2,000万円台で建てる二世帯住宅の事例と建てるときのポイント


二世帯住宅を建てたいと思っている人にとって、一番気になるポイントは費用面だと思います。
最近では、ローコストで建てられる二世帯住宅が注目されており、2,000万円の予算内で、耐久性、断熱性、耐震性の高い家が建てられるようになりました。

 

居住空間を広くしたり間取りを工夫するなどの希望があると、予算が増えて2,000万円では足りなくなります。

 

2,000万円の二世帯住宅を検討している人は、実際に建てられる住宅の特徴と費用を抑えて家を建てる方法やローコストの二世帯住宅を建てるときの注意点を知っておくべきです。

 

 

完全分離型の二世帯住宅は最低2,000万円台でローコスト住宅なら建てられる

完全同居型の事例

35坪で建てられる完全同居型の事例

35坪の土地で建てられる完全同居型の二世帯住宅はキッチンやリビング、お風呂やトイレを共有しつつ、個人的な空間も確保する必要があります。

 

生活する時間帯が違う家族では、メインのキッチンだけでなく、サブキッチンの追加やお風呂とは別に、シャワールームを設けることで気兼ねなく生活できます。

 

参考:ヤマダホームズ(SUUMO)

 

45坪で建てられる完全同居型の事例

45坪の完全同居型の二世帯住宅は、互いの生活習慣や価値観に大きな違いがなければ賑やかな家族生活を楽しめます。

 

具体的には親世帯が寝室と畳の空間がある部屋や趣味を楽しむ部屋を持てる一方で、子世帯は3LDKに住むことができます。

 

参考:注文住宅ヘルプナビ

 

一部共有型の事例

31坪で建てられる一部共有型の事例

一部共有型とは、玄関やリビングなどの一部の空間を共有し、共有空間以外は、別々の空間として利用する方法です。一部共有型では、家族間のつながりを保ちつつ、各世帯の個人的な空間を守ることができます。

 

具体的には、親世帯の住居と子世帯の住居が別々の空間になっているうえで、玄関やリビングなどを共有することで、家族全員が安全に行き来できてコミュニケーションが自然と生まれることで、家族の絆を深められます。

 

参考:「完全フル装備の家」富士住建(SUUMO)

 

45坪で建てられる一部共有型の事例

45坪の二世帯住宅では、1階に大きなリビング、2階に寝室などの別の部屋を配置するなど、各世帯ごとに独立生活空間を設けることができます。共有空間としては、玄関や1階の大きなリビング、車庫などが考えられます。

 

共有部分を増やす場合は、個別の寝室やお風呂を持ちながら、共同のリビング空間やキッチンを利用する方法があります。

 

参考:アイディホーム(SUUMO)

 

完全分離型の事例

上下分離型の事例

完全分離型の上下分離の事例では親世帯が1階に、子世帯が2階に住むように分けます。足腰が弱って階段を上り下りするのがむずかしい両親でも、1階で心地よく生活することができるという良さがあります。

 

デメリットとしては、2階で生活する子世帯が排水音や足音を出すと、1階に響くという問題点があります。

 

左右分離型の事例

左右分離型は、一つの建物を左右に分けて二つの生活空間に分かれて住むように建築します。外観は一軒の家に見えますが、内部では親と子の世帯が完全に分かれています。

 

右側に親世帯、左側に子世帯の住まいにすることで、生活音の問題を避けることができます。一つの床を2世帯で共有せずに、独立した床にした場合、より音が伝わりにくくなります。

 

世帯ごとに庭を持つこともできます。各世帯ごとの庭があることで、子世帯は子どもの遊び場やBBQなどに使用し、親世帯はガーデニングや読書をする空間にするなど各世帯が好きな方法で利用できます。

 

 

二世帯住宅をローコストで建てるメリット

建築費用を大幅に抑えられる

親子ローンを組むと月々の返済負担が減らせる

親と子どもが一緒になって住宅ローンを組むことを親子ローンといいます。親の年齢によるローンの期間制限の問題や、子どもの収入などで借りられる額が少ないという問題を解決できます。

 

親子でローンを組んだ場合は長期間ローンを組むこともできるため、毎月の返済額が小さくなり、家計への負担を減らせます。

 

先に親が返済をおこない、後で子どもが返済を引き継ぐこともでき、親の老後の生活を安定させることも期待できます。

 

シンプルな造りだから品質が安定していて工期が短い

ローコストハウスメーカーが建てる住宅は規格化された資材を活用

規格化された資材でつくる住宅は間取りやデザインに制限はありますが、建築期間が短いので時間をかけずに新しい生活を始めることができます。

 

ローコストハウスメーカーは、品質が安定しており、大量仕入れによって費用を抑えることができます。

 

生活費や帰省費用を抑えられる

親子が同じ家に住むことで光熱費を節約できます。たとえば、夏にエアコンを使用する場合、別々に住んでいると各家でエアコンを稼働する必要がありますが、同じ家に住んでいる場合は共有することが多いため電気代が抑えられます。

 

食事も一緒に取れば食費の節約にもなり、一人分の食事を作るよりも家族分まとめて作った方が材料も大量に買うことができ、安くなります。

 

一緒に住んでいると遠くの実家に帰省する必要もなくなるので交通費や移動時間の節約につながります。

 

完全分離型であれば税金の優遇措置を受けられる

不動産取得税2,400万円程度が控除される

完全分離の二世帯住宅は一世帯住宅にくらべて税金の負担を減らすことができます。

 

具体的には、一世帯の住宅では不動産取得税は1200万円の控除が適用されますが、完全分離型の二世帯住宅では2倍の2400万円が控除されます。

 

固定資産税は通常の住宅の2倍控除される

完全分離型の二世帯住宅で適用条件を満たしている場合は、一世帯住宅よりも固定資産税の控除が多くなる場合があります。

 

たとえば、玄関やお風呂やトイレが二つあるなど各世帯が独立して生活できるような構造で、登記が「区分登記」となっている必要があります。

 

土地の評価額が最大80%減らせる

小規模宅地等の特例制度を活用した場合、評価額を最大80%まで減らすことができます。条件としては、親と子が同じ土地で生活を共有していることが必要で、二世帯住宅に住んでいる家庭は、制度の適用対象になります。制度が適用されると、敷地面積330平方メートルまでの土地の評価額を最大80%減らせます。

 

住宅ローンは親世帯・子世帯それぞれで控除

親世帯と子世帯で住宅ローンを組む場合、住宅ローン控除を利用すれば毎年の所得税や住民税を減らせます。

 

ただし、所得税を納めている方が前提ですので、二世帯とも控除を受ける場合には世帯主が働いて所得税を納めている必要があります。

 

2,000万円台で二世帯住宅を建てた失敗例

部屋数が確保できなくてプライベート空間が確保できない

個人がのんびりできる空間の少なさでおきる問題は、特に、完全同居型の場合に多く発生します。各世帯にとって自由に使える私的な空間が足りないと、ストレスの原因になります。

 

たとえば、リビングを共有するとき、視聴したいテレビ番組の時間帯がかぶるというような些細な問題から、一人になりたい時や趣味のための空間が確保できず、住みづらさを感じることもあります。

 

敷地面積が確保できなくて各部屋が狭い

二世帯住宅には広い敷地が必要です。特に完全分離型の場合、水周りやリビングなどの設備が二つずつ必要になるため、個々の部屋が狭くなりがちです。

 

限られた面積で広々とした暮らしを実現するためには、工夫や調整を取り入れましょう。たとえば、各部屋の収納空間を最小限にし、家族全員の衣類や生活雑貨を一箇所にまとめて収納できる大型の収納空間を設ける工夫が考えられます。

 

寝室の空間を小さくし、リビングに多機能な作業場所を設けることで、テレワークや子どもの宿題などにも使えます。

 

子ども部屋の立体的な利用もおすすめです。たとえば、仕切りに二段ベッドを使用することで、空間を閉鎖的にすることなく効率的に使うことができます。

 

住宅の劣化が早くてメンテナンス費用がかかる

頻繁に修理や補修が必要な素材を使用した場合、予定よりも早い時期に家の外壁が劣化し始めます。7年から10年に一度、内装の補修や外壁の再塗装などの修理をおこなう必要があります。

 

家を支える構造も、定期的な点検が必要で、維持費は思った以上に高額になります。2,000万円台の住宅は、初期費用だけでなく長期的に見たときに持ちがよいのか、家の強度についても確認して予想される維持費も把握することが大切です。

 

敷地面積が狭くて収納スペースが足りない

収納場所を工夫するには、使う場所の近くに収納スペースを設けると、片付けがしやすくなります。さらに、壁に棚を設置したり、扉付きの収納を用意することで、収納できる空間を増やせます。

 

また、個室に大きなクローゼットを設けず、すべてのものをまとめて収納できるファミリークローゼットを取り入れることによって個室の広さを確保できるので物の出し入れがしやすくなります。

 

階段下や天井裏など使われていない空間をうまく利用することで、収納場所が増えるだけでなく、生活が快適になります。階段下に収納場所があると、掃除用具を納めるのに便利です。

 

2,000万円台で親世帯と子世帯ともに納得できる二世帯住宅を建てるコツ

40坪確保できると部屋数を確保できる

住まいの大きさが40坪ある場合、各世帯でリビング、ダイニング、キッチンと寝室を取り入れたうえで、共用空間を設けるといった家づくりができます。

 

世帯ごとに自由に生活できる空間も広く設けられ、バルコニーやテラス、庭などの共用空間をつくる場所もつくれます。

 

間取り・デザインなどの要望を必要以上に増やさない

ハウスメーカーの規格住宅プランから希望プランを検討

ハウスメーカーによって数多くの住宅プランが用意されておりますが、予算2,000万円台なら規格住宅もおすすめです。

 

規格住宅は住宅設備や間取りなどがあらかじめ決まっているため、時間をかけて細かい打ち合わせをすることが少ないです。また、満足度を高めるためには、興味のあるハウスメーカーが提供する規格住宅を複数比較検討し、目指す生活に適したものを選択することがおすすめです。

 

住宅の性能・設備にこだわる

安全のために耐震等級3を目指す

耐震等級3は警察署や消防署など防災拠点の耐震基準を満たすレベルです。耐震等級3を取得するためには、建築士事務所や耐震診断士などの専門機関に申請し、認定を受ける必要があります。認定には、数十万円の費用が必要です。

 

また、耐震等級3相当という表示は、明確な審査を受けた数値の証明ではないので注意しましょう。

 

家の寿命を延ばすために劣化対策等級3を目指す

3世代は大きな修繕工事の必要がない住宅が劣化対策等級3にあたります。具体的には75年〜90年は快適な暮らしが保てるような耐久力のある住宅があてはまります。

 

家の寿命を延ばすための方法としては、耐久性の高い材料を選び、家の設計段階から長期的な視点で考える方法があります。

 

たとえば、「エコボロンPRO」という木材保存剤を使用すると、シロアリや木材の腐朽を防ぐ効果があります。

 

快適さや光熱費節約のために断熱等性能等級5を目指す

断熱等性能等級5とは、家全体の温度の変動を抑え、春夏秋冬を通じて快適な室温を保つもので、光熱費の節約にもなります。

 

プライバシー保護のための防音対策をする

リビングの近くに各世帯どちらかの寝室がある場合、防音対策をすることによって、テレビや会話、生活音などが気になりにくくなります。くつろぐ時間帯が異なる場合は、生活音によるストレスを感じやすくなるため、休息時に音が伝わりにくい位置に寝室を配置しましょう。

 

住む人数に応じた収納場所を十分に確保する

各家族が必要とする物の量や種類が異なるため、各自の生活に合った収納が必要です。たとえば、外で使うアイテムは玄関近くの収納に、子どものおもちゃは子ども部屋の収納に入れることで、物の出し入れが効率的になり、部屋もすっきり整理できます。

 

玄関や洗面所などでは、増え続ける家族の物を、収納できるよう空間を確保して、使用していないものは破棄しましょう。

 

二世帯住宅の建築に強いハウスメーカーに依頼する

タマホーム

タマホームは、独自の流通システムで、手頃な値段の家を提供しています。主に木の使用を活かした自由設計の家や、安心して長く住むことができる設計の家づくりをおこなっています。

 

デザインでは、シンプルで洗練された外観が特徴です。他のハウスメーカーよりも、個性的なデザインやモダンな外観が多いことが特徴です。豊富なプラン内容やデザインの中から選択することができ、オプションの変更も柔軟におこなえます。

 

高い建築技術と品質管理体制をもっており、耐久性に優れた住宅を提供することを大切にしており、建物の品質に対する信頼性が高いと評価されています。

 

アイダ設計

アイダ設計は、分譲住宅や注文住宅をつくる会社です。本社は埼玉県にあり、日本全国に支店を持っています。

 

アイダ設計の特徴は、依頼者の要望にこたえる設計力と正直価格です。
注文住宅の価格がわかりにくい問題を解消し、依頼者の納得のいく価格で家が建てられるように工夫しています。また、二世帯住宅の建築にも力を入れており、限られた面積にも関わらず、良質で快適な家をつくることができます。

 

自社で建物の部品を作ることで品質を保ち、安全で長持ちする家を建てることにこだわっており、点検や修理も定期的におこない、安心して暮らせる家づくりを目指しています。

 

ヤマト住建

ヤマト住建は、 高齢者や障がいを持つ人、小さな子どもなど、あらゆる世代の人が快適に暮らせるような住宅を提供しています。バリアフリーや手すりの設置、段差の解消など、暮らしやすさを重視した設計が特徴です。

 

シンプルで洗練されたデザインが特徴的で、無駄のない使いやすい間取りを把握し、機能的な住まい空間を提供してるため、家族団らんを大切にしながらも、個人がくつろげる空間を確保できる二世帯を建設します。

 

二世帯住宅を2,000万円台で建てる前に必ず知るべきポイント

ローコストメーカーは義務付けられている期間と範囲しか保証しない傾向

定期点検の内容や回数を確認しておくと安心

家の安全性や快適性を維持するうえで、定期点検は大切です。特に、建築会社が定める保証期間内の点検は受けることをおすすめします。

 

点検の内容は、家全体の耐久性、構造の安定性、設備の機能確認など、住まい全体の健全性を確認するための項目が含まれます。定期点検を受けることで、早期に問題を発見し、必要な修理や修繕をおこなうことができます。

 

二世帯住宅は投資物件に向いていない

家族が共に暮らすことを前提として建てられるため、収益性が高くありません。

 

完全分離型の二世帯住宅は、建築費用が高くなる傾向にあり、費用を回収するためには、相応の家賃を設定する必要がありますが、入居者を見つけるのがむずかしくなります。

 

 

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