家を建てると離婚する説はウソ?家の新築は離婚の原因になるのか


今までは夫婦仲に大きな問題はなかったにもかかわらず、家づくりをきっかけに夫婦仲がギスギスしてしまうことがあります。「家を建てると離婚する説」と言う噂が広がっており、自分たち夫婦も離婚してしまうのではないかと不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

家族の幸せのために家を建てるのに、家を建てたら離婚してしまうのは悲しいことです。家を建てると離婚するという説は本当なのでしょうか。なぜ、新しく家を建てると離婚すると言うような説が流れるようになったのでしょうか。

 

新築後も夫婦円満に幸せな家庭を築いていくためにも、家を建てることが離婚のきっかけになるとされている原因と対処法を確認しておきましょう。

 

 

「家を建てると離婚する説」はウソ?家の新築と離婚率の関係性

家を建てても離婚率は上がらない!

結論から言うと家を建てることが直接的な離婚の原因にはならないので過度に心配しすぎないようにしましょう。最近、耳にする新築離婚とは新しく家を建てるときのストレスや経済的な負担から夫婦間に問題が生じ、最終的に離婚に至るというケースを指します。

 

家を建てると離婚すると言う間違った認識が広まった原因として、30代が新築住宅を建てる割合が最も多く、離婚率も30代が高いことから誤った相関関係があると誤認されている可能性があります。新築住宅を建てる最中でストレスや経済的負担を感じてもおおげさに離婚の心配をするのは避けましょう。

 

なぜ「家を建てると離婚する説」が流れたのか?

家を建てる年齢層と離婚する年齢層が同じである

家を建てると離婚するという誤った認識が広まった一因として考えられるのは、家を建てる年齢層と離婚する年齢層が同じであるということです。新築の家を建てることが多い年齢は30代です。

 

一方で、離婚の多い年代も30代です。新築を建てる年齢と離婚の多い年代が30代なのは、国土交通省の報告や統計データから明らかとなりました。新築の家を建てることは経済的にも大きな負担となり、夫婦間のストレスを増やす一因となっている可能性もあります。また、30代は子育ての真っただ中であり、子育てに伴う家庭内のストレスが離婚の原因となるケースも多いです。

 

家の新築はストレスが大きく離婚のきっかけになる場合がある

家族との意見の相違や収入や支出の変動は想像している以上のストレスを感じてしまいます。たとえば、間取りやデザインについて夫婦の間で意見が合わないときや、相手の言葉の受け取り方の違いが表面化し、喧嘩に繋がってしまうこともあります。また、出費が増えると家計が苦しくなり、二人の関係にヒビが入ることもあります。

 

さらに、子どもが生まれたり、収入状況が変わったり、ライフイベントも一層のストレスになり得ます。意見の相違や収入や支出の変動が積み重なると、想像以上のストレスが発生し、結果として離婚を考えるようになる人もいるのです。

 

 

【家を建てると離婚する説】家の新築が離婚のきっかけになる原因

家づくりに対する夫婦の意見が合わない

お互いの意見を尊重して納得するまで話し合うことが夫婦の家づくりでは大切です。話し合いをおこなうときに夫婦間で価値観のぶつかり合いが生じれば、離婚へと繋がることもあります。

 

しかし、話し合いの過程でお互いの考えを理解し合うことで、より深い絆を育むチャンスでもあります。

 

家づくりへの熱量に夫婦間で大きな差がある

家づくりに対する夫婦間の熱量の差は、日常生活での夫婦間のコミュニケーションにも問題が生じる可能性があります。マイホームを建てる準備には時間と体力が必要です。妻と夫の間で家づくりに対する熱意が異なると、熱量の差が夫婦関係に波紋を広げることもあります。

 

たとえばマイホームを一緒に建てるという共通の目標があるにも関わらず、工程を楽しむことができない夫や、逆に準備段階から一生懸命に取り組みたいと思っている妻がいる場合によくある問題です。夫が家づくりに対する情熱を見せず、妻にすべてを任せてしまうと、妻は負担を感じ、二人の間に溝が生じることがあります。

 

一方で夫が家づくりに夢中になりすぎて、妻の意見を無視してしまうと、妻は不満を感じて夫婦関係がこじれることもあります。片方は情熱がない、もう片方には情熱があるという構図でも任せっきりにしたり、片方の意見を無視せずにコミュニケーションをこまめにとり、関係が壊れないように注意しましょう。

 

二世帯住宅での義両親との同居話があがり夫婦でもめる

夫や妻とは元々他人であるうえに、配偶者の両親、つまり義父母と一緒に生活するなんて、何かと心配事が増えます。二世帯住宅について考えるときに最も重視すべきは、夫婦間の意見の一致です。

 

建設初期の段階から互いの意見を共有し相互理解を進めながら家づくりをすすめましょう。

 

資金計画に無理があり住宅ローンの返済が負担になる

住宅ローン負担が大きすぎると、夫婦間に緊張を生むことがあります。子どもが産まれたときの教育費用や突然の医療費など想定外の出費があったときに、すでに家計が住宅ローン返済に圧迫されていると、ストレスとなって夫婦間の亀裂へと繋がる可能性もあります。

 

また、仕事の変動による収入減少も同じような状況を招きます。新築の家を持つ夢は多くの夫婦に心の豊かさをもたらしてくれます。想定外の支出や収入の変動によるストレスを未然に防ぐためには、家を建てる前に余裕をもった資金計画を立て、無理のないローンを組むことが大切です。

 

夫が急に高圧的な態度を取り始める

一人ひとりがストレスを溜め込み、爆発寸前の状態になる前にコミュニケーションをとりましょう。人間は大きなプレッシャーやストレスがかかると、普段の性格が変わることがあります。

 

新築の家づくりのプレッシャーの大きさと難しさは尋常ではないです。たとえば、突如として夫が高圧的な態度を見せ始めるケースがあります。特に、小さなことでも思春期のような感情的な反応を示す夫や、子どもたちに厳しすぎる態度を示す夫が見受けられます。

 

突如として高圧的な態度を見せ始める夫の行動は、家族全体の雰囲気を暗くし、晴れることのない日々へと続いてしまいます。一人ひとりが少しずつストレスを溜め込み、気付かないうちに爆発寸前の状態になってしまう前に、お互いにかかっている負担やストレスを発散させましょう。

 

家が広くなり夫婦の会話が極端に減ってしまう

引っ越してから最初は特に意識的に会話をおこない、いつも以上にコミュニケーションをとりましょう。新築の家が広いのは嬉しいことですが、広くなった分、夫婦間のコミュニケーションが途絶えるという問題が生じることがあります。

 

相手が近くにいるからこそ生まれる自然な会話が少なくなり、遠慮しあったり、考える時間が長くなったりするのです。また各々が自分の部屋を持つことで、一緒の時間が少なくなる家庭も出てきます。

 

結果的に、お互いの心地よさや寛ぎよりも、心の距離を広げてしまう原因となり、思わぬ離婚を引き起こす事態に繋がることがあります。夫婦間のコミュニケーションは会話から生まれるので、新築の喜びも束の間、家が広くなってしまうと会話の機会が減少し、夫婦間の溝を生んでしまうことがあるのです。

 

家を建てても離婚しないための対処法

お互いの価値観を理解するために家を建てる目的を共有する

夫婦の絆を深め、家を建てる目的を共有し、心から納得できる家づくりをしましょう。私たちが一緒に家を建てる目的は、互いの価値観を理解し、未来の暮らし方について共有することです。

 

そこで生じる違いを尊重し、対話を通じて歩み寄ることが大切です。また、お互いの予算感や生活の優先順位を理解することも必要です。両者に違いが生まれる例として家を建てる過程で、どの地域に住むか、予算はいくらか、間取りはどうするかなどがあります。

 

対立することもあるかもしれませんが、対立を解決する流れを通じてパートナーを深く理解し、尊重する関係を築くことができます。

 

夫婦の意見が合わないときは家を建てた友人夫婦の意見を参考にする

落ち着いた環境で友人に相談し、経験とアドバイスから自分たちの課題を乗り越えるための戦略を具体的に計画しましょう。友人夫婦への相談は自分たちでは気づけなかった新しい視点や解決策の参考になったり、自分たちの課題を理解するのに役立ちます。

 

比較的中立の視点から物事を見ることができる友人たちは、感情に流されずに問題を解決する助けになります。夫婦の間で家づくりについて合意する未来が見えないなら、友人夫婦の意見を参考にしましょう。

 

家づくりのプランニングは事前に夫婦の役割を決めておく

家づくりは長期戦なので早い段階で役割分担をして、円滑な家づくりを進めましょう。誰が何の確認を担当するかなど、具体的な役割が決まっていないと、思わぬ摩擦が生じることがあります。建築に関連した最終決定は夫が、予算管理は妻が担当するといったように、事前にルールを作っておくと、争いを避けられます。

 

また、お互いが主導できる領域を設けることで、自己実現の喜びも得られます。家づくりは、予算や間取り、立地などの大きな決断を伴います。家づくりの早い段階から役割を決めて家づくりを進めましょう。

 

夫婦団らんの時間を快適にするためにリビング・ダイニングにこだわる

夫婦のコミュニケーションの場となるリビング・ダイニングの作り方を見直すことが大切です。なぜなら、夫婦間でのコミュニケーションが減ると夫婦仲が悪くなりやすいからです。

 

夫婦が心地よい時間を過ごすリビング・ダイニングの創り方には、いくつか工夫が必要です。まず、家族が集う空間を明るく、広々と感じられるようにすることが大切です。さらに大切になるのが、家具の配置です。たとえば、テーブルやソファの位置を工夫することで、自由に会話を楽しむことができます。

 

顔を合わせる時間が短くならないように夫婦別室の間取りにしない

夫婦間の関係をより深めるためにも夫婦別室にしないようにしましょう。夫婦別室にしないことでお互いが一緒に過ごす時間を貴重に感じ、夫婦間のコミュニケーションも増える可能性があります。

 

夫婦それぞれが独自の空間を持つことで、一見すると互いの時間が確保できて良さそうに思えます。しかし、お互いの時間を確保できることによって顔を合わせる機会が減ってしまうと、心の距離も縮まらず、関係が冷めてしまう危険性があります。

 

返済の負担がストレスにならないように無理な住宅ローンは組まない

住宅ローンの返済が厳しい場面に直面したときに家庭内で亀裂が生じ、最終的に離婚に至ってしまうような事態は避けたいものです。新しい家を手に入れることは、夢が叶ったような喜びがありますが、一方でその家を維持するための経済的負担は決して軽いものではありません。

 

無理な住宅ローンは組まないことです。借り入れ額や月々の返済額は、自分たちの生活水準や将来の見通しを考えて決めるべきです。家計を圧迫しない範囲でのローン組みを心がけることで、家庭生活の質を維持しつつ、金銭的なストレスから来るトラブルを未然に防ぐことができます。

 

また、何かの理由で家計が窮地に追い込まれたときでも支払いを継続できるように、住宅ローンの見直しや金融機関の借り換えを検討することも大切です。

 

家の新築後に離婚の危機!住宅ローンの名義・支払いはどうする?

新築を売却する場合

住宅売却額が住宅ローンの残債額より多いなら無事住宅ローンの支払いは完済となる

家を売却するときは、ローン残債と売却額をくらべて、売却額がローン残債を上回るタイミングと方法を見極めることが大切です。なぜなら家を売却するときに住宅ローンの残債が残っているケースでは、住宅ローンの残債と家の売却額が住宅ローンの返済計画に大きく関わってくるからです。

 

具体的には、売却額が住宅ローンの残債額を上回った場合、売却によって得た金額で住宅ローンを完済できるのです。売却額が住宅ローンの残債額を上回った場合は大きなメリットです。

 

住宅売却額が住宅ローンの残債額より少ないなら名義人が残ローンを支払わなければならない

住宅の売却価格がローンの残債額を下回る場合、名義人となっている人が住宅の売却価格とローンの残債額の差額を返済しなければなりません。たとえば住宅ローンの残債が3000万円で、売却価格が2500万円だとすると、差額の500万円を名義人が返済しなくてはなりません。

 

単独債務の新築に住み続ける場合

夫名義の新築に夫が住み続けるケース

夫が月々の住宅ローンを払い続けることになる

一見シンプルに思えますが、複数の課題があります。まず、妻が連帯保証人や連帯債務者としてローンに関与していた場合、金融機関との新たな協議が必要です。理想は、金融機関が妻のローン負担を解消し、夫のみが残る形とすることです。しかし、実際には簡単に叶うものではありません。

 

さらに、住宅の価値が住宅ローンの残額よりも高い場合、差額は財産分与の対象になります。つまり、離婚時に夫は家の価値とローンの差額の半分の金額を妻に支払うことが求められます。

 

夫名義の新築に妻が住み続けるケース

家の名義と住宅ローンの支払いを夫のままにできる

想定される3つのケースを例に挙げます。

 

夫名義の家に妻が住み続けるケース
家を建てた夫婦が離婚する場合、住宅ローンの名義人と支払い者をどうするかは大切な問題です。特に、夫名義の家に妻が住み続けるケースでは、そのまま住宅ローンの名義人と支払い者を夫にするという手段もあります。

 

夫名義の家に妻が住み続けるケースでは、妻は金銭的な負担を気にせず自宅に住み続けられます。しかし、下宿のように夫から家を借りて住む形になるため、夫が新居を借りて生活する際の家賃と住宅ローンの二重の支払いが発生します。

 

経済的に厳しい状況になったとき、夫が自宅を売却する可能性も出てきます。

 

期間を決めて住宅ローンの支払いを夫へ任せるケース
経済的に厳しい状況になったとき、夫が自宅を売却するリスクを避ける方法として考えられるのが、期間を設けて住宅ローンの支払いを夫へ任せる契約です。子どもが学校を卒業するまでなど、一定の期間を決めて契約することで、夫婦間のトラブルを防ぐことができます。

 

名義と住宅ローンの支払いを妻に変更するケース
期間を設けて住宅ローンの支払いを夫へ任せる方法では結局夫の経済的負担は大きくなります。名義人と住宅ローンの支払い者を妻に変更するのも信用情報などの観点からむずかしく、金融機関の同意が必要で、更に妻の返済能力が問われます。

 

離婚後の生活を円滑にするためには、夫婦や金融機関と相談し、最善の道を探りましょう。

 

家の名義を妻に変更して住宅ローンの支払いを夫に任せられる

家の名義人を妻に変更し、住宅ローンの支払いを夫に任せる方法には一定の条件や制約が存在します。まず最初に必要になるのは、金融機関の承諾です。家の名義人を変更する場合は、借りている金融機関の同意が必要です。

 

金融機関の審査が通れば家の名義も住宅ローンの支払いも妻に変更できる

家の名義も住宅ローンの支払いも妻に変更する場合は妻の返済能力が問われます。新しい家を作ったあとで離婚の危機が訪れ、家の名義と住宅ローンの支払いが夫から妻に変わる可能性がある場合、金融機関の審査が一つの大きな壁です。

 

名義変更は金融機関の審査に通らなければならず、妻の返済能力が十分にあると判断されなければなりません。妻が安定した収入を得ている場合や、信用度が高いと認められる場合は名義と住宅ローンの支払いを妻に変更することができます。また、住宅ローンの支払いを妻が引き継ぐこともできます。

 

連帯債務の新築に住み続ける場合

金融機関の審査が通れば連帯債務から住み続ける人の単独債務に変更できる

一度審査に通らなかったからといって、必ずしもすべての金融機関から断られるとは限りませんので、諦めずに審査を継続してください。新たな家を建てて別れることを決断したとき、金融機関の審査がクリアできれば、住み続ける人の借金へと家のローンを変えることもできるからです。

 

ただし、連帯債務から住み続ける人の単独債務に変更するのは至って稀なケースであり、留意点がいくつかあります。まず、住宅ローンの名義変更では、一人での返済ができるかが最も大切な判断基準です。ですので十分な収入が見込まれることが必要です。さらに、名義変更を認めてくれる金融機関も限られています。

 

審査が通らなければ連帯債務のまま夫婦で住宅ローンを支払い続ける必要がある

名義が夫婦共同となっている住宅ローンは「連帯債務」に相当します。つまり、夫婦二人ともが同じくらいの責任を持ち、住宅ローンを返済しなければならないということです。

 

離婚が決まると、住宅ローンの連帯債務者から外れるための審査が必要です。住宅ローンの連帯債務者から外れるための審査は金融機関でおこなわれます。審査が通らなかった場合はそのまま連帯債務として住宅ローンを夫婦で返済し続けるしかないことを覚えておきましょう。

 

 

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