新築住宅で駐車場をつくる際のポイントとは?デザインの注意点も紹介!
新築住宅を建てる際、忘れてはならないのが駐車場の計画です。この記事では、理想的な駐車スペースの設計方法を紹介します。失敗しないためのポイントや安全かつ効率的に使用するための秘訣、将来的な拡張など、詳細に解説していきます。この記事を読めば、単なる駐車場の設計ではなく、住まいの魅力を高める重要な計画へと変わるでしょう。
目次
新築住宅で駐車場をつくる際に失敗しないための3つのポイント
新築住宅を建てる際、駐車場の設計は家の機能性や外観に大きく影響します。ここでは、新築の家で駐車場を作る際に注意すべき3つの重要なポイントを紹介します。
- 駐車場スペースを設計する基本的な考え方
- 将来の車の増加に対応する方法
- 車いすユーザーや来客用の駐車スペースの重要性
これらのポイントを押さえることで、使い勝手のいい、かつデザイン性に優れた駐車場を実現できるでしょう。
駐車場スペースの基本的な考え方
車種に応じて車のサイズはさまざまです。「道路運送車両法」と「道路交通法」では、以下のように大きさが規定されています。
- 軽自動車:全長3.4メートル×横幅1.48メートル以下
- 小型自動車:全長4.7メートル×横幅1.7メートル以下
- 普通自動車:10人乗り以下かつ小型自動車より大きい自動車
大きい普通乗用車の例を挙げると、トヨタのハイエースグランドキャビンは、全長5.38メートル×横幅1.88メートルあります。
一般的な駐車スペースは、軽自動車用で全長3.6メートル×横2メートル、小型自動車用で全長5メートル×横2.3メートル、普通自動車用で全長6.0メートル×横2.5メートル以上が原則とされています。これはスムーズな駐車と乗降のための最低限のスペースです。
道路が狭い場合や車イス利用者、荷物の積み下ろしが頻繁な場合は、より広いスペースが必要です。さらに、バイクや自転車の利用を考慮すると、それぞれのための追加スペースが求められます。全体的に、車の大きさと生活スタイルに合わせた、柔軟な駐車スペース計画が必要とされます。
将来的に台数を増やす可能性を考える
駐車スペースの計画には、現在の車の所有状況に加えて将来の変化も考慮することが重要です。例えば、新築住宅を建てる新婚夫婦を考えてみましょう。新築住宅の計画時点で夫婦は軽自動車一台を所有しており、夫のみが車を使用しているとします。現状では一台分の駐車スペースで十分です。しかし、将来妻が仕事を始め、別の車を必要とするかもしれません。家族が増え、大きな車への買い替えが必要になることもあります。また、子どもが成長し、自分の車を持つ可能性も考えられます。
住宅スペースの兼ね合いから、一度設計された駐車場は拡張が困難です。そのため、現在の車のサイズや台数だけではなく、将来的に車を買い替える可能性や台数の増加も検討することが重要です。将来を考えて駐車スペースを計画することで、家庭の状況が変わっても駐車場スペース不足に悩むことなく対応できるでしょう。
来客用や車いすの駐車スペースも考慮する
駐車場を設計する際は、来客用のスペースと、家族が怪我をした際にも対応できるような設計が重要です。来客用のスペースは、頻繁に訪問する方の車の台数を想定します。想定が甘かった場合、自宅近くにコインパーキングがなければ、路上駐車することになるでしょう。路上駐車は交通事故のリスクを高めるため、敷地内に来客用スペースを確保することが望ましいです。
また、家族が怪我をした場合を考慮した駐車スペースの設計も重要です。例えば、足を骨折すると車椅子を使用することもあります。車椅子を使用する際は、車のドアを十分に開けられるスペースが必要です。十分なスペースがないと、乗り降りが困難になるだけでなくドアが壁や障害物にぶつかる可能性もあります。車椅子の利用を考慮すると、車体から約1.4メートルの余裕を設けると良いでしょう。このように、駐車場の設計には、現在だけではなく将来的な需要も見越した柔軟な思考が求められます。
新築住宅の駐車場を安全に使用するための5つの秘訣
新築住宅において、安全性や利便性のある駐車場を作るためにはスペースを確保するだけでは不十分です。ここでは、新築住宅の駐車場を安全かつ効率的に使用するために、以下の5つの秘訣を紹介します。
- カーポートの設置
- 愛車を守るためのシャッターの利用
- 玄関までの動線の計画
- 照明や防犯カメラの設置
- 複数台駐車する際の適切な幅の確保
これらのポイントを押さえることで、新築の駐車場をより機能的で、かつ安全な空間にすることができるでしょう。
カーポートの設置を検討する
カーポートを設置すると、駐車場の使いやすさが格段に向上します。カーポートとは壁がない車庫で、車を紫外線や雨、雪から守る役割を持ちます。カーポートの設置によって、夏の高温や鳥の糞による汚れから車を保護できるため、車のメンテナンスの観点からも有効です。特に、車の塗装を長持ちさせる効果が期待できます。
また、悪天候の日にも、車の乗り降りが容易になります。荷物を多く持っている場合や、小さな子どもと一緒にいる場合でも、雨に濡れずに家の玄関まで行けるのは大きなメリットです。カーポートは、十分なスペースさえあれば比較的簡単に後付けできる設備であり、大がかりな工事は必要ありません。適切なスペースを事前に計画し、カーポートを設置することで、車の保護と日常の利便性を同時に高めることができます。
愛車をシャッターで守る
カーゲートやシャッターの設置は、愛車の安全を確保するために有効です。カーゲートとは、駐車スペースの入り口に設置するもので歩道や道路との明確な境界を作ります。これにより、通行人が不意に駐車場内に入り込むことを防ぎ、車が傷つけられるリスクも減らすことができます。オープン外構の住宅では、歩行者のカバンや傘が車に接触したり、道路を走る車から飛び石が発生したりする可能性も考慮しておかなければいけません。
高価な車を保有している場合や、交通量の多い地域に住んでいる場合には、特にカーゲートやシャッターの設置を検討すると良いでしょう。予算や希望に応じて、多様なデザインや機能性を備えたカーゲートが選択できるため、専門家への相談をおすすめします。カーゲートの設置は、住居の安心感をもたらすだけでなく、愛車を物理的なダメージから守る重要な対策となります。
玄関までの動線を考慮する
駐車場から玄関への動線を計画する際は、日常の利便性を重視することが重要です。動線が長いと、雨の日や暑い日差しの下での移動が憂鬱に感じてしまうでしょう。特に、頻繁に車で買い物をする家庭や、足の不自由な家族がいる場合、この動線は日常生活の大きな障害となります。
ビルトインガレージの設置も一つの解決策です。ビルトインガレージは居住スペースと直結しているため、荷物の運搬や移動が大幅に楽になります。直接家の中に入れる構造は、悪天候時の不便さを解消し、特に高齢者や障害を持つ家族にとって大きなメリットとなるでしょう。駐車場から玄関への動線は、日々の生活の利便性を大きく左右するため、住宅設計の初期段階で慎重に検討することが求められます。
照明や防犯カメラの設置を検討する
駐車スペースに適切な照明を取り入れることは、多くのメリットをもたらします。足元を明るく照らし安全性を高めるだけでなく、駐車場のデザインにアクセントを加えられるアイテムです。夜間の事故防止や防犯上の観点からも重要です。
防犯効果を高める場合は、照明に加えて他の対策も検討すると良いでしょう。例えば、砂利を敷くことによって、歩く際の音で不審者の存在を感知しやすくなります。また、防犯カメラを設置することで、万が一の事態が発生した際に、貴重な証拠として役立つ可能性があります。砂利や防犯カメラの対策は、駐車スペースを安全かつ安心できる場所にするために効果的です。デザイン性と機能性の両方を考慮した駐車スペースの計画は、住まいの価値を高めるだけではなく、日常生活の快適性と安全性を向上させます。
複数台駐車する際の幅を知る
家庭で車を日常的に使用する場合、家族一人当たり一台分の駐車スペースを確保することが望ましいです。また、定期的に訪れる親や頻繁に来る友人のために、来客用の駐車場を用意すると、来訪者の利便性が高まります。複数台の車を駐車する際、並列駐車の場合は車間距離を十分に取る必要があります。人の通行をスムーズにするために、最低でも600ミリメートルの間隔を空けると良いでしょう。さらに、ドアを開ける際の利便性を考慮すると、900ミリメートル以上のスペースがあると理想的です。
来客用の駐車場については、使わない時は子どもの遊び場として活用できるよう、オープンスペースとしての機能も持たせると良いでしょう。このように、限られたスペースを最大限に活用すると、日々の生活に便利さをもたらすことができます。駐車スペースの計画は、車を停めるためだけではなく、住まいの機能性と快適性も考慮するべきです。
新築住宅に駐車場をつくる際に知っておきたい3つの駐車方法
新築住宅の駐車場計画では、ただスペースを確保するだけではなく、駐車方法も重要です。ここでは、新築住宅に駐車場を設ける際に役立つ3種類の駐車方法を紹介します。
- 直角駐車:一般的な駐車方法
- 並列駐車:限られたスペースに最適な駐車方法
- 縦列駐車:狭いエリアで有効な駐車方法
これらの駐車方法をマスターすることで、新築住宅の駐車場を効率的かつ安全に活用することが可能になるでしょう。
直角駐車
一戸建て住宅の駐車場において、直角駐車は最も一般的な方法です。この方法は車の出し入れが容易で、特にバック駐車をする際に便利とされています。しかし、直角駐車では家の窓の位置が重要です。窓の配置が不適切だと、車の排ガスが室内に流れ込んでしまう可能性があります。住宅設計の初期段階で、駐車場と窓の位置関係を慎重に検討しましょう。
また、塀の位置や高さも安全性に関わる大きな要素となります。塀が高すぎると、車を出し入れする際の視界が遮られ、安全性が低下する恐れがあるのです。新築計画時には、駐車場の安全性と使いやすさを保つために、塀の位置や高さについても検討する必要があります。これらの要素を総合的に考慮することで、住まいの快適性と安全性を同時に高めることができるのです。
並列駐車
並列駐車は、道路に平行して車を停める方法で、特に狭いスペースを効率的に利用する際に有利です。車の奥行きに多くのスペースを必要としないため、限られた場所でも駐車スペースを設けやすい方法です。
しかし、並列駐車にはある程度の運転技術が必要になります。車を壁に沿って停めるためには、ハンドルの切り返しを繰り返し行わなければいけません。運転に慣れていない初心者には難しい操作となるでしょう。特に、駐車スペースの間口が狭い場合、車の出し入れはさらに困難になり、駐車に時間がかかる可能性が高まります。並列駐車を検討する際には、可能な限り余裕を持ったスペースの確保が望ましいです。実際の駐車を想定した計画により、並列駐車の効率と利便性を最大限に引き出すことができます。
縦列駐車
縦列駐車は、2台以上の車を縦に並べて駐車する方法です。敷地が限られている場合や、住宅により多くのスペースを割り当てたいときに効果的です。この方法は細い路地を通った先に家がある旗竿地のような特殊な土地でも、有効にスペースを活用することができます。
しかし、縦列駐車にはいくつかの注意点があり、車を複数台持っていて、どちらも使用頻度が高い場合には不便を感じる場合があります。奥に停めた車を使用したい場合、前方の車との入れ替えが必要になるためです。また、車止めが設置できない状況では、バックで駐車する際に後ろの車を傷つけないよう、細心の注意を払う必要があります。縦列駐車はスペース効率が高い一方で、日常の利用のしやすさや安全性にも配慮しなければいけない駐車方法です。
新築住宅に駐車場をつくる際のデザインの注意点とは
新築住宅の駐車場を計画する際、機能性だけではなくデザインにも注目することが重要です。ここでは、美しさと実用性を兼ね備えた駐車場のデザインに焦点を当て、新築住宅の駐車場をつくる際の具体的な注意点を解説します。まず、駐車場の素材選びについて触れ、続いて、照明や植栽などの外構計画の重要性を解説していきます。デザインにもこだわることで、駐車場をただの機能的な空間ではなく、住宅の一部として外観の一体感を高められるでしょう。
素材
駐車場の地面素材にはそれぞれ特性があり、選ぶ際には注意が必要です。
砂利は、石同士が擦れ合って音がするため防犯に有効です。また、水はけがよく泥水が溜まりにくいメリットがありますが、アスファルトやコンクリートに比べると歩きにくくなります。
アスファルトは施工費が比較的安価で、初期投資を抑えられます。しかし、時間とともに劣化しやすく、定期的な補修が必要です。また、水はけが悪くなることもあり、雨水で水たまりができやすい点に注意しなければいけません。
コンクリートは耐久性が高く、頻繁な補修は不要ですが、施工費用が高くなりやすい素材です。雨の日には滑りやすくなることがあり、安全面での配慮も必要となります。
インターロッキングはセメントと骨材(石や砂)で作られており、見た目がおしゃれで人気があります。色合いのバリエーションも豊富な素材です。水はけも良好である一方、コンクリートと比べて施工費用が高い点を考慮する必要があります。
それぞれ特性を踏まえた上で、駐車場の用途や予算に合った素材を選ぶことが重要です。
照明や植栽などの外構計画
建物と駐車場が一体となったデザインは、住宅全体の美観を高める重要な要素です。照明や植栽、外構などを上手に取り入れることで、住宅の魅力を一層引き立てることができます。建築施工会社と外構を担当する会社との間で、新築設計時に入念にコミュニケーションを取ることが重要です。建物と外構のデザインが統一されていると、全体の調和が取れ、より洗練された印象を与えます。
通常、建築施工会社と外構の施工会社は異なるため、両者間の調整と協力は欠かせません。デザインのコンセプトや色合い、素材などを事前に詳細に話し合い、建物と外構の一体感を実現する計画を立てることが大切です。詳細な事前計画と連携により、機能性と美観を兼ね備えた理想的な住空間を創り出すことができるでしょう。
まとめ|新築住宅の駐車場設置で失敗しないためにも知識を身に付けておこう
新築住宅の駐車場設計では、将来的な車増加や来客用スペースを見越した計画が重要です。安全性向上のため、カーポート設置やシャッター保護、動線計画、照明・防犯カメラ設置、適切な駐車スペースの幅の検討が欠かせません。また、外構計画では、効率的な駐車方法の選択と、素材選びや照明、植栽を含むデザイン面の検討が大切です。実用性と安全性、美観を考慮した計画で、失敗しない駐車場を実現しましょう。
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