トイレに手すりを取り付ける最適な位置は?種類や取り付けるポイントも解説
トイレの手すりは、高齢者や体の不自由な方々にとって安全で快適な生活を支える必要なアイテムです。しかし「手すりをどの位置に取り付けるのが最適なのか」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。適切な位置に手すりを取り付けることで、トイレでの転倒リスクを減らし、動作の補助が可能です。この記事では、トイレの手すりの種類とそれぞれの特徴、そして最適な取り付け位置について詳しく解説します。また、取り付け時のポイントも紹介します。安全で使いやすいトイレ環境を作るための知識を得て、安心して利用できるトイレを実現しましょう。
トイレの手すりの種類
トイレに手すりを取り付けるとき、どの種類が最適なのか悩んだことはありませんか。手すりの種類によって、使い勝手や安全性が大きく変わるため、選び方には注意が必要です。ここでは、トイレの手すりの主な種類と、それぞれの特徴や取り付けポイントを詳しく解説します。不安点を解消してくれる手すりが見つかることでしょう。
I字型手すり
I型手すりは、垂直に取り付けるため「縦手すり」とも呼ばれています。主に立っているときの姿勢を安定するための支えや、座る際の支えとして使われます。
特にトイレでの使用が多く、立ち上がる際に腕の力を使って体を支えるため、ある程度の筋力が必要です。これらのことから、介護が必要な方にはI型手すりは向いていないかもしれません。この場合、L型手すりの方がより効果的な補助に役立つため良いでしょう。
L字型手すり
L字型手すりは、I字型手すりと水平手すりの役割を兼ね備えている優れた手すりです。立ち座りの動作を補助し姿勢を安定させるため、体の状態に合わせて使いやすいのが特徴です。このタイプには右用と左用があり、選ぶ際にはどちらが使いやすいかを確認して取り付ける必要があります。
また、手すりの取り付け時にはトイレットペーパーホルダーや温水洗浄便座のリモコンなどと位置の調整が必要です。特に狭い空間では使用者が快適に使えるように取り付け位置を慎重に決めましょう。
水平手すり
水平手すりは、床と平行に取り付けるため「横手すり」とも呼ばれ、水平に移動する動作の補助に便利です。手すりを握りながら安全に歩行できるだけでなく、肘をついて座ることで体を安定させることもできます。つかまる場所がない廊下やすべりやすい浴室など、トイレ以外での使用にも適しています。
ただし、手すりが壁から遠すぎるとバランスをとることが難しくなるため、取り付け時には注意が必要です。使用する方の身長や使い方に応じて最適な位置に取り付けましょう。
波型手すり
波型手すりは、その名の通り波のように曲線の形状をした手すりです。手の形にフィットしやすく他の手すりと比べて握りやすいのが利点です。このため、手が滑りにくく体力や握力が弱い方でも安定して握ることができます。
波型手すりは、トイレだけでなく、階段や浴室などでの使用が効果的で、手すりをつかんだ際の安心感が増します。さらに、デザイン性も高く室内のインテリアを損なわずに取り付けることができる点も魅力です。
ハンドグリップ型手すり
ハンドグリップ型手すりは、トイレなどの狭い空間でも取り付けが可能な小型な手すりです。特に角の部分が握りやすく、座った姿勢を安定させるのに便利です。この手すりは、特に高齢者や体に障害がある方の立ち上がる際の補助として役立ちます。
さらに、棚が付いている手すりと併用することで、全体の安定性が向上し、より安全に使用ができます。狭い空間でも安心して使えるデザインが魅力で、日常生活に必要なアイテムとなるでしょう。
可動式手すり
可動式手すりは、必要なときに引き出して使える便利な手すりです。使用しないときは跳ね上げるか壁側に畳んで収納できるため空間の有効活用が可能です。この手すりは、トイレや浴室など狭い空間での使用が多く、使わないときには空間をすっきりさせることができます。
ただし、手すりを収納するためにはある程度広い空間が確保されている必要があります。これにより、使いやすさと安全性を備えた手すりを取り付けることができるでしょう。
トイレの手すりの最適な位置とは
手すりを取り付ける際、使いやすく安全な位置がわからない方が多いのではないでしょうか。手すりの位置によってトイレの使いやすさが大きく変わります。どこの位置に取り付ければ一番便利で安心できるのか、それぞれの位置の利点と欠点を解説します。最適な手すりの位置を見つけるための参考にしてみてください。
トイレ内の扉付近
トイレ内の扉付近にI型手すりを取り付けることで、立った姿勢を安定させることができます。特に扉の開閉時に手すりが支えとなり、円滑な動作が可能になります。手すりは肩よりも少し上に取り付け、500mmの長さにすると良いでしょう。
この位置に取り付けると、扉を開ける際に体が安定し、転倒のリスクを減らします。また、適切な高さと長さに調整することで、さまざまな身長の方に対応できます。
トイレ内の横の壁
トイレ内の横の壁には、便座への立ち座りを補助するためにL型手すりが良いでしょう。縦の部分は便器から200〜300mm離れた位置に設置し、横の部分は便座の220mm〜300mm上に取り付けるとより効果があります。
縦部分が800mm、横部分が600mmの大きさにすると理想的です。この配置にすることで、ペーパーホルダーや温水洗浄便座のリモコンとの調整も必要なく快適に使用できます。手すりの位置を適切に決めることで、トイレ利用時の安全性と使いやすさを向上させます。
トイレ正面
トイレの正面に壁がある場合、L型手すりの設置が難しい場合があります。このような場合には、正面の壁に水平タイプの手すりを取り付けると良いでしょう。水平手すりを取り付けることで、使用者が両手でしっかりとつかむことができる安全な手すりの位置です。
特に立ち上がりやすさが求められる場面で、この配置は安心して使用できる位置です。また、手すりの高さは使用者の体格に合わせて調整すると使用者に合った補助をできます。これにより、トイレの利用がより安全かつ快適になるでしょう。
ペーパーホルダーの上
ハンドグリップタイプの手すりは、ペーパーホルダーの上に取り付けることをおすすめします。この位置に手すりを取り付けることで手が自然に届く位置になり、立ち上がる際や座る際の動作が円滑に行えます。さらに、座った状態での姿勢も安定し、長時間の使用でも快適さが保たれるでしょう。
この位置により、トイレの利用がより安全で使いやすくなるため、高齢者や体の不自由な方にも安心して使えます。取り付ける高さや位置は、使用者の体格に合わせて調整することが重要です。
トイレの手すりを取り付ける際のポイント
トイレに手すりを取り付ける際は、計画せずに取り付けてしまうと危険になる場合があります。手すりの取り付けには、重要なポイントがいくつかありますが、それを知らない方も多いのではないでしょうか。むやみに取り付けると失敗してしまう可能性が高いです。ここでは、トイレの手すりを安全かつ効果的に取り付けるためのポイントを具体的に解説します。誰でも安心して使えるトイレを作るために、ぜひ最後まで読んでみてください。
トイレ内の壁の状態を確認する
トイレ内の壁に手すりを取り付ける際には、壁の強度を確認することが重要です。特に壁紙が貼られている壁は、石こうボードの場合が多いため、無計画にネジで固定すると、壁の内部が崩れる恐れがあります。壁の内部には柱や間柱が隠れているため、手すりを固定する際はこれらの位置を確認し、適切に取り付ける必要があります。
もし、柱や間柱が手すりを取り付ける位置にない場合は、補強板を利用して壁の強度を確保しましょう。適切な強度がない壁に手すりを取り付けると、事故やケガの原因となり危険です。手すりは体重を支える役割があるため、必ずしっかりと固定できる場所に設置することが求められます。
トイレ内での動作を確認する
手すりの種類や取り付け位置を決める際には、使用者がトイレ内でどのように動くかを考慮することが重要です。具体的な動作を意識して設置場所を決めることで、より使いやすい位置に取り付けをできるでしょう。取り付ける際には使用する方と一緒に、使いやすいと感じる位置を探しながら手すりを取り付けることをおすすめします。
見本の手すりを一時的に取り付けて実際に握ってもらうやり方など、最適な位置を確認することが大切です。もし入院中などで直接確認ができない場合は、取り付け会社やケアマネージャーに相談して、最適な位置を決めるアドバイスをもらいましょう。これにより、使用者の安全性と快適性が確保され、本人や同居の家族も不安が解消されます。
トイレに合った手すりを選ぶ
トイレに合った手すりを選ぶ際には、材質を選ぶことが重要です。手すりの主な材質には木やステンレス、プラスチックなどがあります。これらの素材はそれぞれが異なる特性を持ち、使用感も異なります。木製手すりは温かみがあり、ステンレス製は耐久性と清潔感に優れており、プラスチック製は軽量でメンテナンスがしやすいです。
握りやすさには手すりの太さも重要です。一般的には直径28mmから35mmが握りやすいとされていますが、使用者の手の大きさや握力によってサイズを選びましょう。実際に使用者が握ってみて、握りやすく安定して使用できる太さの手すりを選んでください。さらに、手すりの表面にディンプル(デコボコの加工)が施されていると、滑りにくく安全性が高まり人気を集めています。リウマチなどで握る動作が難しい場合は、手や肘を載せて移動できるように、断面がゆがんでいる形の手すりを選ぶと良いでしょう。
適切な材質や太さの手すりを選ぶことで、トイレを安全で快適に使用することが可能です。それだけではなく、使用者にとって必要な補助をしてくれる重要な役割があります。
まとめ|トイレに手すりを取り付ける際は位置に注意しよう
トイレに手すりを取り付ける際には、種類や取り付け位置を計画的に決めることが重要です。求めている補助に合わせて何種類かある中から手すりの中から選ぶと良いでしょう。また、手すりごとに使いやすい取り付け位置を決めることが安全性を向上させます。さらに取り付ける前には壁の状態を確認し、希望する手すりが取り付けられるか調査が必要です。取り付ける際に一番重要な、使用する方の動作を細かく考慮することが大切です。トイレのデザインや使用者の求めている補助に合った手すりを選び、快適で安全なトイレ環境を整えましょう。
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