注文住宅を建てるまでのスケジュール・日程と各工程の進め方


注文住宅購入の検討から入居までには、おおむね半年~1年半程度かかります。ですので、希望の入居時期に間に合うよう計画的に行動する必要があります。

 

とはいえ、スケジュールや流れがわからないと、具体的に何を進めればよいかわからないかと思います。本記事では、注文住宅を建てるまでのスケジュール・流れについて解説します。

 

 

注文住宅で新築の戸建てを建てるまでのスケジュール(建築期間)と各工程の進め方

事前準備:1~6ヶ月程度

理想の家のイメージを具体化する

理想の家づくりを実現するためには、家のイメージを具体化する流れを踏むことが必要です。家づくりは一生に一度の大きなイベントとなるため、入念に準備をして取り組むべきです。

 

雑誌やSNS、Webサイトを活用して理想のイメージをさらに膨らませることが大切です。

 

Webサイトや資料で家の購入に必要な情報を集める

インターネットや住宅雑誌を活用して家のデザインや設備情報を収集します。さらに、家の購入にかかる費用や毎月の返済額を見積もり、住宅ローンのシミュレーションをおこなうことで、購入できる価格帯を確認することができます。

 

用意できる頭金や毎月返済できる金額から予算を立てる

金融機関のシミュレーションサービスを使う

新しい家を建てるときに住宅ローンの借り入れ額や返済期間を決めるのはむずかしいので、シミュレーションサービスを活用するのもよいでしょう。

 

金融機関が提供するシミュレーションサービスを利用することで、借り入れ額や返済期間を決めやすくなります。シミュレーションサービスは、年収や他のローンの情報を基に、借り入れや返済期間の設定ができます。

 

ただし、シミュレーションは目安に過ぎず、各金融機関の審査基準により、最終的な借り入れできる額や利息は変わる可能性があるため、サービスを活用して希望条件や返済計画の確認をし、ローンの申し込みに備えるのがおすすめです。

 

ファイナンシャルプランナーに相談する

注文住宅を建てるときの資金計画には、ファイナンシャルプランナーの専門的なアドバイスが役立ちます。ファイナンシャルプランナーは幅広い経済知識を有しており、あなたのライフプランや目標に合わせて資金計画を提案してくれます。

 

また、住宅ローンの選び方や返済計画に詳細なアドバイスも提供してくれるため、より自分にあった選択ができるようになります。

 

家づくりを依頼するハウスメーカーや工務店を探す

見積もりは必ず複数社に依頼する

注文住宅を建てる場合、複数の会社に見積もりを依頼し、希望に合ったハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。複数のハウスメーカーや工務店からの見積もりを比較することで、サービスや価格について納得のいく選択をすることができます。

 

また、多くの会社に見積もりを依頼することは、価格交渉の余地が増えることにもつながります。ただし、見積もりが安いからといって即座に選ぶのではなく、後から追加料金を請求される可能性があるかや契約の細部の確認が必要です。

 

担当スタッフの対応力を参考にする

ハウスメーカーや工務店選びのとき、担当スタッフとのコミュニケーションが大切となるため、対応力や相性を確認しましょう。良い担当者は、アイデアの共有や理想の家へのアプローチを順調に進めてくれます。

 

一方で、進行状況の報告が不十分であったり信用ができなさそうな方は選ばない方が良いです。

 

土地を探す

自分で探す

土地を自分で探す利点は、好みの条件に合った土地を自由に見つけられることです。特に、インターネットを活用すれば、多くの情報を取得することができます。しかし、情報量が増えると選択が難しくなるリスクもあるため、事前に優先項目を定めることが大切です。

 

施工会社や不動産会社に手伝ってもらう

施工会社や不動産会社に土地探しを手伝ってもらうこともできます。地元の情報ネットワークを生かして希望の土地を見つけてくれることもあります。

 

しかし、施工会社で土地を決めると家づくりも同じ施工会社で進めなければなりません。

 

住宅ローンの事前申請をおこなう

住宅ローンの事前審査は、借り入れできる金額を早い段階で把握でき、住宅購入の選択肢が広がります。また、住宅ローンの種類や条件も多岐にわたるため、比較検討する時間が多い方が余裕を持って住宅ローンを選ぶことができます。

 

利息や返済条件などが異なる複数の住宅ローンを比較することも忘れないように注意しましょう。事前審査に落ちた場合、別の金融機関を検討する必要があるため、事前に時間を確保しておけば焦らずに決定することができます。

 

土地の売買契約:1週間~1ヶ月半程度

建物分の費用も合わせて予算を超過しすぎないように注意する

土地の契約は、建物分の費用も合わせて予算を超過しすぎないように注意しましょう。建物にかかる費用が予算全体の大部分を占めるため、つい予算を超過してしまいがちです。

 

施工会社と相談のうえプランを決定:1~3ヶ月程度

施工会社に希望を詳細に伝えて間取りを決める

注文住宅を建てるときには、自分の希望を会社にきちんと伝え、理想の間取りにすることが大切です。たとえば明るいリビングや、家事をストレスなくおこなえるような動線など、自分の暮らし方に合わせた希望などが挙げられます。

 

一見、無理に思える要望も、プロの視点からすると実現できる場合があるので、何でも相談してみることがおすすめです。

 

施工会社と建築請負契約を締結する

追加料金の有無を確認する

トラブルなく家づくりを進めるために、追加料金の有無を必ず確認しましょう。注文住宅を建てるとき、最初に決めたプランや予算に対して変更や追加の注文をすると、想定していたよりも高額になることがあります。

 

たとえば途中でキッチンの仕様変更をお願いした場合、結果としていくらになるのかを明確に把握することが挙げられます。他の部分で費用を抑える方法がないか別のアイデアを出してみることも費用を抑える良い方法です。

 

契約書の内容は隅々まで読み込む

注文住宅を建てるときには、契約書の内容をよく理解し、必要に応じて建築会社に確認することが大切です。契約書は、費用や工期など家を建てる計画の大切な部分を決める書類で、細かい説明が書かれており、問題が起きたときの解決策も記載されています。

 

間取りや水回りなどの設備や仕様の詳細を決める

注文住宅の建築過程で、キッチンやバスルームなどの設備や使用される材料の種類などの詳細を決め、決めた後に見積もりと大きなずれがないかを確認しましょう。自分たちの日常生活やニーズに合わせた理想的な間取りや設備の詳細を計画することで、日常生活の中での快適性や効率性が向上します。

 

住宅ローンに申し込んで本審査を受ける

住宅ローンの審査には事前審査と本審査の2段階があります。事前審査は、自分の返済能力のチェックが行われ、1週間ほどの期間が必要です。一方、住宅ローンの本審査は、約1~2週間の時間を要し、本人の返済能力などの審査が行われます。

 

住宅の建築工事:4~8ヶ月程度

地盤調査:結果が良好でない場合は地盤改良工事も実施

地盤改良工事は、安心して家を建てるために大切な工程です。住宅を建てるとき、最初に実施されるのが地盤調査です。地盤調査後、安定していない場合は地盤改良が必要です。

 

家を建てる土地の地面には、約60トンの重さが掛かるとされています。地盤が弱い場合、家が傾くリスクや壁にひびが入る可能性が生じます。調査は「SWS試験」を使用し、結果は半日から数日で明らかになります。

 

地盤が安定していないと認識された場合、地盤改良工事がおこなわれます。改良手法には、「表層改良工法」と「柱状改良工法」や「鋼管杭圧入工法」があり、地盤を強化することができます。

 

地鎮祭:工事の無事を祈る儀式だが必須ではない

新築の家を建てるとき、最初の工程として行われる地鎮祭は、工事が平穏に終わることや、今後の生活が良好であることを祈願する意味合いがあります。ただ、別途の費用や手間がかかるため、行わない選択をする方も増えています。

 

基礎工事:建物の土台づくりや配管工事などを実施

基礎工事は住宅建築の要です。住宅の建築工事では建物全体の安全性や耐久性を確保することができます。建物の土台づくりや配管工事などを実施して安心して暮らせる住まいを作りましょう。

 

外壁や屋根などの施工

注文住宅の建築工事の中で、外壁や屋根の施工は住宅の完成を感じる感動的な瞬間であり、大切な工程です。完成した後の最終確認も忘れずにおこないましょう。

 

竣工・立会検査:不具合や汚れは隅々まで確認する

家が完成したら、検査が行われ、問題がなければ引き渡されます。検査は自分の家が欠陥なく作られていることを確認するための大切な時間です。

 

検査では細部の欠陥や汚れなど、見逃しがちな部分も確認されます。すべての検査が終わった後に、補修が必要な箇所は直ちに修理され、再検査が行われます。

 

引き渡し:1ヶ月程度

入居時期は施工会社と相談しておく

入居時期は、施工会社と相談しておきましょう。

 

住宅の完成までの期間は3~6ヶ月程度とされていますが、設計や工事の規模、地盤や立地条件などの要素によって、工事の期間や入居日が変わることがあります。工事の開始前から引越しの準備を進めておくことで、新しい生活を順調にスタートさせることができます。

 

入居までに仮住まいが必要になるケースがある

新居への引越し前に仮住まいが必要になる場合があるので、早めに仮住まいが必要かを把握することが大切です。入居までの間、新居に不具合が見つかったり、補修工事の必要が発生したり、引越し準備に時間がかかったりなどの理由で仮住まいが必要となるケースがあります。

 

仮住まい探しでは、家財の保管や通学・通勤の便、住民票の移動の必要性など、多くの点を考えなければならないので後回しにしてしまうと苦労してしまいます。新居への引越し前に仮住まいが要ることがあるので、早めに準備をしておきましょう。

 

 

注文住宅を建ててから入居するまでのスケジュール表・日程表

注文住宅の建築を進めるとき、目標とする入居時期に合わせて、スケジュールを立てることが大切です。注文住宅の建築には、情報収集、予算の設定、ハウスメーカーの選定、土地選び、契約、プランニング、住宅ローンの申し込み、本契約、着工、竣工、引き渡しという一連の手続きが必要です。

 

一連の手続きを踏まえ、建築までの流れが8~15ヶ月程度かかるとされていることを考えると、住宅作りを計画的に進めないと希望入居日通りに移住が完了しない可能性が発生してしまいます。各段階の所要時間や必要な手続きを理解し、計画的に進めることで対策しましょう。

 

ハウスメーカーと工務店の違い

ハウスメーカー:工期が短くアフターサポートが充実している

ハウスメーカーには、短期間での家の建築や充実したアフターサービスなどがあり、注文住宅を依頼するときの大きな利点があります。ハウスメーカーは自前の工場で資材を生産することから、工期を短縮して建築を進めることができます。

 

工務店:費用が安く設計の自由度が高い

工務店を選ぶことは、経済的および設計面での優れたサービスを受けられます。工務店は広告費や宣伝費が少ないため、住宅建設費用に投資できます。他にも革新的なデザインや特殊な間取りの実現において高い自由度を持っています。

 

 

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