一戸建てとマンションどちらを選ぶべき?それぞれの違い
持ち家を購入する場合、一戸建てとマンションどちらを買う方が自分たちの暮らしに適しているのか、悩む方は多く存在します。
持ち家を購入する方全員が同じ希望や生活習慣を送っているわけではなく、「都心に住まいが欲しい」や「住まいは郊外がいい」という家族、子どもの育てやすさを一番に考えたい方、子どもはいないので大人の住みやすさを一番に考えたい方など、個人個人で希望する条件は異なります。
一戸建てとマンションの違いには、お金にまつわる違いも多く、建物価格や資産価値、税金など数多くの違いがあります。
お金はかからないに越したことはありませんが、たとえお金がかかったとしても希望する条件にあてはまる家をもつことは大切です。
本記事では、一戸建てとマンションのお金にまつわる違いやメリット、デメリットを細かく紹介します。自分の暮らしが、一戸建てとマンションのどちらが向いているのか確認しながら見てみましょう。
一戸建てとマンションのお金にまつわる3つの違い
購入価格の違い
一戸建てとマンションの価格は、物件や周辺の環境、住宅ローンの金利などが影響します。
一戸建て住宅は、土地と建物をセットで購入するため、土地の価格と建物の建設費用が購入価格に含まれ、土地の大きさ、立地条件、家の規模や設備などによって費用は異なります。
一戸建ては郊外に建てられることが多く、土地の価格が安いため購入価格を抑えられるというメリットがあります。
マンションは、共同所有の建物内の一室を購入します。マンションの広さ、階数、立地条件、建物の設備や施設などによって費用が異なります。
昔は、一戸建てよりマンションの方が安いと言われていましたが、現在は、都心部を中心にマンション価格の上昇が見られ、同じ条件のマンションと一戸建てをくらべると、マンションの方が高い場合も少なくありません。
資産価値の違い
資産価値は、築年数によって変化します。一戸建ての場合、建物の状態と品質が資産価値に影響するため、新しい建物や点検や修理がおこなわれている建物は高い資産価値を持ちます。
マンションの場合、部屋の状態や建物の状態、共有部分や共用施設の状態も資産価値に影響します。
建物が古くなると資産価値は減りますが、一戸建ての場合は土地の価値は変わらず残るので、建物の価値がゼロになった後も、地価が上がれば資産価値が向上します。
ランニングコストの違い
ランニングコストとは、物件を維持するためにかかる出費のことです。
一戸建ての場合は、固定資産税や保険料、光熱費、修繕費です。家が古くなると修繕をするための費用がかかり、大規模な修繕になると高額な費用がかかります。修繕費は積み立てておくと安心して生活できるため、毎月の出費にいれておく必要があります。
マンションの場合は、固定資産税や保険料は一戸建てと同じく必要ですが、一戸建てではかからない管理費と修繕積立金の負担があります。
管理費や修繕積立金は、共有部分の管理や修繕のための費用として、毎月支払う必要があり、都心のマンションでは、思っている以上に高額になる場合があります。
修繕費において、一戸建ては、自分で積み立てる費用を決めることができますが、自己管理の必要があります。マンションは、全体での管理が行き届いているため、大きな問題が起きた場合も迅速に修理することができる違いが存在します。
一戸建てとマンションのメリット・デメリット
一戸建てのメリット
騒音を気にする必要がない
一戸建ては、家族だけの独立した空間なので、生活音を気にすることなく過ごせます。また、楽器の練習や大声での会話など、周囲を気にせずに自由に生活できます。
子どもがいる家庭やペットを飼っている家庭は、騒音を気にする方も多いですが、鳴き声や走り回る足音を気にすることなく生活でき、騒音問題が少ないため安心して暮らせます。また、家の中で働く方にとっても、周囲の音が気にならないのは仕事に集中できるため魅力的です。
敷地面積が広い
一戸建ては、子ども同士で一緒に遊んだり、大人がのんびりできるリビングをつくるなど広い敷地面積を活かして、自分らしい暮らしをすることができます。
また、複数の部屋を取り入れた場合は、個々の生活習慣に応じた空間を確保することができます。
庭・駐車場などを作れる
一戸建てに庭を取り入れた場合、お花や野菜の栽培を楽しんだり、子どもの遊び場やBBQをして家族や友達と交流を深める場として活用することができます。
自家用車がある場合は、駐車場を設けることができます。毎月の駐車料金を節約でき、広い土地がある場合、来客が多いときや複数台の車を所有している家庭でも、駐車空間の確保に困ることがありません。駐車する空間を借りることなく、自分たちの敷地内で自由に使える空間は、一戸建ての魅力です。
日当たり・風通しが良い
一戸建てでは、窓を全方向に設けることができるので、新鮮な風と日差しを取り入れることができます。風と日差しを取り入れることで、湿気や古い空気が溜まることを防ぎ、カビやダニの発生を抑制し、健康的な生活環境を維持できます。
また、自然の風を取り入れることで、エアコンの使用を抑え、電気代を節電することができます。隣家や道路の近さなども考え、窓やベランダも活用し、室内に自然光や風を取り入れるつくりに工夫することが大切です。
管理制限がなく自由に生活が出来る
一戸建てには、マンションのような管理制限が無く、自分のベランダや庭で花火やBBQなどの行事を自由に楽しむことができます。
また、専用の部分だけでなく家全体を自由にリフォームや増築することができ、自分たちのタイミングで空間を自由につくり変えることができます。
一戸建ては、自分の土地に自分の理想の生活を追求した家を建てることができます。外壁の色や内装の素材、間取りまですべてを自分で決めることができ、家族が増えたときや生活習慣が変わった場合は、部屋の形状も自由に変更できます。
近隣住民との関わりが濃い
一戸建ては、近隣住民との交流がしやすい環境です。季節ごとのイベントや共同活動といった地域の活動を通して、近隣住民同士が顔見知りになり、コミュニティ感が高まり、友情や協力関係を築けます。
近隣住民との良好な関係を築くことで、情報交換などをおこなうこともでき、子どもがいる家庭では、学校へ行くときに近隣住民同士で協力し合うことができたり、子育ての協力が得られる場合もあります。
プライバシーが守られる
一戸建ては、自分や家族だけの生活空間が確保できるので、外からの目を気にすることなく、自由に過ごせます。また、家族の中でも各自の部屋を持つことができるので、家族全員が自分のプライバシーを守りつつ、生活を楽しめます。
特にプライバシーを守りたい方は、壁やフェンスを設置したり、ブラインドやカーテンを追加して取り入れる方法がおすすめです。
一戸建てのデメリット
最寄り駅から遠いなど交通の便が悪い
郊外に一戸建てを建てた場合、日常生活でアクセスの不便さに苦労します。電車の駅までの距離が遠かったり、バスの便が少ない場合、帰宅時間に制限ができたり、自由に行動できないと感じることがあります。
自動車を所有していない場合は、日々の暮らしに必要な食品などの買い物に困ることがあり、買い物に行くために本数の少ない公共機関を利用するのは、生活に不憫さを感じ暮らしにくさにストレスがたまります。
病気になった場合は、定期的な通院や診察に、通院の負担が増えます。突然の病気や急病の場合、緊急医療サービスへのアクセスが遅くなることがあり、最寄りの医療機関への到達に時間がかかってしまい命の危険性がうまれる場合があります。
空き巣に入られるなどセキュリティに不安がある
一戸建ては、空き巣などのセキュリティの問題に頭を抱えることがあります。一戸建ては、各家庭で管理が求められるため、管理が行き届いていない家庭は、防犯対策が低くなります。
家の玄関やポスト、ゴミ置き場などがきちんと整理されていなければ、犯罪者は狙う目標となりやすくなります。
一戸建ては、管理人がおり、専門業者に委ねられたマンションにくらべ空き巣に狙われやすい傾向にあります。
一戸建てを選択する場合は、防犯対策をすることが必要です。たとえば、防犯カメラやオートロックを取り入れ、ホームセキュリティの導入や窓や玄関に補助錠を付けるなど、日々の生活を見直すことで防犯対策ができます。
家事動線が複雑になりがち
一戸建ては、自由な間取りを考えることができる反面、キッチンから洗面所、洗面所から洗濯機へ、洗濯機から物干し場へと、家事をおこなうための動きが広範囲に渡る場合が多く、無駄な移動が増えてしまいます。
家事の優先順位を設定し、大事な家事から順に取り組みやすいような間取りが実現できなかった場合、無駄な移動で家事の時間が増えたり、家事が連続性を持たないために作業が断片化してしまいストレスを感じたりと、疲労が蓄積してしまいます。
虫が出やすい
一戸建ては、地上近くに建てられているため、マンションとくらべ虫が出やすい傾向にあります。特に湿気が多い場所や川沿いの場合、虫が生息しやすくなります。また、家の周りの庭や草むらなどは虫が住みかになりやすいため、こまめに手入れをする必要があります。
家の中でも、湿度が高い場所は虫が好んで集まるので、除湿機などを使用して湿度をコントロールする必要があります。家の窓やドア、壁、床、天井などの隙間を確認し、密閉性を向上させることで、虫の侵入を防ぐことができます。
マンションのメリット
駅近物件など交通の利便性が良い
マンションは、電車や駅、バス停に近い物件が多く、交通の利便性を考えた場合、大きなメリットです。たとえば、仕事や学校への通勤、買い物、友人の家への訪問など、日々の生活で頻繁に公共交通機関を利用する場合、駅やバス停に近い住まいは便利です。
交通の便が良いと、大都市のショッピング施設や医療施設といった設備へのアクセスも簡単になり遊びも暮らしも豊かになります。
物件数が多いので比較検討しやすい
マンションは、物件の数が多く、複数の建物を簡単に比較検討することができるため、自分の生活習慣や必要性に合った物件を探せます。
また、マンションは一つの建物に多くの部屋があるため、比較的安い価格帯の物件が見つけやすくなります。立地や設備、間取りなど、把握すべき内容はありますが、豊富な物件数によって、自分に合った理想の家を見つけ出すことができます。
セキュリティが強固である
マンションには、管理人がいる場合が多く、共用空間には防犯カメラがついています。また、玄関にはオートロックが設置されているため、住民だけが出入りできます。
防犯に特価したマンションには、警備会社に24時間監視を依頼している物件もあり、安心して暮らすことができます。
最近では、宅配ボックスやモニター付きのインターフォンを設置している物件も増えており、無理に玄関を開けることなく、安全に荷物や相手を確認することができ侵入者対策になります。
不審者から身を守る設備は、一戸建ての場合、自分で用意しなければなりませんが、マンションなら最初から整っているため手間や費用の心配がありません。
よりセキュリティや個人的な防犯を強化したい場合は、窓や扉にセンサーを設置し、不審な動きを感知すると迅速に警備会社に通知するシステムを導入したり、侵入者や火災などの危険を感知した場合、ホームセキュリティサービスに繋がるシステムを取り入れることで、プライバシーの保護や危険性から身を守ることにもつながります。
共用部の設備管理や清掃が不要である
マンションのゴミ捨て場や共用の廊下、エントランス、エレベーターなどの維持管理は、管理組合がおこないます。
一戸建ての家では、自分で掃除をしたり草むしりをする必要がありますが、マンションでは手間をかけずに、快適に生活することができます。
共用部分の管理と清掃がプロにおこなわれることで、安心感を持ちつつ、綺麗な環境のコミュニティ内でよりリラックスした生活を楽しめます。
管理組合が設備管理をおこなうことで、マンション全体の環境を保つことができるため、資産価値の維持もしやすくなります。
共用設備が活用できる
マンションでは、ひとつの建物を住人皆で共有するため、自分にとって必要な内容の共有設備がある場合、便利に生活できます。
具体的には、屋上にテラスがあり、景色を楽しんだり、BBQをする場所として利用できるマンションもあります。一戸建てにしかできないと思っていた屋外でのリフレッシュもマンションでもでき、自分の生活にあった共用設備を選ぶことで日々の暮らしを豊かにできます。
共有設備はマンション内で移動できる範囲内にあり、家族との時間を大切にしたいと考える方に合った設備です。問題が生じた場合には、管理組合が迅速に対処してくれるため、住民同士で解決する手間やストレスが省けます。
火災・地震に強い
一戸建てとマンション、どちらも倒壊しづらい建築基準が設けられています。しかし、大きな地震が来たときの火災への耐性を考えた場合、マンションは鉄筋コンクリートでつくられているため、火に強く安心です。
地震だけでなく火災という二次被害にも、マンションは強いです。マンションには消火器や消火栓、スプリンクラーシステムなどの消火設備が備えられており、火災が発生した場合に消火活動をおこなうための設備が整っているため安心して暮らすことができます。
マンションのデメリット
敷地面積が狭い傾向にある
マンションは、各住まいごとの専有面積が限られており、床面積が狭くなる傾向にあります。さらに、都心部の需要が高い場所では、土地の価値が高騰し、敷地面積が狭まる傾向にあります。
独立した庭や駐車場がない場合も多く、家族だけで敷地内で屋外でできるイベントを楽しむことはむずかしくなってしまいます。
駐車スペースが限られている場合は、複数の車両を所有する場合や訪問者用の駐車スペースが不足することがあります。
他の住人に迷惑がかからないよう生活音などに注意が必要である
マンションは、隣り合った住まいで生活を送るため、日常の音が隣人に聞こえてしまうことがあります。
具体的には、テレビや洗濯機の動作音、子どもたちの元気な声や家の中を歩く足音などが相手にとって心地の悪い騒音になる場合があります。
騒音問題を避けるためにも、日常生活で出る音をなるべく小さくするよう気をつけたり、夜遅い時間には静かに生活し、掃除機や洗濯機を使用しないなどの気配りをおこなう必要があります。
リフォームがしにくい
マンションのリフォームは一戸建てとは違い、制約があります。部屋の中だけでなく窓やサッシの交換、設備やベランダも断熱性を高めるなどのリフォームに制限が出てしまうことがあるため自由に変えることができません。
リフォームをおこなう場合は、共用部や隣人への影響を考え、管理組合や自治体から許可を得たうえで、マンションリフォームの知識が豊富な建築家に依頼する必要があります。
車を所有している場合は駐車場が有料になる
マンションの場合、駐車場が別料金になることが多く、都心部では高額な費用がかかることもあります。
たとえば、都内のマンションでは、駐車料金が月に1.5万円〜2.5万円かかることもあり、長期的な費用で計算した場合、高額な出費になります。
駐車場を利用する場合の形態も異なります。賃貸方式や分譲方式があり、賃貸方式では毎月の使用料が必要で、分譲方式の場合、購入代金や固定資産税など別途費用が必要になります。
マンションによっては、駐車場の路面やラインマーキング、照明、セキュリティシステムなどを維持するための費用がかかる場合があり、費用は駐車場利用者に反映されます。
ペットの飼育など決まり事がある
マンションでペットを飼う場合、定められたルールや制限に注意が必要です。新築の分譲マンションや中古マンションを選ぶ場合は、マンションがペット飼育できるのか確認することが大切です。
また、ペットを飼育できる場合でも、飼いたいペットの種類や大きさ、頭数に制限がある場合があります。具体的には、犬や猫が禁止の場合や、小鳥や魚類のみ飼育できるなど、マンションによってルールは異なります。
近年では、テレワークの普及や自宅での時間が増えたことから、ペットを飼う方が増えており、ペットの飼い方やマナーに気をつけることがますます大切になっています。ルールを守らないと、規約違反となり、問題が生じることもあるため、確認が必要です。
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