マイホーム購入用住宅ローンの借り方と控除制度の使用方法



マイホームを購入する多くの人は住宅ローンを利用します。知っておくべきことを知らずに住宅ローンを組んでしまうと、後に返済がむずかしくなる恐れがあるため、住宅ローンを利用する前に、必要な知識をつけておきましょう。

 

本記事では、住宅ローン借り入れ額を決めるときに考えるべきことや注意点、マイホーム購入のときに使える控除制度について解説します。住宅ローンの借り入れで失敗したり知らずに損しないために、ぜひ参考にしてください。

 

 

マイホーム購入用住宅ローン借り入れ額を決めるときに考えるべき3つのこと

1つ目は、借り入れ可能額です。ご自身の年収を基にした7倍までの金額が目安とされることが多いですが、あくまで指標なので、自身の暮らし方や将来設計に照らし合わせて検討しましょう。

 

2つ目は、返済計画です。借り入れ額が多ければ毎月の返済額も増えますので、生活に無理がない程度に計画を立てましょう。

 

3つ目は、頭金や手数料の諸経費です。住宅ローン以外に必要となる費用も把握することで、無理なく返済できる住宅ローンを選びましょう。

 

1.頭金(自己資金)をいくらまで用意出来るか

物件価格の2~3割を頭金として用意することが目安ですが、具体的な金額は、自分の生活状況や将来の目標を考えることで見えてきます。

 

最初に支払う自己資金である頭金が多ければ多いほど住宅ローン借り入れ額を減らせます。頭金が少なければローンの負担が大きくなります。

 

割合はあくまでも目安であり、無理に金額を用意する必要はありません。住宅ローンを組む時には自分の返済能力を考えつつ、頭金の準備を進めましょう。

 

頭金の他にも、ローンの利息や毎月の返済額、旅行や結婚式、出産などライフイベントでかかる費用などを考えることで、現実的な資金計画が立てられます。

 

2.毎月の返済額はいくらまで許容できるか

返済額が収入の3分の1を超えると、居住費以外の生活費に影響することがあります。生活を優先するあまり、返済計画が破たんする危険性が高まるので、収入の3分の1が返済額の目安です。

 

また、法律でも年収の3分の1を超える借り入れは制限されています。たとえば、外食を控えて自炊をする。スマホの料金プランを見直す。余計な保険を解約して節約することで、住宅ローン返済にまわす費用を増やすことができます。

 

ローンの期間を長く設定すると毎月の返済額は抑えられますが、長期間借りることで支払う利息の合計額も増えます。

 

また、既に他のローンを借りている場合、自宅購入以外にも返済しなければならないものがあるため、すべての返済額を合わせて収入の3分の1以内に収まるように計画を立てましょう。

 

3.住宅ローン完済はいつまでに終えたいか

住宅ローンの完済時期は、借り入れをした方自身の経済状況や意識により変わりますが、20~35年を見据えた計画が必要です。

 

早期返済を希望する方々が繰り上げ返済をおこない、ローンの期間を短縮していることも多々見られます。

 

 

マイホームを買うために住宅ローンを借りる際の5つの注意点

返済額を必要資金まで圧迫しないような金額に留める

返済額が手取り収入の3分の1を超えてしまう場合、自力で返済がむずかしくなるので、自分の収入や支出、将来のライフプランに照らし合わせ、返済額を適正に設定する必要があります。

 

毎月の返済額を大きくしすぎると、生活を送る上で必要な資金が圧迫され、毎月の生活に支障が出ます。返済額を小さくしすぎると、返済期間が長引き、ローンを完済するまでの期間が長くなります。

 

結婚式やこどもの進学のライフイベントによる出費を考えておく

結婚式やこどもの進学といった人生の大事なできごとであるライフイベントによる出費を考えることが大切です。
こどもの教育資金は高額になる可能性が高く、思いがけず大きな費用が必要なときがあります。資金の準備を怠ってしまうと、住宅ローンの返済がむずかしくなる可能性があります。
ご自身の人生設計に合わせて、ライフイベントに必要な費用を計画的に準備していきましょう。

 

将来年収が下がる可能性も視野に入れる

昇進や人事異動により年収が減ることや、リストラや退職により一時的に収入が減少する可能性について視野に入れておくことが大切です。

 

住宅ローンの返済は、たとえば35年と長期に渡るものなので返済期間中にこどもの教育資金や介護といったライフイベントが発生するため、リスクを考えてローンの金額を決めましょう。

 

退職金がもらえないリスクも想定しておく

住宅ローンを組むときには退職金を受け取ることが出来ない可能性も想定し、退職金に頼るのではなく、他の収入源を考えることで、より安定した生活を送ることができます。

 

そもそも退職金とは、会社を退職した際に支給されるお金で、もし仮に転職する場合や退職金が予定よりも少ない場合はローン返済に影響が出る可能性があります。

 

毎月の返済額だけではなく固定資産税や修繕費も考える

返済計画を立てるときには月々の返済額を考えるだけではなく、家を維持するために必要な固定資産税や修繕費の積み立てなどを頭に入れておく必要があります。

 

固定資産税は、土地や家を所有している人が払う税金で、毎年かかり続けます。家は時間が経つと老朽化してきますので、修繕費も必要です。

 

住宅ローン返済計画立案にはシミュレーションサイト活用がおすすめ

住宅ローン返済のシミュレーションサイトを活用することで、自身の収入や支出、希望の返済期間などから毎月の返済金額を見積もることができて、生涯設計を考えた返済計画も立てやすいです。

 

こどもの出産や教育、老後の暮らしといった人生で起こるイベントに対しても、あらかじめ予測して対策を打つことができます。

 

マイホーム購入に使える控除制度

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除):新築住宅を取得した場合

新築住宅を取得する際、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)という制度が利用できます。
住宅ローン等を使い新築または中古の住宅を購入、または自宅を改装した人が対象で、借り入れた金額の残高の合計をもとに所得税から金額を差し引く制度です。

 

控除期間は13年間で、借入限度額は5,000万円までと上限があるので注意してください。
住宅ローンを利用し、新築住宅購入を検討している方は、ぜひ利用してみてください。(2023年7月現在)

 

参照元:国税庁

 

認定住宅等新築等特別税額控除:認定住宅等の新築等をした場合

認定住宅を受けた新築を購入した方は、税金の優遇制度「認定住宅新築等特別税額控除」が適用されることがあります。
具体的には、国が定める認定住宅である「認定長期優良住宅」や「認定低炭素住宅」を購入した場合に、住宅の面積に基づいて税額が控除され、納めるべき税金が数十万円減ることがあります。

 

本制度を利用するためには、認定住宅新築等特別税額控除額の計算明細書、住宅の登記事項証明書、住宅の工事請負契約書又は売買契約書確定申告書に記載したマイナンバーの本人確認書類を揃えて、適用要件を確認しましょう。

 

注意点として、住宅ローン控除と両方利用することはできないので、どちらを選ぶのかは慎重に考えて決めることが大切です。

 

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