一戸建てのリノベーション費用と失敗せずにおしゃれな家を作るコツ
中古の一戸建てをリノベーションすれば、新築の一戸建てを購入するよりも安い費用になり、周辺環境や立地が良い場所に自分好みの家を作ることができます。
一方で、中古の一戸建て選びで失敗すると、購入してから思ったようなリノベーションができないことや、費用がかさんで新築を購入した場合とほとんど変わらないことになるかもしれません。
自分好みのおしゃれな家を失敗せず作るために、中古一戸建てのリノベーション費用の相場だけでなく、リノベーション向き物件の選び方を押さえておくべきです。
目次
一戸建てをリノベーションする費用の相場
一戸建てをリノベーションする費用は平均206万円
2022年度の住宅市場動向調査報告書によると、増築、改築、模様替えなどの費用は平均で206万円です。
フルリノベーションする場合の費用は1,000万円以上かかる
フルリノベーションの費用は1,000万円以上と高額になることが多いですが、古い家を新築同様の状態にできるという良さもあります。高額になる理由として、築年数が長いほど、壊れた場所や修理が必要な部分が多くなることが挙げられます。
一戸建てをリノベーションするデメリットとメリット
一戸建てをリノベーションするデメリット
耐震・断熱工事によって注文住宅と同じくらいの費用がかかる
耐震と断熱工事は、生活の安全と快適性を守るために大切な工事です。特に、築年数が古い一戸建ての場合、最新の耐震基準や断熱基準に適合していないことが多く、リノベーション時に耐震と断熱の工事をおこなうと、新築の家を建てるのと同じくらいの費用がかかることがあります。
設計、工事から引き渡しまでの期間が約3ヶ月から7ヶ月かかる
一戸建てのリノベーションでは、設計、工事から引き渡しまでの期間が長くかかります。具体的な流れとしては、設計に3ヶ月程かかり、設計後の工事に4ヶ月程かかることもあります。
間取り図がなく内見して図面起こしが必要な可能性がある
間取り図がない場合は建築士に依頼して、間取りの図面を起こす必要があります。間取り図には、部屋の広さや窓の位置、収納空間の数や場所など、家の情報が記載されます。
資産価値が低く判断されると住宅ローンの借入額が少なくなる
たとえば、リノベーションした一戸建てが新築の家とくらべ価値が低いと見なされると、住宅ローンを組むときの借入上限額が下がる場合があります。
築年数が経つと、自然と物件の価値は下がる傾向にあり、リノベーションした一戸建ては新築の家にくらべて低い評価をされやすくなります。
一戸建てをリノベーションするメリット
新築一戸建てを購入・建築するよりも費用を安く抑えられる
2022年度の住宅市場動向調査報告書によると、新築の一戸建て住宅は平均5,436万円ですが、中古住宅は平均3,340万円です。リフォーム資金の平均206万円を加えても約2,000万円も抑えられています。
物件の購入価格の多くが土地代で資産価値が下がりにくい
資産価値に大きく影響するのは立地する土地の価値です。建物は時間と共に資産価値が落ちていきますが、土地の価値は保たれます。
購入価格の大部分が土地代である中古物件は、土地の価値が変わらない限り、資産価値が大きく減る危険性が少ないと言えます。
すでにある基礎や設備を利用することで工期が短くなる
中古物件の基礎や設備を使うことで、新しい基礎となる土台を作ったり、設備を設置する必要はありません。
新しい設備を導入したい場合や、現存の設備が古すぎて使えない場合は、取り替えの必要があるため工期は長くなります。
新築より周辺環境や立地が良い物件を見つけられる可能性がある
中古一戸建てを購入してリノベーションする場合、希望条件を満たす物件が見つかる可能性は高くなります。たとえば、都心部で駅から歩いて5分以内の物件や、静かな住宅街、水辺に住むといった特定の条件でも新築にくらべると見つかりやすいと言えます。
土地選びに多くの時間を使うことができるのも中古一戸建てをリノベーションする良さです。土地を探したうえで家を一から建てる必要がある新築に対し、中古物件は建っている家を購入するため、家を建てる期間分を土地選びにあてられます。
中古マンションよりも間取りや設備を自由に変更できる
マンションは、増築が難しいため、部屋のレイアウトや設備は決まった中から選ばなければなりません。しかし、一戸建てをリノベーションする場合は、建物の骨組みだけを残して空間全体を再構築することができるため、自分のこだわりを反映させた間取りを作ることができます。
たとえば、自然光をたっぷり取り入れたリビングルームや、家族が集まるキッチンダイニングの広さなど、生活に合わせて設計ができます。
リノベーションに向いている中古一戸建ての選び方
新耐震基準で設計されている2000年以降の物件
1950年に建築基準法が公布され大きな改正があり、1980年にはさらなる改正があったので、1980年以降に建てられた家は地震に強く、安心して住むことができます。
2000年以降に建てられた家は最新の耐震基準に基づいて設計されているため、地震に対する耐性が高い家になっています。間取りや設備のデザインも現代的なことから、居住者の必要性に合った快適な住空間が提供されています。
建築技術や材料の進化によって、強い壁を四方に配置し、強い地震が来ても倒壊しにくいように工夫し、耐久性や省エネ性なども向上しています。
土地代だけで購入できる可能性がある築20年程度の物件
日本の住宅は築20〜30年経過すると、建物の価値はゼロと見なされ、土地だけの価格で売られることが多くなります。
周辺環境や交通アクセスが良い立地の物件
子育て環境や治安など、生活に合った中古一戸建てを選ぶためにも、決める前に周辺環境を確認することが大切です。公共交通機関へのアクセスは良好なのか、日々の生活で欠かせないスーパーや病院が近くにあるか、駅までの距離や通学路が安全かなど長く住むうえで近くにあると助かるものは数多くあります。
また、近隣の雰囲気も確認しておくことで、気になる騒音などを事前に把握することができます。良い物件が見つかった場合は、朝や夜など物件の近所に足を運び自らで騒音や雰囲気を感じ取りましょう。
夜は、交通量だけでなく、街灯の数などを確認することで防犯面についても把握できます。住みやすさは、日々の生活を快適に送るために大切ですが、同時に物件の将来の売却に直結する要素でもあるので注意して確認しましょう。
間取り変更やリノベーションの自由度が高い木造軸組工法の物件
木造軸組工法は、柱と梁で組み立てられた構造なため、間取りを自由に変えやすいです。たとえば、部屋の壁を取り払って広い空間にしたり、逆に部屋を区切って個人がのんびりできる空間を増やしたりと、自分の好きなように生活空間を作り出すことができます。
木造軸組工法ではない他の工法では、壁を動かすのがむずかしい場合も多いため、リノベーションの自由度は低くなります。
一戸建てのリノベーションで失敗しない流れ
リノベーション後の内装・外装イメージと予算を決める
リノベーションをおこなう場合は、内装や外装の想像をして予算を決めることが大切です。具体的には、家族で話し合って決定した内装や外装について、いくらの予算だと実現できるのかなどを検討します。
希望にあう内装や外装を得意とするリノベーション会社を探す
内装や外装の希望がはっきりしている場合、希望内容を得意とするリノベーション会社に依頼することが大切です。リノベーション会社は、モダンなデザインに強い会社や、和風のリノベーションを得意とする会社、省エネルギー設計に優れた会社など、各社に得意な分野があります。
自分の理想とするリノベーションのスタイルと、会社の得意とする分野が一致しているかを、各会社の施工事例を見たり説明会に参加したりして確認しましょう。
周辺環境や立地といった条件に合う中古物件を探す
実績が豊富で評判が良い不動産仲介会社を選ぶ
会社を選ぶときには、過去に取り扱っていた物件の数や、成功させた取引の数や内容などの実績を確認しましょう。リノベーション内容や予算に応じて、細かな要望を受け入れてくれる会社や担当者を見つけましょう。
また、口コミの情報も大事な判断材料になります。担当者との相性もありますが、比較的良い評判が多い会社を選んだ方がより安心して任せることができます。
不動産会社の紹介や不動産ポータルサイトで物件を探す
不動産会社と不動産ポータルサイトを同時に利用することで、より広範囲の物件情報を得ることができます。
不動産会社では、希望条件に合う物件を地域に詳しい担当者が選んでくれます。また、不動産ポータルサイトでは、地域、間取り、価格などで検索でき、自宅でのんびりしながら物件情報を確認できます。
不動産仲介会社に気になる物件を伝えて内見調整をしてもらう
気になる物件を見つけた場合、自分の条件に合うかは直接見て確認することが大切です。不動産仲介会社に依頼し、気になる物件を伝えて物件の内見日を設定してもらいましょう。
仲介会社の担当者は、物件の詳細な情報を把握しているため、内見の時に物件の特徴や周囲の環境、状況などを教えてくれます。また、不動産をよく知る立場の視点から物件の良い面、注意点を指摘してくれます。
物件の状態や周辺環境の確認をおこなう
家の構造や劣化の状況、設備の状態など、細かいところまで確認した後に、周辺環境の確認に移ります。家の近くにある施設やお店、通学路や交通量、治安の状況などを観察して把握しましょう。
物件の立地条件や近隣との人間関係など、生活に影響を及ぼす要素を見逃さないことによって、住んだ後ストレスを感じることなく快適な生活が送れます。
住宅ローンの借入ができるか事前審査をおこなう
事前審査は、購入したい家が自分の経済状況に合ったものかを判断する方法です。審査では、借り手の年収や健康状態などから、リノベーション費用を無理なく返済できるかを評価します。申込時に自身の情報を正確に伝えることが大切です。
購入する物件の契約内容の説明を受けて不動産売買契約を結ぶ
不動産取引は専門知識が求められるため、不明な点や疑問は遠慮せずに不動産会社へ質問しましょう。不動産売買契約の締結には、不動産会社が買主と売主の間に入ります。
双方の要望を理解したうえで契約内容や手数料の説明があります。契約内容の説明は物件の詳細情報、価格、引渡し日、支払い条件、権利義務、特約事項などが含まれます。
住宅ローンの本審査を受ける
事前審査に通ると、次に本審査を受けます。本審査では、事前審査より詳細に契約者の返済能力や購入物件の評価値、信用情報などを確認します。
本審査を通過すると、住宅ローンの契約に進むことができます。
リノベーション会社にプラン設計と見積もりを掲示してもらう
リノベーションは、細かい部分まで打ち合わせが必要です。素材選びや導入する設備など予算内で実現できる内容なのかといったことを話し合います。
リノベーション会社との初回打ち合わせでは、理想の家の内装や外装、モダンやシンプルなどのスタイルについて分かりやすいように伝えます。そして、理想のつくりを元に、会社が立てるプランについて確認します。
リノベーション会社との工事契約および工事をおこなう
契約を結んだ後、工事が始まったら定期的に工事の進捗を確認しましょう。
リノベーション会社と施主による検査と引渡し
工事が終わった後は、施工内容の検査と引渡しに立ち会います。リノベーション会社と共に、細部まで細かく確認して、不備があった場合は直してもらいます。
リノベーション費用を抑えておしゃれな一戸建てを作るコツ
建材のグレードを下げて施工費用を安くする
安さだけを追求しすぎてしまうと、思った以上に使い心地が悪かったり、見た目に影響が出る場合があります。リフォーム業者と相談しながら、お金をかける優先順位をつけたうえで、予算に合わせた素材や設備を選んでいくことで、無理なく計画を進めることができます。
照明器具の取り付けやインテリアをDIYする
照明器具やインテリアはおしゃれな空間づくりに欠かせません。DIYをすることで工事費を抑えつつ、自分だけのオリジナルな空間をつくることができます。
中古一戸建てでも受けられる住宅ローン減税を利用する
住宅ローン減税制度の条件がそろえば、毎年の住宅ローン残高の0.7%を13年間、所得税から引くことができます。
住宅ローン減税制度は、新築だけでなく中古の家でも使うことができます。ただし、使用するためにはいくつかの条件が必要です。住宅が建てられてから購入するまでの期間が、一軒家の場合20年以内、マンションの場合25年以内であることが求められます。また、省エネ性や耐震性能があることも必要です。
参考元:国税庁 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
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