注文住宅のコストを安くする方法と予算オーバーを防ぐ節約ポイント
注文住宅はこだわりを反映させやすくなっているものの予算には限りがあるため、こだわりすべてを実現することはむずかしいです。
本記事では、注文住宅の費用を削れる節約内容や予算を超えないようにする資金計画のコツを解説します。予算内でできる限り理想に近い新築マイホームを手に入れられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅のコストを安くする新築の家づくりの節約方法
安い土地を取得する
分譲地で売れ残っている安い土地を選ぶ
売れ残っている土地でも、理由を正確に把握したうえで活用すれば、予算内で理想の家を建てることができます。分譲地で売れ残っている土地は価格が下がっている場合が多いです。
売れ残っている理由を確認しましょう。たとえば、周りの家とくらべて日当たりが悪かったり、建物を建てるための法律上の制約、立地の問題などといった事情の可能性があります。
土地の形状が悪い土地を選ぶ
形状が悪いと思われがちな土地を選ぶことで、土地代を抑えることができます。たとえば、敷地が狭い土地や、道路からアクセスしにくい土地は多くの方にとっては避けたい土地ですが、その分価格は安く設定されます。
競売に出されている土地を選ぶ
競売に出されている土地は、市場価格よりも安いことが多く、土地購入費用の節約につながります。競売に出されている理由は多岐にわたり、必ずしも条件が悪いわけではありません。
たとえば、元所有者が家を維持できなくなり競売にかけることがあります。
建物の建築費用が安い施工会社(ハウスメーカー・工務店)を選ぶ
無理なく、経済的に合った新築住宅を建てるためにも、良心的な価格設定の会社選びをする必要があります。
建築費用が安く、品質を確保している会社を見つけましょう。各会社の特性や評判を比較し、自分の予算や要望に適した業者に依頼することが大事です。
価格が安いからといって妥協をするわけではありません。住宅の命である耐久性や利便性など、大事な部分を確保したうえで納得のいく家が建てられるか検討します。また、資材選びや間取り、建築工法なども価格に影響するため、会社との念入りな打ち合わせが大切です。
希望の優先順位を明確にして削るところは削る
希望を叶えるために必要な費用と、自分たちが用意できる予算を比較し、優先すべきことと、何を削るかを決めましょう。すべての希望を叶えようとすると予算オーバーになるので、削れるところは思い切って削り、代替案を見つける勇気も必要です。
注文住宅では、希望と現実の間のバランスを取ることが大切です。初めに自分たちの希望をリスト化して、優先順位をつけましょう。たとえば、大きな庭が欲しい、駐車場は2台分取り入れたいなど、家族の具体的な希望を明確にしましょう。
延べ床面積(各階の面積の総計)を小さくする
部屋数を減らすと、壁やドアなどの建材が少なくなります。不必要な廊下もなるべく減らすことで、家の中の動きを効率的にすることができ、利便性も向上します。
間取りを簡潔にし部屋の数を最小限に抑えることで、必要な建築資材を減らし、費用を抑えられます。
家と屋根の形・間取りをシンプルにする
円形や角ばった形よりも四角い形の家の方が建築資材を減らすことができ、工事費を減らすことにつながります。
屋根は1面の片流れや2面を組み合わせた切妻屋根にすると費用を抑えられます。また、シンプルな間取りを取り入れて必要な部屋だけを設けることで、材料費や施工費が安くなります。
キッチンやトイレなどの水回りを近い位置にまとめる
水回りを近い位置にまとめると、キッチンやトイレ、お風呂などの水が必要な場所を一箇所に集められ、配管をシンプルにすることができます。水回りを近い場所に配置することで、家事をする空間が狭くなり利便性が良くなります。
たとえば、キッチンとお風呂を近い位置に配置し、間にトイレを設けたり、トイレと洗面所を近くに配置することで配管をシンプルにでき、設備費用を抑えられます。
設備のグレードを低いものにする
システムキッチンやユニットバスのような水回りの設備は、グレードが高ければ高いほど価格も高額になります。価格と機能性は比例するわけではなく、安い価格で自分達の暮らしに必要な機能を果たす設備は多く存在します。
壁紙やフローリングといった内装材も、豪華なものからシンプルなものまで幅広い選択肢があるため、内装の質感や色合いを統一することで、安い費用でも美しい空間が実現できます。
メーカーにこだわらないという選択肢も必要で、住宅の施工をおこなう各社は特定のメーカーと提携しているため、メーカーの設備を使用することで費用を減らすことができます。
窓やドアの数を最小限にする
多くの窓やドアを設けると、材料費や工事費が高くなり、全体の費用が高くなってしまいます。大きな窓を多数設けるのではなく、各部屋にあったサイズと配置を選ぶことでより効率の良い窓を取り入れることができます。
一方で、窓の数を極端に少なくすると、部屋の明るさや通風性が損なわれ、暮らしにくくなることがあります。適度な採光や通風を確保し、適所に窓を設ける設計をすることで、建設費用を抑えることができます。
施主支給(設備を自身で購入して現場に届けること)する
建築費を抑えるためには、自分で設備を購入して建築現場に届ける、施主支給が有効です。
施主支給で照明器具や家具、カーテンは、自分でインターネットやお店で探し購入したものを、設置することができます。
建築会社が提供する設備の中には、価格が高めのものが混じっているため、自分で安く購入し家づくりの現場に支給することによって安くなる傾向にあります。自身で設備を購入する場合は、配線や位置を把握したうえで、建築会社との事前相談をおこないましょう。
収納スペースを一箇所にまとめる
収納スペースが一箇所に集まっていると、探し物をするときに簡単に見つけることができます。また、収納空間の場所を減らすことによって費用を抑えつつ、生活の便利さと費用の節約の両方が実現できます。
収納が多い家では、各部屋に収納空間を設けるため、収納空間を設けるための費用が掛かります。収納空間を大きくとって一箇所にまとめることによって、費用を抑えることができるのに加えて他の部屋がすっきりとし、広く使えます。
廊下をなくしてリビング階段にする
リビングに階段を導入することで、リビング空間に直結した階段を取り入れることができ、別途階段空間を確保する必要がなくなります。また、リビングに階段があることで、帰宅後、子どもが無意識に家族の元を通るつくりとなり、自然と交流や会話がうまれ生活が豊かになります。
一部の家具をDIYする
家具やインテリアを手作りするDIYで建築費用を抑えることができます。たとえば、ロールスクリーンや棚などシンプルな家具は、市販品を使うのではなく自分たちで作ることで節約できます。
また、市販の既製家具を自分好みにアレンジするのも個性が出るのでおすすめです。ドアにペンキを塗ったり装飾シートを貼ることで、お洒落な空間を作ることができます。
仕上げ材(内装材)の種類数を絞る
内装材は、壁紙や床材部分に使用します。内装素材の種類を絞ることで、費用を節約することができます。たとえば、すべての部屋の壁や天井、床に同じ素材を使用すると、材料を大量に購入することができ価格が安くなります。
多くの種類の素材を使うと、素材ごとに残った部分が無駄になってしまうこともありますが、同じ素材を用いると余った場合でも他の部屋で使うことができ、必要以上の資材を買う必要がなくなるため、無駄な出費を避けられます。
外構は後から作り込む
建物の内部を建設した後に、外構の庭や駐車場、フェンスなどを整えることによって、融資や契約費用の分割支払いができ、建設に必要な資金を抑えることができます。
防犯の点からフェンスが必要な場合でも、外構工事を家の建設と一緒にする必要はありません。家が完成するまで外構を放置するのは見た目的によくはないので、仮設外構を設置することをおすすめします。
住宅ローンや火災保険は金利や手数料の安い会社を選ぶ
家を建てるためのローンは数千万円にも上ります。金利や手数料の差は些細なものに思えますが、返済期間は長期にわたるため、金利による影響は大きいです。
住宅ローンを選ぶときは、何社か金融機関を選択し、各金融機関が提供するローンや金利、返済方法や手数料を比較検討して合計の費用を計算しましょう。
火災保険も見直す価値があります。火災保険とは、建物やその他の財産が火災による損害を受けた場合に、損害を補償するための保険です。火災保険も保険会社が各種商品を取り揃えているので、適した商品やプランを選ぶことで保険料を抑えられます。
注文住宅の予算オーバーを未然に防ぐ資金計画のポイント
注文住宅を建てるのに必要な費用相場を把握しておく
実際の建築費用だけではなく、土地代、設計費用、諸経費など必要となる費用の相場を把握しておくことで必要な予算が分かります。また、予算を立てる場合は、建築にかかる費用だけでなく、未来の生活でかかる費用や今後の収入などを想定し、余裕をもった計画を立てることが大切です。
必ず複数社に見積依頼を出す
複数社に見積もりをとることで、希望する注文住宅の価格帯や設備が明確になり、資金計画を立てられるようになります。
複数のハウスメーカーや工務店から見積もりをとり価格を比較をすることで予算オーバーを避けることに繋がります。
見積もりの内訳を明確にして疑問点をすべて潰す
見積もりの内訳で疑問点があれば一つずつ明らかにすることで、安心して注文住宅を建てることができます。見積もりの詳細をより明確にすることで、建築会社がおこなう工事の内容や、費用の詳細を具体的に把握することができます。
追加費用の発生事由と金額を確認しておく
注文住宅を建てるときは、初期費用だけではなく、建築中や完成後に発生する追加費用を確認しておくことが大切です。
追加の費用には、家具や家電の購入費用、引越し費用、保証料、手数料などがあります。特に、引越し費用は見逃しがちな内容で、荷物の量や距離、引越し業者のサービス内容によって費用は大きく変動します。
事前に施工会社へ予算を伝えておく
注文住宅を建てる場合は、予算や予算の中で何を優先し削れる場所は何なのか、という細かな内容を最初に決め、伝えておくことが大切です。予算を立てるには、家族の経済状況や将来の生活設計、ローンの返済計画などを把握し計算する必要があります。
建築会社にあらかじめ予算を伝えておくと、優先順位を把握したうえで、金額内で希望の形に沿った家の内容を一緒に考えてくれます。経験豊富な建築士のアイデアによって今まで想像していなかった工夫や取り入れられる設備を知ることができ、より暮らしやすい家づくりの提案をしてもらえるかもしれません。
注文住宅を建てる際に使える補助金や助成金制度を把握しておく
資金計画を立てる場合は、国や地方自治体の補助金や助成金の利用を見越して予算を組むことも大切です。制度を上手に利用することで、よりお得に注文住宅を建てることができます。
各地方自治体によって、補助金制度が設けられているので、注文住宅を建てる地域で利用できる補助制度は何があるのか調べてみましょう。
注文住宅の費用を安くして失敗しないための注意点
外壁材と屋根材は安くするとメンテナンス費用が高くなる
注文住宅に長く安心して住み続けるためには、外壁材や屋根材は頑丈な素材にする方法がおすすめです。品質と費用のバランスを考えたうえで取り入れる内容を決めましょう。
注文住宅を建てる場合、外壁材や屋根材を安いもので済ませてしまうと、後々問題が発生しやすくなります。家の寿命を決定する外壁や屋根は、雨風や紫外線といった外部からの影響を最も受けやすく、安い材料を使うと材料の寿命が短いため、早めの点検や修理が必要になります。
手抜き工事をする施工会社には依頼しない
施工会社を選ぶときは、会社の実績や評判を調べ、手抜き工事をおこなわない信頼できる業者を選ぶことが大切です。
建物の基礎部分を疎かにしたり塗装で必要な塗り回数を省いたりなど、手抜き工事をすると建造物の耐久性や安全性が低下します。
RANKING
ランキング
PICK UP
おすすめ記事