利なため、キッチン周りの整理に役立ちます。

 

工事費用の目安と相場

床下収納の設置費用は、工事の規模や収納の種類によって大きく変動します。蓋を取り外すタイプは10万円前後と比較的安価なため、予算を抑えたい方に人気があります。一方で、施工が複雑な跳ね上げタイプは20万円以上かかるのが一般的です。

 

収納の大きさや機能性、耐荷重などによって変動するため、ハウスメーカーに見積もりを依頼して判断しましょう。

 

 

床下収納の5つのデメリット

床下収納は収納スペースを確保できる便利な設備ですが、注意すべきデメリットがいくつかあります。湿気やカビの発生、日常的な使い勝手の悪さ、床の強度への影響など、設置や利用には慎重な検討が必要です。

 

ここでは、床下収納の5つのデメリットを具体的に紹介し、それぞれの解決方法についても詳しく解説します。

 

湿気とカビ対策が必要

床下収納は湿度が高くなりやすい環境のため、適切な湿気対策が欠かせません。特に梅雨時期は湿度が高くなり、カビや臭いの原因となります。キッチンや洗面所など水回りの床下収納は、結露により壁面に水滴がつく恐れがあるため、除湿剤の定期的な交換や通気口の設置が重要になります。

 

床下収納内の湿度は60%以下に保つのが理想的で、シリカゲルや除湿材を活用することで、収納したものの劣化を防ぎながら清潔な収納環境を維持できるでしょう。

 

使いづらいこともある

床下収納は収納力が高い反面、使い勝手に問題もあります。中でも大きな特徴は、床面にしゃがんで作業をする必要があり、特に高齢者や膝の不調がある方には負担がかかりやすいです。

 

そのため、床下収納には季節物など、年に数回程度しか使わないものを収納するのが賢明と言えるでしょう。

 

床の耐久性が下がる

床下収納の設置は床の構造を変更するため、耐久性への影響は避けられません。特に家族の動線上に床下収納がある場合、1日に何度も人が通ることで床材の劣化が加速し、床鳴りやたわみが発生する可能性があります。

 

このため、床下収納の配置は家具の下や通行頻度が低い場所を選び、定期的な点検とメンテナンスを心がけることが重要となります。

 

物の出し入れが面倒になる

床下収納は、物の出し入れに一定の労力が必要となります。蓋を開けるたびにしゃがむ姿勢が必要で、特に高齢者や腰痛持ちの方には大きな負担となるため、日常的な使用には向いていません。

 

このため、床下収納を活用する際は、季節の装飾品や思い出の品など、頻繁に使わないものを奥にしまい、取り出す機会が多いものは手前に配置する工夫が必要となります。

 

温度の変化によって収納した物が傷む

床下収納は温度や湿度の変化が大きく、特に梅雨の時期は、カビが発生しやすい環境となるのです。また、床下の温度は変動することがあり、この寒暖差により収納物の劣化が進みやすくなります。

 

対策として、シリカゲルなどの除湿剤を定期的に交換し、収納物も取り出して換気することが重要です。さらに、収納物同士の間隔を空けることで通気性を確保し、カビや虫の発生を防ぐことができます。

 

床下収納の3つのメリット

床下収納にはデメリットがありますが、メリットもしっかりと理解しておく必要があります。特に都市部の住宅のように狭いスペースでは、床下を収納として利用することで、空間を有効活用でき、より広々とした空間づくりが可能になります。

 

ここでは、床下収納の3つのメリットを具体的に解説します。

 

空間を有効活用できる

床下収納は、普段は使われていない床下のスペースを活用できる優れた収納方法です。通常の収納家具は部屋のスペースを使いますが、床下収納なら生活空間を犠牲にすることなく、キッチン用品や季節の家電などをすっきりと片付けられます。

 

収納量を確保できる

床下収納は、収納棚やクローゼットと異なり、生活空間を使うことなく収納スペースを確保できるため、収納スペースに悩む方に人気があります。

また、収納家具を新たに購入する必要がないため、費用を抑えながら収納力をアップさせることができるのも魅力と言えるでしょう。

 

見た目がすっきりする

床下収納の大きな特徴は、見た目の美しさを損なうことなく収納スペースを確保できる点です。掃除用具やストック品など、生活感が出やすいアイテムを床下に収納することで、部屋全体がすっきりとした印象になります。

 

普段使用する収納棚には、見せる収納として季節のインテリアや小物を飾り、床下収納には普段目立たせたくないものを収納するという使い分けができます。

 

床下収納の活用法・デメリット対策

床下収納には湿気やカビ、虫の発生など、いくつかの気になる問題がありますが、適切な対策を取ることで快適に使うことができます。ここでは、床下収納を長く快適に使い続けるためのポイントと、デメリットを解消する具体的な対策方法を紹介します。

 

防湿対策をする

床下は外気の影響を受けやすく、温度や湿度の変化が大きいです。そのため、床下収納を活用する際は、カビや結露を防ぐための防湿対策が欠かせません。除湿剤の設置と定期的な交換、通気口からの換気など、日頃からこまめなケアを心がける必要があります。

 

保管するものも、防湿や温度管理の観点から、湿気に強いものを選ぶのがおすすめです。これらの対策を適切に行うことで、床下収納を長く快適に使うことができます。

 

虫対策をする

床下収納は虫が侵入しやすい場所のため、適切な防虫対策が重要です。床下に虫が発生すると、収納物の劣化や衛生面での問題が起こる可能性があるため、天然由来の防虫剤やハーブの香りがする虫よけシートを設置しておくと安心です。

 

また、虫を誘引する原因となる開封済みの食品類は、キッチンの収納庫など別の場所に保管するのをおすすめします。定期的に収納庫内を点検し、虫がいないかチェックすることで、清潔な収納環境を保つことができます。

 

収納効率を上げる

床下収納を効率的に活用するには、整理整頓のための工夫が大切です。まず、収納物はボックスファイルやケースを使って小分けにします。特に取手付きのケースを使うと、奥に収納したものも簡単に取り出せるため便利です。

 

深い床下収納にはコの字ラックを入れて上下に分けることで、限られたスペースを最大限活用できます。さらに、各ボックスにラベルを貼り、収納物の内容や賞味期限を記入しておくと管理がしやすくなります。

 

また、床下収納の中身をリスト化しておくと、必要なものをすぐに見つけられるだけでなく、ストック品の重複購入も防げるため、効率的な収納管理が実現できるでしょう。

 

床下収納には何を入れる?

床下収納の活用で最も重要なのは、収納する物の選び方です。湿気や温度変化の影響を受けやすい床下収納では、何でも入れれば良いというわけではありません。

 

ここでは、床下収納に適した物と適さない物を具体的に紹介し、失敗しない収納方法のポイントを解説します。

 

適した物

床下収納は場所ごとに最適な使い方があります。キッチンの床下収納には、レトルト食品や缶詰、ペットボトル飲料などの密封された食品が適しています。また、すき焼き鍋などの調理器具や日用品のストックも便利です。

 

洗面所の床下収納は湿気が多い環境なので、シャンプーや洗剤の詰め替え用品、掃除グッズのストックなど、水回りで使用する日用品の保管に向いています。これらは使用頻度も高く、すぐに取り出せる場所に置いておくと便利です。

 

寝室や和室などの床下収納は比較的湿気が少ないため、来客用品、アウトドアグッズなど、多様なアイテムを保管できます。クリスマスツリーといった季節用品、ドライバーなどの普段使わない工具、非常食や懐中電灯などの防災用品の保管場所としても活用できます。但し、重いものを入れると取り出すのが大変になり、作った床下収納によっては耐荷重に限界もあるので注意が必要です。

 

適さない物

床下収納は温度や湿度の変化が大きいため、保管する物には十分な注意が必要です。特にキッチンの床下収納では、生鮮食品や開封済みの調味料は腐敗や風味の劣化を引き起こすため避けましょう。食品を収納する際は、必ず密閉容器に入れ、カビや虫の発生を防ぐ工夫が大切です。

 

衣類や布団などの布製品は湿気でカビが発生しやすく、本や雑誌などの紙製品も劣化の原因となるため、風通しの良いクローゼットでの保管がおすすめです。家電製品も故障や漏電の危険性があるため避けましょう。

 

また、床下収納には耐荷重が設定されているため、重すぎる物を入れると収納自体が破損する可能性があります。収納前には必ず耐荷重を確認し、除湿剤を使用するなど、適切な環境管理を心がけることが大切です。

 

まとめ|床下収納のデメリットを理解した上で設置を検討しよう

この記事では、床下収納の基本的な知識から、メリット・デメリット、そして具体的な対策方法までを詳しく解説しました。床下収納には、湿気やカビの発生、物の出し入れのしにくさ、床の耐久性の低下など、いくつかの気になるデメリットがあります。

 

しかし、適切な防湿対策や虫対策を行い、収納効率を上げる工夫をすることで、これらの問題点は解消できるでしょう。床下収納は、空間を有効活用でき、収納量を確保できる、見た目がすっきりするなどのメリットもあります。

 

デメリットを理解した上で、保管する物を選び、適切な対策を行うことで、快適な収納スペースとして活用することができます。新築やリフォームを検討する際は、これらの特徴を踏まえた上で、設置を決めましょう。

 

 

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