ビルトインガレージとは?メリット・デメリットや設計時の注意点も


 


車好きな人の中には、ビルトインガレージ付きの家を建てようか迷っている人も多いでしょう。ビルトインガレージのある家に住めれば、愛車を雨風やイタズラから守れるほか、格納スペースをDIYスペースやバーなど、大人の趣味のスペースとしても活用することができます。

今回は“ビルトインガレージ”をキーワードに、「そもそもビルトインガレージとは?」という疑問に対する答えから、メリット・デメリット、設計時の注意点について解説していきます。ビルトインガレージを検討している人は必見ですよ!

 


ビルトインガレージとは?

ビルトインガレージとは、車を格納する駐車スペースを家の内部に組み込むタイプのガレージのこと。別名インナーガレージともいい、別棟で建てるガレージが一般的なアメリカなどに比べ、土地の狭い日本でとくに支持されているタイプです。また、ガレージを趣味のスペースや習い事教室の開催スペースとして活用する人もいるなど、車を格納するだけに留まらない活用法があります。

 

ビルトインガレージの5つのメリット

ビルトインガレージのメリットを5つ解説します。

 

・愛車を傷や汚れから守れる

・雨に濡れずに家に入れる

・愛車を鑑賞できる

・趣味のスペースとしても活用できる

・容積率が緩和される

 

 


車好きには嬉しいメリットもありますね。順に見ていきましょう。

 

愛車を傷や汚れから守れる

1つ目のメリットは「愛車を雨風やイタズラから守れる」ということ。屋外の駐車場を使用する場合は、雨や雪、時にはヒョウにもさらされ、車体が傷ついてしまうこともあります。一方、ビルトインガレージでは車を建物内に格納できるため、駐車中に雨風にさらされることはありません。

また、イタズラや車上荒らしからも愛車を守ることができます。さらにガレージに防犯カメラを設置することで、より防犯性を高めることができるでしょう。このようにビルトインガレージでは駐車中の大切な愛車を外部からのあらゆる刺激から守ることができるのです。

 

雨に濡れずに家に入れる

2つ目のメリットは「雨に濡れずに家に入れる」ということです。ビルトインガレージは建物に組み込む形になっているため、車を降りてそのまま室内に入ることができます。自分も荷物も塗らすことはありません。「何だ、雨に濡れないだけか」と思われるかもしれませんが、雨のストレスからの解放は思ったよりも大きいですよ。まとめ買いをした時や、小さな子どもがいる時は助かるでしょう。

 


愛車を鑑賞できる

3つ目のメリットが「愛車を鑑賞できる」間取りが可能という点です。たとえば、ガレージと部屋をガラスで区切ることで、部屋からガレージにある愛車を常に見渡せるような設計にすることもできます。ガレージを部屋から眺められる設計・デザインにすれば、ソファーに座りながら、コーヒーやお酒を飲んで愛車を眺める・・・そんな至福の時間も過ごすことができるでしょう。

 


趣味のスペースとしても活用できる

4つ目のメリットは「趣味のスペースとしても活用できる」という点です。ガレージは車を格納するスペースではありますが、工夫すれば大人の趣味を楽しめるスペースにもなるのです。以下、趣味としてのガレージの活用例を紹介します。

 

<趣味としてのガレージの活用例>

 

・DIYスペースにする

・友人たちと集まる交流場にする

・習い事教室を開催する

・子どもの遊び場にする

・カウンターを設けてバーにする

 


上記はあくまで例ですが、多様な活用方法があることがわかりますね。ビルトインガレージ付きの家を建てる際には、ぜひ家族とどのようにガレージのスペースを活用するのか相談してみてはいかがでしょうか。

 

容積率が緩和される

5つ目のメリットは、「容積率が緩和される」という点です。ビルトインガレージは延床面積に含まれますが、建物全体の延床面積の5分の1までであれば容積率の計算から除外される緩和措置があります。つまり、同じ容積率の敷地に建物を建てる場合、ビルトインガレージのある家の方が建物を大きくすることができます。ただしこの緩和措置は、敷地に対する1階部分の広さを指す建蔽率には適用されませんので、注意が必要です。

 

ビルトインガレージの4つのデメリット

続いて、ビルトインガレージの4つのデメリットを解説します。

 

・1階の居住スペースが削られる

・車の騒音やシャッター音が気になる

・建築費が高い

・空気の入れ替えが必要

 


いずれもビルトインガレージを建築・設計する際には対処する必要があるデメリットたちです。

 

1階の居住スペースが削られる

1つ目のデメリットは「1階の居住スペースが削られる」ということ。1階には最低でも車1台分の駐車スペース(普通乗用車でおおよそ4~6坪)を設ける必要があるため、その分居住スペースが少なくなってしまいます。土地の面積や建物によっては1階は玄関とガレージのみで、リビングなどの居住スペースはすべて2階以上に配置することになる場合も出てくるでしょう。

 

車のエンジン音やシャッター音が気になる

2つ目のデメリットは「車のエンジン音やシャッター音が気になる」という点です。とくに夜中に車を格納する際はどうしても音が部屋に響いてしまうことがあります。そのため、静音性の高い電動式のシャッターを取り付けたりするなどの対策が必要になります。

 

建築費が割高になる

3つ目のデメリットは「建築費が割高になる」という点です。ビルトインガレージは本来あるはずの壁を取り除いて駐車スペースをつくります。その結果、耐震性能が低下してしまいます。耐震強度を上げるために柱を補強することもあり、建築費用が割高になってしまうのです。ただ割高にはなるかもしれませんが、長い目で見れば、外部に駐車場を借りる場合よりもお得になる可能性がある点は頭に入れておきましょう。

ちなみに、ガレージスペースに関しては1台あたり約250万~約400万円が相場です。ただし、格納する車のサイズやシャッターの性能、仕様によってもガレージスペースの費用は異なります。具体的な建築費についてはビルトインガレージが得意な住宅メーカーに複数相見積もりをとって確認するようにしましょう。

 

 

空気の入れ替えが必要

4つ目のデメリットは「空気の入れ替えが必要」です。ビルトインガレージにシャッターを付けると、どうしても車の排気ガスや湿気が溜まりやすくなります。とくに冬場、乗車前に車の中を暖める場合などは、排気ガスがこもりがちになります。このような車の排気や湿気対策として換気設備は必須だと考えましょう。

 

 

 

 

ビルトインガレージの設計時の3つの注意点

最後にビルトインガレージを設計する際の3つの注意点を解説します。

 

・車の購入・買い替え計画を元にガレージの広さを考える

・騒音・排気ガス対策を取る

・スペースを明るくする工夫が必要

 


上記3つはビルトインガレージを建てる際には頭に入れ、住宅メーカー担当者と話し合いましょう。

 

 

車の買い替え計画を元にガレージの広さを考える

1つ目の注意点は「車の買い替え計画を元にガレージの広さを考える」ということです。ガレージは基本的にはリフォームができません。そのため、現在の車を格納することを念頭にガレージの広さを決めてしまうと、“もう少し大きな車に買い替えたい”といった場合に、新しい車を格納できず、別に駐車場を借りる必要が出てきてしまいます。車は家族構成や年齢によってもニーズが異なるため、ガレージの広さを考える前に将来的な車の購入・買い替え計画をよく整理しておきましょう。

 

騒音・排気ガス対策を取る

2つ目の注意点は「騒音・排気ガス対策を取る」という点です。ビルトインガレージのデメリットは「エンジン音やシャッター音などの騒音や排気ガスが部屋に届いてしまう」こと。これら騒音・排気ガス対策は必ず考えましょう。具体的には、騒音対策についてはリビングや寝室など家族がくつろぐスペースはなるべくガレージから遠い位置に配置したり、遮音性の高い壁や静音性の高いシャッターを取り付けたりしましょう。また排気ガス対策としては、ガレージ内に窓を複数設置したり、換気設備をつけるのも効果的です。

 

 

スペースを明るくする工夫が必要

3つ目の注意点は「スペースを明るくする工夫が必要」という点です。どうしてもガレージ内は自然光が入りづらくなっています。そのため、適切な位置に窓をつけたり、照明を設置するなど、スペースを明るくする工夫が求められます。

 

 

まとめ

今回はビルトインガレージの概要やメリット・デメリットなどを解説してきました。ビルトインガレージは車の格納スペースを家の内部に取り組む形のガレージです。

ビルトインガレージには駐車スペースとしてだけではなく趣味のスペースとしても活用できるほか、駐車場代がかからないといったメリットがあることがわかりました。一方で、建築費用が割高になることから、“ビルトインガレージ付きの家を建築しようか迷う”“ビルトインガレージの費用をなるべく抑えたいけど、どうすれば良いの?”と思う人もいるでしょう。興味のある方は住宅メーカーへ問い合わせてみてはいかがでしょうか。ビルトインガレージ付きの家の事例を確認し、自分たちの理想について相談してみましょう。

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