平屋の賃貸に住みたい!メリット・デメリットと確認すべきポイント


賃貸物件を探している方のなかには、平屋を希望する方もいるはずです。平屋は、1階に住居空間がすべて収まるので暮らしやすく、平屋に限定して物件を探す方もいます。これから物件を探すなら、平屋の賃貸物件の割合を把握しておくことをおすすめします。

 

また、平屋の賃貸物件を選んで後悔しないためには、メリット・デメリット、住み心地の良い平屋の賃貸物件を判断するポイントなどをあらかじめ知っておくことが大切です。

 

 

平屋の賃貸に住みたいなら確認しておきたいこと

平屋を含む賃貸戸建の割合は約2%程度

国土交通省の2013年の資料によると、賃貸物件において平屋を含む戸建の割合は全体の約2%程度と示されており、決して多くありません。

 

東京都では7割以上が共同住宅です。都心になるほど平屋を含む戸建ての割合が少なくなり、共同住宅の割合が多くなります。土地の有効活用や立地条件から、都市部ほど2階建て住宅が多く、平屋の割合は少ないです。

 

参考:国土交通省 賃貸住宅市場の実態について
参考:総務省 平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計

 

平屋が多いのは九州エリア

平屋が多いのは九州エリアです。九州は台風による被害が他のエリアよりも多いことが理由にあります。また、地震のあった熊本県では復興需要で工期が短い平屋が選ばれる傾向にありました。

 

近年の全国的な動きとしては、平屋の着工件数は増えています。そのため、賃貸物件においても今後平屋の割合が増える可能性があります。

 

とはいえ、平屋の件数は決して多くないため、平屋を探すときは、条件を狭めすぎないことがポイントです。

 

共同住宅と比較した平屋賃貸のメリット

物件数が少ない平屋ですが、暮らしやすさが見直され希望する方が増えています。ここでは平屋のメリットをひとつずつ確認していきます。

 

騒音トラブルが少ない

平屋賃貸の魅力のひとつに、騒音トラブルが少ない点があげられます。共同住宅では、上下階や隣の部屋と音が共鳴することがありますが、平屋の場合、他の家庭の生活音が気になることはほとんどありません。特に子どもがいる家庭や音楽が趣味の方にとっては、隣人に迷惑がかかりにくいことは大きな利点となるはずです。

 

平屋を含めた戸建て住宅は、共同住宅と比較すると駅近物件が少なくなります。飲食店からも離れる物件が多く、深夜営業などによる騒音トラブルに悩むことも少なくなります。

 

庭付き・縁側付き・駐車場付きの物件がある

平屋の賃貸物件には、庭付きや縁側付き、駐車場付きの物件があります。共同住宅ではむずかしい条件でも、平屋なら希望が叶う可能性が高くなります。

 

注意点としては、庭付き物件では草刈りや落ち葉の掃除など手間がかかることがある点です。ガーデニングや家庭菜園などを楽しむために平屋を選ぶ方も多いですが、契約するときは、どこまで借主である自分が管理するべきかを確認してください。

 

階段がないので事故が少なく暮らしやすい

平屋では階段の上り下りがないため、移動しやすくラクに暮らせます。

 

屋内での転倒リスクが少ないため、特に高齢者や小さなお子さんがいる家庭にとっては、安心感が大きい住居です。また、年齢を重ねても暮らしやすいため、長く暮らしていくことを想定している場合にもおすすめです。

 

共同住宅と比較した平屋賃貸のデメリット

暮らしやすさが魅力の平屋には、デメリットもあります。平屋の賃貸物件を探すときは、以下の点を知っておいてください。

 

防犯性が低い

平屋は、2階建の戸建てやマンションと比較すると防犯性が低くなります。

 

マンションではインターフォンがエントランスにあるため、訪問者がきても居室の玄関から距離があることで心理的に安心感があります。平屋は玄関を開けるとすぐ屋外へと出られる反面、セキュリティ面を心配する声もあります。

 

近隣住民同士で交流がある地域では犯罪が起こりにくいとされているため、少しずつでも挨拶などで関係を築いていくことをおすすめします。

 

駅近物件が少ない

平屋賃貸物件のデメリットのひとつに、駅近物件が少ないことがあります。駅近の平屋賃貸物件は稀です。

 

駅近物件は、通勤や通学にストレスが少なく、商業施設が充実していることが多いため生活に便利です。しかし、平屋賃貸物件は駅近物件が見つけにくく、駅から離れることも少なくありません。

 

また、駅近物件があったとしても、競合が少なく希少価値が高いため、家賃が高くなる傾向にあります。駅近物件にこだわらず希望条件を広くして探してみてください。

 

築年数が古い物件が多い

共同住宅と比較すると、賃貸のために建築される戸建ては少なく新築物件は稀です。転居するため期間を限定して賃貸で貸し出されている物件も多く、築浅の物件は少ない傾向です。

 

内見のときは、特にキッチンや浴室の水回りについて劣化がないか確認してください。また、1981年以前の建物は旧耐震基準に基づいているため、改修の実施について確認することをおすすめします。

 

住み心地の良い平屋の賃貸物件かを判断する確認ポイント

時間帯によって印象が変わるため周辺環境を確認

平屋の賃貸物件を選ぶときには、周辺環境を時間帯別で確認してください。平日と休日、また昼間と夜間で印象が変わる可能性があります。

 

たとえば、平日の昼間は静かな住宅街でも、休日になると子どもたちの遊び声で賑やかになる地域もあります。また、夕方以降の人通りや街灯の有無もチェックすることをおすすめします。

 

都合がつかず何度も物件を見に行けない場合は、自分が一番よく部屋で過ごす時間帯に周辺を確認しておくとよいです。図面や写真だけでなく周辺環境を実際に自分で確かめることで、住み心地をイメージしやすくなります。

 

ゴミ集積所が遠い可能性があるため場所を確認

平屋の賃貸物件では、ゴミ集積所が遠い場合があるため、場所をあらかじめ確認しておくと安心です。

 

マンションの場合、24時間いつでもゴミ出しができることがほとんどです。しかし、平屋に住む場合は、近くのゴミ集積所にゴミを運ぶ必要があります。なかには車で運ばなければならないほど遠くなることもあります。

 

立地や間取りだけでなく、ストレスなく暮らせるかという視点でも選んでください。

 

自治会への参加が必須かどうかを確認

平屋の賃貸物件を選ぶときには、自治会への参加が必須なのか確認してください。自治会への参加は必ずしも義務ではありません。自治会は地域の住民が任意で作る団体で、強制力を持っているわけではなく、参加するかどうかは自由に選べます。

 

しかし、なかには当番制でゴミ集積所の清掃をおこなっている地域もあり、自治会に入らないと生活しにくい場合があります。地域のルールはあらかじめ確認し、住んでから後悔することがないようにしてください。

 

契約期間が決められている定期借家かどうかを確認

平屋の賃貸物件を選ぶときは契約の種類を確認してください。普通借家契約では契約更新が可能ですが、定期借家契約の場合は更新ができません。

 

定期借家契約は、再契約型と非再契約型の2種類があります。再契約型は、家賃滞納のような問題がなければ契約期間満了後に再契約が可能で、普通借家契約と同様に長期間住むことができます。

 

一方の非再契約型は、契約更新ができません。建替えの予定がある物件や一時的に賃貸として貸し出す物件に用いられます。

 

平屋を含む戸建ての賃貸物件は、オーナーが数年後に戻ることを想定して再契約できない定期借家であることも多いため、契約期間はよく確認してください。

 

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