平屋のモデルハウス・展示場を見学する事前準備と現地で確認すべきポイント



注文住宅や建売住宅ではあまり見かけない平屋ですが、最近は平屋がブームになってきています。特に、初期費用や維持費用が少ないコンパクトな平屋が人気です。

 

単身で暮らす方や高齢者世帯、ひとり親世帯など、世帯の多様化もあり、どのような平屋を選べばよいか迷う方もいるのではないでしょうか。

 

本記事では平屋を選ぶうえで、モデルハウスや展示会で見学するときに確認するべきポイントや見学前に抑えておくべき知識を紹介します。

 

平屋のモデルハウスや展示会が近所にない場合は遠出してでも見に行くべき理由もお伝えしますので、平屋選びの参考にしてください。

 

 

平屋は不動産全体の中で建築される割合が少なくモデルハウス・展示場の数も少ない

平屋が建築される割合は2018年の1月~9月で11.84%

平屋やモデルハウスが建築される割合が少ない原因は、平屋やモデルハウスを建てるための広い敷地を確保できないからです。

 

しかし、建築着工統計調査では、平屋の着工棟数は増加傾向にあり、

 

2011年の平屋の着工棟数約2万8000棟から、2021年には約5万5000棟の平屋が建設されています。

 

10年間で、およそ2倍近く増えており、平屋の人気が高まってきていることを示しています。

 

これまで平屋は、高齢者から人気の住宅というイメージが強かったですが、若い世代からの人気も高まっています。

 

平屋は階段の上り下りの負担がなく、移動しやすいため高齢者から好まれる傾向にありました。

 

しかし最近では、「自分の理想の間取りにできる」「子どもと同じ空間にいれる」などの理由から、若者世代からの人気も高まっています。

 

幅広い世代が平屋の魅力に惹かれており、平屋の建築数が増加傾向にあるため今後も平屋の人気は高まり続けると考えられます。

 

遠出をしてでもモデルハウス・展示場はいくつか見学にいくべき

モデルハウスや展示場にいくことでよくありがちな以下の後悔をせずに済みます。

 

「紙面や画面で確認した部屋の広さや明るさがイメージと違かった」
「専門家や担当者とのコミュニケーションをとる機会が少なく、具体的な相談をすることができなかった」
「ハウスメーカーの得意としているデザインのテイストや強みが分からないのでハウスメーカーを選ぶ基準が分からない」

 

などのデメリットがあります。

 

平屋のモデルハウス・展示場は少ないですが、遠出をしてでも見学に行きましょう。

 

モデルハウスとはハウスメーカーがPRや販売促進を目的として建設した展示用住宅のことです。

 

平屋を建てるための広い敷地を確保しづらいことから、平屋のモデルハウス・展示場は少ないことが多いです。

 

しかし、モデルハウスや展示場に行くことで家を建てるときの具体的なイメージが湧きやすくなるので、住宅を建てる前に実際にモデルハウスや展示場の見学をすることがおすすめです。

 

建築材料や特徴的な構造に注目し、ハウスメーカーや施工会社の強みを考えましょう。

 

また、家族の要望をまとめ、見学で注目するポイントを選んだり、希望するデザインや予算を決め、事前に資料請求することで見学が効率的になります。

 

平屋づくりでは、モデルハウスや展示場を複数訪れて比較検討することが理想の住宅をたてる第一歩です。

 

事前に見たいモデルハウス・展示場などを調べておきましょう。

 

 

平屋のモデルハウス・展示場を見学する前に抑えておくべき知識

平屋の建築費用の相場を抑えておく

平屋を建てるときの費用の目安は2,000万円前後です。

 

一般的な平屋は木造・2LDK・延べ床面積85平方メートル(約26坪)の規模が多く、平屋の建築費は同じ規模の2階建てとくらべると1〜2割程度割高になります。

 

まず、見積もりを複数社から取り寄せ、価格を比較すれば無駄な出費を抑えることができます。

 

また、シンプルな外観や間取りを選ぶことで、費用を下げることが可能です。

 

たとえば、長方形や正方形の家、山形の屋根や片流れ屋根は建築費が低く抑えられます。

 

内装も、安価なビニルクロスを使うことで、費用を抑えることができます。

 

住宅カタログやインターネットで好みの内装や外装の雰囲気を抑えておく

好みの内装や外装を抑えておくことで実際にモデルハウスや展示場を見学したときに、自分たちが求める条件を満たしているかどうかを見学中に確認することができます。

 

モデルハウスや展示場を複数見学していると、どこの住宅に決めれば後々後悔しないか判断を迷う機会が増えます。

 

後々の家づくりを効率的に進めたり、最終的に満足のいく平屋を手に入れるためにも住宅カタログやインターネットで好みの内装や外装の雰囲気を抑えておきましょう。

 

インターネット上には家づくりに関して多くの情報があるので、平屋のモデルハウスや展示場を見学する前に、住宅カタログやインターネットを使って理想の平屋のイメージを具体化しましょう。

 

家族みんなで理想の平屋にするための意見を出し合って、内装や外装に何を求めるのかを話し合うことが大切です。

 

「シンプルなデザインが好み」、「暖かみのある素材や自然素材を取り入れた内装が好み」など家族の要望は洗い出しておきましょう。

 

必要な収納場所の広さを抑えておく

必要な収納場所の広さを抑えておくことで、モデルハウスや展示場で確認すべき項目を軸に見学をおこなうことができます。

 

平屋のモデルハウス・展示場を見学する前に何をどこに収納したいかを明確にしておくことが大切です。

 

まず、自分たちが持っているものや収納したいものをリスト化し、不要なものは断捨離しましょう。

 

そして、単に収納空間を設けるだけでなく、家事動線も考えて、重たい荷物の出し入れがしやすいように収納を配置しましょう。

 

収納するものの使用頻度や重さに応じて、位置を決めることが効率的な収納につながります。

 

使用頻度が高いものや重いものは、目線から腰までの高さに収納すると、出し入れがかんたんになります。

 

年に数回しか使わないものは、高い位置に収納しましょう。

 

収納グッズを選ぶときは、収納したい物に合わせた素材や形を選ぶことが大切です。

 

食品を収納する場合は、お手入れしやすいプラスチック製のものがおすすめです。

 

また、ボックスやバスケットを利用して、食品を種類別に分けて収納することで、取り出しやすさが向上します。

 

モデルハウス・展示場に予約が必要か確認しておく

予約をせずにモデルハウス・展示場の見学に行って、予約してないから見学ができなかったということがないように平屋のモデルハウスや展示場に行く前に、予約が必要か確認しておくと良いです。

 

一部のモデルハウスや展示場では、予約が必要な場合があるため無駄足にならないように注意が必要です。

 

モデルハウス・展示場の見学の予約をすることで、当日、安心して見学をすることができます。

 

また、事前にいくつかのハウスメーカーからカタログを取り寄せて、くらべておくと見学時にどこのモデルハウス・展示場を選ぶか迷わずに済みます。

 

カタログ請求をしておくことで、当日現地でカタログを確認する時間が短縮され、モデルハウスや展示場の見学を効率よくおこなうことができます。

 

さらに、重たいカタログを持ち歩かずに済むため、身軽に見学ができます。

 

置きたいインテリアや家具があれば寸法を測っておく

平屋のモデルハウス・展示場の見学をする前に、自宅に置きたいインテリアや家具の寸法を測っておくと実際に家具を置くイメージをしながら見学を進めることができます。

 

平屋に置くことを検討している家具やインテリアがあれば、忘れずに寸法を測っておきましょう。

 

家具は、部屋の大きさや形状によって選ぶべきサイズやデザインが異なります。

 

たとえば、2畳のリビングダイニングスペースの場合、2.5人掛けのソファではゆったりとした空間を確保できる一方、3人掛けのソファでは狭く感じることがあります。

 

また、ソファ選びのときには座面の高さや背もたれの高さなど、快適に過ごすためのポイントにも注意が必要です。

 

部屋の大きさや形状に合わせて家具を配置することで、リビングの広さや雰囲気を最大限に活かすことができます。

 

家具を選ぶときは、事前に部屋のサイズや形状を把握し、自分の好みや家族の日常生活に合ったものを選びましょう。

 

モデルハウス・展示場で見学するときに確認するべきポイント

平屋の坪数ごとに広さのイメージを掴む

部屋の広さのイメージがしやすくなれば、モデルハウス・展示場の見学に行く前や見学から帰ってきた後も、カタログや雑誌を参考にしながら理想の住宅作りを進められます。

 

一坪の広さを把握して、カタログや雑誌などに記載してある坪数から、部屋の広さをイメージできるようにしておくことが大切です。

 

平屋の家を建てる際、広さは坪数で表されます。

 

坪数は、1つの坪が約3.3平米(平方メートル)で、平均的な坪数は30~40坪程度です。

 

2階建て4LDKの一般的な間取りが参考になります。

 

家を建てるときの土地の広さの単位を示す「坪」ですが、部屋の広さの単位を示す「畳」や「平米(平方メートル)」が使われます。

 

それぞれの広さを確認しましょう。

 

1坪 約3.3平米(平方メートル) 約2畳
5坪 約16.5平米 約10畳
10坪 約33平米(平方メートル) 約20畳
20坪 約66平米(平方メートル) 約40畳
30坪 約99平米(平方メートル) 約60畳
40坪 約132平米(平方メートル) 約80畳

国土交通省が発表する「住生活基本計画」によると、3人家族の場合はおよそ100平米(約30坪)、4人家族の場合はおよそ125平米(約38坪)の広さが望ましいとされています。

 

家事動線や生活動線を意識して不便がないか確かめる

家事動線や生活動線を意識しないと、家事に時間がかかってしまったり、部屋への行き来に手間がかかってしまうのでモデルハウスや展示場を見学するときは、家事動線や生活動線に不便がないかを確認することが大切です。

 

家事動線とは、炊事や洗濯などの家事をおこなう場所を結ぶ移動経路のことで、効率的な家事ができるようにするときの大切な要素です。

 

一方、生活動線はリビングやキッチン、トイレを行き来する移動経路で、移動経路が効率的であるほど、生活が快適になります。

 

家事動線と生活動線の効率さを確認することは、理想の生活を送る上で大切な要素です。

 

モデルハウスや展示場の見学をするときには、家事や生活の各動線がどうやって配置されているかを確認しましょう。

 

たとえば、キッチンから食事を運ぶ場所までの距離が短いか、洗面所や浴室が近い場所にまとまっているかなど、効率的な間取りになっていることが望ましいです。

 

また、家族と来客が気を遣わないような動線になっているかも確認しておきましょう。

 

玄関から客間までの道筋が、生活動線や家事動線と重ならない配置が理想的です。

 

具体的には、キッチンや洗濯物などが来客動線から見えないように工夫されていることが大切です。

 

収納場所の大きさを確かめる

家具や電化製品を設置する空間に十分な大きさがあるかを確認しないと、置きたいものが置けなかったり日々の生活で困ることが増えてしまうので、モデルハウスや展示場では、収納場所の大きさや部屋の広さを確かめることが大切です。

 

間取り図に記載された畳数と実際にモデルハウスや展示場を見学したときの部屋の広さの印象が異なることもあるため、間取り図だけに頼らず、実際に部屋の広さを確認することが大切です。

 

リビングや寝室など、複数の部屋の広さもチェックし、家族と一緒に生活をイメージできる空間になっているかを検討しましょう。

 

また、過去に持っていたものやこれから持ちたい物を洗い出し、収納の仕方を考えておくことも大切です。

 

ハンガーを利用したい場合はクローゼットの大きさやハンガーパイプの取り付け位置を確認することも大切です。

 

モデルハウス・展示場では、単に収納空間の大きさや部屋の広さを確認するのではなく、将来的な家族構成や日常生活も考えながら見学することが大切です。

 

窓の配置・大きさを把握して日当たり・風通しがいいか確かめる

風通しは日々の生活で大切で、クローゼットや納戸を開けたりすることで湿気対策にもなるためモデルハウスや展示場で見学するときには、窓の配置や大きさを確認して、日当たりや風通しが良いかを見ることが大切です。

 

開放感を感じられる「一直線」の間取りや個室の窓の配置を注意してチェックしましょう。

 

また、住宅街の中の場合は、道路を歩く人や隣家から目が届かない位置に窓があるかも確認してください。

 

たとえば、各部屋の南面に窓やバルコニーを付けるだけで、心地よい風通しを実現することはできません。

 

住宅密集地では、単純に窓を大きくするだけでは家の中が見えすぎてしまうことがあります。

 

見えすぎる場合は隣家と視線をずらすように窓の位置を工夫しましょう。

 

壁面の高い位置に取り付けた窓などを利用することで、プライバシーを保ちつつ日差しと風を取り入れることができます。

 

窓の位置を工夫できるか想像しながらモデルハウス・展示場の見学に参加しましょう。

 

省エネ性や耐震性は数値評価だけではなくできれば体感したり実物を確かめる

省エネ性や耐震性をモデルハウスで体験することで、数値や資料だけでは分からない、家の快適さや安全性についてより深く理解することができます。

 

モデルハウスや展示場で家を見学するときに、省エネ性や耐震性について聞くだけではなく、できるだけ体感して確かめてみましょう。

 

たとえば、窓の大きさや配置の違いによって、風通しや光の取り入れ方の変化を確認したり、壁の補強材などを実際に見てみることで、建物の強度を理解することができます。

 

また、外構のチェックも大切です。

 

フェンスや塀の状況、駐車する空間の土間コンクリート、玄関ポーチのタイルなど、建物本体以外の部分も確認しましょう。

 

オプション費用を含めて総額でいくらかかるのか確かめる

オプション費用の相場は一概にいくらであるか決まっていませんが約30万円〜約100万円を目安としましょう。

 

オプション費用にも注意して予算内で建てられる家を考えることが大切です。

 

理由はオプション費用も含めた最終的な総額費用を把握し、ローン利用時は金利を含めた総支払額を確認できるからです。

 

総支払額を確認する前に、自分たちが何を実現したいのか、洗い出すことも大切です。

 

オプションは自分たちの好みや必要性に合わせて選ぶことができますが、オプションをつけた分だけ建築費用が変わってきます。

 

オプションの種類は豊富にあり、選ぶ物によっては100万円ほどかかることもあるためオプション費用を抑えることも大切です。

 

たとえば、床暖房が欲しい場合、標準仕様に含まれていない工務店やメーカーではオプションになります。

 

費用はいくらくらいかかるのか、家族で話し合ってオプション費用として追加するかを決めましょう。

 

また、オプション工事の値引き交渉も大切で、総額が高いほど、値引きに応じやすくなることもあります。

 

モデルハウス・展示場の見学中や見学終了後にオプション費用についても尋ねてみましょう。

 

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