平屋を新築する費用の相場とできるかぎり費用を安くするコツ
夢のマイホームを平屋で建てるうえで、費用がいくらかかるのか気になりますよね。平屋を新築する費用は、すでに土地があるかないか、1LDKや3LDKといった間取りをどのようにするかで大きく違います。
条件によっては二階建て住宅よりも費用が高くなってしまいます。一方で、平屋には二階建て住宅にはないメリットが多いことには間違いありません。
平屋を新築する費用には安く抑えるコツがあるので、平屋で失敗したと後悔をしないよう今のうちに知っておくべきです。平屋を新築する費用の相場と安く抑えるコツを知って、マイホームを平屋で建てる夢を叶えましょう。
土地や間取りによって違う平屋を新築する費用
土地があるかないかによって違う平屋を新築する費用
土地がある場合にかかる平屋を新築する費用
30坪以下で2~3LDKの平屋住宅を建てる場合にかかる建築費用相場は、1,000~2,000万円程度。2階建てとくらべて平屋は基礎や屋根の面積が広くなるため工事費が高くなります。一方で、部屋数を減らしてリビングを広くとるなど間取りをシンプルにすると建築費用を抑えられます。
土地がない場合にかかる平屋を新築する費用
平屋を建てる建築費用と合わせて土地の取得費用がかかります。2021年度フラット35土地付注文住宅融資利用者調査によると土地代は30坪ほどで1,400万円が全国平均です。総費用は土地代と建築費用をあわせた額と把握しておきましょう。30坪以下で2~3LDKの平屋住宅とすると、3,400万円ほどです。
土地は広ければ広いほど価格が高くなりますが、土地の価格は地域によって異なります。都心部では高額になり、郊外にいくほど安価になります。また、敷地の形状や周辺環境、商業施設の充実度、交通アクセスの良さといった要素の影響も受けます。
間取りによって違う平屋を新築する費用
老後に一人暮らしをする1LDKの平屋を新築する費用
老後を考えて1LDKの平屋を新築する場合の費用は10坪~15坪で500万円~600万円程度、20坪~25坪だと1,000万円~1,200万円程度です。
新築平屋の相場は、2~3LDKで1,000~2,000万円程度とされていますが、1LDKだと1,000万円以下に費用を抑えることもできます。
1LDKは限られた空間を効率よく活用して、快適に暮らすためのレイアウトプランが複数あります。
たとえば、LDKと個室を並べて配置し、仕切り扉をスライド式にすれば、来客時には大きなワンルームとして使うことができます。また、玄関からLDKまでを廊下でつなぎ、個室を廊下の隣に配置して独立させれば、就寝時は生活空間のLDKから離れてゆっくり休めます。
夫婦で二人暮らしをする2LDKの平屋を新築する費用
夫婦二人暮らしを考えた2LDKの平屋の費用は20~30坪で1,200万円~1,800万円程度です。
2LDKは、2つの個室を夫婦の寝室や書斎、趣味の部屋として使うことができるので、不自由はない間取りといえます。25坪の2LDKなら6帖程度の2つの個室と、18帖以上の広々としたLDKを実現できます。
家族で暮らす3LDKから4LDKの平屋を新築する費用
28~36坪の3LDKの平屋は、1,700〜2,200万円程度。40坪の4LDKの平屋なら、2,400万円~2,800万円程度です。
4LDKは夫婦の寝室のほかに個室が3部屋あるため、子どもが3人いても個室を用意できます。また、二世帯住宅もできる広さです。部屋数が多くなるほど、柱やドア・窓といった建具も増えるため価格は上がります。
平屋を新築する費用を左右する延べ床面積と建築費用
延べ床面積が狭く二階建ての住宅よりも高くなる坪単価
平屋は延べ床面積が二階建ての住宅よりも狭く、坪単価は高くなります。延べ床面積は家のすべての階の床面積を合計したもので、建築費用を延べ床面積で割ると坪単価が求められます。
たとえば、平屋で30坪、建築費用が2,000万円の場合、坪単価は約67万円(2,000万円÷30坪)です。同じ敷地面積で二階建てを建てる場合、階段などを考えても、床面積が増える分、坪単価は下がります。
敷地の基礎面積の広さによって高くなる建築費用
平屋の新築費用は、敷地の基礎面積の広さによって高くなることがあります。住宅を上から見たときの建物の広さを基礎面積といいます。
平屋の場合、基礎面積が二階建て住宅よりも広くなるため、建築費用が増えてしまいがちです。同じ延べ床面積の平屋と二階建て住宅をくらべてみましょう。
平屋は延べ床面積を確保するため、基礎と屋根の面積が広くなり工事費は増加します。二階建て住宅は基礎面積を一階と二階で活用して延べ床面積を確保できるので平屋ほどの基礎や屋根の面積は必要ないのです。
二階建て住宅と比較した平屋のデメリットとメリット
二階建て住宅よりも劣る平屋のデメリット
土地の面積に対して限られる居住空間
土地の面積に対して居住空間は二階建てよりも狭くなります。たとえば、110平方メートルの住宅を建てる場合、平屋では建物全体が面積になりますが、二階建て住宅では各階が55平方メートルずつになるため平屋程の土地の面積は必要ありません。
さらに、土地の面積に対して建てられる建物の面積は決まっており、敷地面積に対する建物の建築面積の割合を建ぺい率といいます。たとえば、建ぺい率60%の地域で110平方メートルの家を建てる場合、平屋は183平方メートル以上、二階建てでは91平方メートル以上の土地が必要です。
広い敷地面積が必要で高くなる土地の費用
平屋を建てる場合、延べ床面積が同じ二階建て住宅とくらべて約2倍の広さの土地が必要になると考えてください。
同じエリアの土地だとすると土地代も約2倍になります。具体的には、延床面積110平方メートルの家を建てる場合、平屋だと土地が183平方メートル以上、二階建てだと91平方メートル以上の土地が必要です。
周囲の視線や騒音によるプライバシーへの影響
平屋は生活空間をすべて一階に集めているため、周囲の視線や道路の騒音が気になるかもしれません。特に、人通りが多い場所や近隣の家と距離が近い場合、窓から室内が見えやすくなってしまいます。
プライバシーを確保するためには窓の位置やサイズを工夫して、外からの視線を遮る必要があります。また、防犯対策も大切です。
たとえば、敷地の外周にフェンスや植栽を設置することで外部からの視線や侵入を防ぐことができます。さらに、中庭を設けたり、建物周囲に遊歩道や広場を造ることで建物と道路に距離ができ、プライバシーを確保することができます。
二階建て住宅よりもお得な平屋のメリット
開放感があり自然を感じられる居住環境
平屋の魅力の一つは、開放感あふれる自然を感じられる居住環境が実現できることです。
たとえば、天窓を設置することで、毎朝日射しが室内に降り注ぎ、気持ちよく目覚めることができます。また、中庭を作ることも可能で、晴れた日には外でお茶やバーベキューが楽しめます。
一階建ての特徴上、必要最小限の部屋数で済むため、1部屋1部屋を広くすることができます。
たとえば、一部屋しかないリビングダイニングキッチンに開放感を持たせることもできます。
家族とコミュニケーションを取りやすい居住空間
平屋は、家族とのコミュニケーションがより簡単に取れる居住空間が作りやすいというメリットがあります。
平屋ならではの部屋数の少ないシンプルな構造のおかげで、家族が常に近くにいるので、自然と話す機会が増えます。
家族同士がコミュニケーションが取りやすいリビングを作りたいのであれば、家の中心にリビングを配置し、子ども部屋の距離を近くする工夫がおすすめです。平屋はすべての部屋が1階にあるため、家族の様子が把握しやすく、親子や夫婦間の心の距離も縮まりやすいです。
家具のレイアウトや配置変更がしやすいシンプルな間取り
平屋はシンプルな間取りにできるため、家具のレイアウトや配置変更がしやすいです。さらに、コンパクトな家具を選ぶことでお部屋の広さを有効活用でき、引っ越しや模様替えのときにも自由なレイアウトができます。
また、縦に長いなど幅が狭い空間でも家具を上手に配置することで、動線を確保し、快適な暮らしが実現できます。
たとえば、小さなリビングダイニングでソファと食卓を兼用にしたソファダイニングを配置することで、空間を有効活用できます。また、奥行きの浅いソファやテレビボードを選ぶことで、縦長の間取りでも快適な生活動線が確保できます。
階段の上り下りや段差がないバリアフリー設計
平屋の最大のメリットは、階段の上り下りや段差がないバリアフリー設計になっていることです。バリアフリーのおかげでお年寄りや車いすを利用される方も安全に暮らすことができます。
冷暖房や照明を効率的に使用できる省エネルギー性
平屋の設計次第で冷暖房や照明の省エネルギー化を図れます。たとえば、風通しの良い家を作ることで、夏場の冷房費を減らすことが可能です。
大きな窓や天窓を設置することで、自然の光を取り入れやすくし、日中の照明にかかる費用も抑えることができます。また、屋根に太陽光発電システムを設置することで、冷暖房費を含む電気代を大幅に節約できることが期待できます。
高齢者に優しい住宅を考える際、室内の気温差にも注意が必要です。断熱性や気密性は家の構造やハウスメーカーによって異なります。
平屋を新築する費用をできるかぎり安く抑えるコツ
建物の総床面積を最小限にするコンパクトな間取りを設計
平屋の新築費用を抑えるためには、まず建物の総床面積を最小限にするコンパクトな間取りを設計しましょう。
必要な部屋数だけに絞り、広さも家族の人数に合うよう設定すれば、基礎工事や屋根・壁の面積が減り、費用も抑えられます。夫婦のみであれば24坪で2LDK+物干しスペース、夫婦と子ども1人であれば26坪で2LDK+和室、夫婦と子ども2人であれば3LDK+書斎や中庭が考えられます。普段使わない和室や個室は本当に必要か、リビングダイニングの広さは広すぎないかなどを考えて、建物をコンパクトに設計しましょう。
予算に合った費用の材料や設備のグレードを選択
住宅の新築費用を抑えるために、予算に合わせて材料や設備のグレードを選択することが大切です。
たとえば、キッチンやお風呂場などの家の設備について、高いグレードのものを選ぶと費用が高くなります。
まずは標準的なグレードのものから選ぶようにしましょう。また、使う材料についても、高価なブランド品ではなく、費用対効果が良いものを選ぶことで、無理なく費用を抑えることができます。
長期的な費用を削減する省エネルギー設備の設置
平屋を新築するときに長期的に費用を削減する方法として、省エネルギー設備の設置がおすすめです。
たとえば、太陽光発電設備や床暖房設備を取り入れることで、建築費用は上がりますが電気代やガス代を長期的に節約できます。太陽光発電設備の導入費用は約140万円から、床暖房設備は一畳あたり5万円~10万円が目安です。
室内で使用する建具を減らして施工費を削減
室内で使用する建具を減らすことは、平屋をできるだけ安く建てる際の工夫のひとつです。
たとえば、部屋と部屋を仕切る壁にドアを設置する代わりに、スライド式のパーティションやカーテンで区切ることで、建具やハンドル、取り付けなどにかかる費用を節約できます。
また、部屋同士の仕切り壁を少なくすることで、壁や建具の材料費や施工費の削減にも繋がります。住宅展示場で見学やハウスメーカーのカタログをチェックするときには、建具をどのように配置するか意識して、費用削減できる部分を探しましょう。
複数のハウスメーカーや工務店の見積もりを比較
平屋の新築費用を安く抑えるためには、複数のハウスメーカーや工務店から見積もりを取り寄せて、それぞれの提案内容や価格を比較検討することが大切です。
同じ要求に対しても、提案される間取りや設備が異なることがあるため、プランの細かい部分までチェックして費用削減できるところを見つけましょう。
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