新築一戸建ての値段相場はいくら?年収はどのくらいが望ましい?
新築一戸建ての購入を検討している場合は、実際に必要な予算を知るべきです。新築一戸建てに必要な予算は、地域や販売会社、家の素材などによって異なります。
本記事では、新築一軒家の価格相場や諸費用、必要な年収の目安について解説します。マイホーム購入に必要な費用を明確にしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。(情報はすべて2023年8月時点の内容です)
新築一軒家の注文住宅の価格相場は平均3,572万円
エリアによる相場の違い
全国:建売住宅は3,605万円、土地付き注文住宅は4,455万円
建売住宅の場合、内装や間取りなど自分で選べないため価格が抑えられます。特定のプランやデザインで大量に建てられる場合が多く、同じような家が複数存在することもあります。建築費用や材料の調達を効率化することで、安い費用で建築できます。
土地付きの自由設計ができる注文住宅の場合、自分の好きなデザインや間取りを選べる反面、設計や建設の各工程に費用がかかり、平均価格は建売住宅より高額になります。
首都圏:注文住宅は3,899万円、土地付き注文住宅は5,133万円
首都圏は日本の経済や文化の中心であり、人口密度が高く、都市部の土地が高いため、住宅を建てる費用も高額になります。
首都圏には東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県などの周辺地域が含まれます。交通の便がよく、商業施設や文化施設などが充実しているため、多くの人からの人気があり、土地や住宅の需要が高いため、価格が上昇します。また、地盤の改良や法規制など都市部特有の課題もあるため、追加の費用がかかる場合があり、土地価格が高い場合、頭金として用意する金額も高額になります。
近畿圏:注文住宅は3,778万円、土地付き注文住宅は4,659万円
近畿圏は、日本の中西部に位置しており、経済的にも文化的にも大切な地域であり、日本の伝統文化や歴史的な遺産が豊富に存在します。
近畿圏には、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県などが含まれます。
東海圏:注文住宅は3,650万円、土地付き注文住宅は4,379万円
東海圏は、日本の中部地方に位置しています。東海圏は経済的にも工業地帯としても大切な地域であり、観光地としても人気です。
東海圏には、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県などが含まれます。
参照元:2021年度フラット35利用者調査(住宅金融支援機構)
販売会社による相場の違い
ハウスメーカー:坪単価30万~90万円
全国展開している建築会社がハウスメーカーです。たとえば、一条工務店やミサワホームなどが有名です。
ハウスメーカーの坪単価が幅広いのは、建築する家の大きさや素材、設備、間取りなどによって価格が変動するためです。たとえば、大手のハウスメーカーで、こだわりの家を建てる場合、坪単価は80万円前後になりますが、費用を抑えたい場合は、規格型住宅という、設計やプラン内容が決められた標準的な仕様や間取りを持つ住宅を選ぶと坪単価は30万円程度になる場合もあります。
ハウスメーカーを選ぶ時には、価格だけでなく、自分たちの必要性に合った会社を見つけることが大切です。
工務店:坪単価50万円~(大手ハウスメーカーの約7割)
工務店とは、小規模な建築事業者や地域密着型の建築業者のことです。
工務店の坪単価は約50万円からとなり、大手ハウスメーカーの平均的な坪単価の約7割になります。
パワービルダー:坪単価40万~60万円
ハウスメーカーや地元の工務店が家を建てる費用とくらべて、パワービルダーは安く建てることができます。費用を抑えるために事前に計画された設計や間取り、庭や車庫を含んで設計します。
パワービルダーは価格を抑えるために品質を犠牲にしているわけではなく、必要な機能は備えています。
工法による相場の違い
木造:平米単価40万~60万円
木造住宅は日本伝統の建築方法で、主に木材を使用した住宅です。木造住宅は、世界中で古くから使われてきた伝統的な建築方法であり、多くの国で建築されています。
木は断熱性や調湿性に優れており、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができ、壁や柱が多い設計のため、耐震性が確保できます。広いリビングや吹き抜けのデザインが採用できないなど、自由度は限られます。また、木材の品質や、施工をおこなう職人さん次第で、仕上がりにばらつきが出ます。
鉄骨:平米単価45万~70万円
鉄骨造の家は、重厚感があり同じ大きさの木造住宅にくらべて柱や壁の数を減らすことができます。広い空間が確保できることによって、開放的な間取りや大きな窓が設けられます。
建築にかかる費用は木造よりも高額です。木造とくらべ、一戸建ての家の平均的な広さは30坪だと、価格の差は約150〜300万円です。
鉄骨住宅の特徴を紹介します。
耐久性と耐震性 | 強靭で耐久性がある 家が長寿命 地震や自然災害に高い耐震性 |
間取りの自由度 | 構造的に広い空間を支えれる 間取りの自由度が高い |
細い柱と大きな窓 | 建物内部の空間が有効活用しやすい 自然光を多く取り込みやすい |
デザイン | 外観デザインが洗練された印象 |
短期間の施工 | 施工期間が短い |
長寿命とメンテナンス | 劣化しにくく、長期間にわたって強度を保つ 修理、修繕が簡単で 建物の寿命を延ばす |
新築の一戸建てを買うのに必要な購入費以外の諸費用
手付金:購入代金の5~10%程度
手付金は、住宅を確実に購入する意図を示すために、契約時に売主に一時的に支払うお金のことです。
新築一戸建ての購入価格が4000万円の場合の、手付金は200〜400万円です。しかし、手付金を支払った後に、購入契約が取消しなった場合は、手付金は返還されないので注意が必要です。手付金は購入の意志を示すものなので、費用を無駄にしないよう慎重に進めましょう。
固定資産税:固定資産税評価額の1.4%
住宅を所有している人は、毎年かかる固定資産税の支払いをおこなう必要があります。
固定資産税の計算方法は、家や土地の価値に1.4%をかけることで計算できます。固定資産税評価額は、地域や建物の種類、形状、大きさなどで決まります。
都市部で家を所有している場合は、都市計画税という追加の税金も支払う必要があります。税金の費用は、固定資産税評価額の0.3%です。
初めから固定資産税を含めた家の購入費用を把握することによって、後々の経済的な負担を減らすことができます。
参照元:固定資産税(総務省)
不動産登記費用
登記をすることによって、家の所有者であるということが国に認められます。
登記費用は、家を買った証明として、土地や家の所有権を国の公的な記録、つまり登記簿に登録するための費用です。
登記作業は複雑で、専門的な知識が必要なため、ほとんどの人が司法書士に依頼します。司法書士に依頼する場合の依頼費用は、約10〜15万円です。登記申請をおこなう場合に必要な書類や、印紙を貼るための印紙代や、登録を受けるために国に支払う登録免許税が必要です。
印紙税:200円~3万円程度
印紙税とは、契約書や証書など特定の文書を作成するときにかかる税金です。印紙税は、物件購入の契約を結ぶ時に作成する契約書で200円~3万円の費用がかかります。
印紙税を納付しないと、遅延税という追加の費用が発生するため、正しい金額を納付するように気を付けましょう。
不動産売買契約時の印紙代の具体例を紹介します。(2023年7月現在)
契約金額 | 印紙代 |
100万円を超え 200万円以下のもの | 200円 |
1千万円を超え 5千万円以下のもの | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 3万円 |
住宅ローン関連費用:物件購入額の3~7%程度
購入する前に、自己資金と必要な諸費用を見くらべて、無理なく住宅を購入できる計画を立てましょう。
物件価格だけでなく、住宅ローン関連の費用も把握する必要があります。具体的には、金融機関への手数料や借り入れ年数によって異なり、年数が長い場合は、手数料が高くなります。
利用する住宅ローンの種類によって、費用の額が変わるので、事前に金融機関に確認し、具体的な計画を立てましょう。
不動産取得税:固定資産税評価額の3%
不動産取得税とは、特定の土地や家を手に入れた時に、県に支払う税金のことです。
地域や建物の広さなどから導き出される数値の、固定資産税評価額を基に計算され、評価額の4%が税金です。
2023年7月現在は軽減税率として3%が適用されます。
参照元:不動産取得税(総務省)
仲介手数料:売買価格の3%程度
仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸取引において、不動産仲介業者が提供する仲介サービスに支払われる手数料です。
仲介手数料は、物件の売買価格の約3%で、計算方法は、「売買金額×3%+6万円」に消費税が加算されます。たとえば、1000万円の一戸建て購入する場合、仲介手数料は「1000万円×3%+6万円」に、消費税が上乗せされた306万円になります。
仲介手数料には法律で定められた上限があるので、計算された金額が上限内であるか確認しましょう。また、仲介手数料は物件の購入だけでなく、売却時にも発生することを把握しておくことが大切です。
申込証拠金:1万円~10万円程度
申込証拠金とは、物件購入時に、購入希望者が売り手に支払う費用のことで、自分が物件を買いたいという強い意志を伝えるものです。必須ではないですが、支払うことで他の購入希望者よりも優先的に物件の購入交渉が進められます。
気に入った物件を見つけたけれど、まだ住宅ローンの審査待ちなどで購入ができず遅れる場合、一旦申込証拠金を支払うことで、物件を他の人に取られずに確保できます。ただし、申込証拠金の有効期限は、約1週間〜10日で、法的な強制力はないため、売り手は他の購入希望者との交渉を進めたり、物件を売ることもできます。
新築マイホームを購入したいなら年収は500万~600万円は必要
返済負担率は年収の25%以内に収める
返済負担率とは、年間の家計の中で返済に充てる金額の割合で、自己の年収の25%以内におさめることがおすすめです。返済負担率が高すぎると、毎月の生活が苦しくなり暮らしに影響が出てしまいます。
年収に対する返済額の割合を計算する場合は、給料から税金が引かれた手取り収入を基準にすることが大切です。
返済金額を把握するなら住宅ローンシミュレーターがおすすめ
シミュレーターは、返済額や期間、金利などの条件をあらかじめ設定することによって、実際の返済金額を把握することができる便利な機能です。銀行や金融機関のウェブサイトや不動産関連のサイトなどで提供されており、借り手はシミュレーターを利用して、自分の希望条件に合ったローンの内容を検討することができます。
新築一戸建ての購入を計画している方は、一度住宅ローンシミュレーターを試してみましょう。
住宅ローンシミュレーターの内容を紹介します。
返済額の計算 | 借り入れ額や金利、返済期間に応じて月々の返済額を計算 返済額が収入や家計に合っているか確認 |
ローン返済スケジュール | 毎月の返済額や元本と利息の割合 |
金利の変動シミュレーション | 変動金利型の住宅ローンの場合、金利変動による返済額の変化確認 |
フラット35などの特定のローン商品 | 特定のローン商品に合わせた計算 |
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