注文住宅のトラブル事例のようにならない方法と揉めた時の対処法


注文住宅を購入するときに起こる問題は数多く存在します。起こりうる問題の内容や事前に防止する方法、万が一起きてしまったときの対処の仕方を学んでおくと安心して家を建てることができます。

 

本記事では、注文住宅にありがちな問題の事例と原因や影響についても合わせて解説します。

 

 

注文住宅にありがちなトラブル事例

雨漏りや外壁のひび割れなどの施工ミス・不具合

発生原因:職人の技量不足や手抜き・営業マンの伝達ミス

施工ミスは、職人の工夫や技術不足が原因でおこる問題です。施工ミスにより、家の中や外壁に亀裂が入ったり、雨水が漏れてくることがあります。

 

雨漏りは、注文住宅で頻繁に起こるトラブルの一つで、施工中の防水不備、屋根や外壁の材料の選択ミス、設計の不備、施工不良などが原因で発生します。職人の技量不足や手抜き工事が雨漏りの主な要因です。

 

新築して間もない外壁のひび割れは、設計、地盤の沈下、外壁材料の選択ミス、施工不備によるものです。

 

また、営業マンの伝達ミスもトラブルの原因です。営業マンが話したことと、実際に作る人の間で情報がうまく伝わらないと、約束したことが実現しないこともあります。

 

伝達ミスを避けるため、細かい部分も記録するなどして、情報が正確に伝わることを確認することが必要です。

 

影響:補修依頼の手間がかかる・ミスを修正できない恐れがある

雨漏りや外壁のひび割れなどの問題が発生すると、補修作業を依頼しなければならず、手間がかかります。一見自分で修正できるかと思うような小さな補修でも、知識や技術を持つプロに任せることで、より正確な補修・修理がおこなえます。

 

自分で手を加えてしまうと、逆に新たな問題を生む危険もでてくるので、自分で補修するのは避けましょう。もし仮に施工ミスを修正できない場合、ハウスメーカーとの話し合いになります。交渉が不成立の場合は、弁護士に依頼することもあります。

 

工期の遅れによる入居時期のズレと余計な仮住まいの家賃の発生

発生原因:天候不順や建材の入荷遅れ

雨が降り続いたり、台風や雪の場合、安全を考えて工事を進めることができません。天候が悪い場合や、必要な建材が予定した日に手元に届かなかった場合などは、建築工事が遅れてしまいます。

 

また、注文した建材が海外からの輸入品であったり、特殊なものであった場合、製造や輸送に時間がかかり、予定通りに工事が進められないことがあります。

 

影響:追加費用の負担責任をハウスメーカーと争うことになる可能性がある

工期の遅れによる追加の費用は、予期せぬ出費なので誰が負担するべきかを施工会社と争うこともあります。問題がおきた場合は、契約書の工事遅延の条件や負担責任について確認しましょう。

 

遅延による追加費用の負担を主張するためには、証拠を収集しハウスメーカーに提出する必要があります。工事の進捗状況の記録や通信記録、追加費用の請求書や関連するメール書類などが必要です。

 

注文住宅の工事が遅れると、追加の人件費などが発生します。追加工事は、見積もりの段階では予想できなかったものなので、見積り金額には入っていません。退去予定だった賃貸の家賃を払い続けたり、借住まいが必要になることもあります。

 

ハウスメーカーの営業マンとの認識の相違

発生原因:連絡の不備ややり取りの記録を残していなかったこと

ハウスメーカーの営業マンとの認識の相違による問題で多いのが、連絡の不備ややり取りの記録を残していなかったことです。問題を防ぐには、大切な内容は文字やデータで記録し共有すること、互いに確認することが大切です。

 

たとえば、口頭での打ち合わせ内容が曖昧であったり、連絡事項の記録がきちんと残されていなかったりすることが問題になります。

 

影響:想定外の追加費用の発生や施工ミス

ハウスメーカーの営業マンとの認識の相違により追加工事を知らずに進められたり、施工ミスにより建築の予定が長引いたりするケースがあります。

 

注文住宅の建築では、予定外の費用が発生したり、施工にミスが生じることで、ハウスメーカーと顧客の間に混乱がうまれます。問題がおこった場合、物理的な損害だけでなく、心理的なストレスにもなります。

 

追加工事によって費用が高くなる場合、事前に内容と費用を確認することが大切です。不明確なまま進めてしまうと、後で高額な工事費を請求される場合があります。

 

近隣住民とのトラブル

発生原因:工事の騒音や作業車の駐車位置など

挨拶だけでなく工事の日程や時間帯の共有が大切です。必要なのは、近隣住民への気配りと近隣住民からの理解を得ることで、建設現場のストレスを最小限に抑えることです。

 

注文住宅の工事中、騒音が引き起こすトラブルはよく発生する問題です。たとえば、建物の解体や新たな建物の建設など、騒音が近隣住民にストレスを与えます。

 

朝早くからの騒音や夜間や週末は、日常生活に影響を与えやすいです。影響を与えやすい時間を避けるため、平日の日中に騒音が起こる作業をおこなってもらうように心がけましょう。

 

影響:入居後も気まずい思いをする恐れがある

建設を進めていると、近隣住民との間に問題が生じることがあります。問題を解決できなかった場合、完成した住宅に入居した後も近隣住民との間に気まずさが残ることがあります。

 

工事が完了してからも、近隣住人と揉め事が発生した場合は家族のストレスに繋がります。すべてが順調に進むとは限りませんが、住みやすさを保つためにも近隣住人への気配りは大切です。

 

工事が始まる前に近隣住民に挨拶をし、工事中の騒音や出入りについて事前に説明をおこない、納得してもらったうえで進めることや、工事スケジュールや予定が変更になった場合は近隣住民に通知して工事の進捗状況を把握してもらいましょう。

 

 

注文住宅のトラブルが起きてしまったときの対処法

無料相談の受付機関に問い合わせる

国民生活センター(消費生活センター)

注文住宅のトラブルを解決するために国民生活センターがあります。トラブルが起こったときは多くの人が自分では解決できずに困り果ててしまいます。

 

国民生活センターは、188番に電話をかけ、郵便番号を入力すると、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます。

 

電話受付の時間帯は、平日10時〜12時・13時〜16時です。

 

参考:国民生活センター

 

日本司法相談センター・法テラス

法律にかかわるトラブルがおこった場合、国が支援する日本司法相談センター・法テラスを頼ることができます。法テラスは、法的問題の解決の為に支援をおこなっており、借金や相続など、数多くのトラブルの相談ができます。

 

0570-078374に電話することで通話料だけで相談にのってもらうことができます。電話受付の時間帯は、平日9時〜21時、土曜9時〜17時です。

 

参考:法テラス

 

難しいトラブルは有償で法テラスや弁護士に相談する

法的な問題が複雑で解決が難しい場合、無料の消費者支援機関だけではなく、法テラスが紹介してくれた弁護士などに相談することが大切です。法テラスは、国が設立した法律の案内所で困っている人が問題を解決するための情報を提供しています。

 

どこに依頼したら良いのか分からない方でも、内容に合ったおすすめの事務所を紹介してくれて気軽に相談ができます。弁護士は、依頼者の権利を守り、より良い解決策を提案してくれます。

 

料金についても、初回の相談が無料の事務所も多いので、相談したい内容をまとめたうえで、まずは無料相談を活用してみましょう。

 

契約不適合責任を利用する

住宅に瑕疵(欠陥や傷)があった場合に保険金が支払われる

契約不適合責任は、新築住宅に瑕疵があった場合売主が買主に対して負担する法的責任のことです。

 

新たに家を買った人が後から壊れたところを見つけても、修理をしてもらえるようになっています。

 

住宅の引き渡しから10年間有効

住宅が引き渡された後、10年間有効で、履行の追完(完全なものを引き渡すように求めること)をしてもらうことができます。

 

対象外となる瑕疵もあるため契約時点で確認しておく

ハウスメーカーと工事請負契約するときに、契約不適合責任について確認しましょう。たとえば、内装の問題や見た目の問題などは、対象外となる場合があります。

 

注文住宅のトラブルを未然に防ぐための対策

ハウスメーカー選びの際に口コミや担当者の対応力を見ておく

ハウスメーカーの評判や担当者との相性は確認しておきましょう。ハウスメーカーの評判はインターネットの口コミなどで調べることができます。

 

口コミは、過去のお客さんの体験談や評価を、直接知ることができる情報源です。また、担当者の態度で、お客さんに対しての姿勢や真剣に向き合おうとしているかなどが分かります。

 

連絡を取り合っている最中にいつも丁寧であったり、迅速に動いてくれる担当者は、施工管理も同じように丁寧におこなってくれて、トラブルがおこった場合の解決も早いと言えます。

 

コミュニケーションはメールも使う

記録に残る方法でやりとりすることで、予期しない問題や誤解を避けることができ、購入者とハウスメーカーの間で起きる「言った、言わない」の問題を防ぐことができます。たとえば、メールを利用した場合、何をいつ誰に伝えたかといった内容を気になったタイミングで確認することができます。また、打ち合わせの内容を文書で残し共有するのも有効です。

 

話し合った内容について食い違いが生じた場合でも、連絡の内容を元に話し合いを進めることができます。

 

工事前に現場監督とともに近隣住民への挨拶を済ませておく

工事前の近隣への挨拶は、工事トラブルの予防策になります。工事中は、周囲の方に騒音や振動などで迷惑をかけます。

 

トラブルにならずに建設を完了するのは、建設後の住み心地に直結する大切なことです。たとえば、近隣住民へ挨拶に伺うときに、工事内容や日程、騒音が出る時間帯などを具体的に伝えて、理解を得ることが必要です。

 

 

最新記事をもっとみる