マイホームを購入する平均年齢と家を買う時に後悔しないタイミング
マイホームの購入は年齢よりも家族構成、資金力、返済できる期間の3つの要素に大きく左右されます。家族構成、資金力、返済できる期間の3つを考えて購入できている人ほどマイホーム購入後の後悔が少ないです。
しかし、3つの要素のうち1つでも考えられていないと、マイホームを購入しなければよかったと後悔することになります。
本記事では20代、30代、40代の年代別のマイホームを購入するメリットと抑えておくべきリスクやマイホーム購入で後悔しないタイミングを解説します。
マイホームを購入する平均年齢や年収・頭金
マイホームを購入する平均年齢
マイホーム購入者の45.6%が30代
2021年4月~2022年3月に注文住宅を購入した世帯主の年齢は30代が36.9%、分譲戸建てを購入した世帯主の年齢は30代が45.6%でした。
マイホームを手に入れる人が多いのは、実は30代の方々です。20代よりも年収が安定してくるので、住宅ローンが組みやすかったり、買える物件の幅が広がるためです。また、結婚や子どもの誕生など、家族が増えるライフイベントも30代に集中します。
マイホームを購入する平均世帯年収
平均世帯年収は602万円
2021年4月~2022年3月に注文住宅を購入した方の平均世帯年収は全国平均で602.2万円でした。年収400万円以上、600万円未満は全体の40.7%でした。
参照元:住宅金融支援機構(2021年度フラット35利用者調査)
マイホーム購入の平均頭金
注文住宅の建物のみで約600万円
2021年4月~2022年3月に注文住宅を購入した方の手持金は全国平均で596.6万円でした。注文住宅は高価なイメージがありますが、建物価格だけであれば頭金600万円で建てられることがわかります。
参照元:住宅金融支援機構(2021年度フラット35利用者調査)
注文住宅の価格に対して10%~20%が目安
注文住宅が3,300万円の場合、頭金は約330万円から660万円が目安です。4,000万円の場合だと400万円から800万円が目安になります。
頭金の設定は、住宅ローンの金利や返済計画に影響を与えます。目安よりも多くの頭金を用意できればローン返済期間が短くなったり、毎月の返済額を減らせるメリットがあります。
世代別に見るマイホーム購入のリスク
20代でマイホーム購入するリスク
住宅ローンの長期返済が苦しくなるリスク
20代で住宅ローンを組むと返済期間が35年になることが多いです。返済期間25年にくらべると毎月の返済額は少ないですが、35年間毎月ローン返済していかなくてはなりません。
転職で収入が下がったり、急病や不慮の事故で働けなくなる可能性もあるのでローンの返済額は余裕をもって支払える額にしましょう。
また、住宅ローンは変動金利ではなく固定金利で借りることをおすすめします。変動金利は返済額が少なくなるように見えますが、35年間のどこかのタイミングで金利が上がることで返済期間が伸びたり返済額が増えて生活が苦しくなる可能性はあります。最初から完済まで一律の金利である固定金利は返済で生活が苦しくなるリスクを減らすことができます。
マイホームの維持費で生活を圧迫するリスク
30代や40代とくらべて20代の人は趣味やレジャー、または将来の子どもの教育費など大きな出費の想定はむずかしいです。住宅ローンの返済は、最大35年と長期間にわたります。
また、修繕費の積み立てや住宅設備の点検・修理費用などもマイホームに住み続ける限りかかってきます。
家族構成が変わって住まいに満足できなくなるリスク
今は独身でも、将来結婚や出産を経験して家族が増えると、これから建てるマイホームでは思うように住めなくなる可能性があります。また、親の介護のために田舎に戻ることが必要になったり、職場が変わって遠隔地への引越しが必要になることもあります。
万一のときに売却や貸し出しがしやすい物件や、価値が落ちにくい物件を選んでおくと良いです。
将来の通勤通学に支障が出るリスク
20代でマイホームを購入するときには、将来の通勤や子どもの通学の問題を考えることが必要です。たとえば、仕事で転勤があった場合や子どもの進学にあわせて、住む場所を変える必要が出てきたときに、購入したマイホームから遠い場所へ移動することは負担です。
子どもの学区を考えることや、勤務先の場所が変わらないと見通せるようになってからマイホームを検討することで、通勤通学に支障が出るリスクは減らせます。
30代でマイホーム購入するリスクと後悔
住宅ローンが生活を圧迫するリスク
病気で働けなくなったり、転職で収入が下がってしまい毎月の生活が苦しくなることも考えられますが、定年退職後も住宅ローンが残ってしまうことにも注意してください。
たとえローン審査が通ったとしても定年後まで返済が続くと収支のバランスが崩れて生活は不安定になる可能性があります。
総務省の家計調査報告をみると、無職世帯の住居費は約18,600円です。定年退職後、無職でさらに住宅ローンの返済が残っていると赤字になってしまいます。定年後も返済を続けることは避けるよう計画しましょう。
返済期間が短いと毎月の返済額が多くなるリスク
30代でマイホームを購入するときに、一つの課題となるのが住宅ローンの返済期間です。短い返済期間を選ぶと、毎月の返済額が多くなるリスクが付きまといます。一方で、ローンを早く終えたいという思いから短期返済を選ぶ人もいますが、結果として生活費を圧迫する恐れがあります。
また、金利の影響も無視できません。毎月の返済額が多いと、元金部分の返済が進み、利息の負担を軽くすることができます。
40代でマイホーム購入するリスク
住宅ローンの審査が通らない可能性がある
40代でマイホームを買おうとする場合、住宅ローンの審査が通らないこともありえます。特に、「個人の信用情報」や「返済負担率」が審査基準の柱です。
たとえば、信用情報に過去の借り入れの延滞記録があると、審査にパスする可能性が下がります。また、返済負担率が高い場合も審査をパスすることが難しくなります。
返済負担率は、年収に対する総借り入れ額の比率です。住宅ローン以外のローンの借り入れ額も見られるので、返済負担率を下げるためには、住宅ローン以外のローンを完済してから住宅ローンを申し込みましょう。
40代後半は35年ローンの審査が通らない可能性がある
35年ローンの審査には注意が必要です。金融機関では、完済予定年齢の上限を80歳前後としており、80歳までに全額返済できる計画が必要です。
80歳の上限を考えると、たとえば45歳であれば80歳時にローンが終了するよう、35年ローンを選べます。しかし、45歳を過ぎると、35年ローンの審査が通らない可能性が出てきます。
さらに高齢になると返済能力が問われます。年金生活等で収入が下がることが考えられるため、審査が厳しくなる傾向があります。
定年後も住宅ローンを返済する可能性がある
住宅ローンは数千万円という大きな借り入れが必要となり、返済期間はおのずと長くなります。そのため、40代でマイホームを購入した場合、定年を迎えた後も返済が必要となる可能性があります。
定年までに住宅ローンを完済する方法としては定期的な繰り上げ返済や退職金の活用が考えられます。
毎月の返済額が高額になるリスク
定年後の返済がむずかしいことを考えて返済期間を短くすると毎月の返済額は短くした分上がっていきます。
たとえば、固定金利1%で3000万円を借り入れた場合、返済期間35年で毎月8.4万円の返済です。返済期間30年では9.6万円、返済期間25年では11.3万円です。
毎月の返済額が高額にならないために、返済期間を短縮する方は頭金を多めに入れることやボーナスや退職金などによる繰り上げ返済の計画を立てましょう。
世代別に見るマイホーム購入のメリット
20代でマイホーム購入するメリット
返済計画を長期に考えられる
マイホーム購入のために20代で住宅ローンが組めると、返済に時間をかけられます。たとえば、35年以上の長期的な返済計画を考えることで毎月の返済額を減らすことができます。まずは、借り入れをする前は、毎月自分がいくら返済できるのかを考えましょう。
無理な返済額を設定すると、生活に支障が出るためです。しかし、借りる期間が長くなるほど利息として支払う額が多くなるため注意してください。
低金利で住宅ローンを組める可能性がある
20代でマイホームを購入する際の大きなメリットの一つが、住宅ローンを低金利で組むチャンスがあることです。年齢を重ねるごとに審査が厳しくなるため、若いうちに住宅ローンを組むことで、金利を抑えられることがあります。
しかし、住宅ローンは、ただ単に金利が低いからという理由だけで選ぶのではなく、変動金利か固定金利かは確認してください。変動金利のほうが一見金利が低いように見えますが、経済の動向次第では跳ね上がる可能性があります。
固定金利は完済するまで同じ金利が適用されるので、経済の動向で金利が上がりそうなときにも安心です。
定年退職までにローンを完済できる
20代で住宅ローンを組むことで、定年までに住宅ローンを完済する目処を立てられます。たとえば、28歳で35年間のローンを組むと、退職する前の63歳で全額返済できる計算になります。
さらに、ローンを早く完済できれば、定年後の生活費に余裕が生まれ、固定費の一つである住宅ローン返済の心配がなくなります。
一方で、30代後半や40代で住宅ローンを組むと、定年後にまで返済期間が及ぶ可能性があります。
30代でマイホーム購入するメリット
住宅の設計がしやすい
30代は20代とくらべて自分の暮らし方や価値観が固まってくる年代です。たとえば、家族が増えることを見越して子ども部屋を設けたり、テレワークがメインとなる場合は自宅の一部を仕事部屋にしたりと、生活リズムに合わせて自由に間取りを考えることができます。
暮らし方や価値観に合わせて、自分だけのオリジナルなマイホームを設計できるのが、30代で住宅を購入するメリットだと言えます。
定年退職までにローンを完済できる
マイホームを購入するタイミングは人それぞれですが、30代で購入する一つの大きなメリットとして、定年までに住宅ローンを完済できる可能性が高いという点が挙げられます。
30代であれば、たとえ35年の長期ローンを組んだとしても、65歳の定年退職までに返済を終えられる計算になります。毎月の返済額を抑えつつ、早めにローンを完済できるというメリットが生まれます。
さらに、定年を迎えてからもローン返済に追われる心配がないため、安定した生活を送りやすくなります。また、ローンを早く終えることで、定年後の生活資金にもゆとりが生まれます。
40代でマイホーム購入するメリット
老後を考えた住宅の設計がしやすい
40代になると家族構成も固まってきます。親世帯との同居も見据えると、たとえば平屋を選んで、段差をなくして車椅子でも移動しやすいバリアフリー設計にすることや、手すりを設置できるように壁を補強しておくことが考えられます。
また、マンションであればエレベーターや共用空間の設備も確認しましょう。賃貸では思うように改修ができない点を考えると、自分や家族の理想に合わせて設計できるマイホームは大きな魅力です。
マイホームを購入するときに後悔しないタイミング
子どもが生まれて家族構成が落ち着いた
出産するタイミングで家族構成が決まるきっかけとなり、マイホームを決める方は多いです。
子どもが生まれた時期には、新生児の泣き声や元気に駆け回る子どもの音に対する気遣いから、アパートのような共同住宅ではなく、一戸建てを購入することで、子育てを自由に楽しくおこなえると考えられます。
出産前にマイホームを購入しましょう。出産直後は子育てに手間がかかるため、引っ越しは大がかりな作業になります。
定年までに完済できる見通しがたっている
たとえば20代で返済期間35年の住宅ローンを組んだとすると、定年には完済が見えます。
返済期間が定年後に及んでいても、退職金で繰り上げ返済することで完済できるなど、定年までに完済できる見通しが立てられる段階でマイホームを購入すると後悔するリスクは減らせます。
マイホーム購入のための貯金がたまった
住宅ローンで購入費用のすべてをまかなえるわけではありません。マイホーム購入には頭金やマイホーム購入時の諸費用など手元に現金が必要です。頭金や諸費用を払えるぐらい資金がたまってからマイホーム購入を進めましょう。
たとえば、物件価格の1〜2割を頭金や諸費用に充てて、残りを生活費や予備費に回すのが良いです。
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