平屋の固定資産税は2階建てと比べると高い?床面積ごとに徹底比較!


平屋と2階建てでは、どちらが固定資産税の面でお得なのでしょうか。これは、新しく家を建てようと考えている方や、既存の家をリノベーションしようとしている方にとって、非常に重要なポイントとなります。

 

この記事では、平屋と2階建ての固定資産税の違いを床面積ごとに徹底比較し、あなたの資産計画に役立つ情報を提供しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

固定資産税の計算方法

「平屋の固定資産税って、2階建てと比べて高いの?」と疑問を持っている方は少なくありません。多くの方が固定資産税の計算方法を知らないため、一概にどちらが高いとは言えません。しかし、その答えは実は床面積や土地の価格、さらには地域によっても大きく変わることがあります。

 

税金の内訳を理解することで、あなたが今後どのタイプの家を建てるか、または購入するかを決める際の参考になるでしょう。

 

土地の固定資産税

土地の固定資産税は、土地の評価額に税率を掛けて計算されます。評価額は固定資産税評価基準で算出されます。

 

固定資産税評価額の調査

土地の固定資産税評価額は、数年おきに地方自治体が施行する調査に基づいて設定されます。

 

この調査では、土地の広さや地理的な位置、周辺環境、利便性、そして他の多くの要因が考慮されますが、この評価額は実際の市場価格と必ずしも一致するわけではありません。市場価格は、供給と需要、経済状況など、多くの動的な要素によって日々変動します。

 

そのため、土地が急速に価値を増すようなエリアにある場合、実際の市場価格は公式に評価された価格よりも高くなる可能性があります。反対に、何らかの理由でエリアの人気が低下している場合は、評価額が現在の市場価格よりも高く設定されていることもあるため、覚えておきましょう。

 

売買価格から概算値を算出

土地の評価額を把握するために一般的に用いられる手段の一つが、近隣の売買価格を調査する方法です。具体的には、同じ地域や類似の環境条件下で最近売買された土地の価格を不動産情報サイトや公的な土地価格公示データから集めることが一般的です。

 

この方法は、特に市場価格が急激に変動している地域では、固定資産税の評価額よりも現実に近い土地の価値を知るのに有用と言えるでしょう。

 

固定資産税路線価から概算値を算出

固定資産税路線価を利用するのも、土地の評価額を知るための一つの方法です。

 

地方自治体が公表するこの路線価は、通常は各地域における一定の基準に基づいて計算され、インターネット上や地方自治体の公式資料で確認することができます。一般的には、この路線価は実際の市場価格や公式な評価額よりも低めに設定される傾向があります。

 

路線価は土地の広さや位置だけでなく、地域全体の経済状況や土地利用の傾向なども反映しています。

 

正確な固定資産税評価額の確認方法

最も正確な土地の評価額を知りたい場合、地方自治体の窓口で直接情報を確認するのが最も確実な方法です。

 

ここで確認できる評価額は、土地の固定資産税を計算する基礎となるもので、多くの要素が考慮されています。例えば、土地の面積や地形、そしてその他の地域特有の条件が考慮されています。

 

この情報は公共の場で公表されることもありますが、地方自治体の窓口で直接確認することで、最も新しい評価額がわかります。

 

課税標準額の計算

土地の課税標準額の算出は地方自治体によって行われます。

 

この算出は数年ごとに更新され、評価には地理的な位置が大いに影響します。例えば、都心部や駅から近い土地は、その利便性から高い評価を受けることが一般的です。さらに、土地の広さも評価の重要な要素とされています。

 

課税標準額×税率の計算

課税標準額が確定すると、次にその金額に対して特定の税率が適用されます。この税率は、多くの場合1.4%とされていますが、地域や特別な状況によっては地方自治体が独自の税率を設定することもあります。

 

このようにして、課税標準額と税率を掛け合わせた結果が、土地の固定資産税額です。

 

建物の固定資産税

平屋は通常、床面積が広くなる傾向があり、これが固定資産税に影響を与えます。

 

固定資産税評価額の調査

建物の固定資産税評価額は地方自治体による公式な調査に基づいて算出されます。

 

この評価では、多くの要素が考慮されますが、特に建物の構造や築年数、そして床面積が主な要点となります。これらの要素は、建物にどれだけの価値があるかわかります。

 

課税標準額の計算

課税標準額は、固定資産税評価額に基づいて計算されますが、その際にさまざまな減額要素が考慮されます。

 

これには耐用年数や減価償却、さらには改修・修繕の履歴などが含まれることが一般的です。新しい建物や広い床面積を持つ建物は、自然と評価額が高くなる傾向にあります。

 

この評価額が高いと、課税標準額も高くなります。

 

課税標準額×税率の計算

固定資産税の最終計算は、課税標準額に特定の税率を掛けることで求められます。

 

この税率は通常1.4%が基準とされていますが、地方自治体によっては少し異なる場合があります。この数字が変わるだけでも、税額には大きな影響を与えます。

 

特に平屋の場合は床面積が広く課税標準額が高くなるため、固定資産税も高額になる可能性が高いです。

 

 

平屋と2階建ての固定資産税を床面積ごとにシミュレーション!

平屋と2階建てそれぞれの固定資産税を、床面積ごとに徹底的にシミュレーションをします。

 

床面積が違えば固定資産税も変わるため、その違いが一目でわかるよう、具体的な数字を使って比較していきます。具体的なシミュレーションで、あなた自身のライフスタイルや計画に最も合った選択ができるようになるでしょう。

 

ただし、シミュレーション結果は、以下の条件に基づいて算出しています。

 

【条件】

  • 新築の木造一戸建てを購入
  • 建ぺい率50%、容積率100%の土地を購入
  • 固定資産評価額は20万円/平方メートルと想定
  • 固定資産税率は1.4%とする
  • 軽減措置は適用しないものとする

 

20坪の平屋と2階建てを比較

20坪の平屋と2階建てでは、一般的に固定資産税の差はそれほど大きくありません。

 

しかし、平屋の場合、土地使用面積が広くなる可能性があり、それが固定資産税に反映されることもあります。平屋の場合、20坪の建物を建てるには20坪以上の土地が必要ですが、2階建ての場合は20坪の建物を建てるには10坪の土地で済みます。

 

 

必要な土地面積

(A)

※1

土地の固定資産税評価額

(A×20万円=B)

土地の固定資産税

(B×1.4%)

建物の固定資産税

(C)

※2

土地と建物の固定資産税合計額

(B+C)

平屋

66平方メートル(20坪)

1,320万円

18万4,800円

7万4,797円

約25万9,000円

2階建て

33平方メートル(10坪)

660万円

9万2,400円

7万4,797円

約16万7,000円

(※1)平屋と2階建てでは、必要な土地面積が異なります。便宜上、平屋は20坪・2階建ては10坪で計算しています。

(※2)平屋と2階建ていずれも延床面積は20坪(66㎡)で計算しています。

 

厳密には平屋と2階建てで建物の固定資産税の評価額に差が出ますが、複雑な計算となること・面積のみを参考にしていることなどから、同じ税額となっています。

 

30坪の平屋と2階建てを比較

30坪の場合、平屋は床面積が広く土地使用面積も多くなるため、土地と建物の固定資産税が高くなる傾向があります。

 

平屋の場合、30坪の建物を建てるには30坪以上の土地が必要ですが、2階建ての場合は30坪の建物を建てるには15坪の土地で済みます。

 

 

必要な土地面積

(A)

※1

土地の固定資産税評価額

(A×20万円=B)

土地の固定資産税

(B×1.4%)

建物の固定資産税

(C)

※2

土地と建物の固定資産税合計額

(B+C)

平屋

99平方メートル

(30坪)

1,980万円

27万7,200円

11万2,195円

約38万9,000円

2階建て

49.5平方メートル

(15坪)

990万円

13万8,600円

11万2,195円

約25万円

(※1)平屋と2階建てでは、必要な土地面積が異なります。便宜上、平屋は30坪・2階建ては15坪で計算しています。

(※2)平屋と2階建ていずれも延床面積は30坪(99㎡)で計算しています。

 

40坪の平屋と2階建てを比較

40坪の平屋の場合、さらに土地使用面積が広くなるので、固定資産税は高くなる可能性が高まります。

 

平屋の場合、40坪の建物を建てるには40坪以上の土地が必要ですが、2階建ての場合は40坪の建物を建てるには20坪の土地で済みます。

 

 

必要な土地面積

(A)

※1

土地の固定資産税評価額

(A×20万円=B)

土地の固定資産税

(B×1.4%)

建物の固定資産税

(C)

※2

土地と建物の固定資産税合計額

(B+C)

平屋

132平方メートル

(40坪)

2,640万円

36万9,600円

14万9,593円

約51万9,000円

2階建て

66平方メートル

(20坪)

1,320万円

18万4,800円

14万9,593円

約33万4,000円

(※1)平屋と2階建てでは、必要な土地面積が異なります。便宜上、平屋は40坪・2階建ては20坪で計算しています。

(※2)平屋と2階建ていずれも延床面積は40坪(132㎡)で計算しています。

 

50坪の平屋と2階建てを比較

50坪になると、平屋の固定資産税はかなり高くなる可能性があり、平屋と2階建ての差額が大きくなります。

 

平屋の場合、50坪の建物を建てるには50坪以上の土地が必要ですが、2階建ての場合は50坪の建物を建てるには25坪の土地で済みます。

 

 

必要な土地面積

(A)

※1

土地の固定資産税評価額

(A×20万円=B)

土地の固定資産税

(B×1.4%)

建物の固定資産税

(C)

※2

土地と建物の固定資産税合計額

(B+C)

平屋

165平方メートル

(50坪)

3,300万円

46万2,000円

18万6,992円

約64万8,000円

2階建て

82.5平方メートル

(25坪)

1,650万円

23万1,000円

18万6,992円

約41万7,000円

(※1)平屋と2階建てでは、必要な土地面積が異なります。便宜上、平屋は50坪・2階建ては25坪で計算しています。

(※2)平屋と2階建ていずれも延床面積は50坪(165㎡)で計算しています。

 

60坪の平屋と2階建てを比較

60坪も同様に、土地面積を必要とする平屋では、2階建てと比べて固定資産税が高くなります。

 

平屋の場合、60坪の建物を建てるには60坪の土地が必要ですが、2階建ての場合は60坪の建物を建てるには30坪の土地で済みます。

 

 

必要な土地面積

(A)

※1

土地の固定資産税評価額

(A×20万円=B)

土地の固定資産税

(B×1.4%)

建物の固定資産税

(C)

※2

土地と建物の固定資産税合計額

(B+C)

平屋

198平方メートル

(60坪)

3,960万円

55万4,400円

22万4,390円

約77万8,000円

2階建て

99平方メートル

(30坪)

1,980万円

27万7,200円

22万4,390円

約50万1,000円

(※1)平屋と2階建てでは、必要な土地面積が異なります。便宜上、平屋は60坪・2階建ては30坪で計算しています。

(※2)平屋と2階建ていずれも延床面積は60坪(198㎡)で計算しています。

 

平屋の固定資産税を抑える5つの方法

平屋の固定資産税が高いと感じている方も多いでしょう。

 

しかし、固定資産税を抑える方法存在します。平屋を選んだからと言って、その固定資産税に高い金額を払い続ける必要はありません。

 

設計段階で考慮すべきポイントを紹介します。

 

シンプルな間取りにする

平屋で固定資産税を抑える最も簡単な方法は、シンプルな間取りにすることです。

 

多くの部屋や複雑な間取りは建築費が高くなりますが、それだけでなく固定資産税も増加します。簡素な構造を持つことで、評価額が下がり、結果的に固定資産税も減少します。

 

シンプルな屋根の形状にする

屋根の形状が複雑だと、その分建築費用と維持費が高くなります。

 

さらに、屋根の素材やデザインによっては、固定資産税の評価額が上がる可能性もあります。シンプルな形状の屋根にすることでコストも抑えられるのがメリットです。

 

コストがかかりにくい外壁材にする

外壁材の選び方も固定資産税に影響を与えます。

 

高級な外壁材を使用すると、固定資産税も高くなる可能性があります。例えば、アルミや金属製のサイディングよりも、塗装やシーリングを主体とした外壁がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

 

必要以上に豪華な設備にしない

設備が豪華であればあるほど、その分固定資産税が高くなる可能性があります。例えば、全館空調や、大型のバスタブなどは固定資産税を押し上げる要素となります。

 

必要に応じて設備を選ぶことが大切です。

 

木造で建てる

木造の家は、一般的に鉄骨や鉄筋コンクリート造に比べて建築費が低いとされています。

 

その結果、固定資産税も相対的に抑えられる可能性が高いです。特に、平屋の住宅を考えている場合、木造はコスト効率の面で非常に有効な選択肢と言えます。

 

平屋の建て方を工夫して固定資産税の軽減措置を受けよう!

平屋の魅力に惹かれているけど、その固定資産税がネックで踏み切れない方も多いでしょう。平屋を建てる際に工夫をすることで、固定資産税を軽減する措置が受けられる場合があります。

 

平屋に住む夢を現実のものにして、あなたが理想とする住まいを作るため、そしてその維持費を抑えるために、この情報役立ててください。

 

住宅用地の場合

住宅用地として登録することで、一定の固定資産税の軽減が期待できます。例えば、住宅用地に指定されると、土地の評価額が一定割合下がります。

 

この軽減措置は平屋だけでなく、どのような住宅にも適用されますが、平屋は土地を広く使う傾向があるため、この措置は特に有効です。

 

新築住宅の場合

新築住宅にはさまざまな固定資産税の軽減措置があります。具体的には、建築後数年間は固定資産税が減税されるケースが多いです。

 

ただし、数年後税額が戻るので、この期間にどれだけ節税できるか計算しておくことが重要です。

 

平屋の固定資産税を軽減する際には、この新築住宅の減税制度をうまく活用すると良いでしょう。

 

認定長期優良住宅の場合

認定長期優良住宅は、環境性能や耐震性能などが一定の基準を満たしている場合に与えられる認定です。この認定を受けた住宅は、最長で5年間マンション等の場合は7年間)固定資産税が軽減されます。

 

特に、固定資産税が高くなりやすい平屋の税額を軽減したい場合、この認定を受けることで長期間にわたる節税が可能です。

 

固定資産税の軽減措置を受けるための手続きの流れ

固定資産税を少しでも減らしたいと考えている方にとって、軽減措置は非常に魅力的な選択肢です。しかし、その手続きは複雑でわかりづらいと感じる方も多いでしょう。

 

ここでは、固定資産税の軽減措置を受けるための手続きの流れを詳しく解説します。一つずつ見ていきましょう。

 

手続き方法

平屋の固定資産税を軽減するためには、どのような軽減措置が適用可能かを確認する必要があります。自治体ごとに軽減措置が設定されている場合があり、その詳細は自治体のWebサイトや窓口で確認できます。

 

一般的には、必要な書類を揃えて申請書を提出することが求められ、土地や建物の評価書、建築許可書などが必要となるケースが多いです。

 

申告の期限に注意

固定資産税の軽減措置を受けるには、申告の期限を厳守する必要があります。

 

期限が過ぎると、その年度に適用される軽減措置を受けられない可能性が高いです。税額が大きく軽減される可能性があるため、早めに手続きを進めることがおすすめです。

 

申告漏れに注意

申告書に記載する項目が多いため、つい何かを忘れてしまうことがあります。

 

申告漏れがあると、軽減措置を受けられない可能性があります。特に、床面積や土地の面積、建築年数など、詳細な情報が求められることが一般的です。

 

そのため、申告書を丁寧に確認し、期限内に申告をしましょう。

 

平屋と2階建てでは固定資産税以外にも費用が変わる!

固定資産税に注目して平屋と2階建てを比較するのは重要ですが、それだけで全ては判断できません。固定資産税以外にも、平屋と2階建てで大きく変わる費用がいくつか存在します。

 

固定資産税だけでなく、総合的な住宅費用に目を向け、より深い視点で自分の住まい選びをしましょう。平屋と2階建て、どちらがあなたの生活スタイルに適しているのか、費用面からもしっかりと検討することが大切です。

 

建築費用

平屋の住宅に関する固定資産税を考える際、最初に考慮すべきは建築費用です。一般的に、平屋の建築費用は2階建ての住宅よりも高額になることが多いです。

 

主な理由の一つは、平屋の場合、広い土地面積が必要とされることから、土地費用が高くつく可能性があります。例えば、100平方メートルの2階建て住宅と同じ居住スペースを平屋で確保しようとすると、200平方メートルの土地が必要になります。

 

加えて、平屋では広い一階分の基礎工事が必要となるため、この部分のコストも無視できません。基礎工事は建物全体の安全性や耐久性に直結する重要な要素であり、広い土地面積にわたってしっかりと基礎を作る必要があります。

 

その結果、基礎工事にかかる費用も相応に増加することが一般的です。

 

メンテナンス費用

平屋の場合、特に高齢になったときの移動が楽であるというメリットがあります。階段の上り下りがないため、安全性も高いです。

 

しかし、日々の掃除やメンテナンスを考えると、意外と手間と費用がかかる場合もあります。

 

一方、2階建ては屋根や外壁のメンテナンスが平屋よりも高くつくことが多いです。これは、高所での作業が必要であるため、足場代なども必要になり、専門家に頼む必要があるからです。

 

まとめ|固定資産税を賢く抑えるために正しい知識を身に着けよう!

この記事では平屋と2階建ての固定資産税を床面積ごとに比較しました。

 

床面積が大きくなれば固定資産税は高くなりますが、固定資産税を抑えるための方法として、シンプルな間取りや屋根形状の選択、軽減措置などがあります。

 

また、申告手続きには期限や漏れに注意が必要です。

 

固定資産税は重要な要素ですが、工夫と計画でその負担は軽減できるため、ご自身の最適な家選びをしましょう。

 

 

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