マイホーム購入で後悔するのはなぜ?そもそも家は買うべき?



一生でもっとも大きく高額な買い物となるマイホームだけは、後悔したくありません。しかし、マイホームを購入して後悔したという人は少なくありません。マイホームを購入して後悔しないためには、よくある原因について把握しておく必要があります。

 

本記事では、マイホームを購入した方にありがちな後悔の内容や原因を解説します。また、人によってはマイホームの購入をするという選択肢が良くない場合もあるため、判断基準についても紹介していきます。

 

 

家なんか買うんじゃなかった?マイホーム購入にありがちな8つの後悔理由

買い物環境や周囲の騒音など立地がよくなかった

マイホームを購入する前に、購入予定の家の近辺へ時間帯や曜日を変えて何度も足を運ぶことが大切です。

 

購入前に事前に騒音や環境について調べていたつもりでも、実際に住んでみると、毎日の生活が思った以上に不便だったり、周りが思ったよりも騒がしい場合があります。

 

利用したいスーパーが予想以上に遠い距離だと感じた場合、毎回の買い物が憂鬱になります。また、昼間は静かだと思っていた場所が、夜になると車の騒音や近くの店が繁盛して騒音が大きくなるなどの環境の変化があった場合、生活環境に影響を与えます。

 

さらに、勤務地が自宅から遠い場合、毎日の移動に時間がかかり、ストレスになります。家は気に入っていても、立地が良くないと、後悔する原因になります。

 

自治会活動が面倒など人間関係で憂鬱になった

地域の自治会の活動内容やルールを、事前に把握し参加できるのかも考えましょう。活動の頻度や内容、参加の自由度などを把握することで、自身の生活習慣に合った自治会を選べます。

 

自治会参加者の少なさと活動への興味の低下という課題は、各地域でみられる悩みで、人間関係の煩わしさや役員負担、活動内容の乏しさなどが原因です。具体的には、祭りや運動会といった行事の準備や運営、防災訓練の実施といった物理的な労力を求められることで、人間関係の煩わしさが嫌になり関わりが憂鬱に感じます。

 

自治会の役員が高齢化してしまっている地域では、新たな役員を見つけるのがむずかしく、結果として同じ人が何役も担当する場合があります。都市部では、仕事で忙しい若者が自治会活動に参加する時間が取れず、活動が高齢者中心となっている地域も存在します。

 

自治会の活動内容に興味をもつのがむずかしくなっているのも原因です。防災訓練や清掃活動など、負担と感じる活動が多く、仕事や家事を調整して参加したり、地域の方とのコミュニケーションをとるために話の内容を考える労力を使ったりと楽しみが感じられないことがあげられます。

 

事前確認した図面と実際の家の中が大きく異なった

理想との差を埋めるためには、生活の流れや家具の置き場、大きさを事前に測って確認すると快適な暮らしの実現に近づきます。

 

図面を見て自分の家を想像するのはむずかしく、完成した状態で見た時、自分が想像していたものとは異なる場合があります。たとえば、図面上では広々としたリビングを想像していても、完成後、建物の角度や形状が予定通りでなかった場合、角度によって歪んで見えることがあったり、思った以上に狭いと感じる場合があります。また、細部の建具や照明の位置などが想像と違ったり、図面を見た時とは違う印象を受けることがあります。

 

家を建てる場合は、要望や好み、予算について十分な情報をハウスメーカーや建築家に伝え、設計段階から話に関わると、自分の理想に近い家を実現できます。図面だけで想像しにくい時は、実際の模型やVR映像を作成してもらうと、立体的で視覚的なイメージを得られ、家の完成形が想像しやすくなります。

 

また、似たような間取りやデザインの家を見学すると、完成形をイメージできます。住宅展示場やオープンハウスに参加して、自分や家族の好みに合うものを見つけましょう。

 

選んだハウスメーカーの質があまりに悪かった

信頼がおけるハウスメーカーを選ぶためには、口コミや評判を確認するだけでなく、自分たちが望む家づくりのノウハウや技術力があるのか、顧客サービスの内容などを確認する必要があります。

 

家づくりをするためには、納得出来るハウスメーカーに依頼しましょう。ハウスメーカーの実力が不十分な場合、満足する結果には繋がりません。具体的には、家の完成後に、壁にひびが入ってしまったり、ドアの閉まりが悪いなどの問題が起こった場合の問い合わせに対する返信が遅かったり、修繕に時間がかかり、不便な生活や経済的に負担がかかる場合もあります。問題が起こった場合、ハウスメーカーの質が低いと納得出来る手助けが得られず、家の価値が低下し、あなたにとっても大きな負担になります。

 

より理想に近い物件が住宅購入後に見つかった

戸建てを購入した後により理想的な物件が見つかると、今の戸建てを買うべきではなかったという後悔や、新たな物件を手に入れられなかった悔しさがうまれる場合もあります。

 

現在の住宅に妥協しつつ、自分の要望や予算に合わせて、インテリアや家具の配置を工夫することで、より満足のいく環境を作り出せます。費用に余裕がある場合は、理想に近づけるために、リフォームや改装をするのも可能です。間取りの変更や内装をリノベーションすると、希望の状態に近づけられます。

 

理想通りの家に住むためには、中古物件を含めた多くの候補を見つけましょう。理想の家に住むのはあくまで目標であり、すべてを叶えることはむずかしいです。仮に理想の家に出会っても、予算を超える場合や住みたい地域ではない場合もあります。条件にあった物件を探しなおす方法や慣れ親しんだ住みたい地域から離れて新たな地域に目を向けるのも、より理想に近い家を見つける方法の一つです。

 

想定以上に住宅ローンや税金・維持費の負担で生活が苦しくなった

家の購入には、資金に余裕をもたせましょう。定期的に必要になる費用について把握し、支払い計画を細かく立てることで、想定以上の金額に生活が圧迫される問題を避けられます。

 

以前の住まいの家賃と変わらない金額を、月々のローン返済の金額にしていても、経済状況の変動や生活状況の変化により、支払いがきつくなります。また、家を購入するということは、賃貸の時にはかからなかった、固定資産税の支払いや家の維持費も考える必要があります。

 

賃貸の場合に必要な費用を紹介します。

 

家賃 賃貸住宅を借りることで支払いが必要な費用
敷金・礼金 敷金は退去時に物件を原状回復するために使用する預入金
礼金は物件を借りる謝意や感謝の気持ちとして支払われる費用
共益費・管理費 共用空間の管理や設備の維持などに使用する費用

家を購入した場合に必要な費用を紹介します。

 

住宅ローン 住宅ローンを組んで購入した場合は、一定期間にわたって返済
固定資産税・都市計画税 年に一度、不動産所有者としての支払う必要がある税金
維持・修繕費用 定期的な修繕や修理が必要な場合にかかる費用
共益費・管理費 一部の一戸建てで、共有施設や共用空間の維持や管理で必要な費用

あとで子が生まれたり親が同居したりした際に部屋が足りなくなった

家を決める場合は、現在の生活だけでなく今後の生活習慣も把握したうえで選びましょう。具体的には、子どもの成長や親の同居があります。

 

子どもがいる家庭や生まれる予定がある場合は、子ども部屋が必要になります。子どもが成長するにつれて、部屋の必要性は変化していきます。小さい頃は親と一緒に寝ていても、成長するにつれて自分だけの部屋で自立した生活を望むようになり、各自の子ども部屋を用意する必要があります。

 

両親と同居する場合は、快適だと思っていた家でも部屋が足りなくなります。新たな家族が増える度に各自がくつろぐ空間や生活するうえで必要な場所を作る必要があり、部屋数や自分の空間を減らすことになりかねません。

 

生活の変化を見越して、将来的に必要な部屋数を選んだり、一部屋を区切り二部屋に変化させられる間取りを取り入れる工夫をすることで、悩む必要がなくなります。

 

マイホーム購入後の転勤や離婚で面倒なことになった

マイホーム購入には、思ってもみなかった問題の発生も想定しておく必要があります。転勤や離婚といった問題が発生した場合は、家族で話し合い、各自が納得できる結果を導けるよう心がけましょう。

 

転勤で一家全員で新しい家に引っ越す場合は、建てたマイホームを売却するのか賃貸にするのかといった方法を検討して新たに生活する家を決める必要があります。単身赴任になった場合は、家族と離れ離れになる心細さと夫の引っ越し準備や新たな住まい探しをしなくてはならず、労力を使うためストレスを感じます。

 

購入した家を賃貸に出す場合は、不動産管理会社の利用を検討し、地域の相場や物件の状態を把握したうえで、家賃設定をおこないましょう。

 

離婚が決まった場合は、住み続けるのか売却するかなどの話し合いをおこなわなければなりません。経済的にも精神的にも負担が増えます。残っているローンや双方の収入状況、負担能力について話し合い分担を決めましょう。話し合いで決まらない場合は、弁護士や不動産関係の専門家に相談し、解決するための手続きを進めてもらう必要があります。

 

 

マイホーム購入での後悔を防ぐための5つのポイント

マイホームに求める条件の優先順位を明確にしておく

家族で話し合いをおこない、優先事項を明らかにし、譲れない点と妥協できる点で順位をつけておくことが大切です。

 

家族すべての願いを満たすのはむずかしく、リビングの広さや立地条件など、部屋の内装や建物の外装など希望する条件は数多く存在します。後悔をしない家にするためには、家族で話し合い、全員が納得できる条件を決める必要があります。意見が違った場合は、なぜ必要なのか、誰が1番利用するのかを明確にし、必要性や取り入れるべきものを分かりやすくしましょう。

 

実際にマイホーム周辺に何度も足を運んでみる

平日の日中、休日の朝、夕方など日時を変えて何度も訪れることで、地域の現実的な生活環境を知ることができます。

 

マイホームを購入する場合は、実際に暮らすのにふさわしいのかを見極めましょう。たとえば、一度足を運び良いと思えた地域でも、気候や季節、時間帯によって違った印象を受ける場合があります。夜間は静かだけど、日中は通行量が多かったり、冬は穏やかだけど、夏は風が強いことがあります。静かさを求める方は、夜間の騒音確認が大切です。

 

一度の見学だけでは分からない情報もあるため、何度も現地へ足を運び、地域の近隣住民が送っている生活習慣を理解しましょう。

 

資金計画はシミュレーションサイトを活用して明確に立てる

シミュレーションサイトを活用することで、自身の収入や家族構成、将来の計画などを把握し、未来の収支状況を理解できます。

 

たとえば、月々の収支を具体的に数字化し、無理なく返済していける範囲に設定したり、返済可能な住宅ローンの金額が計算できます。また、返済額に影響を与える要素の、金利や借り入れ先なども想定して計算できます。

 

シュミレーションサイトに入力する内容を紹介します。

 

購入価格 予定しているマイホームの購入価格
頭金 自己資金として支払う頭金の額
ローン金利 利用するローンの金利
ローン返済期間 返済期間を年単位で入力
年収 自身やパートナーの年収
支出 食費、光熱費、保険料、子どもの教育費など現在の生活費や将来の予想支出
ローンの返済方式 元利均等返済や元金均等返済など、選択した返済方式
ローンの金利タイプ 固定金利または変動金利のいずれかを選択
固定資産税 予想される固定資産税の年額
維持費や修繕費 維持や修繕にかかる費用の予想

後の家族構成の変化まで想定して間取りを検討する

柔軟な間取りを取り入れることで、将来的におこる変化に適応することができます。移動可能な壁を取り入れたり部屋の用途変更が簡単な間取りに設計をすることで、余分な空間を確保せず用途に応じて作り変えれます。

 

実際に似たような家族構成や生活習慣を送っている住宅の事例や口コミを参考にすることで理解しやすくなります。

 

たとえば、子ども部屋として使用していた部屋を、子どもが成長し家を出ることで、親の介護のために利用する部屋に変えるといった計画を立てることができます。

 

壁を少なく設計し、広々とした空間を作ることで、将来的に家族構成が変わった場合でも、可動式のパーティションや大きな家具を置き仕切りを作ることで、部屋の用途が調整できます。

 

出口戦略(家の売却方法)まで練っておく

売却方法について十分理解したうえで、売却時には地域の需要や価格動向などを調査し、不動産市場の状況を把握します。個人で売却することはむずかしいため、不動産仲介業者や不動産業者に依頼しましょう。

 

具体的には、自分の家がいくらで売れるのか相場を知ることが大切です。相場を把握しておくことで、高すぎたり低すぎたりする売り出し価格を避けた値段設定ができます。また、売り出す時期として春先に売り出すと購入希望者が見つかりやすいです。生活や環境が変わる時期に新たな家を買いたいと考えている人が多いためです。

 

売却時には購入希望者に対し良い印象を持ってもらうために、家の中や外もきれいに掃除しておきましょう。排水溝に砂や枯葉が溜まっていないか、浴室にカビが生えていないかなど、細部にまで目を配る必要があります。

 

持ち家と賃貸どちらが向いているか判断するための3つの基準

今後同じ場所に住み続ける可能性

同じ場所で長く生活を続ける選択は、引っ越しにかかる出費や、荷造りや住所変更手続きなど、時間とお金をかけずに過ごすことができる良さがあります。

 

同じ場所に長期間住み続ける可能性が高い場合は持ち家を選択しましょう。持ち家には、安定感と所有感があり、不動産の価値が上昇する可能性がある場所を購入した場合は、将来的な資産形成にもつながります。持ち家では、自分の好みに合わせた家にするための、DIYや改造をすることができるので、間取りの変更や庭の造成などの自由度が高く、自分らしい住環境を作りたい方に向いています。

 

転勤や子どもは2~3人ほしい、両親と暮らすなど将来の変化が予測される場合、賃貸を選択しましょう。賃貸住宅は柔軟性と自由度を兼ね備えており、短期的な居住や引っ越しの頻度が多い方は、手続きや負担が少ないので利用しやすいです。

 

家が壊れたり破損があった場合、賃貸では大家や管理会社が修繕や修理をおこなってくれます。自分たちで業者に依頼する手間や費用をかけずに住環境を維持したい方にはおすすめです。

 

住宅の「資産価値」が今後上がる可能性

現在、国内でも金融緩和政策が進行しており、住宅ローンが組みやすくなったことで、家を買う人が増えています。また、外国からの投資家が増え、日本の不動産は注目されています。

 

地価は、地域の生活環境の良さや将来性を反映しています。新しい鉄道路線の開業や商業施設が建つことによって地価は上昇します。家を購入する場合は、鉄道線路や商業施設といった都市計画や再開発プロジェクトが進行している地域を選ぶことによって、将来的な資産価格の増加が見込めます。

 

ただし、資産価格には多くの要因が絡んでいるため、確実に資産価値が上がるとは言えません。自分や家族が住みたい地域を中心に将来資産価格が上がる可能性がある地域かどうかも視野に入れて検討してみましょう。

 

将来にわたり現在の収入の安定性が続く可能性

今は安定した収入を得ている方でも、転職や職場の環境変化によって収入が下がる可能性があり、予期せぬ病気などで働けなくなる危険性もあります。自宅のローン返済が滞らないようにするためには、生活していくうえでおこりうる計画を具体的に描き、病気や予期せぬ事故も想定してたうえで返済計画を立てることが大切です。

 

借り入れ元本や金利、返済期間を把握し、将来的に収入が下がった時でも返済できる計画をたてることで安心してローンを組むことができます。また、万が一返済がむずかしくなった場合でも、金融機関と相談し返済条件の変更をすることもできます。将来の不確定要素を見越して、自己負担を抑えつつも落ち着いた生活を送る計画を立てましょう。

 

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