工務店とリフォーム会社の違いとは?リノベーションはどちらに依頼するのがよい?
リノベーションの依頼先として候補に挙げられるのは、「工務店」と「リフォーム会社」の2種類がありますが、どちらに依頼すればよいか悩んでいる人もいると思います。工務店やリフォーム会社ごとに特徴があるので、理解しておく必要があります。
本記事では、業者ごとの違いやそれぞれの特徴、依頼先の判断基準について解説します。また、あわせて工務店やリフォーム会社の探し方のポイントも紹介するので、リノベーションの依頼先探しに役立ててみてください。
工務店とリフォーム会社の違い
地元に密着する工務店の特徴
個人の新築住宅の施工をおこなう
地元に密着した工務店では新築住宅の施工をメインとしているので、地域の気候や風土、文化に沿った住まいを実現しやすくなります。
担当地域に対して愛着があるので、家づくりに対する意識が高い傾向があります。設計から施工、リフォームの各工程で品質を確保することができます。
大工と直接打ち合わせができて要望を細かく反映させやすい
工務店では、家の間取りや内装のデザインなど、あなたが思い描く理想の家づくりを実現できるように大工さんと打ち合わせて調整できます。
工事の途中で変更や追加があった場合でも、柔軟に受け答えしてくれます。地域の人々の役に立ちたいという熱意や、現場で働く職人さんたちがあなたとコミュニケーションを大切にしている工務店が多いからです。
工務店にリフォームを依頼する場合、大工さんと直接打ち合わせができるため、要望を反映させやすくなります。
木造住宅の建築の間取りやリフォームが得意
木造住宅の建築に力を入れる傾向が強い工務店では、古い家や古民家など築年数が経った木造住宅のリフォームにおいて、他の業者には見られない独自の強みを持っています。
たとえば、確かな技術を持った職人たちが伝統的な工法を活かし、長く安心して住み続けられる家を作り上げてくれます。
また、工務店は断熱リフォームにも力を入れており、住みやすい家づくりを進めてくれます。家全体の温度を均一に保つことで、ヒートショックや熱中症のリスクを減らせるだけでなく、省エネ効果や節電効果も期待できます。
リフォームやリノベーションを専門的におこなうリフォーム会社の特徴
新築住宅の建築はおこなわない会社が多い
新築住宅の工事に比べてリフォームの方が工事単価が低いため、新築住宅を主力事業とする工務店との差別化を図るためです。
リフォーム会社は、築年数が経過している住宅や古民家などのリフォームやリノベーションが得意な傾向にあります。
対応できる施工範囲が広い
リフォーム会社に在籍しているスタッフは、リフォーム分野での経験や知識を持っているため、あなたのニーズに合わせたリノベーションが実現できるというメリットがあります。
たとえば、壁紙の貼り替えをおこなうときには、デザインや色に合わせてピッタリの壁紙を選ぶことができます。水漏れ修理では、原因となっている配管や部品の交換や修理をおこなってくれます。
さらに、外装工事においても、外壁の塗り替えや防水工事、屋根の葺き替えなど、あなたの家の状態に適したリフォームをおこなってくれます。
幅広い施工範囲を持つので、リフォーム会社はあなたのニーズに応えてくれます。また、一つの業者で大抵のリフォームがすべておこなえるため、複数の業者を手配する手間が省けるという利点もあります。
資格を持っている施工者がいない業者がある
リフォーム工事は建設業法における「軽微な建設工事」に当たるので、1,500万円未満もしくは延べ床面積150平方メートル未満の建築一式工事、または建築一式工事以外で500万円未満のリフォームなら、建設業に必要な資格がなくてもリフォームできます。
つまり、専門の知識がなくてもリフォームに携わることができるのです。
資格を持っていない業者がリフォームをおこなうと、トラブルが起こる可能性があります。また、リフォーム詐欺をおこなう悪質な業者も存在するため、資格を持っている施工者がいる業者を選ぶことで、安心かつ信頼してリフォームを依頼できます。
一級建築士や一級建築施工管理技士の資格を持っている業者は信頼できると言えます。
デザイナーが在籍している会社がある
専門的なデザイナーがいることで、あなたの希望に沿ったデザインや間取りを提案しやすくなります。
たとえば、自分好みの住宅にしたい場合や、インテリアコーディネーションに自信がない場合は、デザイナーやインテリアコーディネーターが在籍するリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。
最新のトレンドや素材に精通したスタッフが、あなたのニーズに応じた提案をしてくれるので、複数の選択肢からデザインを選べます。
リノベーションするならどっち?依頼先の判断基準
工務店がおすすめな2つのケース
費用をなるべく安く抑えたい場合
デザイナーを在籍させている工務店はほとんどないので、リノベーションに必要な費用がリフォーム会社より低い傾向にあります。
自分の中で間取りやデザインの構想が決まっていたり費用を抑えることを優先したい場合は、工務店に依頼するのがおすすめです。
また、各種補助金・減税制度を活用することも、費用を抑える大きなポイントです。耐震工事やバリアフリー改修、省エネリフォームなどが対象となるケースが多く、申請をおこなうことで費用負担を減らせる可能性があります。
充実したアフターサポートが欲しい場合
工務店は地域に密着しているので、ハウスメーカーより親身なアフターサポートを提供してくれる傾向があります。
リノベーションの相談や修理について、手厚いサービスを受けることができます。
たとえば、施工後の修理や定期点検の充実度や瑕疵担保責任保険に加入しているかといったポイントで、充実したアフターサポートを提供してくれるかを判断できます。
瑕疵担保責任保険とは、工務店が倒産して住宅を保証できなくなった場合の保険のことで、工務店が倒産しても住宅は10年間保証されます。
リフォーム会社がおすすめなケース
おしゃれな仕上がりにこだわりがある場合
リフォーム会社は、高いデザインセンスや素材選びの専門的な知識を持っているため、あなたのこだわりや想いに合った素敵なリノベーションを実現してくれます。
デザイナーが在籍しているケースが多いので、デザイン性のあるリノベーションが可能です。
壁紙や床材、家具、照明などの選択肢が豊富で、それぞれのデザインや機能を詳細に説明してくれるスタッフが多いので、あなたの要望に合った提案をしてくれます。
また、あなたと一緒に間取りやデザインを考え、打ち合わせから施工まで一貫して受け付けてくれるため、理想の仕上がりに近づけられます。
【リノベーション依頼】工務店とリフォーム会社の探し方のポイント5選
資格を持っている施工者がいるか
たとえば、一級建築士や一級建築施工管理技士の資格を持っている施工者がいると、技術力が高く信頼できる工事が期待できます。また、インテリアコーディネーターの資格を持っている場合は、理想に近いデザインのリノベーションが実現できます。
住宅の種類やリフォームの目的によって、資格を持った施工者の選び方は変わります。マンションのリノベーションをする場合は、マンションのリノベーションに特化したアドバイザーがいる業者に相談しましょう。
また、バリアフリー化を重視する場合やペットと一緒に暮らす場合は、コーディネーターの資格を持つ施工者を探すことがおすすめです。
どのくらい施工実績があるか
施工実績が豊富であることは信頼できる証です。信頼できる工務店やリフォーム会社を見分けるためには、口コミや評価を調べるのが有効です。
施工実績が多ければ、施工件数も多いということなので経験も豊富だと判断できます。ただ、施工実績が多いだけで評価が低い工務店やリフォーム会社の場合、強引に契約を結びいい加減なリノベーションで済ませる可能性があります。
施工実績だけでなく、担当者の受け答えやアフターサポートの充実などの面からも判断し、信頼できる工務店やリフォーム会社を選びましょう。
評判はよいか
事業者のホームページや口コミを集めたサイトを利用して、評価を確認しましょう。評価が高い工務店やリフォーム会社ほど、安心して任せてもいいと判断できます。
しかし、マイナスの評価も確認しなければいけません。低い評価があった場合は、低く評価された内容を知っておくことで、依頼後にトラブルになる可能性を下げられます。
また、口コミの数もチェックしておきましょう。口コミが多いほど多くの人が工務店やリフォーム会社に依頼していることになるので、評価は信頼できるものになります。
評判の良い工務店やリフォーム会社を見つけて、理想的なリノベーションを実現しましょう。
担当者が頼りになりそうか
誠意を持って受け答えしてくれる担当者でいれば、安心して工事の進行を任せられます。
信頼できる担当者かを判断するには、担当者の過去の実績や経験を確認しましょう。実績が豊富であれば、知識や経験が十分に備わっていると判断できるので、信頼できます。
また、担当者が丁寧で柔軟な受け答えをしてくれるかも大切です。リノベーションの相談や質問に対して、分かりやすく丁寧に説明してくれる担当者を選ぶことが大切ですし、柔軟に受け答えしてくれる担当者は、リノベーション作業の過程で予期せぬトラブルが起きたときでも、迅速かつ丁寧な対処をしてくれます。
保証期間やアフターサポートはどのようになっているか
修理が必要なときや工事後に問題が見つかったときに、きちんとした保証やサポートがある業者を選びましょう。
リノベーションが完了した後に設備トラブルが発生したときの充実したアフターサポートを提供してくれる業者であれば、信頼してリノベーションを任せてもいいと言えます。
具体的なアフターサポートとして、電話の受け答えやリノベーションにかんする相談、リノベーション後のお手入れやアドバイスなどがあります。また、保証期間が設けられているかも工務店やリフォーム会社選びのポイントになります。
保証期間やアフターサービスの充実度を確認することで、リノベーションが終わった後も安心して暮らし続けられます。
設備・材質・間取りといった自身の希望と業者の取扱ジャンルが一致しているか
リノベーションで省エネ設備や人気のあるフローリング素材、オープンキッチンなどを取り入れたい場合、希望する資材や設備を取り扱っている業者に依頼しましょう。
取り扱っていない工務店やリフォーム会社に依頼してしまうと、理想の住宅が建てられません。
工務店やリフォーム会社ごとに取り扱っている設備や資材は違うので、ホームページで事前に調べておく必要があります。
インターネットの情報が曖昧な場合は、直接店舗を訪れて取り扱っている設備や資材について聞いてみましょう。
自社設計・自社施工であるか
自社設計・自社施工のメリットは、品質を確保し、安心して住める家づくりをすすめられる点です。
一般的なハウスメーカーでは、設計と施工を別の業者に委託することが多く、業者間の連携トラブルが発生することもあります。
しかし、自社で設計と施工を一貫しておこなえば、連携トラブルは発生は考えにくいです。
また、あなたの想いがデザインに反映されやすく、細部までこだわった家づくりが可能です。
業者と設計から施工まで一緒に家を作っていけるので、業者があなたの意図を理解して家づくりを進めてくれます。
自社設計・自社施工をおこなう工務店やリフォーム会社を選ぶことで、あなたのニーズに応えた高水準の建設や理想的なリノベーションを実現してくれます。
RANKING
ランキング
PICK UP
おすすめ記事