住宅価格の推移とは?価格が上がっている要因なども解説
注文住宅を購入する時に気になるものの1つが住宅価格の推移です。タイミングによっては、数百万円の差額が出ることもあります。そこで、今回は過去5年の不動産価格指数の推移や価格が上がる要因などについて解説します。
過去5年の住宅価格の推移とは?
Point 2020年の時にいったん下がるが、その後上昇する
国土交通省が公開している2019年から2023年の不動産価格指数を見てみましょう。不動産価格指数とは、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに、不動産価格の動向を指数化したものです。2010年の平均を100としています。
住宅地 |
戸建て |
マンション |
|
2019年1月 |
104.1 |
105.6 |
147.4 |
2020年1月 |
101.7 |
100.8 |
151.0 |
2021年1月 |
102.1 |
102.3 |
157.0 |
2022年1月 |
107.9 |
112.2 |
173.1 |
2023年1月 |
109.8 |
117.6 |
189.4 |
(データ引用:国土交通省「不動産価格指数」)
住宅地・戸建て・マンション、共に2020年の時にいったん下がりますが、その後上昇しています。特に、マンションの上昇率は高いです。
エリア別不動産価格指数
Point 関東地方の方が近畿地方よりも高い
2023年1月時点での関東地方と近畿地方の不動産価格指数を比較します。
住宅地 |
戸建て |
マンション |
|
関東地方 |
113.0 |
119.4 |
183.4 |
近畿地方 |
112.1 |
118.5 |
193.3 |
基本的に、関東地方の方が価格が高いですが、マンションでは逆転しており、近畿地方のマンションは特に高いことが分かります。また、南関東圏と京阪神圏も比較します。
住宅地 |
戸建て |
マンション |
|
南関東圏 |
123.0 |
122.6 |
183.5 |
京阪神圏 |
116.7 |
121.2 |
193.2 |
関東地方よりもさらに限定的にした南関東圏の方が、住宅地・戸建て・マンション全てで価格が高くなっています。また、近畿地方よりも京阪神圏の方が価格が高いです。目立つのは、京阪神圏のマンションの高さです。
さらに、対象を絞って東京都と大阪府を比較します。
住宅地 |
戸建て |
マンション |
|
東京都 |
137.4 |
132.6 |
187.5 |
大阪府 |
127.9 |
125.7 |
187.6 |
やはり全体的に、関東地方・南関東圏・東京都の方が高い数値となっています。しかし、マンションに限っては、東京都と大阪府で逆転しており、大阪府の方がわずかに高い数値となっています。
価格が上がっている要因
Point 物価上昇や金利、オリンピックや万博などのビッグイベント、住む人の年齢が影響を与える
物価上昇
物価が上がり、建築費が高騰しているため、不動産価格が上がっていると考えられます。総務省が公開した2023年5月の全国消費物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.8と、前年同月と比べて3.2%上昇しました。電気代の値下がりで前月の3.4%から鈍化しましたが、21ヶ月連続で上昇しています。
物価上昇の要因の1つとなっている為替市場での円安の影響で、建築資材や設備機器の価格は上昇しています。
金利
不動産価格は、金利などの経済政策の影響を受けます。金利が下がれば不動産取引は増えて価格が上がり、金利が上がれば購入意欲が下がるため不動産取引は少なくなって価格が下がります。
海外では、アメリカを筆頭にインフレが深刻化し、すでに金利が大幅に上昇しています。それに引きずられるように、日本の金利も長期金利を中心に徐々に上昇しつつあるようです。
オリンピックや万博
2013年に東京オリンピックの開催が決定されてから、首都圏の不動産価格は大きく上昇し続けました。東京オリンピックだけでなく、「スモールオリンピック」を成功させたロンドンオリンピックでも、不動産価格が多大な影響を受けたようです。
また、関西圏で開催されるビッグイベントとして大阪万博があります。京阪神圏や大阪府などの不動産価格は上昇しており、その要因の1つに大阪万博が挙げられると考えられています。
会場となる夢洲(ゆめしま)の整備が着々と進んでいます。土地の造成を急ピッチで進め、交通インフラも整備しています。現在、夢洲へのアクセス方法は、自動車とバスのみですが、大阪メトロ中央線をコスモスクエア駅から約3キロ延長させる予定です。
2024年度の開業を目指しており、実現したら周辺に商業施設や住宅などが建ち並ぶかもしれません。
住む人の年齢
不動産価格の推移には、各エリアの人口数や老若男女の人口比率などの要素が影響します。
高齢者の多いエリアよりも若い世代が多いエリアの方が、将来的な伸び率などが高く評価され、不動産価格が高くなります。
また、「2025年問題」も関係してきます。2025年問題とは、1947年~1949年の間に生まれた約800万人の団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、社会保障費用が増え、公共サービスの縮小が見込まれることを指す言葉です。
高齢者の増加によって、相続される住宅も増えることが予想されます。老朽化した住宅が売却あるいは譲渡され、不動産市場の需給のバランスが崩れることも想定されています。
今後の住宅価格の予測
Point 不動産価格が上がる要因と下がる要因を見比べて考える
不動産価格の推移を正確に予測することはできませんが、上がる要因と下がる要因を挙げ、見比べることで把握できることもあります。
価格が上がる要因
物価上昇の1つの要因である円安は、高止まりのため、それに伴い物価も高止まりが続く可能性が高いようです。
特に、東京都にある新築マンションは価格上昇が著しく、2022年には1990年代の不動産バブル時の平均価格を超えました。
マンションの価格が上がっている要因としては、人口の都市集中化やウッドショックによる新築マンション価格の高止まりなどが挙げられます。
また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響も受けるでしょう。注文住宅を建てるためには多くの木材が必要で、その木材の供給を支えているのはロシアを含んだ海外です。しかし、世界情勢の影響で木材やエネルギーなどの建築資源が不足し、価格が高騰しています。この問題については今後の予測ができません。
価格が横ばいになる要因
東京都から少し離れた郊外の住宅価格は、2023年以降若干の上昇あるいは横ばいと考えられます。現在の日本では都市集中型の傾向があり、郊外の需要はさほど変わらないと予測されます。
価格が下がる要因
2021年に東京オリンピックが開催され、首都圏の不動産価格の上昇傾向が鈍化する可能性もあります。
また、2025年問題の影響を受けて空き家が増えることも考えられます。高齢者の割合が高いエリアでは、住人が亡くなったり介護施設や病院に入ったりすることで誰も住まなくなり、売却されることも予測されます。
このように不動産価格が上がる要因や横ばいになる要因、下がる要因を見比べ、随時予測する必要がありそうです。
まとめ
日本の不動産価格指数は、2020年の時にいったん下がりますが、その後上昇傾向となっています。不動産価格は、物価上昇や金利、オリンピックや万博などのビッグイベント、住む人の年齢など、多くの要因が複雑に関係しています。
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