屋外給排水工事にかかる費用とは？目安や変動する要因を解説！

家を建てる際、屋外排水工事にどのくらいの予算が必要か、そしてその費用が何によって左右されるかを知りたい方も多いのではないでしょうか。この記事では、屋外給排水工事の基本から費用の目安、費用を変動させる要因、そして適正価格での施工方法まで、詳しく解説します。正確な予算立てに役立つ情報を紹介するため、ぜひ最後まで読んでください。

屋外給排水工事とは
屋外給排水工事の費用目安
屋外給排水工事などの付帯工事費用が変動する要因
屋外給排水工事を適正の費用で施工するためには
まとめ｜屋外給排水工事は建築費用の10%が目安になる

屋外給排水工事とは

屋外給排水工事は、家の快適な水回り環境を支える基礎的な工事ですが、その工事に伴う費用や手続きには多くの方が戸惑います。この工事がなぜ必要なのか、そして費用はどれくらいかかるのかなどの疑問は、計画的な建築を検討する上で避けては通れません。ここでは、屋外給排水工事の基本的な概要から、工事が必要とされる具体的なシチュエーションを解説します。

屋外給排水工事の概要

屋外給排水工事は、家屋と公共の水道システムを接続する工事です。この工事には、水道メーターから住宅までの給水管の設置や、家から公共ますへつながる排水管の敷設が含まれます。

また、雨水や家庭からの汚水を分けて集める「雨水ます」と「汚水ます」の設置も行われます。

公共ますや浄化槽とは

公共ますは、住宅から排出される全ての排水が合流する最終ますです。道路下に設置されており、地方自治体によって管理されています。しかし、全ての地域に公共ますが設置されているわけではなく、設置されていない場合は、自治体の水道局に相談をしてください。

浄化槽とは、家庭からのし尿や排水を処理する施設で、下水道の使える地域をのぞき、家屋ごとに設置されています。

給水管引込工事

給水管引込工事は、上水道本管から宅地内に水道管を引き込むための工事です。これは、新築住宅が建設される際に、特に給水設備が未整備の土地で必要とされます。給水管の有無や状態によって、新しく引き込むか、既存の管を径の大きいものに交換することが求められることがあります。

この工事は地面や場合によっては道路を掘り返すため、大がかりで時間とコストがかかるものです。工事完了後は、掘り返した道路や地面を元の状態に復帰させる作業も伴います。

給排水衛生設備工事

給排水衛生設備工事は、住宅の水回り全体の工事です。この工事には、キッチンやバスルーム、トイレなどの水を使用する場所に給水管と排水管を敷設する作業が含まれます。また、給湯器の設置もこの工事の範疇に入ります。

屋内給排水工事は、住宅の衛生状態や利便性を大きく左右するため、精度の高い施工が求められます。

屋外給排水工事の費用目安

屋外給排水工事を計画する際、多くの方が気になるのは「費用」です。しかし、単に施工費用を知るだけでは不十分です。実際には、予想外の追加費用が発生するケースも少なくありません。ここでは、屋外給排水工事の費用が一般的に建築費用の約10%を占めるとされる理由と、見積もりでは見落としがちな施工以外の費用について解説します。正確な予算計画を立てることで、スムーズかつ費用の負担を軽減するような工事を実現しましょう。

建築費用の10%程度

屋外給排水工事の費用は、全体の建築費の約10%を占めることが一般的です。例えば、家の建築費が2,000万円なら約200万円、3,000万円の場合は約300万円が屋外給排水工事に必要とされます。ただし、設備の多さや配置によって費用は変動するため、注意しましょう。

例えば、3階建てや二世帯住宅のようにトイレやキッチン、バスルームを多く設置する場合、工事費は増加します。また、広い敷地で配管距離が長くなる場合も、使用する材料が増えるためコストが上がります。工事費を抑えるには、水回りを集約するなどの設計上の工夫が効果的です。

施工以外にもかかる費用がある

水道工事においては、施工費だけではなく、さまざまな追加費用が必要になります。具体的には、自治体が管理する上水道本管から敷地内へ水を引き込む際に「給水申込納付金」という費用が発生します。この費用は、給水管の径などによって異なるため、事前に自治体に確認することが重要です。

また、自治体によっては手数料も別途必要とされ、工事の申請や設置後の検査に関わる費用が含まれます。これらの費用は自治体や工事内容によって異なるため、具体的に計画を進める前に詳細を確認する必要があります。

屋外給排水工事などの付帯工事費用が変動する要因

屋外給排水工事の見積もりを取る際、多くの方が直面するのは費用の予測が困難であることです。なぜ同じ工事で費用にこんなに差が出るのか、その理由が気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、工事費用が変動する主な要因を明らかにし、費用にどのように影響するのかを解説します。給排水引込の必要性、浄化槽の設置、敷地の条件、選ぶ施工会社によってどれだけ費用が変わるのかを理解することで、より良い予算計画を立てられるでしょう。

給排水引込工事をする必要がある

給排水引込工事は、新築または改修を行う際に必要な基本工事です。特に、公共のますが設置されていても、止水弁や水道メーターが未設置の場合、給水管の引込みからこれらの設備の設置までが求められます。具体的には、上水道本管から分岐し、必要な配管と設備を敷設する作業です。

道路敷地側に上水道本管がある場合と、道路を横断して施工する必要がある場合では、舗装の掘削と現状復帰のため、費用が大きく変わることがあります。さらに、公共ますが未設置で下水道本管への接続が必要な場合は、ますの設置と配管工事も行う必要があり、これが追加のコストとなります。

浄化槽の設置をする必要がある

下水道が未整備の地域では、敷地内に浄化槽を設置することが必要になります。浄化槽の設置費用はさまざまで、一般的には80万円から100万円の間ですが、7人家族など大家族向けの大型浄化槽を設置する場合は約140万円程度が必要とされます。

これは決して安くはない金額ですが、適切な衛生環境を整えるためには避けられない費用と言えるでしょう。このような大掛かりな設備は、その機能と環境への貢献を考慮した上で計画することが重要です。

敷地条件で変動する

敷地条件によって、給排水工事の費用が大きく変動することがあります。特に、止水弁や公共ますから建物までの距離が長い場合や、建物を大きく回り込むルートで配管を敷設する必要がある場合は、工事費用が上昇します。これは、配管自体のコストよりも、掘削や埋め戻しの作業が費用を押し上げる要因です。

また、敷地が道路より低い場合は、生活排水を効率的に下水道本管に流すための追加設備が必要になることがあります。このような場合、ポンプ設置や浄化槽の導入が考慮されることもありますが、浄化槽を設置すると補助金が使えないケースもあります。さらに、排水管の傾斜が不十分な場合は、排水がスムーズに流れず詰まりやすくなるため、管径を太くするなどの調整が必要です。

施工会社

施工会社の選択は、住宅新築における給排水工事の費用を大きく左右します。多くの場合、ハウスメーカーや工務店が住宅建設全体を請け負いますが、給水管引込工事など特定の専門技術を要する工事は地方自治体が指定した水道局指定工事店に依頼します。

また、屋外給排水工事の見積もりは、契約前には各工事の明細を詳しく確認することが重要です。

屋外給排水工事を適正の費用で施工するためには

屋外給排水工事の費用は、不透明な部分が多く、適正価格を見極めることは容易ではありません。多くの家庭が高額な請求に悩まされることも少なくないため、適正価格で工事を行うための準備が重要です。ここでは、施工の費用を適正に抑えるための具体的な方法を紹介します。具体的な方法を知っておくことで、費用の透明性が高まり、安心して工事を進めることができるでしょう。

作業の明細や単価の根拠を確認する

住宅新築に伴う屋外給排水工事は、多くの場合、ハウスメーカーや工務店が全体を管理する中で行われます。特定の工事を独立した施工会社に依頼することは、難しい状況があります。このため、新築の契約を進める際には、屋外給排水工事の作業内容や費用の明細について、詳細な説明を求めることが重要です。

ハウスメーカーまたは工務店の担当者と直接対話し、各作業の単価や内容をしっかりと確認し、納得のいく説明を受けましょう。概算の見積もりに頼ることなく、具体的な数字を把握することで、後に予期せぬ追加費用が発生するリスクを避けられます。

水道局指定工事店に施工してもらう

水道工事の際には、特に新築住宅のケースでは、地方自治体から認定を受けた水道局指定工事店の選択が不可欠です。ハウスメーカーや工務店が外部の専門会社への依頼を認めている場合、この指定工事店に給水管引込みや屋外給排水工事を委ねることが可能になります。水道局指定工事店は、規定に基づいた安全かつ正確な施工を保証されており、これらの会社だけが特定の水道工事を行う資格を有しています。

したがって、施工を依頼する際は、最初に地方自治体のリストから適格な工事店を選び、具体的な工事内容や見積もりを詳しく相談することが大切です。これにより、工事の品質保証だけではなく、将来的なトラブルを避けることもできるでしょう。