新築一戸建ての購入で知っておくべき流れや必要な資金、価格相場


理想の一戸建てを購入するためには、住宅購入についての知識を身に付ける必要があります。住宅を購入するまでの流れや必要な資金、価格相場、新築と中古の違いなどを把握しておくことで後悔のないようにマイホームを選ぶことができ、手続きを進められます。

 

今回の記事では、一戸建てや一軒家の購入に必要な知識について解説します。予算内で希望の家に住めるよう、また新築と中古について選ぶ基準を把握し的確な判断できるよう、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

一戸建て購入の流れ

今の年収で無理なく家を購入できるよう資金計画を立てる

年収を元に家の購入資金を計画することは、無理のない家の購入に欠かせません。まずは年収を元に年間の住宅ローンの返済額を把握しましょう。

 

返済額の安全な目安として、年収の25%~35%が年間の住宅ローンの返済額と言われています。年収を把握することで、目安となる住宅ローンの返済額を具体的にすることができます。

 

さらに、自己資金の準備も必要になります。住宅ローンの借り入れを抑えるために、自身で用意できる資金を増やしましょう。ただし、自己資金を多く出しすぎて手元資金が困ると、毎日の生活が苦しくなる可能性もあります。

 

立地などの希望条件を決めて住みたい土地の情報を集める

地域など、希望する条件を決めることから始めましょう。希望条件は大まかにでも決めておく必要があります。

 

たとえば、土地は地方か都市か、立地は駅近か自然環境かなど、自分の生活に合ったものに決めます。物件情報はインターネットや不動産会社、チラシなどから得ることができます。

 

住宅会社を探す

資金計画が建て終わって、住みたい土地の候補が絞れたら住宅会社を探します。住宅会社には、ハウスメーカーや工務店、設計事務所があります。

 

ハウスメーカーは日本国内全域で住宅建設事業を展開する大手企業で、営業拠点が全国にあって、営業・設計・管理・開発・資材供給・契約・保証まで一貫しておこなっていることが多いです。

 

工務店は、地域に密着していて、地元の職人さんたちが設計から施工まで一貫しておこなっていることが多いです。

 

設計事務所は、家の設計を専門におこない施工はせずに工務店にお願いする会社で、自由にデザインを依頼できます。それぞれ依頼するメリットやデメリットがあります。

 

モデルルームへ見学に行く

希望条件に合ったエリアが見つかったら、ハウスメーカーに問い合わせてモデルルームへ見学に行きましょう。まずは電話やインターネットから見学予約をします。

 

見学前には自分の理想とする間取りやデザイン、必要な設備について情報をまとめておくと、充実した見学ができます。モデルルームを見て実際の住まいを体験し、新たな発見や自分の要望が明確化されることで具体的な計画を立てやすくなります。

 

具体的な要望が明確でなくても、電話予約するときに「見学だけしたい」と伝えておくと、スタッフの説明を受けつつ自由に見学が楽しめます。

 

土地を探す・土地を決める

不動産会社や、ハウスメーカー、工務店といった施工会社を活用して土地を探しましょう。

 

ハウスメーカー、工務店といった施工会社は、土地の提供だけではなくて、施工まで担当するので、どのような家を建てたいか要望を伝えることで、適した土地を見つけてもらえることがあります。

 

金融機関の住宅ローンの事前審査を受ける

一戸建てを購入するときには、住宅ローンを利用することが多いです。住宅ローンは大きな金額を借りるため、金融機関は融資をおこなう前に事前審査をおこないます。

 

事前審査では年収や貯金の状況、借り入れ金額や返済期間などを申告します。申告した情報を元に、金融機関は返済能力や信用力を判断します。

 

重要事項説明と契約書を確認したうえで売買契約を締結する

重要事項説明と売買契約の締結をします。契約締結のときには手付金の支払いが必要になるので、手付金の用意もしておきましょう。手付金は物件価格の5~10%が目安です。

 

必要書類を用意して住宅ローンを申し込む

住宅の購入手続きや契約が完了したら、住宅ローンの本審査を申し込む必要があります。住宅ローンの申し込みにはいくつか書類が必要になります。

 

まずは、金融機関が提供する申込書を手に入れてください。申込書には購入物件の詳細や自身の収入、勤務先などの情報を記入します。申込書の他にも、住民票や印鑑証明書、課税証明書などの公的な書類も必要です。役所で手配し、早めに準備しておくようにしましょう。

 

着工する

契約が終わったら、工事の準備が始まります。工事中は、工事の音が近隣の住宅に聞こえてしまいトラブルになってしまう可能性もあるので、事前に近隣の住民に挨拶しておくことをおすすめします。

 

また、工事中に何度か足を運んで、現場の職人とコミュニケーションをとって、問題なく工事が進んでいるかを確認しましょう。

 

事前内覧会で建物の状態をチェックする

新築の家を買う場合、事前内覧会には行くようにしましょう。家が完成し引き渡される前におこなわれる内覧会では、契約した内容通りに家が建っているかを確認する機会を設けることができます。イメージしていた家の状態と異なる部分がある場合や問題が見つかったら、家の引き渡し日までに修正の依頼をしましょう。

 

たとえば扉の開閉の具合や換気扇の音、壁の仕上がりなど細かい部分までチェックしましょう。

 

購入価格から手付金を引いた残金を決済する

事前に手付金を支払っているので、購入価格から手付金を引いた金額を支払います。住宅ローンを利用する場合は、金融機関に頼んで直接残金を振り込んでもらうこともできます。

 

ただし、融資が決済の期日までに実行されるかは、ローン申し込みの前に金融機関と確認しておく必要があります。

 

鍵の引き渡しを受けて入居する

新居への引っ越しが決まった場合、準備を進めながら入居の日を迎えましょう。入居日に住宅の鍵を受け取ることができます。鍵の受け渡しは原則として契約内容における入居日におこなわれます。

 

入居日より前に受け渡しをしてしまうと、入居日前に事故やトラブルが起こった場合に保証が効かなくなってしまいます。

 

 

一戸建て購入に必要な資金

住宅購入費:頭金で購入価格の10%~20%程度、残りは住宅ローンで支払う

一戸建ての購入を考えている場合、10%~20%程度の頭金を用意することで、生活に負担なく返済ができるとされています。頭金とは自己資金から支払うお金のことで、頭金を用意しておくことによって購入金額の残りを住宅ローンで借りる金額を減らすことができます。

 

たとえば5,000万円の家を購入した場合、頭金として500万円を用意したら、残りの4,500万円を住宅ローンで借りることになります。しかし、無理に頭金を用意すると、教育費や医療費などの生活費を圧迫する可能性があります。

 

毎月の返済負担は軽くなりますが、資金に余裕がないと突発的な出費が必要になったときに支払えない可能性があるので、注意が必要です。

 

住宅購入にかかる諸費用:購入価格の6~9%

印紙税:1万円~3万円程度

印紙税は1万円~3万円が目安です。印紙税とは、不動産を購入するときに必要な契約書に貼る必要がある納税の証明の一種のことで、収入印紙のことを指します。

 

不動産取得税:固定資産税評価額の3%

不動産取得税は、土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得(相続をのぞく)したときに、取得した方に対して課される税金のことです。

 

不動産取得税の税額は、不動産の評価額に税率4%をかけて算出します。現在は、土地と住宅については、軽減措置として3%が適用されています。(令和6年3月31日まで)

 

仲介手数料:物件の売買価格×3%+6万円+消費税

仲介手数料とは、住宅の売り手と買い手との間に立って、売買を進めてくれる不動産会社に払う対価のことです。仲介手数料は「物件の売買価格×3%+6万円+消費税」(成約価格が400万円超の場合)で計算できます。

 

不動産登記費用

不動産登記は、不動産を購入もしくは取得したときに、所有している不動産の住所や面積、建物の構造といった物理的状況と所有権や抵当権といった権利関係を明らかにするために、不動産の所有者が登記をおこないます。

 

登記には、所有権保存登記 、所有権移転登記、抵当権設定登記があり、登記をするためには、「登録免許税」を納める必要があります。登録免許税の金額は、不動産の固定資産税額の基準となる価格(固定資産税評価額)に税率をかけあわせて計算します。

 

新築の建物で、固定資産税評価額がつけられていない場合は、法務局が定める価格で計算します。税率は、登記の種類や不動産を取得した経緯などで異なります。

 

一戸建て住宅の価格相場

注文住宅:3,717万円

2022年度フラット35利用者調査によると、注文住宅の購入価格の相場は3,717万円となっています。3,000万円を超える価格帯では、自分たちの生活に合わせた理想的な家を手に入れることができます。

 

たとえばリビングダイニングキッチンの広さや間取り、キッチン設備などを自分好みにデザインすることができます。また、自分が重視する部分に費用を投じ、他の部分については費用を抑えるといったバランス調整もできます。

 

土地付注文住宅:4,694万円

土地付注文住宅とは、土地付きの注文物件のことで、相場は4,694万円とされています。全国的な平均価格であり、地域や会社によって価格は変わります。相場の値段には、土地購入費と家を建てるための建設費が含まれています。

 

建売住宅:3,719万円

建売住宅の相場は3,719万円となっています。全国の一戸建て住宅の平均価格を示しており、新築一戸建てを購入するときの目安になります。しかし、相場はあくまで平均的な数値であり、地域や物件の特性により価格は上下します。

 

中古戸建:2,704万円

中古戸建ての平均価格は2,704万円となっていて、新築一戸建てにくらべると安価に購入することができます。2,000万円の価格帯であれば、頭金を用意することで住宅ローンの負担も減らすこともできます。

 

ただし、中古戸建てを購入するときには、築年数やリフォームの必要性など物件の状態を確認が必須になります。特に築年数が長い場合は、配管の劣化やシロアリ被害などが心配されるため、リフォーム費用もかかることを見込んで資金計画を立てるようにしましょう。

 

新築一戸建てと中古一戸建ての違い

新築一戸建ての特徴

最新設備によって利便性や機能性が優れている

家電や建築技術は日々進化していて、新築の一戸建てには最新の設備が反映されているため居心地が良く、便利な生活を送ることができます。たとえば最新の断熱・遮熱性能の窓や壁を採用した家なら、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。

 

他にも家事を快適にするための設備が設置されており、清掃がしやすい水回りや収納力が豊富なクローゼットなども設置されています。

 

住宅ローン控除や税制優遇措置が手厚い

新築一戸建てを購入する場合の大きな利点の一つとして、住宅ローン控除や税制上の優遇措置が充実していることが挙げられます。

 

住宅ローン控除とは、住宅を購入するために借り入れたローンの金利分を、一定の期間所得税や住民税から差し引くことができる制度です。住宅ローンが控除されることにより、住宅購入者の経済的な負担を減らすことができます。

 

購入価格が高い

新築一戸建ての特徴として、購入価格が高いという点が挙げられます。設計段階から自分たちの理想通りに作り上げることができるため、自分好みのデザインを実現できる魅力的な選択肢になりますが、一方で住宅の購入価格は安くはありません。

 

大手ハウスメーカーが施工する一戸建ての場合、大量生産ができる建材や製品を使用することで原価を抑えられますが、運営するモデルハウスや広告費用がかかるため、費用として反映されて結果的に費用が割高になることがあります。

 

中古一戸建ての特徴

購入費用が安い

中古一戸建ての特徴は、新築一戸建てよりも購入費用が抑えられることです。購入費用については物件の築年数や修繕状況などによりますが、新築で購入するよりも手軽に家を手に入れることができます。

 

加えてリフォームやリノベーションにより自分好みに設計したり、一部を自分で修繕すれば新築同様の住み心地を実現することもできます。しかし、中古物件の場合購入後の修繕費用は新築よりかかる可能性があります。

 

リフォームやリノベーション費用によっては新築より費用が高くなることもあるので、修繕費がかかるとして購入を検討するようにしましょう。

 

実際に物件を見たうえで購入の判断ができる

中古一戸建ての魅力は、事前に自分の目で物件を確認できることです。部屋の広さや間取り、日当たりや風通しなど、生活環境を直接確かめることができます。

 

さらに、建物の状態や近隣環境もチェックできます。新築物件の場合建築しなければいけないので購入前に家を確認することはできません。設計がイメージと違っていたりすると、購入後に不満が出てくることも少なくありません。

 

中古物件の場合内覧ができるので、現在住んでいる方の生活を参考に、自分が一日を過ごすイメージができます。さらに、何度も目で確かめることができるため、購入を焦ることなく考える時間が持てます。

 

リフォーム費用が高額になる可能性がある

中古の一戸建てを購入するとき、リフォーム費用が高額になる可能性があります。また、思わぬトラブルや追加の工事が発生した場合でも、費用は増えます。

 

無理なくリノベーションを進めるためには、リフォーム減税制度の活用や複数の業者から見積もりを取ってもらうなど、費用を抑える工夫が必要です。中古物件を購入するときには、住宅の購入費用だけでなくリフォーム費用も予算に含めることを忘れないようにしましょう。

 

リフォーム込みの費用が予算をオーバーするようなら、購入物件の見直しや資金計画の練り直しが必要になります。

 

 

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