注文住宅の新築で後悔ばかりは避けたい!よくある後悔例とその対策


数千万円という高額なお金をかけて家づくりをするのに、後悔は避けたいものです。しかし、実際に注文住宅を建てた方の中には「家を建てた後悔ばかりで毎日もやもやしている」や「後悔してしまうから朝目覚めても憂鬱だ」などの声があります。

 

注文住宅で後悔することをなるべく避けるためには、よくある後悔例を事前に把握して対策する必要があります。

 

本記事では、ジャンル別に注文住宅でよくある後悔例と対策を紹介します。「やっておけば良かった」や「取り入れるべきだった」という後悔がないように家づくりを始める前に把握しておきましょう。

 

 

【土地・立地】のよくある後悔例と対策

 

【土地・立地】のよくある「後悔例」

土地を先に購入したら希望の間取りの家が建てられなかった

土地購入後に希望の間取りの家が建てられなかったという経験をした方は多く、問題の原因は、土地を先に購入したことで発生しています。

 

たとえば、3階建ての一戸建てを希望する方が、低層住宅のみしか許可が出ていない土地を購入した場合は希望している家を建てることができません。

 

土地を購入したら隣の家との境界線トラブルに巻き込まれてしまった

売却前の段階で確認されるべきですが、見逃されている場合もあります。たとえば、隣の家の所有者が、あなたが購入した土地の一部を不当に利用していることが契約を終えた引き渡し後に発覚したり、柵や植栽の位置について問題になることがあります。

 

購入後に解決策を申し入れても、隣の家の所有者が越境を認めながらも、撤去はすぐにおこなうことができないと反論する場合もあります。

 

近隣の道路が思ったよりも交通量が多かった

平日や休日だけでなく昼や夜、時間帯ごとの交通量を確認することをおすすめします。入居後に気づくこととしては、「思っていた以上に交通量が多くてうるさい」や「朝夕の通勤時間帯は車の音が気になり落ち着かない」などがあります。

 

小さな子どもがいる家では、交通事故の危険性も高まるため、子どもが大きくなっていくなかでの動きも想像したうえで土地を購入すると安心して暮らし続けることができます。

 

 

後悔しないための「対策」

希望が実現する土地か見極めるために住宅会社と一緒に土地を決める

たとえば、土地が公共の道路や公共施設の一部の場合、建築に制約がでることがあります。また、土地が田んぼの跡地の場合は地盤が不安定なことが多いです。家を建てるには、追加の地盤改良や強度の強化が必要なこともあります。

 

住宅会社は、地域の土地を把握しており、建設に制約がある場合や地盤の状況が良くない場合は知らせてくれます。

 

住宅会社が調査する内容の例を紹介します。

 

所有権確認 土地の所有者や登記簿上の権利関係を確認
地目の確認 建築制限や用途制限などの確認
土地の状態調査 土地の地盤や地形、地勢などの状態を調査
制約事項の確認 地方自治体の建築基準や条例、近隣住民からの制限など

交通量や賑やかさを確認するために時間や曜日を変えて実際に街を歩く

朝の通勤時間、昼、夜だけでなく、平日や休日の各時間で街の雰囲気は変わるのか、車や公共機関で通勤や通学をする場合は時間帯の込み具合を自分の目で確認することで、納得して家を建てることができます。

 

一度の訪問だけで住む場所を決めてしまうと、住んでから気づく問題に悩むことがあります。たとえば、昼間は静かで落ち着いて見えた道路も、夜になると車の交通量が増えてうるさかったり、週末には人でにぎわうことなどがあります。

 

交通量や騒音だけでなく、周りの建物や日当たり、周辺住民の様子なども見て把握しておくと、将来の生活をより具体的に想像できます。

 

境界線トラブル回避のために隣地境界線を確認してもらう

気になる土地が見つかった時は、隣地の境界線を自分の目で確認しに行き、問題を見つけた場合は、解決したうえで土地を購入することをおすすめします。

 

隣地所有者と話し合い、問題を共有したうえで、お互いに納得できる解決策を探しましょう。結果を文書にまとめ、双方で交換することで、入居後に問題が起きたときには文章にもとづいて解決することができます。

 

隣地との境界がぼんやりしていると、住み始めた後に問題が発生することがあります。たとえば、隣地の雨どいが自分の土地にはみ出している状態で購入し、放置し続けた場合、雨水が敷地に流れ込み、地盤沈下の原因になります。

 

【会社選び】のよくある後悔例と対策

【会社選び】のよくある「後悔例」

断りづらくて契約してしまったが間取りに納得いかなかった

一度ハウスメーカーや工務店と契約をした場合、後から変更するのはむずかしいため、少しでも不安や不満を感じたら、一度契約を見送ることが大切です。

 

間取りは、趣味や生活習慣に大きく影響するので、自分の理想の間取りを取り入れることができなければ、納得する家を作れません。たとえば、部屋数や収納空間の不足、キッチンやお風呂の配置が不便などの問題がある場合、日々の生活がストレスになってしまいます。

 

一社目の会社と契約してしまい予算オーバーになった

契約した会社との打ち合わせで、想像以上に多くのオプションを取り入れた結果、予算の上限を超えてしまうという問題が発生することがあります。

 

家を作っている途中で予算オーバーに気づいても手遅れなため、資金を工面し追加予算を組むしかなくなります。最初の打ち合わせで、具体的な上限金額を伝えて、範囲内で希望を叶えるためのつくりを考えましょう。

 

価格の安さだけで会社を選んだら夏暑く冬寒いため光熱費が嵩んでしまった

価格だけでなく、家の性能や長期的な費用も考え住みやすい家を建てることが大切です。

 

初期費用ばかりを重視して、安い見積もりを出す建築会社を選ぶのは危険です。具体的には、建築費用を安くした結果、断熱性能が低い住宅になることがあります。冬は寒く、夏は暑いことで、光熱費が思った以上にかかる場合があります。

 

後悔しないための「対策」

断りづらくても一回目の打ち合わせの場で仮契約や本契約をしない

契約は急がずに、何社か相談し、気になる会社と再度打ち合わせをするなどしましょう。相性が良く信用できると感じるまで契約するのは待つことがおすすめです。

 

初めての打ち合わせで、すべての情報を把握し伝えることはむずかしいため、本当に自分の求める家を得られるのか、予算内で建てることができるのか、といった大事な内容を見落とす可能性があります。

 

建築会社との関係性が築けていない段階で契約をすると、後から変更したいと思っても、変更できず後悔したり納得いかないまま進めることになり不満が残ります。

 

プランに対して妥当な価格か知るために複数の会社を比較する

金額の安さだけでなく、各項目が分かりやすく記載されているか、余計な項目が追加されていないかなどを確認してくらべることで、納得した価格と信頼できる会社を見つけられます。

 

各会社が出してくる見積もりをくらべることで、費用だけでなく内容の違いが分かります。また、他の会社とくらべることで、必要なオプションなのか疑問に思う部分や理想の家にするために、取り入れるべきオプションを知ることができます。

 

住み始めてからの住み心地やコストも考慮して判断する

建設後に払い続ける費用を把握したうえで、断熱材や耐震性能などに重きをおいた家を建てることが大切です。

 

たとえば、断熱材を取り入れることで、冷暖房費を節約するだけでなく、空間を快適に保つことができます。また、耐震性能を重視することで地震などの被害を最小限に抑えて、命と財産を守ることができます。

 

【間取り・広さ・動線】のよくある後悔例と対策

【間取り・広さ・動線】のよくある「後悔例」

子どもが増えて子ども部屋が足りなくなった

子どもの成長や家族構成の変化を考えて部屋数や間取りを決めることが大切です。一方で、子ども部屋の必要な数は把握しづらいです。たとえば、一人っ子だった家庭が後に二人目や三人目の子どもが生まれて、子ども部屋が足りなくなる事もあります。

 

子ども部屋は子どもが寝るだけでなく、学習や遊びの場、個人的な空間として利用されるため、子どもが大きくなるにつれて1人1部屋が望ましいです。しかし、1人1部屋を実現するためには広い家が必要となり、建築費用が高くなります。

 

また、将来子どもが独立して家を出た場合に空き部屋になる問題もあります。子ども部屋を作る場合は、広い部屋を2部屋に仕切れるように作る方法もおすすめです。

 

家事・生活動線が悪くてストレスを感じてしまった

住みやすい家を作るためには、家族全員の生活習慣を把握して、生活する中でよく使う通路や行き来する家事の空間を確認しましょう。リビングの配置や収納空間の確保など、生活習慣にもとづいて考えることが大切です。

 

たとえば、キッチンとリビング、洗濯空間が遠く、行ったり来たりの動きが多くなると、家事が次々と溜まってしまい効率が悪く疲労を感じます。人が通るたびにテレビが見えなくなったり、ソファの周りを常に人が行き来するようなつくりでは、リビングでのんびりくつろぐことができません。

 

玄関から見える場所に浴室やトイレがあると、訪問客を迎えたり、入浴やトイレのタイミングをはからなくてはいけないストレスがうまれます。

 

収納スペースが足りなくてモノが溢れかえってしまった

家を建てた後で収納空間が足りずに困るということが考えられます。たとえば、キッチンの調理器具や食器、保存容器などの収納空間が足りないことで、キッチンが片付いていない印象になります。

 

壁面収納や隙間に入れることができる引き出し式の収納を利用したり、高さが調節ができる棚や収納ラックを使用し、空間を効果的に使うなどの対策が考えられます。

 

クローゼットは、各部屋の収納の数や大きさが不十分で、衣類や季節ごとに必要な物を収納できないことがあります。対策としては、クローゼットの数や大きさを設計の段階で検討し、必要な収納空間を確保することや、クローゼットの中に棚や引き出しを取り付けることで、効率的に収納できる工夫をおこなうなどの方法があります。

 

外からの視線を考えておらずカーテンを開けられなかった

カーテンを開けて自然光を取り入れつつ、視線から生活を守ることは大切ですが、都市部では、建物が密集していて外からの視線が避けられない場合があります。

 

大きな窓があるリビングや寝室で、思う存分くつろぎたいのにカーテンを閉めっぱなしにせざるを得ない生活は、ストレスになります。

 

カーテンを常に閉じていると、部屋の中に閉塞感がたまり、住み心地を損ないます。家を建てるときに、周囲の環境を考えて窓の位置や大きさを決めることが大切です。たとえば、人通りが多い道路側には大きな窓を設置せず人目の少ない方に設置したり、隣の建物と距離が近い場合は、窓の位置や角度、窓ガラスの透明度を検討する必要があります。

 

カーテン以外にも、サンシェードやブラインド、生垣やフェンスを取り入れることによって人目を気にすることなく家の中で解放感がうまれるので家の外観にあった方法で取り入れることもおすすめです。

 

コンセントの数や位置が不便で使いづらかった

家具の配置や生活する場所によってはコンセントが足りなかったり、使いにくい位置にある場合があります。特に、家具に隠れてしまったり、高すぎる位置にある場合は、家電製品の充電や使用がむずかしくなります。

 

各部屋だけでなくキッチンやお風呂など家電を使ううえでコンセントは必要で、キッチンでは、料理中に使う電動の調理器具やケトルなどを使用するためのコンセントが必要です。

 

後悔しないための「対策」

子供の数や成長に合わせて間仕切りできる子供部屋にする

子どもは成長とともに部屋の使い方や必要な空間が変わるため、間仕切りができるタイプにすることがおすすめです。

 

たとえば、子どもが小さい頃は兄弟で遊ぶために使っていた場所を、子どもが成長して各部屋が必要になった時期に仕切ることができます。部屋を仕切ることで、宿題や趣味に没頭する空間としての役割も果たします。

 

動線が考えられた間取りにするために家族の行動パターンを担当者と共有する

一日の動きを、家族で話し合って紙に書き出すと効率のよい間取りがイメージしやすいです。たとえば、朝起きてから家を出るまでや、帰宅後にお風呂に入り寝るまでの動きを洗い出すと、家の中での移動範囲を把握できます。

 

話し合った内容を設計する担当者と共有して助言などを取り入れたうえで、一緒に間取りを考えると住んでからの後悔を避けることができます。

 

持っているモノの量と使うシーンから逆算して収納スペースを設ける

物を増やしすぎないよう心がけることが大切です。無計画に買い物をしてしまうと、多くの収納空間を確保しても足りなくなります。購入前には必要性を確認し、必要な物だけを選んで購入しましょう。

 

物の量に合わせて収納空間を設けるのではなく、持っている物の本当に必要な量を見極めることで、収納空間を有効に使えます。頻繁に使用するものや本当に大切なものを選び、不要な物を整理することで、部屋全体がすっきりと片付き、生活も快適になります。

 

隣接する家と向かい合う面にはプライバシーを重視した窓を選ぶ

窓に工夫を取り入れると、自分の生活を守るだけでなく外からの視線を気にせずにリラックスできる空間を作り出すことができます。隣の家や目の前の家との距離が近い場合、窓の選び方一つで生活の快適さが変わってきます。

 

隣の家と向かい合う面に窓を設置する場合は、近くの家から自分の家の中が見えにくい窓を選ぶことが大切です。たとえば、上部が透明で下部が不透明な窓や、視界を遮る柄入りのガラスを使った窓などがおすすめです。また、窓の位置を少し高めに設置することで、目線を遮ることもできます。

 

各部屋で使う家電の数・サイズ・位置を整理する

安全性と使い勝手を考えたうえで、重い家電は安定した場所に設置し、転倒や事故の危険性を減らしましょう。

 

家電は機能性や使い勝手だけでなく、空間にも影響を与えます。部屋のサイズや配置に合わせられていない場合、大きな冷蔵庫や洗濯機を配置したい場所に置けなかったり、ドアが小さすぎて家の中にソファーなどの大きな家具が入れられないなどの問題がおこります。対策としては、家具や配置したい場所、ドアのサイズをすべて測り、寸法を把握したうえで購入や設計を進めていくことが大切です。

 

家電のコンセントの数や位置も考える必要があります。季節ごとに使う家電のコンセントが足りないと、生活の中で困ることが増えます。使う頻度や場所を把握したうえでコンセントが必要な場所を確認しましょう。

 

スイッチの位置は、目の高さに配置するのがおすすめです。目の高さだと見つけやすく、ドアの近くや出入り口付近、部屋の主要に利用する場所に配置すると、部屋に入った時に照明を操作できるため、利便性が向上します。

 

【費用・住宅ローン】のよくある後悔例とその対策

【費用・住宅ローン】のよくある「後悔例」

予算オーバーのまま契約して毎月の返済が苦しくなった

契約前に、資金計画の見直しや住宅ローンの事前審査を活用して、返済できる額かを確認することが大切です。

 

理想の家を手に入れたい気持ちから、予算を超えてしまうかもしれないと感じつつも、契約を進めてしまった場合は毎月の返済額が重荷となり、生活が窮屈になるなどの問題が発生します。

 

支払いが厳しいかなと感じた場合は、現在の収入と支出を詳細に見直して、返済にあてることができる金額を再度確認しましょう。

 

新築費用は予算内に収めたが、メンテナンス費用が高くなってしまった

家を建てるときには、建設費だけでなく、長期的な修繕や修理の費用も把握しておくことが大切です。修繕積立金を見落とすことなく貯めていきましょう。

 

修繕積立金とは、家が老朽化するのを防ぎ、長く快適に住むために必要な費用で、外壁の塗り替えや配管設備の維持管理など、継続的にかかる費用です。

 

10年ごとに壁や床、水回りの設備などを修繕することを考えると、費用が高額になります。一つ一つの金額は大きくなくても、修繕が積み重なると数百万円にもなることもあります。

 

具体的な修繕内容や修理費用について紹介します。

 

屋根修理 屋根の材料や損傷の程度によって異なり、瓦の修理や交換、屋根の防水工事など 約1万円~大規模な場合は数百万円
外壁修理 ひび割れや塗装の修繕、壁材の交換など 約1万円~大規模な場合は数百万円
配管修理 漏水や詰まりの解消、パイプの交換など 約5000円~大規模な場合は数十万円
電気系統修理 配線の修繕や交換、コンセントやスイッチの交換など 約5000円~大規模な場合は数十万円
水回りの修理 パーツの交換や詰まりの解消、水漏れの修理など 約5000円~大規模な場合は数十万円

建物にかかる費用しか考慮できておらず、外構の予算が足りなくなった

建物本体にかかる費用だけでなく、駐車場や庭など外構の費用も把握しておきましょう。

 

外構工事は庭作りやフェンスの設置、駐車場の舗装など、家の外側を美しく便利にするための工事です。外構費用を最初から計画に組み入れていなければ後から追加することになり、予算が足りなくなる可能性がでてきます。

 

外構工事の内容とかかる金額の目安を紹介します。

 

敷地の整地 地盤の改良や地形の修正、不要な植物や障害物の撤去など 住宅本体費用の約10%
駐車場や車庫の設置 アスファルトやコンクリートの舗装、駐車場の境界や標識の設置など 1台約10〜15万円/2台約20万円〜30万円
エクステリアの設置 門やフェンス、庭の石畳やタイル敷き、門柱や照明器具の設置など 植栽や庭の整備込みで約100~300万円
植栽や庭の整備 草花や木の植栽、芝生の敷き込み、庭の造成や水路の設置など エクステリアの設置込みで約100~300万円

後悔しないための「対策」

土地代・建設費・外構費・ランニングコストを含めて資金計画を立てる

初めに土地の費用を把握しましょう。また、建物の設計や材料選びによって増加する建設費や庭づくりにかかる費用、駐車場などの外構費の確認も必要です。

 

予算内に収まるよう計画するだけでなく、水道光熱費なども計算に入れて考えましょう。水道光熱費や修繕費用など、毎月必要な費用は、数多く存在します。

 

住宅ローンの返済負担率は14~20%を目安にする

月々の返済負担率を把握したうえで、借り入れることが大切です。月々の収入に対する住宅ローン返済額の割合を返済負担率と言います。返済負担率を抑えることが返済計画を成功させるためには大事なことです。

 

収入の大部分を住宅ローン返済に充ててしまうと生活費部分が圧迫されて、返済計画が崩れてしまいます。計画的に返済していくには、返済負担率を14〜20%に設定する方法がおすすめです。

 

返済負担率を無理ないように設定することで、ローンの返済ができるだけでなく、必要な生活費を確保でき、変動金利型のローンで金利が上昇した場合や、収入が少なくなった場合でも払えなくなることがありません。

 

【デザイン面】のよくある後悔例とその対策

【デザイン面】のよくあるの「後悔例」

外壁の色がイメージと違った

家全体の色を決める場合は、細部の色まで打ち合わせをおこないましょう。色の試し塗りは実際の見え方を確認することができるので想像と違ったという問題を防ぐことができます。

 

外装の色は、建物が完成した後まで確認ができないためイメージがずれたと感じることがあります。

 

内装や外装がありきたり・安っぽくなってしまった

建物の雰囲気や個人の好みに合わせて、上質で耐久性のある素材を選ぶことで、魅力的で長持ちする家ができます。

 

外壁材や屋根は、色や種類の選択だけでなく、素材選びも大切です。たとえば、木造住宅の場合、耐久性の高い木材や防腐処理が施された木材を選ぶことで長期的に利用することができます。また、木材の風合いや質感も確認したうえで、外観に合った木材を選ぶことで、木材ならではの高級感や温かみを演出することができ安っぽさがなくなります。

 

内装のありきたり感をなくすためには、建築後に、カラースキームを取り入れることによって雰囲気や印象を変えることができます。洗練された組み合わせや意外な色の組み合わせに挑戦することで、自分ならではの個性をだして特別な空間を作り出すことができます。

 

カラースキームについて紹介します。

 

モノクロカラースキーム 白やグレー、黒など、同じ色相の異なる明度や彩度の色を組み合わせたもの クラシックで洗練された印象
コンプリメンタリーカラースキーム 青とオレンジ、赤と緑など、対比の強い色を組み合わせたもの 活気やエネルギーを感じる印象
類似色カラースキーム 青と紫、オレンジと黄色など、色相が近い色を組み合わせたもの 調和が取れて落ち着いた印象
アナログカラースキーム 青と緑、緑と黄色など、色合いが近いものを組み合わせたもの 調和の取れた柔らかな印象

床の色を自分好みにしたら、汚れが目立って掃除が大変だった

床材は汚れが目立ちにくい色や材質を取り入れることがおすすめです。色はベージュやクリーム色、グレーやライトブルーを取り入れたり、材質ではガラスやステンレス鋼、テフロン加工や特殊コーティングを施した素材を選ぶことによって、掃除をするのが簡単でストレスの少ない暮らしができます。

 

お気に入りの色の床でも、「実際に生活してみると掃除がストレスになる」と多くの方が後悔します。たとえば、真っ白や真っ黒な床にした場合、思った以上に汚れが目立つことがあります。特に、子どもやペットがいる家や、料理をよくするキッチンの床は、より一層汚れが目立ちます。白い床には靴の黒ずみや食べこぼしの汚れ、黒い床にはホコリや皮脂が明るく映ってしまいます。

 

後悔しないための「対策」

小さいサンプルだけで判断せず、モデルハウスで実物を見る

実際に足を運んで実物を見て質感を感じとることは大切です。小さなサンプルでは、全体像を捉えることはできません。モデルハウスを見学することで、サンプルだけでは分からなかった家の広さや、光の当たり具合、部屋での動きの流れなど実際に住んでからの具体的な行動を想像して生活空間を感じ取ることができます。

 

おしゃれな家の参考にインテリアコーディネートを活用する

家全体の調和を見る目を持つことも大切で、家具や設備を選ぶ場合は、部屋全体に統一感があるか確認しましょう。

 

家づくりの途中で失敗しないよう、自分の好みを理解して理想の家の雰囲気を整えましょう。

 

家の雰囲気について紹介します。

 

ナチュラルテイスト 自然や柔らかさを重視 自然素材や自然の色を取り入れたデザイン 温かみと落ち着き 自然な環境に近い心地の良さ
モダンテイスト シンプルで洗練されたデザイン モノトーンカラー 美しいデザインや機能性 クリーンで都会的な印象
クラシックテイスト 伝統的なデザインや装飾 彫刻や装飾のある家具や照明 柔らかな色合いや高級感のある素材 歴史的な要素やロマンティックな雰囲気
コンテンポラリーテイスト 現代的なデザインや技術 シンプルで抽象的なデザイン モダンとクラシックの中間 ユニークな空間
ミッドセンチュリーテイスト 1950年代〜1960年代のデザイン シンプルで機能的なデザイン 木製家具や抽象的な模様 レトロで温かみのある印象

汚れの種類によって目立ちにくい色の床を選ぶ

グレーやクリーム系、ブラウン系の色を取り入れると目立つ汚れのほとんどが同じ色系なため、汚れが目立ちにくくなります。

 

また、ダークグレーやチャコールグレーなどの、濃い茶色もおすすめです。濃い茶色は、食べ物の跳ねや油汚れが目立ちにくい色で、汚れやシミが目立ちにくいため、見た目の美しさを保ちやすくなります。

 

お風呂など湿気の多い場所には、ベージュや淡い茶色がおすすめです。染み込んだ汚れや水滴の跡が目立ちにくく温かみのある雰囲気を演出します。

 

どこに利用するにもおすすめな色が明るすぎず暗すぎない茶色です。茶色は汚れが目立ちにくく使いやすい色となっています。

 

【機能面】のよくある後悔例とその対策

【機能面】のよくある「後悔例」

1階・2階間や外の音が伝わってうるさくなってしまった

防音対策をおこなうことによって騒音によるストレスから解放されます。

 

二階建ての家では、一階から二階へ、二階から一階へと音が響き渡ります。窓やドアを通じて外部から聞こえる音も日々の暮らしにストレスを与えます。

 

対策としては、音を吸収する材料を使用することで、騒音を減らすことができます。たとえば、カーペットやラグを敷くことで、足音の響きを和らげることができます。

 

吸音パネルや遮音壁を設置することで、発生する音を吸収し、室内にも騒音を侵入させないようにできます。各階への音の伝達を防ぐために、間仕切りを設置することもできます。具体的には、壁や天井に断熱材や吸音材を入れ込むことで、騒音を減らすことができます。

 

窓の配置が悪く日当たり・通風性が悪くなってしまった

日当たりと風通しを良くするためには、部屋には2つの窓を配置するのが理想的ですが、むずかしい場合は部屋の入り口と窓を対向させることで、風が通り抜けやすくなります。

 

窓の配置が悪い場合、風が通りづらく湿度が高くなるため、カビが生えやすい環境になります。また、日当たりがよすぎると日差しが直接部屋に入ってきて、まぶしく感じます。リビングでテレビを見ているときにも日差しの影響を受けて快適に過ごすことがむずかしくなります。

 

遮光性や日よけ効果のあるカーテンや、ブラインドを取り入れたり、窓に透明なフィルムを貼ることで、直射日光を抑えつつ部屋を明るく保つ工夫をしましょう。

 

夏は暑く冬は寒い家になってしまった

家の断熱性と気密性を向上させて、夏は快適に過ごせる涼しい室内環境を、冬は暖かく過ごせる快適な室内環境を心がけましょう。

 

断熱性が高いと、家の中の温度が安定します。断熱性をあげるために外壁や屋根、床などに断熱材を追加したり、二重の窓ガラスを持つ構造に変更するなどの方法があります。

 

気密性が高いと、家の中の空気が外に漏れず、また外の空気が家の中に入り込みづらくなります。エアコンや暖房をつけた時に、暖かい空気や、冷たい空気が逃げてしまうのを防ぎます。気密性をあげるために、シーリング材や断熱テープや防風テープを使って隙間を埋めたり、換気口を導入することで、室内に外気を供給したり、室内の湿気や不快な臭いを排出できます。

 

後悔しないための「対策」

音が伝わらないように、水回りは寝室や子ども部屋からなるべく離す

お風呂の音や洗濯機の音、トイレの音などが、たとえば家族の眠りを妨げないようにすることは大切です。部屋と水回りの間に廊下を設けたり、寝室と水回りを別の階に設けるといった工夫や、壁や扉に防音材を使用するなどの対策を取り入れましょう。

 

寝室や子ども部屋と水回りが近い場合、水音や排水音が伝わりやすくストレスに感じる可能性があります。

 

通風のためには、窓を1部屋に2つ設ける

個人的な空間を保ちつつ、風通しを確保するためには、部屋の壁に隣の部屋とつなぐ小さな小窓を設ける方法がおすすめです。室内に小窓を設置することで、部屋のドアを閉めた状態でも新鮮な空気を循環することができます。隣の部屋からの光が差し込むため、部屋が明るくなる良さもあります。

 

採光のためには、隣の家や建物の影にならない方角や位置に窓を設ける

窓を設ける方角や位置を決めるには、周囲の建物や隣の家の位置を把握し、窓からの光を遮らないように工夫することが大切です。窓の位置や方角によっては周りの環境に阻まれてしまう可能性があります。

 

部屋の全体的な明るさを保つためにも、窓の位置にこだわる必要があり、部屋の中心から見て、隣の家や建物が影にならない方向に設置するのがおすすめです。

 

隣の家や通りなどからの視線を考えることも必要です。とはいえ、人の視線が気になりすぎて窓を閉め切ってしまうと自然な光が部屋に入らず、暗い部屋での生活は気持ちも落ち込んでしまいます。 見えにくい位置や高さに窓を配置したり、庭や中庭に面して窓を設けることで、外部からの視線を遮りつつ自然の光を取り入れることができます。

 

夏涼しく冬暖かい快適な家にするため、家の断熱性・気密性を高める

窓や外壁を断熱性や気密性を高める材料で設計することで、真夏や真冬でも快適に過ごすことができます。

 

健康的な生活を送るためにも、断熱性・気密性の高い家をつくることが大切です。

 

断熱材の種類について紹介します。

 

グラスウール ガラスで作る繊維状の断熱材 耐火性や耐腐食性もある 壁や屋根、床に使用
ロックウール 火成岩で作る繊維状の断熱材 防音効果があり、高温環境に適す 外壁の内側や屋根、床に使用
ポリスチレンフォーム 発泡ポリスチレンで作るプラスチックの断熱材 耐水性に優れ、軽量 壁や屋根、床に使用
ポリウレタンフォーム ポリウレタンで作るプラスチックの断熱材 薄くて断熱効果が強い 屋根の内部や床下、壁や柱、梁などの外部に使用
エンジニアドウッド 木材の繊維を接着剤で固めた断熱材 環境に優しく防音効果がある 壁や屋根の補強に使用
ポリウレタンフォームスプレー ポリウレタンを発泡させてスプレー状にした断熱材 隙間や細部にも効果的 壁内部や屋根裏、天井や水道管に直接スプレーできる
ファイバーガラス 繊維状のガラス断熱材 隙間や細部にも効果的 防音壁や天井、冷暖房設備に直接スプレーできる

気密材の種類について紹介します。

 

シーリング材 窓枠やドア枠、壁と床の接合部などの隙間を埋めるために使用
気密テープ 窓枠やドア枠の周囲、壁と天井の接合部などの隙間を埋めるために使用
ガスケット 窓やドアの開閉部分に取り付けられるゴムやシリコンのストリップで、隙間を埋めるために使用

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