家づくりの流れ6つの手順! 注文住宅を建てる工程と期間を解説
家を建てるときには、ハウスメーカー選びに土地探し、住宅ローンの手続きも含めて、やるべきことがあります。
しかし、何から始めればいいのか、土地や住宅ローンの審査を受けるタイミングを理解していないと、「先に建築会社に相談すべきだった」といった失敗につながりかねません。
理想の家を実現させるためには、家づくりの流れと各工程にかかる期間を事前に知っておくべきです。
すでに土地や住宅会社に相談している方も、家づくりの工程と所要期間をよく理解して、不便なく進められるようにしましょう。
家づくりの流れ
家を建てるか賃貸に住み続けるか家族で話し合う
住宅ローンを完済できるか
家を建てるときの大きな懸念点は住宅ローンを完済できるかです。借り入れ金額が大きい場合や借り入れ期間が長い場合、ローンの返済が老後まで続くこともあります。
返済が滞ると自宅を差し押さえられる事態も考えられるため、返済負担を減らすためにも、頭金を用意することが望ましいです。
頭金がなくても、一部の金融機関では全額を個人の信用で借り入れることもできます。しかし、頭金を払わず、全額ローンを借りる場合、返済負担が大きくなる傾向にあります。
老後の住まいは確保できるか
自宅を所有するという選択は一見すると安定した生活を約束してくれるように思えますが、長い目で見ると、固定資産税や点検費用といった維持費用が発生します。 維持費用は、年齢とともに収入が減少する人々にとって、大きな負担となることがあります。
一方、賃貸住宅を選ぶ場合、家賃や更新料が発生しますが、建物の管理や修繕は大家さんがおこなってくれます。また、老後の日常生活や健康状態に合わせて住む場所を変えられる柔軟性もあります。
転勤・移住の可能性はあるか
あなたや配偶者が転勤が多い職種に就いている場合や、今後の人生で地方に移住することを考えている家庭は、家を建てるか、賃貸に住み続けるかどうかを家族で話し合うことが必要です。
新たに家を建てることは金銭的に大きな負担となるため、よく考えて決めましょう。
SNS・Webサイトを利用して情報収集する
住みたいエリアと土地の相場を理解する
自分たちの暮らし方や好みに合った地域を見つけるためにも、住みたい場所や土地の相場について理解を深めましょう。 生活の変化をイメージしながら土地を選ぶことが大切で、建築会社や不動産会社に聞いたり、インターネットで調べたり、市区町村役場には地域の計画やハザードマップがあるので、事前に情報収集をしましょう。
価格だけでなく、駅からの距離や地盤の状況なども考え、土地と家の造成費用のバランスを考えることで、無理なく家づくりを進められます。
家づくりにかかる予算を知る
希望通りの家を建てるためには、建物以外にも家具や電化製品の購入費用も考えましょう。予算を管理し、お金をかけるべきポイントと節約すべきポイントを見極めることが大切です。
住宅の工法・性能の理解を深める
家の使い心地や維持のしやすさ、さらには光熱費などにも影響するため、家を建てる素材や構造たとえば木造、鉄骨造、木骨造など、断熱性能や耐震性能といった、家の性能を知る必要があります。
家づくりは、大切な財産になるだけでなく家族が心地よく過ごすための場所を作り出すという大きな役割を持っています。
たとえば、インターネットや住宅展示場での見学で情報収集をおこない、安全性や環境負荷、費用対効果など自身の日常生活や価値観に沿ったものを選びましょう。
頭金と住宅ローンの借り入れ額を決める
新しい家を建てるときには、家の値段だけでなく、契約手数料や火災保険料がかかるため、無理のない範囲で頭金の支払いを計画をする必要があります。
頭金を支払うことで住宅ローンの額を少なくできますが、頭金を増やしすぎると生活費や急な出費に備える現金がなくなってしまう可能性もあります。
また、借りるお金が多ければ多いほど、返すお金も大きくなるので、自分たちの日常生活に合った計画を立てることが大切です。
住宅展示場に行き、家の間取り・デザインのイメージを固める
家づくりの初期段階には住宅展示場に足を運ぶことで、家づくりのヒントを得られます。住宅展示場では、多くの住宅メーカーが各々の特色を活かした家の間取りやデザインを展示しています。
部屋の広さや配置、素材感などを体感できるので、自分たちの理想とする暮らし方にあった家が見つかる可能性があります。
また、スタッフに相談することで、自分たちが気づかなかった視点を促してくれるため、家づくりのイメージをより具体的に固めることができます。
建築会社を決める(約12ヶ月前)
ハウスメーカー・工務店・設計事務所といった建築会社に相談する
自分たちの理想とする家を形にしてくれる建築会社を決めるのが、家づくりの大切な一歩です。相性の良い担当者を見つけることで、理想とする住宅へとつながります。
興味を持ったハウスメーカーの住宅展示場を訪れてみることや、もし仮に地元で理想の家を見つけられたら、理想の家を建てた会社を住民に聞いて問い合わせてみるといった行動から始まります。
間取りの設計と見積もりを依頼する
家づくりを進める約8~6カ月前には、厳選した工務店や住宅メーカーに基本設計のプランと見積もりを依頼します。見積もりの曖昧な点については事前に問い合わせて細かく見積もりを提示してもらえる業者を選びましょう。
自分たちの理想を具現化するためには、家族一人ひとりの要望を洗い出し、間取りの打ち合わせで伝えることが大切です。
各社の見積もりを比較検討する
自分が望む条件や予算などをまとめ、複数の建築会社に同じ条件で見積もりを依頼することで、公平な比較ができ、業者ごとの料金差や提供サービスを理解することができます。
金額だけでなく、提案内容、応対の良さ、信頼性を比較し、各社から提示された見積もりがあなたの希望や予算に合っているかを確認することが大切です。 もし、予算を超える場合は、見積もりの中で優先度の低い項目を見直すなど、工夫してみてください。
見積もりが提示されたら、細部に至るまで目を通し、不明な点は業者に問い合わせましょう。
家づくりの流れ(約11〜8ヶ月前)
敷地調査と地盤調査をする
敷地調査:用途地域・敷地の形・面積・法規制を調べる
敷地調査は、自分の持っている土地に建てられる建物の種類や用途地域を調べます。敷地調査をおこなうことで、自分の理想の家を建てるための土地が適正なものか確認できます。
また、土地の大きさや形状を知ることで、家の設計や建て方が変わることもあります。建築基準法や都市計画法によって、建物の面積や高さ、敷地の使用方法が法律によって制限されていることもあるので確認する必要があります。
地盤調査:地盤の強度を調べる
地盤が弱ければ、家が沈んだり傾いたりする危険があるため、家を建てる前に地盤の強さを調べる地盤調査が大切です。
地面に鉄の棒を突き刺したり、ねじ込み、地盤の強度を測ることで、建物が安心して建てられる強い地盤なのか、地盤改良が必要な弱い地盤なのかを判断することができます。
住宅ローンの事前審査
金融機関に自分の職業や収入の情報を提供して、見積もり金額に見合う住宅ローンを組むことができるかを確認しましょう。
事前審査は3~4日程度で結果が出ることが多く、事前審査が通れば、後の流れは順調に進む可能性が高まります。
建物完成前の支払いを自己資金でまかなえない場合はつなぎ融資を受ける
つなぎ融資は、建物が完成する前に必要なお金を借りるもので、住宅ローンと同じ金融機関から受けるのが多いです。しかし、手数料がかかるため利用するときは内容を理解してから利用しましょう。
新築の家や土地を購入する場合、最初につなぎ融資を受けて、住宅ローンが実行されたら融資で一括返済するという方法もあります。
土地を購入する
土地の形状や周辺環境によって、建てられる家の種類や間取りが変わってくるため、早めの段階で土地を決めることが必要です。銀行からローンの事前審査の承認が出たら、売買契約をおこないます。
まず、不動産会社からの説明を受け、納得したら契約に進みます。契約時には、土地の価格の一部を手付金として支払います。手付け金は、契約後にキャンセルしても返ってくるものではないので注意が必要です。
家づくりの流れ(約8〜7ヶ月前)
間取り・外装・住宅設備の仕様を決める
建物の外観や間取りや外装、住宅設備にこだわりがある場合、設計担当者と一緒に話し合い、自分たちの理想とする間取りを作り上げていきましょう。早めに決めておかないと、後で変更がきかない部分が出てきたり、打ち合わせの段階が元に戻ってしまうこともあります。
心の中で描いていた家が具体的な形になってくると、ワクワク感が増してきます。 自分たちの理想とする家が現実のものになってくるのを見守りましょう。
内装・インテリアを決める
家づくりの進行に合わせて、内装やインテリアを決めます。インターネットや雑誌を見たり、実際のモデルハウスを訪れたりすると、自分の好みが見えてきます。
たとえば、自然の風味が感じられる「ナチュラル」や日本の伝統を取り入れた「和風」があります。揃えたいアイテムがあったとしても、部屋の雰囲気に溶け込む色やデザインか、また触り心地も考えて選ぶことも大切です。
家づくりの流れ(約6〜5ヶ月前)
概ね建設開始から半年前くらいの時期になると、建築工事請負契約を結びます。契約は家づくりを任せる会社と、自分たちの間でおこないます。契約が決まると、住宅ローンの本審査に移行します。本審査の結果が出るまでの期間は約1ヶ月と計画的に動くことが求められます。
本審査は家を建てる為の資金を借りるための審査で大切な流れで、仮に建築に必要な費用を借りることができなければ、家づくりが頓挫してしまいます。
建築工事請負契約を締結する
契約を結ぶことで、工事の種類や、タイミング、かかる費用を確認することができ、納得の上で工事を進めることができます。
建築工事請負契約は、家を建てることを決めた後、ただちに結ぶものではなく、家の間取りなどを上手く決め、確定した後に結ぶことが多いです。
住宅ローンの本審査を受ける
建築工事請負契約を結んだ後、住宅ローンの本審査の手順に進みます。 本審査とは、借り手の収入や健康状態など、金融機関が借り手が住宅ローンを返済できるか、事前審査よりも詳しい情報が評価されるため、借り手は準備が必要です。
本審査に通過することができたら、住宅ローンの契約に進むことができます。契約は大抵、金融機関の店舗で直接おこないます。
建築確認申請を受ける
建築確認申請は「私たちは特定の場所に、法律を守って建物を建てます」と役所に伝える行為であり、役所から建築確認済証が発行されなければ、住宅ローンの申し込みができません。
また、建築確認申請をした後に間取りや設備を変更したい場合は再度、役所に申請をおこなう必要があります。
家づくりの流れ(約4ヶ月前〜)
地鎮祭と工事の近隣挨拶をする
家を建てる流れの一つに、地鎮祭と工事の近隣への挨拶があります。まず地鎮祭とは、新たに家を建てるための土地で、土地の神様に対し安全な工事が進むようお願いをする儀式のことです。
また、工事に当たり騒音や振動などで近隣の方々には多大なご迷惑をおかけすることになるため、工事開始前には、近所の皆様に挨拶をして理解を求めることが大切です。
基礎工事・建方が始まる
家づくりの初期段階でおこなわれる基礎工事は、家を支える大切な部分です。地面と家との接点である基礎ができていなければ、家全体が傾いたり大きな問題につながることもあります。天気に左右されやすい工程ですので、丁寧な作業が求められます。
基礎工事が終わると次は建方工事です。家の骨組みを作っていく工程で、大工さんが活躍する部分です。家の基礎の上に、柱や梁を立てて家の形を作っていきます。工程を経ると、家が形になってくるので、工事の進行を肌で感じられる瞬間でもあります。
外装・内装・電気工事へと進む
家の基本的な形が形成された後は外装工事が始まります。家全体を湿気から守るための防水シートが施され、シートの上から外壁材を取り付けていきます。外装工事が終わると、内装工事に移ります。
電気配線工事を先に初めて、内装工事に進みます。電気工事は、コンセントやスイッチ、照明器具のための配線がおこなわれます。一方、内装工事では、壁や天井の作り込みが進み、家の中がより具体的な形になっていきます。
そして最後に床工事がおこなわれ、掃除をして全体の作業が完了します。各工程は専門の職人たちによって、丁寧におこなわれます。
建物完成・竣工検査を受ける
施主検査は、引渡し前に必ずとるべき手段で、施主検査で建物全体を見て不具合がないか、設計通りに、そして約束した通りに家が建てられているかチェックする必要があります。
不具合があった場合には、建築会社に補修を依頼しましょう。
引き渡しが終わり融資が実行される
「引き渡し」とは、自分が買った物件の所有権が正式に自分に移る日のことを指します。 物件が自分のものになったことを確認したうえで、融資実行されて自分が所有することになった物件を担保に、金融機関からお金を借りられます。 通常は、引き渡し日と融資実行日を同日に設定することが多く、住宅ローンを契約した金融機関から、約束されていたお金が自分の口座に振り込まれます。
家づくりの流れ
住宅設備の使い方の説明を受け入居する
建設会社の担当者から、エアコンや給湯器、換気扇の使い方の説明を受けることで、快適な生活を送れます。
また、設備の取扱説明書も受け取って、必要なときに確認できるようにしましょう。
住み始めて不具合がないか定期点検を受ける
新しく家を建てたあと、問題がないかチェックするための定期点検が大切です。住み始めてから出てくる問題の多くは定期点検で発見できるため、住宅会社から定期点検のお知らせが来たときは、必ず受けるようにしましょう。
たいていは入居後の3ヶ月、6ヶ月、1年、3年、5年、10年ごとに点検をおこないます。定期点検では、特定の期間毎に問題になりえる点を考えてチェックリストを作り、チェックをおこないます。
定期点検をおこなうことで、家を長く快適に使うためのアドバイスを受けたり、大切な家を守れます。
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