ローコストがやばいといわれる理由と建てる前に抑えるべきポイント
住宅を建てるには、土地代と建物代あわせて3,000万円程度かかります。
ローコスト住宅であれば1,000万円代で住宅を建てられる可能性がありますが、費用が安い分、懸念点もあるので、ローコスト住宅を建てるなら抑えるべきポイントをお伝えします。
ローコスト住宅がやばいと言われる理由
費用が安く1,000万円以下で建てられる
ローコスト住宅は建築費が1,000万円台または1,000万円以下の住宅のことを指します。間取りや設備がパターン化された「規格型の住宅」がローコスト住宅に該当します。
一般的なハウスメーカーの相場である2,500~3,000万円にくらべて、約3分の1の価格で家が建てられるため、予算が高くなくても家を持つことができます。また、家にかける予算を抑えることで、旅行や子どもの教育資金、趣味などに使えるお金が増えます。
低価格で家を建てられるので、収入が少ない人や若い世代でもローンの審査に通る可能性があり人気があります。
完成までにかかる期間が短い
注文住宅は工事が始まってから家ができるまでに4ヶ月から7ヵ月ほどかかります。ローコスト住宅の場合、約3ヵ月で家が建てられます。
短い工期が実現できる理由は、規格化された住宅を建てているからです。規格化された材料や設備を使って、住宅建築の工程や作業がパターン化されることにより、短い期間で住宅が建てられます。
工場で建材が組み立てられてから現場に搬送されるので、工程が少なくて、人件費を抑えることができます。
しかし、依頼するメーカーや工務店によって、住宅の品質や寿命が大きく影響されるので、信頼できるメーカーや工務店を選びましょう。
断熱性が低い
ローコスト住宅の断熱性が低いと言われる理由は、コストを抑えるために使用される断熱材や建材の品質が低いことが原因です。高性能の断熱材や建材と比較すると、品質の低いものがローコスト住宅に使用されています。
低品質の断熱材は、壁や天井、床との間に隙間ができやすく、家の中の気密性が悪くなってしまいます。空気が室内に侵入しやすくなり、快適な住環境を保ちづらくなるのです。
夏場は暑さがこもり、冬場は寒さが室内に侵入しやすくなります。暑さや寒さに影響されやすくなると、エアコンの稼働時間も増えてしまい、節約効果が損なわれることにもつながります。
寿命が短い
「寿命が短い」と言われるローコスト住宅のイメージは、必ずしも真実ではありません。一部の低品質な住宅が問題になった過去の例が、誤解を生んでいます。
現在は大手住宅メーカーが高品質で耐久性のあるローコスト住宅を提供しており、長く暮らすことが可能です。
留意すべきは、ローコスト住宅を建築する職人の技術に信用性があるかです。過去には欠陥住宅が問題となりましたが、現場の監視体制に問題があって発生したもので、必ずしも住宅の資材や建材に問題があったわけではありません。信頼できるメーカーや職人であれば、高品質な住宅が安く手に入ります。
また、ローコスト住宅の寿命は短いのではないか、といった不安があるかもしれませんが、
正しい修理や点検をおこなえば、一般的な住宅と変わらない耐久性が期待できます。大切なのは、信頼性のある建築会社に建築を頼むことと、定期的な修理・点検を心掛けることです。安くても長寿命のローコスト住宅を手に入れられます。
設備のグレードが低い
ローコスト住宅では、建築費を節約するために、キッチンやトイレ、お風呂や洗面所など、家の中の水周りに関連する設備のグレードを低くすることがよくあります。高品質な設備を使いたい人にとってはデメリットに感じてしまいます。
決して低品質な設備というわけではありませんが、建築費を抑えるために標準的でシンプルなデザインの設備が使われます。キッチンやお風呂にこだわろうとすると、費用がかかってしまいます。
水周りの設備を設計するメーカーを統一することや、住宅関連メーカーの設備を提供する建築会社を選ぶと、安価な家具を避けられます。費用を抑えるためには、事前に設備のグレードを確認し、自分が快適に暮らせる家を選ぶことが大切です。
気密性・省エネ性能が低い
ローコスト住宅は、安価な建築資材や省エネ性能の低い窓を使用している場合が多く、気密性や省エネ性能が低い傾向にあります。
機密性が低くなり、夏は暑く、冬は寒い室内環境になってしまうことがあります。かといって、高性能の建築資材で窓を設計すると費用がかかってしまいます。
費用を抑えた上で快適に暮らすには、日当たりや風通しの良い間取りを検討することが必要です。自然の光や暖かさを活用することも、夏の暑さや冬の寒さを和らげる方法として有効です。
家の音が外に響く
ローコスト住宅では、家の音が外に響きやすいという問題があります。費用を抑えるために最低基準の品質の建材を使用しているため、遮音性能が他の物件にくらべて劣っていて、室内の音が漏れやすくなっています。
また、周囲の音や声が入ってきやすくもなっていて、立地条件によっては騒音に悩まされることもあります。
施工が雑になる
ローコスト住宅には施工が雑になると言われる理由があります。まず、通常の住宅にくらべて建築期間が短いため、手間をかけられず仕上げが雑になりがちです。
また、費用を抑えるために作業員の質や指導不足が影響して施工の良し悪しにバラつきが生まれることもあります。結果として、家の基礎や中間工程でのミスが発生しやすくなります。
雑な施工を避けるためには、建設現場を定期的に訪れて、指定した設備や仕上げがきちんと施工されているかチェックすることが大切です。また、口コミや評価で信頼できるローコスト住宅のメーカーや工務店を選ぶ方法もあります。
担当者の対応が悪い
ローコスト住宅を選ぶときに、担当者の対応が悪いと大きな懸念材料となります。営業担当者はあなたの家づくりのパートナーであり、コミュニケーション力や提案力が十分でないと、理想の家が実現しない可能性が高くなります。
対応の悪い担当者では、マニュアル通りの対応しか受けられず、満足できる家が建てられないことがあります。担当者の対応が悪いという評判は、ローコスト住宅だけでなく、他のハウスメーカーでもよく聞かれる問題です。悪い評判があるメーカーは選ばないようにしましょう。
もし、対応の悪い担当者に出会ったら、変更の意向を伝えることが大切です。ホームページ上の連絡フォームや別担当者を通して伝えるなど早急に変更するようにしましょう。
やばいと思ってからでは遅い!ローコスト住宅を建てるなら抑えるべきポイント
住宅メーカーや建築会社を選ぶときには、信頼性やサービスの質に目を向けましょう。悪徳な業者に騙されることなく、安心して住める家を手に入れるためにも、各社の評判や実績を調べましょう。
次に、ローコスト住宅の品質や耐久性にも注目しましょう。ローコスト住宅は費用を抑えるため、安価な建材や設備が使われます。家の構造強度や機能性に関しては確認しておくべきです。また、省エネ基準に適合しているかもチェックしましょう。
最後に、自分のこだわりや希望条件に応えてくれる住宅メーカーや建築会社を選ぶことが大切です。たとえば、キッチンやリビング、寝室など、特に重視したい部分がある場合は、設計を得意としている会社を見つけましょう。ローコスト住宅でも、自分にとって満足できる家を建てるためには、ポイントを抑えておくことが必要です。
費用の安さだけで選ばない
ローコスト住宅は費用だけで見れば魅力的に感じるかもしれませんが、安さだけで選ばないようにしなければいけません。
表示価格には最低限の資材や設備しか含まれておらず、追加オプションで費用が増えることがあります。見積もりをもらう際に、オプション料金がいくらになるか確認しましょう。
建築費の見積もりの内訳は確認する
ローコスト住宅を建てるとき、後悔しないためにも建築費の見積もりの内訳を確認しましょう。
オプションの追加や設備のグレードアップなどが必要になれば、結果として予算をオーバーする可能性もあります。坪単価が安いからといって、建築費が安くなるとは限りません。
価格面で後悔しないように、最終的な見積もり金額が提示された際に、金額の内訳を丁寧に確認しましょう。
営業マンの誠実さを確認する
ローコスト住宅とはいえ1,000万円近くも払うことになるので、中途半端な提案や無理な営業をおこなう営業マンは避けるべきです。迅速で正確な受け答えができるか、知識や経験が豊富かを確かめることが大切です。
もし、営業マンとの相性が良くないと感じる場合は、遠慮せずに担当者の変更を求めましょう。
営業マンは住宅会社の顔であり、言動1つで会社の考え方や品質が伝わります。少しでも違和感があれば、契約をするのは避けるべきです。
建築実績や実例を目で確かめる
工事現場に足を運んで、現場監督や大工さんの様子を見学してみます。丁寧な仕事ぶりや信頼感を感じられるかを確認しましょう。
ただし、頻繁に現場を訪れすぎると工事の邪魔になるので、適度な回数に抑えましょう。
また、住宅見学会に参加して実際の建築物を目で確かめてみるのもおすすめです。特に内装や設備が不安だったりこだわっていたりする方は、実際に見て確認することで、自分の希望が現実のものかが分かります。
住宅見学会では担当者に質問もできるので、費用や気になるポイントについて相談することができます。見学会が開催されていない場合は、ハウスメーカーの公式サイトに掲載されている実例の写真や動画をチェックしましょう。
自分の目で確かめた情報をもとに、信頼できるローコスト住宅を選びましょう。
建てた後の保証を確認する
ローコスト住宅を建てるときは、建てた後の保証期間にも注目しましょう。
新築住宅には、住宅品質確保促進法に基づき。10年間の保証が義務化されています。しかし、大切なのは10年目以降の保証内容です。ローコスト住宅の専門メーカーでは、法律で定められた最低期間の10年だけの保証期間を設けている場合がありますが、10年の保証期間は短いです。
保証期間が短いと、住宅にトラブルがあった際の自己負担が増えてしまう可能性があります。ローコスト住宅でも、タマホームでは60年、アイダ設計なら35年と長い期間(2023年7月時点)を対象としている住宅メーカーもあり、長く住んでも保証してもらえる可能性もあります。
思いがけないトラブルが起こっても、安心できる保証制度が整っているかを確認しましょう。
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